2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[825] 2014年09月21日(日)
「2014年夏の帰省日記(4日目)」


●8月12日(4日目)
帰省の少し前に、我輩の母親の提案で「からだのひみつ大冒険2014」と「猫展」の2つの催し物に行くことになっていた。
「からだのひみつ」のほうは前売り券が出ているのでそれを買えば少し安くなるとのこと。母親が買ってくれるそうだが、確認すると前売券でも大人1人1,200円。当日券だと1,400円もするらしいので、展示もかなり本格的なものではないかと期待させる。

地方の催しだからと言ってバカにしてはいけない。
去年年末に行った「きゃりーぱみゅぱみゅーじあむ」(参考:雑文810)の例もあるし、毎年行われる夏祭り「わっしょい百万夏祭り」は、北九州市民を挙げての一大イベントである。また、昔などは「ふくおか'82大博覧会(1982年)」と「アジア太平洋博覧会〜よかトピア〜(1989年)」いうものが福岡市で開催されて大盛況だった。
もちろん、祭りや博覧会は規模が大き過ぎる例ではあるが、地方だからダメだということではないという意味では、例として適当であろう。

さて、「からだのひみつ」と「猫展」はいつ行こうか。
小倉駅近くの展示なので、最終日の8月14日ならばムダが無い。展示を見た後、そのまま新幹線に乗って行ける。
しかしながら、祖母に会う日が最終日と決まってしまったので、他の日にするしか無い。

ただ、これらの展示を見るのに丸一日費やすことはなかろう。そうなるともう一つのスケジュールを組み合わせたい。
そこで、午前中は家族に部屋でゆっくり過ごしてもらい、その間に我輩はカルスト地形の平尾台へ行く。そして午後に家族と合流し、展示を見に行く。
ちょうど、この日は天気が良かったので、これから平尾台に行こうか。となれば、展示会はこの日ということになる。

我輩は1人、9時頃にアパートを出て駐車場に向かう。
駐車場はコインパーキングなのだが、少々離れており、アパートのエレベータ待ち時間や交差点の信号待ちなどを含めると、5〜10分くらいはかかる。だから忘れ物をして取りに帰ることの無いよう、撮影機材をチェックし、そしてポータブルナビのシガーソケットアダプタも準備した。
ところが今度はホルダー(クレードル)を忘れてしまった。ホルダーが無ければ今回もダッシュボードに固定出来ない。幸い、シガーソケットアダプタは本体へ直接接続出来るので、電源を繋いだ状態で助手席に転がしておいた。音声案内があれば画面は見なくとも良かろう。

「トヨタ・アクア」の運転にはだいぶ慣れてきた。ただ、急発進気味にしないとスピードが乗らないのはどうしてだろう。モーターのアシストによって、エンジンが小さくともそれほど回さずとも走ると思ったが。耳を澄ますと、かすかに軽自動車的な安っぽい唸り音が聞こえる。

平尾台への到着は10時前。 吹上峠の駐車場にクルマを停めた。
見ると大平山の斜面では、雑草伐採して道を切り開いている最中。伐採機のエンジン音が風に載って聞こえる。見れば、山全体が夏草に覆われていた。おかしいな、今までこんなに草が茂っていることは無かったが。

<大平山>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
大平山
OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mmF2.8/ISO200/F7.1/1/400sec. [2014/08/12 09:59]

以前聞いた話では、平尾台では野焼きをしているという。そのおかげで夏場でも草に悩まされること無く探検出来たのだが、なぜこの時期に深い草に覆われているのだろうか。その上でわざわざ手間を掛けて伐採機を使っているのも解せない。

とりあえず、下界の町が見渡せる斜面に登って写真を撮った。
山々の間に集落が見える。このような場面でFoveon機「SIGMA DP2 Merrill」を使わずしてどうする。後日、画面の隅々まで細かく眺めたい。

<Foveon機で撮った、平尾台からの眺め>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
Foveon機で撮った、平尾台からの眺め
SIGMA DP2 Merrill/ISO100/F6.3/1/250sec. [2014/08/12 09:53]

