2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
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5.カメラ雑文
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11.その他企画

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カメラ雑文

[376] 2002年09月29日(日)
「フルサイズCCD」

ついにキヤノンから35mmフルサイズCCDのデジタル一眼レフカメラが発表された(この製品はCMOS採用だが、CCDとの書き分けが面倒なのでCMOSも含め勝手に"CCD"とまとめ書きさせてもらう)。
コンタックスのフルサイズデジタルカメラとは違い、既存のEFマウントを変更すること無くフルサイズ化を達成したのである。
これにより、デジタル一眼レフカメラは一つの到達点に達した。少なくともCCDサイズに関しては、これ以降の製品について陳腐化が起こらなくなる。

ハッキリ言うと、APSサイズなどという馴染みの無い中途半端なサイズは、デジタル一眼レフとしては発展途上と言う他無い。35mmフルサイズには無い決定的特長があれば別だが、それは全く無いのだ。35mmフルサイズのデジタルカメラを所有する者が、わざわざAPSサイズを欲してもう1台デジタルカメラを買わないだろう?
そんなもの、35mmフルサイズのトリミングで事足る。

もちろん、35mmフルサイズCCDについては周辺光量の問題(CCDセルへの入射角の問題)などが指摘されているようだが、それは35mmフルサイズ固有の問題ではなく、CCDというデバイスの技術的問題でしかない。技術が進めばそれは解決される。いや、解決されねばならない。そうでなければ、技術者など必要無い。
営業サイドからは当然ながら「35mmフルサイズCCDを開発しなければ他社に遅れをとる」と言われるだろう。我輩なら営業判断として絶対にそう言う。
もし技術者が「そんなのマウント変更しなけりゃ不可能ですよ。」と思ったとしても、それは技術者からは言えない。なぜなら、もしそんなことを言っておいて他社から出てしまえば、技術者はその責任を問われることになる。この競争の激しい分野において他社の後塵を拝すことになれば、もはや取り返しがつかないのだ。
「おまえ、この前出来ないって言ったろうがっ!じゃあなんで他社は出来たんだっ!」
営業も技術者も、次の就職先を探さねばならなくなる・・・。

だから、35mmフルサイズデジタル一眼レフカメラは必ず登場する運命と言える。
第二次大戦中のアメリカによる原爆開発のように、ドイツが開発する前に何としても開発せねばならないという強迫観念があった。出来るか出来ないかということよりも、やらねばならないという方向性があった。そしてそれは、誰にも止めることの出来ない流れであった。

そういう意味で、必ず登場する35mmフルサイズデジタルカメラではあったが、それがいつになるのか我輩には分からなかった。だからこそ我輩は、去年、APSサイズのD-30を購入する時にはかなり悩んだ。
24万円もの大金を投じてD-30を購入しようとも、その後に35mmフルサイズデジタルカメラが発売されれば陳腐化は即時的。画素数の問題ならば現状の用途を満たせば問題無かろうが、APSサイズのデジタルカメラは使いにくいのがハッキリしている。ファインダー像は小さく、画角も狭い。35mmフルサイズに比べて良い所など何も無い。
そのうち35mmフルサイズCCDの生産が安定すれば、売れなくなったAPSサイズのCCDの生産も減少する。そうなれば、いずれ35mmフルサイズのCCDのほうが割安となろう。
しかし、コンパクトカメラタイプが多勢を占めるデジタルカメラ界にあっては、APSサイズとは言え一眼レフであることは貴重だった。それ故、我輩は敢えてD-30を入手したのだ。

結局は、中途半端な存在としていつか忘れ去られるD-30。
銀塩カメラにも、過去には「OLYMPUS OM-101(マニュアル電動フォーカス機)」や「Nikon F-601M(AFモドキのMF機)」などという珍機が現れたものだった。D-30もこれらと同様に殿堂入りを果たすのか・・・?
だがそれも、安価に35mmフルサイズデジタルカメラが入手出来れば問題無い。心の余裕を以て許すことが出来よう。