2000/04/05
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表紙

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5.カメラ雑文
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カメラ雑文

[590] 2006年12月16日(土)
「体内に抱えたガン」

我輩の同期入社であるSの奥さんが先日亡くなった。42歳だった。
原因は胃ガンである。
早期発見であれば助かりそうなものだが、発見時にはもう手遅れだったのだろうか。
もしかしたら痛みなどの自覚症状があったのかも知れない。だが、痛みがあっても騙し騙し過ごしていれば、そのうち取り返しのつかないことになるのがガンの恐ろしいところだ。

−−−−−−

さて前回の雑文にも書いたが、我輩は10月より勤務地が変わり通勤時間が増えてしまった。そのため、平日のプライベートな時間が2時間少なくなった。
そういうこともあり、パソコンの作業も休日がメインとなる。この時期は年賀状の作成があるので、土曜日に入ればすぐに作業にとりかからねばならぬ。

ところで最近、我輩のメインパソコンの調子がおかしい。
時々、なぜかスクロールが止まらなくなることがある。そういう時は、リブートすると症状が収まるので、まあ何とか使い続けていた。

先週の土曜日の朝、パソコンのスイッチを入れた。
そして、この前撮った家族写真をスキャナにセットしようとしたその時、「AGPエラー、AGPエラー」と音声が鳴った。パソコンのマザーボードの機能「ドクターボイス」の警告音声である。

このエラーは、マザーボードを更新した時に1度経験した。その時の原因は、AGPスロットのグラフィックボードが完全に刺さっていなかったためだった。そのため、今回も簡単に解決出来ると思っていた。
「何かの拍子にAGPのボードが緩んだか?」
パソコン筐体のカバーを開け、グラフィックボードをグイッと押し込んだ。しかし、電源を入れると警告音声が相変わらず鳴り続ける。
しばらく色々とやったのだが、症状が全く解決しない。最終的には、増設ボードを全て取り外し、マザーボードも外してみた。

マザーボードは「AOpenのAX4G Pro」というものである。
何となくマザーボードの基盤を眺めていると、意外なものが目に入った。
「こ、これは・・・何だ??」
見ると、CPU回りに配置された2つの電解コンデンサが微妙に膨らんでいる。そればかりか、液漏れしたような跡が見られた。
「これが原因か・・・? いや、例えこれが起動失敗の原因でなくとも、このマザーボードを放置するわけにはいかぬ。」

右の2つの電解コンデンサのトップが盛り上がっているのが判る。防爆弁のため爆発することなく圧が抜けた様子。トップと基部に液漏れの跡があった。


以前、パソコンを使っている時、突然「パンッ!」と破裂音がして煙がモクモクと出たことがある。慌てて電源を切りパソコンのカバーを開けてみると、マザーボード上の電解コンデンサが爆発し、黒いススを撒き散らして四散していたのである。
その時の記憶が蘇った。

今回は、防爆弁(十字型の切れ込み)があるタイプの電解コンデンサのため爆発する前に圧が抜けたようだったが、それにしても見えないところでこういう状態になっていたというのは夢にも思わなかった。
そういう意味では、まさに、知らぬうちに体内で成長を続けるガンのようなものである。

このように、電解コンデンサの病気は、使用者が何も知らないその瞬間にも進行中なのである。もしかしたらこのメインマシンだけでなく、サブマシンやヘナチョコ妻のパソコンもそのような状態になっている可能性もある。

何か関連した情報は無いかとサブマシンを使ってインターネットを検索してみると、このような電解コンデンサ劣化は大きな問題となっており、様々なサイトで情報が公開されているのを知った。
それによれば、2000年前後に台湾で作られた粗悪電解コンデンサが大量にマザーボードに使われ、それが2002年ごろから徐々に液漏れや膨張などの症状を高い確率で現わし始めているとのこと。最悪の場合、漏れた電解液によって基盤が腐食し、ショートして発火することもあるようだ。
メーカー製パソコンであっても、コストを抑えるために台湾製電解コンデンサを使っていることもあり、その場合にはやはり同様な現象が確認されている。

電解コンデンサは電子機器には必ずと言っていいほど使われているだけに、その影響は計り知れない。
そもそも電解コンデンサ自体の品質だけでなく、何らかの理由で電解コンデンサに高い熱が加わったりすると、電解コンデンサの寿命が非常に短くなるという。

カメラ関係でも、例えばストロボに多くの電解コンデンサが使われていることは見たことがある。また、昔の電子シャッター式のカメラはコンデンサに貯めた電気量でシャッターの秒時制御を行なっていたことは知っている。
現代のカメラでも、重要な部分でコンデンサの寿命が全体の寿命を決めている可能性がある。

いや、このようなコンデンサの問題がパソコンに限られる話だとしても、今やパソコンは写真趣味に欠かせない道具となっている。そのことを考えると、使用後1〜2年で突然ガンを発症することになれば大きな問題と言えよう。タイミングが悪ければハードディスクのデータにアクセス出来ぬようになってしまい、大量の画像を一気に失うことも考えられる。

今この時点で問題無く使えているからというのは、何の安心材料にもならない。




(2006.12.17追記)
サブマシンのほうはどうかと心配になったため、筐体を開けてマザーボードを確認してみたところ、見事にやられていた。マザーボードはソケット478の「RIOWORKS SU45A」。
これで、メイン・サブ共にガンが見付かったことになる。過去のコンデンサ爆発から数えてこれで3例目となった。かなり高確率の発症と言えよう。
それにしても、サブマシンのほうはほとんど使った記憶が無いため、恐らく100時間も稼働していないだろう。それでもこの有様であるから呆れる。


まるで申し合わせたかのようにズラリと並んだ電解コンデンサが見事に泡を噴いている。注意して見ると、並んだ中で一つだけ変化の無いものがある。こちらのほうが不良品なのかも知れぬ。


(2008.01.29追記)
サブマシンのマザーボードの件、先日取り出してみたところ、1つだけ無事に見えたコンデンサが噴いていた。
マザーボードはパソコンケースから取り外して通電もしていなかったことから、取り外した時は恐らく噴く直前だったと思われる。