前の日にコンビニエンスストアで買っておいた朝食を部屋で食べ、しばらく様子を見るため部屋でノンビリしていた。
この日の予定は、1/10スケールの戦艦大和を展示してある「大和ミュージアム」と、それに隣接する海上自衛隊潜水艦展示の「てつのくじら館」の2つの博物館へ行く。どちらもホテルから徒歩圏内なので別段急ぐことも無い。
これらの博物館は我輩は今回3度目の訪問となるわけで、もう特別見るところは無いが、豚児への教育的な意味として、日本の歴史と自分との繋がりを感じて欲しいという気持ちがある。
以前にも書いたが、我輩の曽祖父は日露戦争日本海海戦当時、戦艦「朝日」の機関士であった(参考:
雑文448)。
そのことは我輩も子供の頃から祖父から教えられたが、教えられた当時は特に関心も無かった。しかし教えられた内容は頭に残っており、その後、自分というものを考えるようになった時に、歴史と自分との接点を見付けることとなった。
我輩家としては、長い歴史の数十世代のうち最後の四世代ほどの歴史でしかないが、それは激動の歴史であったから語り継がねばならないことである。
祖父はもう他界したが(参考:
雑文687)、とりあえず我輩はその歴史の記憶を受け継いだ。ここから先に繋げる義務が我輩にはある。これは大げさな表現ではない。
ここではとりあえず、豚児には博物館にて船に関する資料に触れさせ、後々、「そういえばこういうのを見たなあ、聞いたなあ」と思い出せるようにしたい。
少々遅くなったが、チェックアウトギリギリの10時少し前にホテルを出た。天気は不安定になりそうだが、もう強風はあるまい。
ホテルから呉駅まで歩き、荷物を駅のロッカーに預け、そこから改めて大和ミュージアムへ向かう。もう慣れた道で、迷うところは何も無い。
大和ミュージアムでは企画展が開催されていたが、JAF割引きでチケットが買えるかを訊いたところ、常設展は適用されるが企画展は適用されないとのこと。
どのみち企画展は撮影禁止だそうなので、常設展のみのチケットを購入し入場。
入ってすぐ、1/10スケールの巨大な戦艦大和が目に入った。1/10スケールでも巨大なのだから、リアルサイズではどれほどのものか想像を絶する。
戦艦大和は戦争時代の代物だが、その存在は現代日本に繋がる重要なものである。その革新的な生産技術は、従来の方法で建造された同型艦である戦艦武蔵の半分の工数で完成出来たことからも窺い知れる。それは船舶の分野だけでなく、人を通じて様々な分野に広がり、例えばトヨタの生産方式にも強く影響を与えた。
そういう意味では、戦艦大和無くして現代のモノづくり日本は存在しなかった。
そういう話を豚児にしてやったのだが、恐らく理解は出来まい。
それでも何かを感じ取れたならばと思い、半ば我輩の「独り言」として話をした。
さて、3回目の訪問ではあるが、1/10スケールの戦艦大和の写真をまた撮ってみたい。
初めて来た時(参考:
雑文683)は「SIGMA DP2」を用いたが、焦点距離が長過ぎて全体が入りきらなかった。
2回目(参考:
雑文806)では広角レンズ(標準ズーム)を装着したマイクロフォーサーズカメラで全体を収めることが出来たが、逆光のため艦橋部のコントラストが低下した。
そして3回目の今回、「SIGMA DP2 Merrill」はもちろん焦点距離が長過ぎて使えず、やはり広角レンズを装着したマイクロフォーサーズカメラで撮影したが、今回はストロボを使って逆光(定常光)を和らげ、コントラスト低下を抑えるよう努めた。その結果、これまでよりも良好な発色も得られたものの、手摺りの影が被ってしまったのは残念。