そこから更に山の斜面を登りたかったが、上のほうは「立ち入り禁止」の看板がある。と言うのも、この山の頂上は石灰岩を採掘する露天掘りの鉱山であるからだ。

<頂上は立入禁止>
頂上は立入禁止
OLYMPUS OM-D E-M1/7-14mmF4.0/ISO200/F4.0/1/1600sec. [2014/08/11 09:57]

だから再び斜面を降り、今度は夏草伐採中の大平山の方へ移動。途中、伐採チームの脇を挨拶して通った。
伐採チームの脇を通って先を行くということは、つまり夏草の生い茂る場所に入るということである。草をかき分けて進むと、ズボンの裾がたちまち汚れた。巷で流行っているような短パン姿であったならば、スリ傷だらけになっていたろう。アウトドア行動の可能性が少しでもあるならば、短パン及びサンダル履きは禁忌と心得たい。

<草深い山の斜面>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
草深い山の斜面
OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mmF2.8/ISO200/F11/1/250sec. [2014/08/12 10:11]

それにしても草が深くて、小さな石灰岩などは隠れて見えない。これには参った。以前見た石灰岩が時間の経過でどれくらい変化したのかを見比べてみたかったのだが、どこに石灰岩が隠れているのやら。

この日も例年に比べてそれほど暑くはなかったものの、山登りの運動で汗がダラダラ流れてくるのでタオルで拭きながら登った。
そして大平山頂上と思われる地点まで到達したところ、実はそこはまだ頂上ではなく、その先に本当の頂上が見えた。
このパターン、何だか以前にも体験したような気もする・・・。
我輩は脱力し、時間も無いことであるし、もうこのまま引き返すことにした。

振り返ると、大平山からの眺めが広がった。ここでも「SIGMA DP2 Merrill」で撮影。等倍拡大しても像がボケずにクッキリ見えるのが素晴らしい。

<Foveon機で撮った、大平山からの眺め>
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Foveon機で撮った、大平山からの眺め
SIGMA DP2 Merrill/ISO100/F7.1/1/320sec. [2014/08/12 10:27]

クルマに戻ると11時前。今度は茶ヶ床園地へ向かうことにした。あそこならば多少夏草に覆われても大きな石灰岩がゴロゴロしているので観察には良かろう。
細い道を抜け、茶ヶ床園地の駐車場に停車。

<茶ヶ床園地駐車場>
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茶ヶ床園地駐車場
OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mmF2.8/ISO100/F6.3/1/400sec. [2014/08/12 10:58]

大ドリーネに向かう細い道を歩き、石灰岩とユリやキキョウの花を撮ったりした。ここも夏草が生い茂って苦労する。写真のタイトルは、さしずめ「夏草に埋もれた花」というところか。それにしても草が深過ぎてストロボ光を遮るので、ストロボ直置きでのラジオシンクロ撮影が難しい。
汗をかきながら歩き回ったにも関わらず大した成果も無く、クルマへ戻った。
車内がかなり暑くなっていたのでドアを開けた状態で小休止。汗を拭きながら、今度は別の道に行って撮影しようと考えた。

それにしても喉が渇く。この駐車場付近には自動販売機などは見当たらない。撮影を終えてからにしようかと思ったが、喉の渇きが我慢出来ず、クルマで細い道を戻って平尾台自然観察センター近くの自動販売機でコーラを買って飲んだ。
そして再び細い道を通って茶ヶ床園地に向かったところ、途中、1台のミニバンが脱輪して立ち往生していた。我輩が10分前にこの道を通った時には何も無かったので、脱輪して数分程度ということになる。恐らく、細い道のすれ違いで端に寄せ過ぎたか。
運転者は外に出て携帯電話で話をしている。きっとJAFなどのロードサービスに連絡を入れているに違いない。申し訳無いが我輩が手を出せる状況ではないので、そのまま脇を通り過ぎた。

再び同じ場所にクルマを停め、今度はクルマの通れるような開けた道をコーラを飲みながら歩いた。ここは一般車は立ち入り禁止のよう。

<一般車立ち入り禁止の道>
一般車立ち入り禁止の道
OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mmF2.8/ISO200/F7.1/1/500sec. [2014/08/11 11:53]

