2000/04/05
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表紙

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5.カメラ雑文
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カメラ雑文

[592] 2007年01月05日(金)
「時代は変わった」

先日、我輩のパソコン2台がマザーボードの劣化により機能しなくなるという話を書いた。(参考:雑文590「体内に抱えたガン」
それをきっかけとして、年末年始はパソコンのアップグレードやインストール作業に明け暮れることになった。

今さら言うことでもないが、パソコン関係の進歩というのは目まぐるしい。
マザーボードが劣化したからと言っても、簡単にそれだけを換えるわけにはいかない。なぜならば、CPUやメモリなどの規格が変わっているため、それら周辺部品も換えねばならない。

もちろん、今はネットオークションなどで昔のマザーボードも手に入るだろうが、部品劣化によって買い換えるわけであるから、同じく劣化の恐れがある古いマザーボードを手に入れても意味が無い。買うならば新しいほうが良い。
結局のところ、マザーボード、CPU、メモリ、ハードディスク、ビデオボード、電源装置を入れ替えることになった。ほとんどの部品が更新されたわけで、逆に言えば新しいパソコンを1台買ったようなものか。

その結果、処理速度が向上したこともあるが、ビデオカードをファンレスのものとし、ハードディスクも大容量300GBのものを導入して今まで2機あったものを1機に減らしたことにより、パソコンの稼動音もかなり抑えることが出来た。

またそれ以外にも、ビデオボードが2系統の出力を備えているものを選んだため、2つの液晶ディスプレイを使った広大な作業領域を確保することも出来た。メインのディスプレイはWSXGA+(1680x1050ドット/20.1インチ)とし、サブをSXGA(1280x1024ドット/19インチ)とした。
両方ともWSXGA+のディスプレイにしたかったが、予算の関係や、ビデオボードの性能限界のため、このような構成となったわけである。

それにしても、最近の液晶ディスプレイの性能向上と低価格化には驚かされる。
最初に導入したのはWSXGA+のほうで、こちらは半年前に買ったのだが、店頭で4万5千円となっていたのでほとんど衝動買いだった。グレアパネル(光沢)のため、店員は「写真用途にはお勧めではない」と言っていたが、店頭での見た目は明らかに黒が深く表現され美しかったので、反対を押し切って購入した。

確かにグレアパネルは光沢のため、シロウト目には鮮やかに見える。しかし光沢ゆえに周囲の景色が映り込むため作業しづらい面もある。しかも、シロウト目に鮮やかに見せるためだけの製品が多いようで、視野角の狭いTNパネルを使っていることが多いらしい。

ワイド液晶の場合、視野角の問題は重要である。なぜならば、ワイド液晶は左右に広いわけであるから、ディスプレイの右端と左端を見た時の角度が大きくなる。そうなると、視野角が狭いと明るさにムラがあったり、色が薄く見えたりする。

その点、我輩が購入したワイド液晶はMVAパネルで、視野角の問題はほぼ問題無い。
視野角のことならばIPSパネルのほうがさらに視野角が広いが、製品によっては白がギラつくものもあるようで、一概にIPSが良いということでも無いようだ。そもそもIPSパネルは価格が高過ぎる。
普通に使っている限りにおいては、MVAパネルのコントラストの高さもあって非常に美しく見える。

最初、この液晶ディスプレイをパソコンに接続した時、それまで使っていたソニーのトリニトロン管と比べてみたのだが、薄い色のグラデーションが飛んでいた。画像調整しても、それは変わらない。
「やはり液晶であるからこんなものか。」
しかしアナログD-Subで接続していたため、試しにデジタルDVI接続にしてみた。特に期待はせず、デジタル接続での動作確認程度の気持ちだった。アナログ接続であっても、ドットはキレイに表示されておりスムージングはかかっていない。そのため、デジタル接続する必要性は無いと思っていたのである。

ところが、デジタル接続した途端、画質は完全に変わった。先ほどの色飛びが無くなり、まさに、並べて横に置いたトリニトロン管と同じように表示されたのだ。微妙な色変化がよく見える。
さらに色調整をしたところ、見た目にはトリニトロン管と完璧に同じになった。いや、液晶のほうがドットがクリアな分、非常に鮮明に見える。

その日、我輩はトリニトロン管ディスプレイを部屋から追い出した。

それにしても、今どきの液晶ディスプレイというのは解像度が高く非常に情報量が多い。
それまで使っていたトリニトロン管は19インチだったが、XGA(1024x768ドット)表示が限界で、それ以上に解像度を上げると文字がボヤけて使いづらくなる。またリフレッシュレートの限界のためにチラつきも目立ってくる。

それと比較すると、この液晶ディスプレイはWSXGA+(1680x1050ドット)とかなりのもの。最近のデジタルカメラで撮影した画像も、それほど縮小せずに表示出来るのが嬉しい。やはり写真というものは、全体を見渡しながらも細かい部分も鑑賞したいもの。雑文559「スクロール鑑賞のすすめ」で書いたような苦労も多少和らぐように思う。

しかしそうは言っても、グラフィックソフトにはツールボックス等のウィンドウが幾つもあり、実質的な表示エリアは狭い。WSXGA+の画面を有効に利用するため、やはりサブ液晶は必要か。そこにツール関係のウィンドウを置き、メイン画面に写真を大きく表示させたい。

これにはビデオボードの対応も必要な為、今回のパソコン更新を待たねばならなかった。
そこで導入したディスプレイが、最初にも書いた19インチのSXGA(1280x1024ドット)である。こちらはMVAではなくVAパネルのものだが、それでもTNパネルと比べるとかなり違う(ヘナチョコ妻用として購入した同じメーカーのTNパネル液晶との比較)。ただしグレアパネルの選択肢があまり無かったため、ノングレアパネルとなってしまった。そのため多少のギラつきと黒の浅さを感ずるが、視野角はさすがに広い。これで2万5千円であるから良い時代になった。

現在、製品としてUWXGA(1920x1200ドット)の大きな液晶ディスプレイも存在することから、いつかはそのような液晶ディスプレイも導入してみたい。そして、それが叶った時には、さらに高解像度の液晶ディスプレイも登場していることだろう。こんなことは、従来のブラウン管方式のディスプレイでは考えらない。

ちなみに、メインの液晶ディスプレイは解像度が高いために文字が小さく見づらいため、文字情報の閲覧については専らサブのほうを使っている。
もういっそのこと、文字表示を諦め写真表示に徹したような、20インチで4000x3000ドットくらいの液晶ディスプレイを出してくれないかと思ったりする。もしそうなれば、デジタルカメラで撮った写真も、等倍で閲覧出来て都合が良い。

一昔前ならば、液晶ディスプレイにこのような期待を持たなかったのだが、時代は変わった。