2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
 F3 (F3H)
 FM3A
 FM2
 FM
 FE2
 FE
 FA
 FG
 FM10
 FE10
 F4
 F-401X

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 AE-1P
 AE-1
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PENTAX
 K1000
 KX
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 MZ-5
 MZ-3
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OLYMPUS
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 OM-2000

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 S2

MINOLTA
 X-700
 XD

RICOH
 XR-7M II
 XR-8SUPER

カメラ雑文

[838] 2015年02月21日(土)
「E-M5 Mark2購入までの記録」


マイクロフォーサーズはミラーレスシステムゆえ、AF能力などまだまだ発展途上の面は多い。
それに、中心メーカーであるOLYMPUSがプロ向けとしての製品に徹しきれずアマチュアに媚びているところが危うい。最近のOLYMPUS製高級レンズが金属ローレットを採用しているのはその最たるもの。もし従来のゴム製ならば、寒い日でも扱えるし滑らない。衝撃を受けてもクッションになる。それに対して金属製の利点は思い付かない。

だが我輩は、マイクロフォーサーズの方向性はデジタルカメラとしては王道であると考えている。何しろ、ミラーレスシステムは我輩が要望したものであるからだ(参考:雑文554)。

かつてフィルムでの撮影が主流の時代、一眼レフカメラはレンジファインダーカメラには画質が及ばないと言われていた。バックフォーカスの短い広角レンズが使えず、余計な光学系を付け足して無理矢理バックフォーカスを延長することになり、画質を低下させるからだ。

その後、デジタル時代となってミラーレスカメラが登場すると、バックフォーカスの問題は消滅した。理屈上、イメージセンサー直前までレンズ後端が迫っても問題無い。余計な延長用光学系が不要で、画質向上に専念したレンズ設計が可能となった。
もちろんそれだけの要因ではないが、ミラーレスカメラを使うようになってから、開放絞りでも何ら問題無く撮影出来るようになったのは事実。デジタル一眼レフカメラを使っていた頃は、よほどの高性能レンズでも無い限り1〜2段絞らねば周辺画質が悪く使えなかった。

さて、我輩メインのデジタルカメラであるマイクロフォーサーズの「OLYMPUS OM-Dシリーズ」は、現在「E-M1」、「E-M5」、「E-M10」がリリースされており、我輩はこのうち「E-M1」と「E-M5」の2機種を所有している。
この2機種について、画質は完全に同じであることは雑文799でも書いた通りで、そのためこの2機種間の使い分けについて、画質を妥協して一方を選ぶというような問題は無い。

ただし、画質以外の機能面においては「E-M1」が全てを上回っているせいで、事実上は「E-M5」の出番はかなり減った。強いて言うならば、壊れても良いというような乱暴な撮影があれば「E-M5」を選ぶくらいである。しかしそれでも、雨濡れ程度ならば「E-M1」を使い、やはり「E-M5」の出番は少ない。

もちろん、最初から両機種が同じタイミングで発売されていれば「E-M1」のみを選んだろうが、まず2012年に「E-M5」が出て、そして翌年2013年に「E-M1」が出たので、結果的に買い足しとなり両方持つことになった。

出番が少ないカメラは売却して換金するのが良いかも知れないが、外観がかなりヤレているうえ、元々買取相場も高くない。それに、時間が経てば懐かしさで買い戻すこともあろうかと思うので、無理に手放す必要もあるまい。

●2014/11/08
そんな時、「E-M5」の後継機である「E-M5II」のウワサがヒョイと出てきた。ウワサの内容は、後継機のイメージセンサーについてのもの。イメージセンサーの刷新は無いそうだ。

もちろん、後継機の話はこれまでも何となく出てきたりしたが、言われなくとも想定の範囲内であるから、これまでは別段新情報だという捉え方はしていなかった。しかしここにきて具体的な情報を伴っているので、にわかに現実味を帯びてきた。
ただそれでも「E-M5」の後継ならば、「E-M1」を所有している我輩には関係あるまい。いくら新型であっても、わざわざ下のクラスのカメラを買う意味があろうか。画素数が増えているならばまだしも・・・。

我輩は以前から、マイクロフォーサーズの画素数の少なさには悩まされていた。
デジタル環境が整った現代では、写真をいちいち紙にプリントアウトする用途は消滅したが、その分、画面表示する機会は増えた。だがパソコンの大画面化が進んで1,000万画素レベルではトリミング耐性がほとんど無い。ベイヤー画質なので少し縮小して目を詰めたいのだが、そうなるともう画面ギリギリ。いずれ8Kディスプレイが普及すれば、1,000万画素クラスでは完全にサムネイル画質でしか無くなってしまう。
これは、かつて300万画素の「Canon EOS D30」で味わった実体験によるもので、杞憂でも何でも無く、必ず起こる問題である。2000年問題のように、「まだまだ先のこと」などと思っていると、必ずツケが回ってくるのだ。

