2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[607] 2007年09月24日(月)
「我輩の心が叫んでいる」

Nikonもようやく、フルサイズCCD(正確には「CMOS」だがここでは撮像素子という意味を込めて「CCD」と総称する)カメラが出ることになった。プロ向けの「Nikon D3」である。
デジタル一眼レフというのは35mm判の一眼レフカメラのシステムをベースに開発されたものであるから、CCDがフルサイズを目指すのは当然のことである(参考:雑文376「フルサイズCCD」)。

一時期、「Nikonはマウント径が小さいため、レンズ後端から出る光束が斜めにCCDに当たり画面端で光量が低下する。よってフルサイズ化は無理。」と言われていた。その説に説得力を与えたのは、Nikonが一向にフルサイズ機を出さなかったせいもある。

フルサイズ化に関してNikonがCanonに大幅に後れをとったのは、Nikon独自の完璧主義によるものであろうか。デジタル撮影を前提とした設計ではない旧いニッコールレンズでも使用可能となっている。この仕様にこだわったゆえに今までフルサイズを出さなかったのだと我輩は見る。Nikonらしいと言えばNikonらしい。

今回のフルサイズ機はプロスペックゆえに60万円の価格で、簡単に趣味人の手の届くシロモノではない。
この先、フルサイズはあくまでプロ向けに限定するのか、あるいはコストダウンを図り普及機にまで採用を計画しているのかは不透明。それは、企業戦略と他社(主にCanon)の動向に依るだろう。
ただ、APSサイズ専用のレンズとフルサイズ用のレンズをこの先両立する覚悟はあるのかは疑問である。何しろ、Nikonは何も考えてないんだから(参考:雑文236「何も考えてないんだから」)。

まあ、いずれにせよ我輩の愛用カメラであるNikon製デジタル一眼レフのラインナップにフルサイズ機が加わったのは、システムとして選択肢が増えるわけであるから正直言って嬉しい。時間はかかったとしても、今後是非とも普及機クラスにもフルサイズ化を望みたい。

それにしても、フルサイズ機ユーザーのウェブサイトを覗くと、魚眼レンズから始まる様々な交換レンズを駆使したバラエティ溢れる映像が目に飛び込んでくる。APSサイズCCDカメラユーザーとしてはとても羨ましく思う。こんなにレンズを楽しめるのは、まさにフルサイズならでは。

もちろん、APSサイズのカメラでもレンズラインナップは豊富にある。APS専用レンズも加えると、寧ろこちらのほうが多いくらいだ。しかもAPS専用レンズは小型で、カメラとの一体感がある。

しかしながら、「APSサイズは過渡期の製品である」とか「フィルム用にも使えるフルサイズ向けレンズのほうが無駄が無い」という意識が我輩の中に強くあるため、APSサイズのシステムを本気で拡充する気持ちにはどうしてもなれぬ。かといってフルサイズ用レンズをそのままAPSサイズカメラに流用すると画角的に使いづらい。特に広角レンズは。

こういう状況であるから、もしフルサイズ機が手に入れば、本気でデジタル一眼レフのシステムを完成させたいという衝動が湧くだろう。魚眼レンズから望遠レンズまで、どんな撮影にも適応出来るシステム。さぞかし楽しいだろうと想像する。



さて、我輩はごく最近、高価な買い物をした。カメラや写真の分野とは全く異なる物であるため詳しい話は省くが、"今回の「Nikon D3」も楽に買える金額"とだけ言っておく。もちろん我輩の小遣いから出せるわけがなく、ヘナチョコ妻にねだりにねだって家計から捻出した、いわば"最後の手段"みたいなものである。そんな取って置きの手段を、カメラ・写真のほうに使わなかったのはなぜだ? フルサイズ機導入も出来たはず。
その疑問は尤もである。

「Nikon D3」の発表が今回の買い物に間に合わなかった事情があったにせよ、フルサイズ機導入という目的で「Canon EOS 5D」(実売25万円)と交換レンズ一式(残り30〜40万円分)を買うという選択肢もあったはず。しかし我輩は、そこに金を注がなかった。

これまで我輩は、登山に、九州帰省に、時にはモデル撮影会に、大きく重い中判一眼レフカメラと各種交換レンズを背負い撮影してきた。12枚撮るごとにフィルム交換であるから、交換の手間を考えると撮影効率がすこぶる悪い。ズームレンズなど無いから、ちょっと画を変えるためだけに大きなレンズを交換せねばならぬ。これで露出が間違っていれば苦労は水の泡。

こんな時、デジタルカメラに全神経を集中して写真を撮り続けるユーザーのことを羨ましく思うことがある。もちろんこれは皮肉でも何でもない。我輩自身の心の迷いである。
もし我輩が、フルサイズCCDのデジタルカメラを導入し、交換レンズやアクセサリなどのシステムをこのカメラ中心に構築し、撮影行為の全てをデジタルに集中するとしたら、これほど楽なことはあるまい。
カメラやレンズは非常に小型軽量、ズームも高倍率、メモリの許す限り撮影が可能、AF/AEで撮影に集中出来、撮影結果がその場で確認可能、そして何より、多少失敗したとしてもパソコンレタッチで何とかなる。

これまで我輩は、雑文の中でデジタルカメラの悪い点ばかりを強調してきた。だが、普通に考えれば、デジタル一眼レフカメラを選ぶのは非常に合理的であり、理解出来ることである。

しかし、我輩はどうしても、デジタルカメラを本気で使うことは出来ないのだ。
今回、その理由は金が無いからではないというのはハッキリした。我輩の心が、身体が、デジタルではダメだと叫んでいる!

この先、どんな理屈に触れたとしても、その気持ちは絶対に変わらない。我輩の人生で銀塩写真に触れたのが運の尽きであったろうか。いや、そもそも、銀塩写真に触れなかったとしたら写真そのものに興味を持っていたろうか? 興味を持ったとしてもそこまで深く入れ込んだだろうか?

今後、安価にフルサイズ機が出てそれを導入したとしても、それはやはり、補助的な用途にとどまる。
その強い気持ちを、我輩は自分自身で感じた。