2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
 F3 (F3H)
 FM3A
 FM2
 FM
 FE2
 FE
 FA
 FG
 FM10
 FE10
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カメラ雑文

[807] 2014年01月24日(金)
「2013年年末帰省日記(2日目)」


●12月28日(土)

朝、広島のホテルにて、目覚ましアラームが鳴る前に目が覚めた。これは熟睡していない証拠なのであまり良い傾向とは言えない。車中泊とは異なり、タイムスケジュールが狂うと最後の最後で新幹線に間に合わなくなるから気が抜けないのだ。

それにしても、ここ数日の寒さは厳しい。就寝中でもホテル室内での暖房スイッチを切ることは出来なかった。そのせいで空気が乾燥し、起き抜けの調子があまり良くない。

とりあえず、テレビをつけて天気予報などをチェックしながら、前日夜にホテル近くのコンビニエンスストアで買っておいたサンドイッチなどを食べた。
ちなみに天気予報によれば、寒気が流れ込むことにより、所によっては降雪もあるとのこと。勘弁してくれ。

<天気予報>
天気予報
[OLYMPUS E-P5/7-14mm/ISO200] 2013/12/28 06:39

さて、この日も広島観光を予定しており、夕方になってから小倉へ移動して母親のいるアパートに泊まることになっている。
具体的な内容としては、まず最初に原爆ドームを再び撮影した後、平和記念資料館へ行き、その後は山口県の錦帯橋まで足を伸ばし、午後は宮島へ戻る。錦帯橋以外はやはり4年前の行程を踏襲する。

小倉へ向かう新幹線は広島駅から乗るため、生活用具は昨日と同様に広島駅のコインロッカーに入れておいたほうが良かろう。そして広島駅から広島電鉄の路面電車で原爆ドーム前まで行くこととする。
この季節は陽が傾くのが早く、朝は早めに活動を開始したほうが良いのだが、平和記念資料館の開館時間が8時半ということを考慮すると無暗に早く出ても意味は無い。朝の早い時間は年賀状の残りを書いて過ごし、7時40分頃にホテルを出た。

ホテルから広島駅までは600メートルほどなので歩いて行くことにする。昨夜のように雨が降っていれば荷物もあるので路面電車に乗ったかも知れないが、この日は朝から良い天気に恵まれた。
道を渡ろうとしたところ、路面電車が次から次へと現れるので撮影も忙しい。信号待ちをしている電車の前の横断歩道を渡りながらシャッターを切る。こういう時には、周囲の安全も見ながら撮影出来るライブビューが非常に有用。

<路面電車を撮影しながら広島駅へ向かう>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
路面電車を撮影しながら広島駅へ向かう
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO400] 2013/12/28 07:40

広島駅に近付くと、駅直前には橋がある。どうやら橋の下を冷たい風が吹き抜けたようで、橋の路面だけが凍結しておりツルツル滑って危ない。
橋を渡る時、ビルの向こうに山々が見えたのだが、驚くことに山肌が真っ白になっていた。雪か、あるいは霜なのか?

<山肌は真っ白> ※トリミング
山肌は真っ白
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO400] 2013/12/28 07:45

駅ビルのコインロッカーに生活用具バッグを入れた後、改めて路面電車に乗った。2度目なので気持ちに余裕がある。一律料金150円をポケットに用意していざ出発。

<広島電鉄広島駅から乗車>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
広島電鉄広島駅から乗車
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO400] 2013/12/28 07:58

電車は、反対方向から来る電車と何度もすれ違う。その中には昔ながらの形をした電車もあり、どうせならばそんな電車に乗ってみたいと思ったりした。
ただ、広島の旧い路面電車は、「はだしのゲン」の1場面が目に浮かぶので少々複雑な気持ちもある。

車窓から見ていると、先ほど歩いた道に合流し、そのままホテル前の「稲荷町」を通った。

<路面電車の車窓>
路面電車の車窓
[OLYMPUS E-P5/7-14mm/ISO200] 2013/12/28 07:59

しばらく乗っていると「原爆ドーム前」まで来たので、さも日常的に路面電車を利用しているかのように(※)慣れたふうに150円を払って降り、早朝の原爆ドームへ向かった。
(※本当に日常的に路面電車を使う者は、そもそもIC式乗車カードを使っている)

原爆ドームは朝日が当たってクッキリと見える。夜の雰囲気とはまた違う。だが、写真的な美しさだけを求めて撮影しに来たわけではなく、様々な光の条件で写し、後日等倍以上に拡大して観察するための資料とするのが主な目的。
もちろんその目的は具体性を持ったものではない。後から必要になった時のためである。