●2014/12/04
ところが12月になって出てきたウワサによれば、「E-M5II」にはセンサーシフト合成により、1,600万画素のイメージセンサーでありながら4,000万画素の画像出力を得ることが可能だというではないか。
最初は眼中に無かった「E-M5」の後継機であったが、画素数が増えるのであれば話は別。

こういった情報リークはメーカーが意図して行うことがほとんどである。そうでなければ、企業として情報管理出来ていないということになり、コンプライアンス上ゆゆしき問題。もしこの情報リークが製品情報ではなく個人情報だったならば、企業の存続を左右する問題になることは、最近のベネッセ個人情報漏洩問題を見ても分かるだろう。
だから、こういう製品に関する情報リークは、企業による意図的な広報活動でしか有り得ない。つまり、情報の確度は高いとみた。

そこで今後、「E-M5II」の情報収集を始めることにした。

●2015/01/15
年が明けてから、ついに「E-M5II」の外観3D-CG画像が数点リークされた。
これまでは文字情報のみだったが、これでようやくイメージが掴める。そして、画像からは非常に多くの情報を読み取ることが出来るため、この時点で事実上の情報解禁とも言える。

<E-M5IIのCG画像のうちの1枚>
E-M5IIのCG画像のうちの1枚

これら数点の画像から分かったことは、背面モニタが上下だけでなく左右に動くタイプとなったこと、シンクロコネクタらしきものがあること、ファンクションレバーが追加されたこと、ファンクションボタンが数多くあること、電子ダイヤルの形状が変わったこと、ストロボが内蔵されないこと・・・等である。そして大変残念なことに、電源スイッチが「E-M1」と同じく左肩に移動してしまったということが判明。ここは改悪と言い切れる。

電源スイッチが左肩にあるのは、全体のデザインを見れば分かるように、機能性を無視した懐古的デザインによる弊害。だがそもそも、フィルム時代には厳密には電源スイッチは存在せず、単に露出計切り替えスイッチがあっただけだった。ところが「OM-D」では、それを電源スイッチに見立てたデザイン処理としてしまった。

まあともかく、今回新しく搭載されるというセンサーシフト合成とはどのような方式なのだろう? 普通に考えれば、ピクセル単位の微動であってもセンサーをシフトさせて複数枚撮影するためにはある程度の時間が必要になるであろうから、その場合には三脚が必要となる。それに、被写体のほうも全く動かないものでしかダメだろう。
だが、ある程度実用的に使える機能として搭載してくるのであれば、何らかの技術的解決が図られたと考えるべき。恐らくこの機能、手持ち撮影が可能なはず。

●2015/01/28
1月終わり頃になって、「E-M5II」の正式発表は2月5日であるというウワサが出た。
この日になれば、ウワサがウワサではなくなり、確定情報となるわけだ。あと1週間ほどで、センサーシフトの詳細が明らかになる。楽しみで仕方無い。

●2015/01/29
ところがその直後のウワサによれば、センサーシフト機能は三脚が必須であるという。我輩はこの情報には驚き、そして同時に落胆した。せっかくの小型システムであるマイクロフォーサーズで、しかも強力な5軸手ブレ補正機能を持つカメラなのに、三脚が必要とは・・・。
待てよ、ストロボ撮影はどうなる? ストロボの発光は数万分の1秒であるから、センサーシフトで複数枚撮るうちの最初の1回目しか露光しないことになる。まさかストロボではセンサーシフト機能は使えない?
ストロボ撮影は我輩の写真活動の胆であるから、何らかの技術解決が為されていることを期待し、ともかく2月5日の正式発表を待とう。

●2015/02/05
この日、公式発表はなかなか出なかった。
「本当にこの日に発表があるのだろうか?」と心配になった頃、ようやく発表となった。

それによれば、後継機の名称は「E-M5 Mark2」とのこと。
そしてセンサーシフト機能は「ハイレゾショット」という名称となっていた。やはり撮影には三脚が必要で、しかも1回の撮影につき2秒ほどかかるという。つまり、完全に静止した被写体でしか撮影出来ないということになる。
そういう状況で撮影出来ることは滅多に無いので、完全にオマケ機能ということになろう。完全静止物となれば室内スタジオでの静物撮影を思い浮かぶが、室内撮影ならばストロボ撮影になるわけだが、その点でハイレゾショットでの対応がどうなるのか分からない。