ここでは、様々な石灰岩を見ることが出来た。それらは雨水によって浸食された跡がありありと造形され、一種の芸術作品とも言えるだろう。
このような形を通して自然の動きを垣間見る。石そのものが動いているわけではないが、そこには自然法則が深くかかわっており、それが形として現れている。緻密な計算が可能ならば、コンピュータによるシミュレートにより、これら石灰岩の形状が完全に再現出来るはず。逆に言えば、自然(自然法則)というのは高性能で普遍的なコンピュータとも言える。
だからこそ、石灰岩というのは興味深く、そして撮るのが面白い。

<この形状は自然法則が具現化したもの>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
この形状は自然法則が具現化したもの
OLYMPUS OM-D E-M1/7-14mmF4.0/ISO200/F14/1/400sec. [2014/08/12 12:21]

ところで写真撮影については、通常はこういった浸食の凹凸はステレオ写真でなければ上手くは写せない。自然光下での撮影では、自分のイメージする陰影が出るとは限らないからだ。もしやろうとすれば、この場所に何度も通いつめて最適な光を捕まえねばならぬ。
しかし我輩にはそんな時間的余裕は無く、今回は積極的ライティングで陰影表現することとした。そのための強力な武器として、ラジオシンクロユニットがある。

<太陽光のみでは立体感が表現出来ないが・・・>
頂上は立入禁止

<ストロボ光で陰影が浮かび上がる>
頂上は立入禁止

ただそうは言っても、夏の太陽光は思いのほか強烈で、X接点上限ではストロボ撮影にて定常光の露光レベルを落とすことがなかなか出来ずに苦労した。しかも石灰岩は白いので諧調が飛び易く、そこからして陰影表現が難しい。
仕方無く、大きく絞り込んで調整せざるを得なかったが、そうなるとストロボ光まで暗くなってしまうのでストロボはフルパワーとするのだが、それでも足りない状況は多かった。
そんな時我輩は、「風景の一部を地面ごと切り取って自宅へ持ち込み、大光量ストロボをもってスタジオ撮影出来たらなあ」と思うのである。

撮影中は集中しているためか意外に周囲が見えなかったりする。撮影がひと段落して改めて周囲を見渡して気が付いた。
「そう言えば昔、ここでカメラを壊したことがあったな・・・。」
そこは、2003年に「New Mamiya-6」を岩にぶつけてフィルム圧板を落とした現場だった(参考:雑文439)。2003年だったことを知ったのは自宅に帰着した後だが、あれからもう10年も経つとは感慨深い。

クルマに戻り、次は鍾乳洞「牡鹿洞(おじかどう)」に行ってみようかと思ったのだが、時計を見るともう13時近く。14時半までにはアパートに戻るという話になっており、急いで鍾乳洞に行けば行けなくは無いだろうが、それではあまりに余裕が無さすぎるので、今回はこれで引き上げることとしよう。
途中のコンビニエンスストアで昼食を買い、アパートに戻ってから遅い昼食とした。

少々休んだ後、4人で小倉駅近くの西日本総合展示場へ向かう。まずは「からだのひみつ」のほうへ。
ちなみにカメラについては、「猫展」のほうは撮影禁止ということであるから不要かと思ったが、いちおうポケットに「SIGMA DP2 Merrill」は入れておこうかと思う。

現地に着くと展示場は広大な空間で、そこをパーティションや構造物で仕切って動線を作っている。しかし天井がやけに高いので、相対的に展示内容が貧弱に見えたのは仕方無い。展示会のテーマソングのような音楽が絶えず流れているが、もしその音楽が無ければ単にガヤガヤした音だけが天井に反響していたことだろう。

<「からだのひみつ」会場>
「からだのひみつ」会場
SIGMA DP2 Merrill/ISO100/F2.8/1/50sec. [2014/08/12 15:39]

ちなみに動線は、身体の消化器官を模した流れで、入口は「口」、そして出口は「肛門」となっている。

回ってみれば、内容的には少々小さい子供向けの展示であり、つまらなくはないものの、特別驚くような新発見とか、他では見られない展示という類のものではなく、どちらかというとアミューズメント系とかアトラクション系に近いものであった。確かにロボット仕掛けのキャラクターなどは造りが凝ってはいるが、それでもこれで前売券1,200円とはな・・・。