<早朝の原爆ドーム>
早朝の原爆ドーム
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO400] 2013/12/28 08:19

時間は後戻り出来ない不可逆なもの。写真撮影とは、撮れる者が撮れる時に撮るべきという、いわば義務的行為あり、撮りたい時に撮るなどという自由意思では無いと我輩は考える。
この"義務"という言葉には、使命感という意味もあるが、また同時に、自分がここに居合わせたということが神仏によって導かれた結果だという意味を持つことも否定しない。
そしてそれは、最終的には自分のためだけではなく、後世のために撮るものである。

確かに他の撮影ならばまだしも、何千何万という人間が撮っているであろう原爆ドームの撮影に義務感などおかしな話にしか聞こえないだろうが、今この瞬間にこの角度から撮るのは我輩ただ一人だということは疑いようの無い事実なのだ。

さて、原爆ドームの撮影を済ませ、平和記念資料館のほうへ向かった。時間は8時40分。資料館は8時開館なので、もう入ることが出来る。入場料は50円と安い。

平和記念資料館では先ごろ、被爆直後の様子を再現したマネキンの展示について一騒動あったばかり。「マネキンが怖い」という苦情を受けて一度はマネキン撤去の方針が決まったものの、撤去反対の意見により展示継続となったという。

<被爆再現マネキン展示>
被爆再現マネキン展示
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO400] 2013/12/28 09:05

被爆直後の様子を表現したケロイド状態のマネキンは確かに怖い。だがそれを苦情として出すというのは理解に苦しむ。また同時に、そんな苦情をいちいち真に受けて事無かれ主義で撤去を決める資料館側もどうかしているとも思う。

まあそれはともかく、前回訪れた時はカメラ性能の限界で満足に撮れなかった資料を撮っていった。
そのおかげで時間もそれなりにかかってしまい、資料館を出たのは9時半であった。

外に出ると、冬の陽もそれなりに高く昇ってきた。
錦帯橋には、午前中の陽が傾かないうちに訪れたいので、急ぎ足で広島電鉄停車場へ向かった。最初に降りた「原爆ドーム前」でも良かったが、ナビゲーション画面を見れば1つ先の「本川町」へ行っても同じくらいの距離なのでそちらにする。

予定では、広島電鉄でJR横川駅へ向かい、JR山陽本線に乗り換えて岩国へ行く。そしてそこから錦帯橋まではバスの便があるそうだ。
ふと、カメラバッグのポケットを見ると、年賀状の束があった。どこかで投函せねばならないことを思い出したが、残念ながら周辺にはポストが見付からない。JRの駅に行けばあるか。

停車場に着くと、横川駅とは行先の異なる電車が入ってくるので、電車には乗らずに写真だけは撮ったりした。

<本川町>
本川町
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO400] 2013/12/28 09:41

停車場には他に女性が1人待っており、その女性も電車に乗らずにいたので、「この人も横川駅に向かうのだろう」などと勝手に考えていた。そのせいで、「宮島口行き」の電車が来たときにその女性が乗り込んだので我輩もつられて乗ってしまった。「宮島口行き」は、多分、横川駅には行かない。

ポータブルナビを取り出し、路面電車の線路の道筋を追っていくと、やはり横川駅に行くには途中の停車場で乗り換える必要があることが判明。一律150円なのに乗り換えれば再度150円かかるのでもったいない。いや、乗り換えは何か手続きすれば連続して150円で行ける方法があっても良さそうなもの。しかし色々考えるのも面倒なので、そのまま宮島口へ行ってそこからJRに乗り換えることにしようか。どうせ一律料金なのだから、早く降りると損。

電車から景色を見ていると、路面電車らしくノンビリゆったりと走る。停車場も間隔が短いので、走ったと思えばすぐに次に到着するし、信号待ちで停まったりもする。
「もしかしたらこの選択はムダに時間を浪費するものだったか・・・?」と不安になったが、事前に調べていた宮島口への所要時間約1時間というのが本当であれば、一応は調整可能範囲内ではある。