気になるのが、公式サイトでの「ハイレゾショット」の扱いが思っていたよりも小さいことだった。てっきり全面に打ち出すのかと思ったら、どこに書いてあるのかを探さねばならぬほど。
やはりオマケ機能というのは間違いない。

公式サイトには、屋外定常光でのハイレゾショットの作例が3枚出ていたのだが、思ったほどの鮮明さが無い。作例が少ないので、単純に作例が良くないせいなのかが分からない。新たな作例が出ることを期待したい。その結果によっては、「E-M5 Mark2」の購入を見合わせることも考えねばならなくなる。

とりあえず、公式発表として出た「E-M5 Mark2」の仕様表の中から、我輩が関心あるものをピックアップして「E-M1」と「E-M5」との比較表を作ってみた。
もしハイレゾショットの有効性が薄いとなれば、それ以外に「E-M5 Mark2」を購入する必要性があるかということを知るためである。

  E-M1 E-M5 E-M5 Mark2
X接点 X=1/320sec. X=1/250sec. X=1/250sec.
シンクロコネクタ
最高Tv値 1/8000sec. 1/4000sec. 1/8000sec.
5軸手ブレ補正 4段分 4段分 5段分
Wi-Fi
背面モニタ可動範囲 上下角のみ 上下角のみ 上下左右
背面モニタ 104万ドット 61万ドット 104万ドット
EVF 236万ドット 144万ドット 236万ドット
イメージセンサー 1,600万画素 1,600万画素 1,600万画素
(※改善品?)
AF能力 点光源苦手 点光源苦手 点光源苦手
C-AF若干対応 C-AF苦手 C-AF苦手
電源スイッチ位置
その他特長 ・グリップ付 ・準静音 ・ハイレゾショット
・静音(ストロボ不可)

まず現時点で分かっていることは、ハイレゾショットを使わない限り、出てくる画像は旧機種の「E-M5」と変わらないという点。となれば、よほどの機能向上が期待出来ねば新機種を購入する意味が見出せない。

上の表を見ると、多くの項目で「E-M5」から大きく進歩していることが分かる。
しかしながら、そのほとんどが「E-M1」に内包される。つまり、「E-M1」を所有していればわざわざ「E-M5 Mark2」を手に入れる必要は無いかも知れない。

「E-M1」には無い機能上の利点と言えば、背面モニタが上下だけでなく左右も傾けることが出来るようになったことと、能力向上した5軸手ブレ補正の2つ。
この2点だけで我輩の購入動機となり得るだろうか?

背面モニタについては、縦位置でのハイ・ローアングルが可能となるだろう。これまで大変苦労していたことなので、魅力的ではある。
それから、5軸手ブレ補正機能の強化についても、歩留り向上には有難い。何しろ、RAW現像前にまず削除するのが「ピンボケ」と「ブレ」のカット。「ブレ」には被写体ブレも含まれるが、やはり手ブレが少なくなれば歩留りは向上する。全ての手ブレが補正出来るとは思わぬが、これまでボーダーライン上にあった微ブレが救済されるならば価値がある。

取り急ぎ、オリンパスのオンラインショップにて購入予約を行った。
我輩は最近、オリンパスオンラインショップのプレミアム会員になったので割引率が少し大きいのだが、それでも本体とグリップで10万円なので少々大きな買い物。購入動機の決定打に少々欠ける気もしないでもないが、とりあえず予約を入れておき、気が変わればキャンセルすれば良し、気が変わらねばそのままで最短納期となる。

ボディの色は、「E-M5」の時と同様にブラックとシルバーが用意されているので少々迷った。「E-M5」の時はシルバーを選んだのだが、今回はブラックを選んだ。そのほうがガラス面への映り込みが目立たないだろうという運用上の決定。

支払い方法はクレジットカードなので、いつもの通り、金策は後でゆっくり考えよう。発売日は「2月下旬」としか書かれていないが、これまでパターンから推測すると、2月ギリギリ最後の金曜日ということで恐らく2月27日(金)と予想。考える時間はたっぷりある。

ハイレゾショットの作例は今後出てくるであろうから、その出来具合によって購入動機の決定打となり、迷いを払拭させることを願うばかり。

●2015/02/06
この日知ったのだが、プレミアム会員には、更なる割引きクーポンがあるという。よく見ると、確かにそういうクーポン番号があるではないか。それが適用されるのとされないのとでは7,000円くらい違ってくるので、前日に購入予約した分をいったんキャンセルし、改めてクーポンを適用して購入し直した。

