2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
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5.カメラ雑文
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カメラ雑文

[479] 2004年03月23日(火)
「大撮影会3」

撮影会にて撮影した写真は、使用に際して主催者やモデルプロダクションの許可が必要となるのが普通。趣味であろうとも、許可無く公の場に展示することは出来ない。
このような制約のため、「使い途の無い撮影会の写真など何のために撮るのだ」などという疑問の声も聞かれる。その疑問は尤もであり、我輩自身、その理由のため今回に至るまで撮影会から遠ざかっていたのである。
そうは言うものの、写真の用途を考えることなく女性の写真を撮ることは、別におかしなことでも無かろう。

我輩の職場の受付には花が飾られているが、それが例えば「空気を浄化する」とか「食用になる」などという用途を考えて飾られているわけではない。花は、飾って楽しむ、見て楽しむ。それ以上でもそれ以下でも無い。
撮影会の写真でも、得られた写真によって何かの用途を考えるということではなく、撮って楽しい、見て楽しいということになろう。副次的に撮影テクニック(※)も向上するという面もあるが、それはあくまで結果的に得られたものであり、最初からそれを目的として撮影会に臨むのはあまりに金がかかりすぎる。
(※ここで言う撮影テクニックとは、フィルム装填の速度やブレ防止などいわゆる技能面についてである)

そういうわけで我輩は、撮影会に関して思想的な能書きをたれるつもりは無い。


さて、最近の撮影会活動について触れるが、雑文467「大撮影会2(スタジオ編)」以降、3度ほど撮影会に参加した。
金銭的な負担に耐えられなくなったため、撮影会に参加しても1部あるいは2部での参加にとどめていた。それでも負担は大きいが、フィルム代・現像代もそれだけ減るため、参加費用以上の節約になる。逆に言えば、4部通しで参加すれば負担額も相当なものである。
ここで計算してみると、4部通しで参加した場合、参加費用\24,000、フィルム代(220サイズ20本)\19,656、現像代\16,800となり、合計\60,456である。
もしこれが1部のみの参加ならば、参加費用\7,000、フィルム代(220サイズ5本)\4,914、現像代\4,200となり、\16,114で済む。

もちろん、撮影会というのは金がかかるということは分かっていた。
だから当初の予定としては、短期決戦とし写真がそこそこ撮れれば戦線を離脱するつもりであった。
しかし実際にはなかなか上手く撮れないため、次の撮影会に賭けることになる。まさにギャンブルにハマる心理状態と言える。

そういうわけで、「今度こそ最後にしよう」と参加した撮影会が、2月29日の3〜4部であった。
当然ながら、H嬢を撮影するために行ったわけであるが、事前に見た参加モデル4人の中に、H嬢とは別に気になるモデルがいた。他の3人は茶髪であるのだが、そのモデルS嬢は黒髪で地味な雰囲気。しかしどうにも気になる。写真で見た限りでは、女優の本上まなみに似ているような気もする。また同時に、遊び人の友人M(参考:雑文451)にも似ている気がする。しかしながら友人Mは本上まなみには似ていないため、両者の中点に位置するのがS嬢なのかも知れない。

撮影会当日、H嬢と共に現れたS嬢は、想像していた姿そのままであった。
そこで、急遽予定を変更し、H嬢とS嬢を両方撮影することとした。しかしながら、スタジオでの撮影は2人ずつの交代で、H嬢とS嬢がペアとして同時に現れたため、どちらにも集中出来ずに中途半端となってしまった。まさに、「二兎追う者は一兎をも得ず」。
結局、この日の撮影会は消化不良状態に終わり、次の撮影会では黒髪S嬢に集中することに決めた。
最後の撮影会となるはずだったが、新たな幕切れとなってしまった。