<キャラクターが動くのは凝っているが・・・>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
キャラクターが動くのは凝っているが・・・
SIGMA DP2 Merrill/ISO100/F2.8/1/30sec. [2014/08/12 15:18]

最後は肛門を表現した狭い隙間を抜け、そしてそこでウンチの帽子を手渡されてそれを被った記念撮影を撮られたが、その写真は当然買わなかった。

我々は微妙な表情のまま、会場を後にした。
これから母親は整体に行く時間ということなので途中で別れ、我々3人は小倉駅前「コレット」の猫展と猫カフェに行くことにした。
なお、猫展と猫カフェでは写真撮影禁止とのこと。だから、ここでの写真は無い。

コレット店内に足を踏み入れると、床に猫の足跡が続いている。催し会場はこの先だと誘導しているわけだ。
展示は、世界の猫たちがケージに入れられて並べられており、寝ている猫を起こすことは動物愛護法とかで禁止とあり、ただ眺めるだけで2〜3分で終わった。まさかこれだけではあるまい。

見ると、奥のほうに猫のいるガラス張りの個室が2つあり、それぞれ「A室」、「B室」となっている。聞けば、どちらかに15分間入って猫と交流出来るということだった。
ガラス越しに見ると、猫が寝ているA室は人気が無いようで誰もおらず、猫の起きているB室には人が多く入っている。こちらも、寝ている猫を無理に起こすことは禁止とのこと。

どちらも狭い部屋なので、我々3人は人の入っていないA室に入ることにした。
そこには4匹の猫たちがいたが、そのうち3匹が寝ている。残る1匹がスフィンクス座りをしていたので背中を撫でていたのだが、段々と目をつぶって眠りに落ちそう。困ったな、寝ると手出し出来なくなる。

しばらくすると、係りの人がドアを開けて猫じゃらしを入れてくれた。これで何とかするか。
我輩は猫じゃらしの操作が得意で、めんどくさそうに寝ている猫が相手でも、いつの間にか大騒ぎになるほどに盛り上げることが出来る。

まず、物陰でチラチラと動かす。すると寝ている1匹の猫が薄目を開けて見るので、サッと隠す。すると猫の目の瞳孔が開く。それを何度か繰り返すと、その猫が身を低くしながら近付いて来る。
そこでサッと猫じゃらしを出し、左右に激しく地面を這わせると、それをめがけて猫が突進する。その様子を、他の猫たちはジッと見ている。
しばらく追い回されて隅に追い詰められた状態になると、今度は猫じゃらしの動きを止める。そうすると追いかけていた猫も止まって睨み合いの状態となる。
ジリ、ジリ・・・と少しずつ動かすと、猫のほうも「右に行くか、それとも左へ行くか」と間合いを詰めながら飛びかかるタイミングを見計らっているようだ。
そして次の瞬間にパッと逃げ出すと、猫も突進。そこで猫じゃらしをジャンプさせれば、猫もとっさにヒネリジャンプを繰り出す。そのジャンプがものすごい。
しかしそれでも捕まえられない様子を見た他の猫たちも「ええい、どけ、オレがやる!」と言わんがごとく参戦、その場が大騒ぎとなるのだ。

猫展を出た後、別の場所にある猫カフェに行ってまた猫たちとゆっくりとした時間を過ごし、その後は小倉駅で母親と合流、駅近くコレットのレストラン街で食事することとした。

入ったレストランでは、焼き立てパンが食べ放題ということで、貧乏性の我輩は18個も食べてしまい腹が張って少々苦しかった。確かにそこまで食べなくとも良かったろうが、とりあえずの量を食べた後に「焼き立てが出ました〜」と言われると、また取りに行かざるを得ない。

<焼き立てパン食べ放題>
焼き立てパン食べ放題
SIGMA DP2 Merrill/ISO100/F2.8/1/15sec. [2014/08/12 18:48]

食後、バスに乗ってアパートに戻り、その日の行動を終えた。