●2015/02/13
この日、発売日が2月20日(金)であるという発表を目にして我が目を疑った。
これまでの経験上、2月27日(金)が発売日であると完全に思い込んでいたので、我輩の中で時間が一気に進んだ。なんと、あと1週間で現物が手に入るということになる。
オンラインショップのステータスも「出荷手続き中」となり、画面上ではキャンセル出来なくなっており(どうしてもキャンセルしたい場合は電話すれば出来るが)、いよいよ来るのかという気になる。

なお、ハイレゾショットの作例は外国から出てくるものの、今ひとつ撮影状況が分からないので、それが画質の上限なのかということが分からない。「もしかしたら我輩が気合いを入れて撮ればもっと高画質が得られるのでは?」という気もする。結局は購入して試す以外に確かめる方法は無いわけか。

●2015/02/14
想定していた納期が早まったということで、急遽、背面液晶パネルに貼るための「液晶保護シート」を買うことにした。
情報によれば、前機「E-M5」用のシートがサイズ的に合うとのこと。Kenko製をamazonで注文。

●2015/02/19
この日は発売日前日であるが、夕方17時過ぎになってオリンパスオンラインから発送通知がメールで来た。とっくに発送していたものと思って発送通知が来なくとも気にしていなかったのだが、この時間に発送メールが来ると、「夕方に発送で明日には届くのか?」と心配になる。

「まあ、発送自体は早めで、発送通知メールが遅かったんだろうな」と思い、帰宅してからクロネコ便の追跡サービスを見てみると、発送記録も夕方の時刻であった。なぜこんなに遅い? もちろん、ちゃんと届けば問題無いわけだが。
ちなみに神奈川県からの発送らしい。夜、厚木の集荷センターを通過とのこと。

<クロネコヤマト便のステータス>
クロネコヤマト便のステータス


●2015/02/20
「E-M5 Mark2」発売当日のこの日、我輩は休暇で自宅にいた。これは「E-M5 Mark2」の発売に合わせたわけではなく、業務的問題として、月末月初の事務処理繁忙期を避けると月の中旬あたりの金曜日になることが多いというだけの話。
しかしこの日を休めば、届いた「E-M5 Mark2」ですぐに撮影することが出来るわけで、職場でヤキモキしながら仕事するより良かろう。

午前中、外出の用意をし、撮影機材など一式をクルマに積み込んでおいた。こうしておけば、カメラが到着してそのまますぐ出発出来る。
ところが、昼過ぎになっても便が届かない。追跡サービスを見てみても、ステータスが昨日のままで変わっていない。段々不安になる。
「まさか、厚木で荷物が置きっぱなしではないか?」
しかしまあ、ステータスが変わらなくとも配達に回っていることも考えられる。ヘタすれば荷物を受け取った後にステータスが変わることもあるかも知れぬ。今回はそのパターンか。

しかし13時過ぎにステータスが「配達中」に変わった。
これはつまり、ステータス更新が遅れていたわけではなく、実際の配達そのものが遅かったということになる。この分なら、14時、あるいは15時くらいになるだろうか? まあいい、最近は少し陽が長くなってきたので、ギリギリ屋外撮影には間に合おう。

そんな状態で、近くでクルマの音がする度に耳をそばだてたりして、落ち着かない時間が過ぎて行く。
16時頃になってもまだ届かなかったので、いい加減神経が疲れてきて昼寝することとした。
しかし外出着のままなので寝づらい。熟睡出来ずウトウトしている状態で1時間が過ぎた頃、クルマの音がし、その後玄関で物音がしたので飛び起きた。しかしヘナチョコ妻が玄関から帰ってきただけだった。クルマの音は、隣人の帰宅が偶然重なったためである。なぜよりにもよってこんな時にこんな偶然が起こるんだ?

我輩はそのまま起きて自室のパソコンに座って何度も追跡サービスを更新したが、ステータスは変わらない。寝ている間に何か変わっているかと期待したわけだが、寝る前と全く何も変わっていなかった。
やがて19時になり、追跡サービスに載っているドライバーの携帯電話番号に電話してみた・・・が、ツーツー音で繋がらない。我輩は頭を抱えた。

まったく、オリンパスは配送のタイムラグを考えずに前日発送ならいつでもいいと考えているに違いない。もちろん、夜に届いても発売日に届いたことになるが、それなら町の量販店で買ったほうが早く手に入るじゃないか。
クロネコヤマトの営業時間は21時のようだから、この状況では最後の最後になってからようやく届くような予感がする。いやもう、そうなるよう仕組まれているのではないか?