S嬢が出る次の撮影会は3月13日。
集中して一気に撮影して心残りを無くし、今度こそ撮影会活動を休止しようと思っている。そのため、金はかかるが4部通しでの参加とする。金策のためニコン用300mmf2.8望遠レンズを売却する羽目になってしまった。これ以上深みにハマると本当に取り返しがつかない。

撮影会当日、朝から良い天気で最後の撮影会としては文句無し。
いつものようにフィルムを装填しながら皆の後に付いて行く。S嬢の周りには我輩を含めて5〜6人ほど集まり撮影を始めた。
S嬢は流し目が良く似合うため、我輩は当初から流し目をリクエストして撮影した。しかしそればかりではワンパターンになるため、結局は目線もらいの写真に落ち着いた。あまり流し目をリクエストして、スタジオで目線をもらえなくなっても困る。

測光にはニコンのデジタルカメラ「COOLPIX5400」を使用し、単体露出計は持参しなかった。前回は両方とも持って来ていたのだが、実際にはデジタルカメラしか使わなかったため、今回は単体露出計は必要無いと判断して持って来なかったのである。
ところがデジタルカメラのバッテリーが早々に切れた。どうやら充電が不十分だったらしい。仕方無くスペアバッテリーに交換した。更にもう1つバッテリーがあるはずだ・・・とカバンの中を探るが見付からない。
「しまった、残りの1つは充電器にセットしたまま自宅にあるのか!」
これには困った。今入れ換えたバッテリーが尽きれば、もう測光は出来ぬ。これが単3型電池ならば、ストロボ用やモータードライブ用として用意したスペア電池が使える。いや、それこそ昼休みにでもコンビニエンスストアで手に入れれば済む。このことは、雑文459「単3電池の重要性」にて書いたばかりであった。

専用バッテリーを使うデジタルカメラということで、用心して予備も含め3つのバッテリーを揃えたわけだが、持って来るのを忘れれば全く意味が無い。
この先、バッテリー1つで保つだろうか・・・。

それにしても、1部での野外撮影は意外にフィルムを消費した。しかしスタジオ撮影に入れば、モデル2人交代のため撮影者が集中することになり、撮影カット数も自ずと減ることになろう。

1部終了後、昼食のためスタジオ近くのバーミヤンへ行った。
ポケットには、ヘナチョコ妻が持たせてくれた焼き餃子割引券があった。撮影会の昼食のために、ヘナチョコがインターネットからプリントアウトした割引券だった。
心なしか、その焼き餃子は特別旨く感じた・・・。

さて、2部はいつものように始まった。
我輩はS嬢に集中するため、他の3人のモデルには一切レンズを向けなかった。
野外撮影では20人ほどの撮影者が4人のモデルに分散したのだが、スタジオでは交代で登場する2人のモデルに集まるため、なかなか割り込むのが難しい。目線もなかなかもらえないのだが、S嬢は順番にキッチリと目線を配るため、声をかけて自分だけ目線を横取りすることは許されない状況。カメラを構えてジッと待つしかない。

ところが、いざ目線が来ると、S嬢はポーズのタイミングが非常に早い。前回も何となくそう思ってはいたが、H嬢との間を行ったり来たりして撮影していたため撮影カットが少なく、それほど気にしなかった。
今回見ると、ほぼ1秒ごとのペースでポーズを変えている。シャッターを切るたびにパッ、パッ、パッとポーズが変わる。我輩の場合、MFの中判カメラのため(中判は被写界深度が浅い)、ポーズが少しでも変わるとピントは合わせ直さねばならぬ。その分撮影ペースが落ちる。
そのせいか、我輩に目線が来るとS嬢のテンポがとたんに遅くなる。我輩のシャッターを切るタイミングが遅いため、ファインダー越しに見るS嬢の表情が「?」という感じだった。そのため、ピントが合っていないと判っていながらも敢えてシャッターを切った場面もあった。S嬢のテンポを壊すと他の撮影者にも影響を与えかねない。
それでも集中力を高めて何度かトライしていると、ピント合わせの速度が追い付くようになってきた。ただし、本当にピントが合っているのかは、現像してみるまでは判らぬが・・・。