結局、届いたのは19時半頃。
もしかしたら、話し中ではあったがドライバーに電話した履歴が伝わって配達の優先順位が上がったか? 電話しなかったら21時になっていたに違いない。

<届いたばかりのE-M5 Mark2>
届いたばかりのE-M5 Mark2

早速、届いた「E-M5 Mark2」のモードダイヤルを色分け着色し、液晶保護シートを背面パネルに貼り付けた。モードダイヤルは「E-M1」と同じように見えたが、なぜか着色がなかなか上手く出来ない。白塗装の仕様が変わったのか? とことんオリンパスに妨害されているように思えて腹が立つ。

もう屋外撮影は出来ないので、交換レンズ12-40mmF2.8を装着して外観撮影することとした。レンズは1年使っているので外観が傷だらけで写真映えしない。特に金属ローレットに小さな傷が無数にあるので目立つ。だからここでは、拡大表示しない画像掲載とした。大きく掲載する場合には写真のスポッティング補修が必要か。

<E-M5 Mark2外観撮影>
E-M5 Mark2外観撮影

ちなみに、レンズを外して少し離した写真は、「Canon AE-1P」のカタログのオマージュである。

<「Canon AE-1P」のカタログのオマージュ>
「Canon AE-1P」のカタログのオマージュ

●2015/02/21
入手から一夜明けたこの日、早速の試し撮りとしたい。
通常の撮影でのクオリティはこれまでの機種と全く変わらないであろうから、ハイレゾショットの試し撮りを重点的に行うこととする。
ハイレゾショットは三脚での撮影を推奨されているので、そうなると撮影場所を選ぶ。往来のある場所では無理がある。だからここは敢えてポールスタンドを使い、そのような方法でハイレゾショットが可能かどうかを検証したい。カメラを直接指でレリーズすると揺れるだろうから、リモコンレリーズを使ってみる。

ところが困ったことに、行くあてがどこにも無い。
この季節、我輩の主な被写体である花は咲いていない。しょせんはテスト撮影なので、あまり遠くに出掛けたくもない。いつもなら近くの動物園に行くところだが、ハイレゾショットは動き物は撮れないので今回は不適。

地図を見ながら考えていると時間がどんどん過ぎて行くので、とりあえずクルマで出掛けて手近な自然公園まで来た。
クルマを降りて歩いてみたが、やはり枯れ枝・枯草ばかりで撮るものが無い。

かろうじて梅の花が咲いていたので撮ろうとしたが、こういう撮影は日中シンクロしないと花が暗く沈む。
ポールスタンドを伸ばして花をファインダー内に捉えてシャッターを切ったが、花は暗く写った。
「おかしいな、ストロボ光量が足りなかったか?」
そう思って発光出力を上げたが変化無し。

そこで気付いた。
ハイレゾショットはセンサーシフトで8枚連続撮影をするが、その時のシャッターはフォーカルプレンシャッターではなくセンサーシャッター(※)なので信号の転送スピードがネックとなりシンクロスピードが1/20秒が上限となる。
(※最近はメーカーでも"電子シャッター"と誤用するケースが多い->参考:雑文798

見れば、その時のシャッタースピードが1/200秒。確かにこれではストロボ光が反映されないはずだった。曇天だからと油断していたが、意外に明るいようだ。
そう思ってシャッタースピードを遅くすべく絞り値を大きくしていったのだが、すぐに行き止まった。
「しまった、ハイレゾショットはF8までしか絞れなかったな・・・。」

ハイレゾショットは細かい部分の描写が肝であるため、絞り過ぎによる回折ボケを回避するためにF8以上の絞りは選べないというセーフガードが付いているのだ。
こういう場合はNDフィルタを使うしかないわけだが、そうするとストロボ光も減じてしまい、よほどの大光量ストロボでなければ日中シンクロが成立しない。
結局、この撮影での日中シンクロは諦めざるを得なかった。

仕方無いので他の場所を色々と探し回ったり、他の公園にまで移ったりしたところ、木々に囲まれて薄暗い場所に湧水があったので、そこで日中シンクロを試すとした。
ここならば、1/20秒でF8での撮影が可能である。

ハイレゾショットのストロボ撮影では、センサーシフトごとに露光が行われるので、8回ストロボが発光することになる。
定常光での撮影では素早く8回露光されるのだが、ストロボ撮影となればストロボチャージが完了するまでの待ち時間を設定しておかねば、ストロボが連続発光についてこれなくなる。 今回、安全をみて2秒間隔とした。

シャッターレリーズを行うと、確かに、2秒間隔でストロボが8回光った。
単純計算で2秒x8回=16秒もの撮影時間となる。
もちろん、シャッタースピードそのものは1/20秒であって長時間露光ではない。またストロボの8回発光についても、8枚のショットを合成するためのものであり、単純な多重発光撮影のように露光量が蓄積して明るくなり過ぎることは無い。

<ストロボ8回発光によるハイレゾショット>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
ストロボ8回発光によるハイレゾショット

さて、ハイレゾショットで撮ったRAWデータは、現時点ではOLYMPUS純正のRAW現像ソフトでは取り扱えない状況。我輩が使っているRAW現像ソフト「SILKYPIX Pro6」も同様。現時点でハイレゾショットの画像を利用するには、カメラ生成のJPEGを利用する以外に無い。
OLYMPUSのアナウンスによれば純正現像ソフトは今年中に何とか対応するとのことだが、その言い方では年末までかかりそうにも聞こえる。そんなに時間がかかるものなのか?

ところが新たな情報が入ってきた。ハイレゾで撮ったRAWデータの現像が可能なPhotoshop用プラグインがダウンロード可能となっているという。
試しにダウンロードして使ってみたところ、確かにハイレゾ画像が現像出来た。そして生成された画像は6,400万画素相当となっている。カメラ生成したJPEG画像の4,000万画素よりも大きいが、画質としては4,000万画素画像をそのまま拡大したようなもので、画素数に見合った情報量は無い様子。

しかしRAW現像の利点は、色々と調整が利くという点である。しかしPhotoshopプラグインでは、当然ながらいつも使っているソフトとはインターフェイスが異なる。
いつも使っている調整項目が無いので、狙った調子に合わせることが出来ない。慣れているソフトならば「こうすればこうなる」という予測がつくので試行錯誤しなくとも済むが、慣れていないソフトではそうもいかず時間もかかる。

そもそもこのプラグインはハイレゾショットではない通常の1,600万画素撮影のRAWデータは現像出来ないという代物。ハイレゾ撮影のRAWデータと、通常撮影のRAWデータは、現像ソフトを使い分けねばならないことになる。これは使いづらい。
ならば、Photoshopプラグインのほうは一時使用という位置付けとするしかあるまい。そんな特殊なソフトのために時間をかけて操作に慣れて習熟しても報われないだろう。

●2015/02/22
12-40mmレンズの傷が目立たないライティングで撮ることが出来たので拡大表示画像も掲載する。

<E-M1と並べた状態>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
E-M1と並べた状態

●2015/02/24
平日は試し撮りの機会があまり無いので、通勤の行き帰りでスナップ撮影に使うこととした。スナップとは言っても、ありがちなアートを狙ったものではなく、単純なる道記録としての画像採集。わざわざ立ち止まって構えて撮るものではなく、歩きながら腰だめノーファインダーで撮っていく。

実はここ半年ほど、片道2時間もの通勤を少しでも変化を付けて気晴らしとするため、職場と最寄駅までの間を色々なルートで歩いている。細い路地に入ると、思わぬ光景に出合ってスナップを撮りたくなることも多い。

しかし朝夕、しかもこの寒い季節では暗い時間帯であることが多く、歩行中の撮影では手ブレ補正機能が無ければブレが防げない。これまで5軸手ブレ補正搭載の「初代E-M5」、「E-P5」、「E-M1」をスナップに使ってきたが、ここで「E-M5 Mark2」を使って手ブレ補正能力を試してみたい。

「E-M5 Mark2」は、さすがにマイクロフォーサーズ機だけあって、外付けグリップを外してパンケーキレンズ「Panasonic 14mm F2.5」だけを装着すれば、手のひらに隠れる。

<手のひらに包んで歩行スナップ>
手のひらに包んで歩行スナップ

ただし撮影時は、いかに小型と言えども一眼レフライクな外観が目立つので、人目があるところで無暗に撮るのは怪しさがあろう。あくまでも撮影しない時は手のひらに隠しておき、人目が無くなった時にサッと出してシャッターを切るような使い方となる。

片手で撮れる軽快さは良いが、メインスイッチの位置が左側にあるので、結局はスイッチON/OFF時には両手が必要になる。こういうデザインを"片手落ち"と言う(お粗末なダジャレ)。