それにしてもこのS嬢、一度目線が来るとしばらく撮影させてくれるのには驚いた。
我輩の最大撮影枚数は220フィルムの24枚撮りであるのだが、1回の目線で24枚全て撮り切った場面もあった。秒間1コマのペースであるから、24秒間ずっと撮らせてくれたということか。ピントが手動であるため、その上手巻きとなればとても追い付くまい。
終いには、こちらが「も、もう勘弁してくれ・・・」と言いそうになるのだが、ペースにハマると抜け出せない。まるで二人三脚状態で、途中で抜けたくとも止まるタイミングが図りにくい。
しかしその分、目線の順番が回ってくるのが遅く、トータルでの撮影枚数は心配したほど多くない。

さて、3部に入ると陽も傾き、自然光を採り入れたスタジオ内も少し暗くなってきた。最初からライトは当てられているが雰囲気は多少変わる。そして露出も何度か測り直した。
ところがついにデジタルカメラのバッテリーが切れ、測光は不可能となってしまった。
せっかく4部通しで参加したというのに、これでは3部・4部の撮影が徒労に終わる・・・。
我輩はバッテリーを取り出し手で暖めた。これが普通の電池ならば暖めれば少し電力が回復するものだが、リチウムイオン電池は低温に強いだけに、暖めても効果は無かろう。暖めるという行為は、低温での性能低下を戻す意味があるため、暖めたとしても元々絶好調な性能がどうなるわけでも無い。
それでも我輩は、天に祈る気持ちで暖め続けた。
・・・しかし無駄な努力に終わった。

露出計が無い。どうすれば良いか?
考えた挙げ句、クリップオンストロボ(サンパック製)の外光式調光を利用することにした。これならば、ストロボくさい写真になるものの、少なくとも適正露出は得られる。
このストロボは本来、マニュアル設定により1/32光量で発光させ、定常光に隠し味を加える目的で持参していた。レフ代わりのストロボである。
そういう微妙なサジ加減を確認するのがデジタルカメラであるが、それが使えないとなれば仕方無い。
もっとも、ストロボ撮影はチャージ時間が必要なため、S嬢の秒間1コマの撮影ペースはかなりツライ。連続撮影ではたまにストロボが不発となる。

しかし、ストロボ一発では雰囲気が壊れるライティングのシーンが1つあったため、そこだけは休憩時間中にスタジオマンに露出を測ってもらった。出た目をそのまま使って良いのか迷ったが、とりあえずその値で撮影し、現像時に切り現をすることにした。
言うまでもないことだが、"切り現"とはフィルムの一部を切って現像し、その結果を見て残りの本番現像をする方法である。当然ながら数コマが犠牲となるため、あまり良い方法とは言えない。あくまで失敗を防ぐための緊急避難的措置である。少なくとも趣味で写真を撮る者が恒常的にやる行為ではない。

現像後、ルーペで確認すると、いつもながらにピンボケ写真が多い。視力の問題もそうだが、プリズムファインダーの倍率や焦点板が暗いのも原因ではないかと思う。
しかしながら最後の撮影会という気持ちで根性を入れたためか採用カット数は予想以上に多く、採用率は29.3パーセントにもなった。初期の採用率8.9パーセントに比べればかなりのもの。

ストロボ撮影も思ったほど悪くない。今回は「FUJI RDP3」を用いたのだが、驚くことに粒子が全く見えない。4,000dpiのスキャナで取り込んでも全く性能が足りぬ。40,000dpiくらい無ければ粒子は拾えない。
定常光ではそれなりに粒子が見えるため、ストロボ光との相性が良いのだろうか?
RDP3でこうなら、もっと粒子の細かい「FUJI ASTIA100」を使えばどうなるか気になる。
それは次の撮影会でテストするか。

・・・次の撮影会?