さてこの「E-M5 Mark2」、普通に構えて撮影する時は気付かなかったが、カメラ本体を手に包んでシャッターを切ると、まるでMF一眼レフカメラのクイックリターンミラー動作のような心地良いバネ的感触が伝わってくる(※)。最初は何だろうかと思ったが、このカメラのシャッターユニットはスプリング保持されてショックを吸収しているということなので、その影響なのだろうか。

撮影は歩きながらのため、ほとんどのカットでブレが認められる。これはもちろん承知の上。特に帰宅時の夜間では、ISO200の条件では光が流れて写ることが多い。
しかしそれでも、わずかなカットでは5軸手ブレ補正に助けられ、ピタリと補正された画像が得られる。それを狙うのだ。
ただ、これまで別のカメラで同様な撮影を続けてきた経験から言えば、「E-M5 Mark2」の歩留りは明らかに良い。

<歩きながらの1/6秒>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
歩きながらの1/6秒

さすがに1/2秒などというスローシャッターでは歩行時の上下動が補正しきれないようだが、それでも限界まで食い付こうとしているのが分かる。
下の作例写真では、ブレ補正機能が途中までは踏ん張ったものの、補正限界まで来たのでいったんイメージセンサーの位置を戻して再び補正している様子が写っている。

<歩きながらの1/2秒スローシャッター>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
歩きながらの1/2秒スローシャッター

ただし、AF性能はこれまでと全く変わらず、帰り道の夜景では点光源に惑わされてピンボケ写真となる。
これは以前にも書いたが、通常であればピンボケでシャッターが切れることは無いわけだが、なぜか点光源ではピントがボケた状態で合焦OKサインが出てシャッターが切れてしまうのだ。この現象は、点光源がボケると円が大きくなり、円のエッジがクッキリしているのでピントが合っていると誤認するためではなかろうか。もしそうならば、これはコントラスト式AF特有の問題と言える。

<この状態で合焦OKが出てシャッターが切れる> ※トリミング
この状態で合焦OKが出てシャッターが切れる

こういう場合、AFエリアを狭めると歩留りが上がる。
当初、スナップ撮影は腰だめによるノーファインダーのため、AFエリアが広いほうが良いかと思ったが、そうなると点光源がAFエリアに入る確率が上がってしまう。しかしピンポイントAFエリアならば点光源がAFエリアにかかる確率を下げられる。もちろん、狭いAFエリアでは広く網を張れないのでピントが合わないことも多いわけだが、ピントが合わなければシャッターも切れず、その場合は少し横に振ってシャッターが切れるまで再測距すれば済む。

●2015/02/25
「E-M5 Mark2」で撮影したRAWデータは、ハイレゾショットだけでなく通常撮影のRAWデータも我輩が使っているRAW現像ソフト「SILKYPIX Pro6」では対応していない。
このRAW現像ソフト、いつもならば新カメラが発売されてから1週間程度で対応するのだが、今回はまだ更新情報が出ない。もしかしたら、ハイレゾショットで撮ったRAWへの対応に時間がかかるので通常現像機能も待たされているのか、あるいは最初から対応しないのか分からない。
事実、特殊な処理を必要とするSIGMAのフォベオン機は、発売から年月が経つものの「SILKYPIX」では全く対応する気配が無い(初期のフォベオン機には対応している)。

それでも、いつ対応するかの情報が見付からないかとウェブ検索してみると、フリーソフト「RawTherapee」で通常撮影のRAWデータが現像可能という情報に行き当たった。 早速ダウンロードして使ってみたところ、確かに現像可能だった。ただやはり、インターフェイスに慣れていないので使いづらく、なかなか狙った画像に仕上がらない。

●2015/02/28
バイナリエディタを使って「E-M5 Mark2」のRAWファイルのヘッダ情報を書き換えると、一般的なRAW現像ソフトで開くことが出来るという情報をウェブ上で得た。そう言えば「初代E-M5」でも同じような処置をした記憶がある。

早速、バイナリエディタで「E-M5MarkII」という記述のうち「MarkII」を空白に置き換えてみると、確かに「SILKYPIX」で開くことが出来た。とは言うものの、これで本来のクオリティが出せているという確証は無い。だから、後日正式な対応が為された時には、念のために再調整&再現像せねばなるまい。
そういう後の手間を考えると、現段階では無暗に現像処理を進めることも出来ない。あくまでも一時利用やウェブ掲載用に一部のみ現像するに止めることとし、「SILKYPIX」が対応するまでひたすら待つしかない。

●2015/03/03
通勤時は必ず「E-M5 Mark2」を手にしてパシャパシャ適当に撮っている。歩行中の手ブレ補正は上出来だが、いかんせん起動時間が非常に長い。
色々と設定を変えて使っているうち、低振動モード(先幕のみセンサーシャッターが"開"となるモード)に設定している時に限って起動が遅いことが分かった。これが低振動モードではなく通常モードならば、スイッチを入れた瞬間にシャッターボタンを全押しすればすぐさまシャッターが切れる。

しかし手ブレ防止の観点から言えば、5軸手ブレ補正だけでなく低振動モードを併用するほうが歩留りが上がるように感ずる。もちろん5軸手ブレ補正だけでもかなり手ブレを防いでくれるが、手ブレするかどうかのボーダーラインにあるギリギリの条件が上がることを期待しているので、低振動モードは切りたくない。起動の遅さは運用で何とかカバーすることとしよう。

クオリティにこだわる我輩らしい選択だが、この日、路上でふと猫と目が合った。とっさに走り去る猫に素早くカメラを向けたが、シャッターがなかなか切れず猫の姿を逃してしまった。無念・・・。

<低振動モードのために逃した猫>
低振動モードのために逃した猫

やはり、昼間のスナップは低振動モードを解除しておくべきか。

●2015/03/15
最近、初春の花が咲き始めたので、「E-M5 Mark2」を持って植物園に行くようになった。
我輩の撮影スタイルはストロボを主光とした日中シンクロなので、雨が降ったり止んだりのこの日が最適な撮影日和となる。

しかし最近、このカメラの特長であるハイレゾショットを使っていないことに気付いた。ハイレゾショットを撮るにはカメラが動かぬよう三脚などが必要になるせいだ。
そこでこの日、三脚を持って植物園に出掛けた。
植物園によっては三脚の使用が禁じられているところもあるが、我輩が行った所は他の入場者も滅多に見ないような寂れた小植物園。その心配は無い。

早速三脚にカメラをセットし、ストロボを使ったハイレゾショットを撮ろうとしたところ、シンクロスピード上限が1/20秒であることを思い出した。慌てて1/20秒にセットしたところ、露光オーバーとなるではないか。そう言えば、ハイレゾショットではF8以上絞れなかった。

結局、この日は曇天の暗さにも関わらず、1枚もハイレゾショットを撮ることは出来なかった・・・。

●2015/03/16
毎日毎日、「E-M5 Mark2」で撮った写真が増えていくが、いまだ「SILKYPIX」が対応しないので未処理のRAWデータが溜まる一方。このカメラの発売から間もなく1ヶ月経つが、ハイレゾ対応で時間がかかっているのであれば、それは後回しにしてとりあえず通常画像の対応だけやってもらいたい。

もちろん急ぎ利用のものはバイナリエディタでRAWデータのヘッダ情報を書き換えて騙し現像を行なうが、大量のファイルはさすがに作業量が多くなるので放置状態。
ヘッダ情報で引っかかるだけの制限ならば、今すぐに対応してもらいたい。

なお、「SILKYPIX」対応を以て、この雑文の追記更新を締めることとしたい。

●2015/03/19
本日、ようやく「SILKYPIX」でのRAWデータ対応アナウンスのメールが来た。
「おお、ハイレゾショットは後回しでも良いという我輩の要望が通じたか」と思ったら、「ハイレゾショットに対応」とあるではないか。さすがにこれには驚いた。

何しろ、OLYMPUS純正の現像ソフトが「ハイレゾショットに対応するのは年内」という予告があり、そういう言い方をするということは、年末までかかるという意味に取れる。それほどソフト開発に時間がかかるということは、ハイレゾショットのRAWの取扱いはかなり面倒なのだろうと思わせた。だから非純正の「SILKYPIX」がこのタイミングでハイレゾショットRAWを取り扱えるというのは意外だった。
純正ソフトのほうは、単にヤル気が無いということか、あるいはハイレゾRAWのポテンシャルを限界まで引き出す秘策があるため時間がかかるのか。

それはともかく、「SILKYPIX」の対応版をダウンロードして試してみると、確かにハイレゾショットの画像も取り扱えるようになった。現像後の画像サイズもカメラ生成JPEGの4,000万画素よりも大きい6,400万画素。

ちなみにハイレゾショットを扱っても「SILKYPIX」の動作が重くなることはなかった。確かにサムネイル一覧表示では重くなっているものの、画像を開いて編集する時の動作はスムーズである。
今後、溜まりに溜まったRAWデータを処理することとする。

以上、今回の「SILKYPIX」対応を以て、この雑文の追記更新を締める。