しばらく乗っていると、「広電西広島」を過ぎた。
そこでふと思った。
「なぜわざわざ"広電"と名が付いている・・・? もしかしてJR線にも西広島駅というのがあって、それが近くにあるということか?」
考える間も無く電車は発車したのでもう遅いが、念のためポータブルナビを起動してみると、確かにJRの駅が隣接していた。
「くそ、せっかくの乗り換えのチャンスを・・・。」
それでもナビの画面を良く見てみると、広電とJRはこの地点から平行に走っており、この先もJRに乗り換え可能と思われる駅が幾つかあるようだ。

ただ、この区間からは車道から離れて路面電車の雰囲気が消え、驚くことに普通の列車と変わらぬ速いスピードで走り始めた。
「これならば、別に乗り換える必要は無いじゃないか。一律150円料金ならばこちらが得。」と思いながらふと見ると、どうしたことか料金表表示板があって駅ごとの運賃が表示されているではないか。
慣れたふうを装って乗車しているところに大きなショックを受けた。結局、乗り換えるのとそうでないのとでは運賃がどれだけ違うのかが分からないじゃないか。
しかし乗りかかった船・・・いや、乗りかかった電車。最後の宮島口駅まで行ってからJRに乗り換えようじゃないか。

宮島口駅は終点のため、乗っていた乗客は全員が降りた。
特に整理券が無いのだが、改札で「原爆ドーム前から」と言うと、270円とのことで支払った。後から考えると一律料金の広島市街から乗ると最大料金として270円なのだろう。

<広電宮島口駅>
広電宮島口駅
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO400] 2013/12/28 10:33

宮島口はその名の通り、宮島連絡船の乗り場が目の前にある。
ここまで来たので宮島へ行っても良いのだが、午前中の良い光の中で錦帯橋を訪れることは重要なので、急いでJRの駅へ向かった。

ここから岩国駅までは320円。広島電鉄を利用したことにより予定よりも少し遅れてしまったが、その分安くなっていれば気も晴れる。それは後で確かめたい。

岩国駅へは30分ほどかかり、到着は11時10分だった。
駅前にはバス乗り場があり、錦帯橋への記念往復チケットがあったのでそれを購入。往復チケットとは言っても割引があるわけでも無く、単に錦帯橋のチケット半券が手元に残るに過ぎない。

<岩国駅前バス乗り場>
岩国駅前バス乗り場
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO400] 2013/12/28 11:13

錦帯橋への所要時間は約15分。
バスを降りると、道路を挟んだ目の前に錦帯橋が見えた。
錦帯橋は小学生の修学旅行で訪れた場所で、その時の断片的な映像記憶が幾つか残っている。その断片記憶はこれまで別の映像と結び付いたりして、なぜか京都のほうにあるものと勘違いしていた時期もあった。

<錦帯橋>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
錦帯橋
[OLYMPUS E-P5/7-14mm/ISO200] 2013/12/28 11:54

今回、改めて錦帯橋を見てみると、たまにテレビなどで目にするせいもあって橋の形状そのものは記憶が矯正されてはいたものの、周辺の立地などは全く印象が違う。もう少し開けた印象があったが、実際は思っていたよりも小ぢんまりとした環境だった。
あの時は確か、河原に観光バスを駐車してそこから橋のほうへ行った記憶がある。ただ、橋を渡った記憶は無い。いや、渡っていないという記憶も無いのでどちらか分からない。

<錦帯橋>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
錦帯橋
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO400] 2013/12/28 11:37

橋の渡り口に行ってみると、橋を渡るのは有料で、往復300円とある。
橋を渡るだけで300円とは高いな。渡るかどうかは後で考えるとして、とりあえず河原へ降りてみることにした。風がかなり冷たく、身に堪える。
錦帯橋は思っていた以上に長く、その姿を真横から撮ろうと思うと超広角レンズであってもそれなりに離れなければ収まらない。

ふと、手元の「E-M1」の液晶画面を見て驚いた。なぜか感度がISO400となってる。いつからだ?
そう言えば前の晩、ライトアップされた原爆ドームを撮る際に感度を上げたまま戻すのを忘れていたようだ・・・。

ISO感度を200に戻して辺りを見回すと、河原は一部が駐車場になっており、バスのエリアもあった。その近くには土産売りのテントも並んでいる。その光景から、小学生の時の記憶が浮かび上がった。
あの時、錦帯橋を見た後でバスに戻る途中、土産売りのところで「笑い袋」を買った。千円だったので小学生には高い買い物だったが、手持ちの小銭を全て注ぎ込んだのだ。そしてバスの中で不用意にスイッチを押してしまい、袋から笑い声が響いた・・・。

小学時代の想い出から我に返り、錦帯橋に下から近付いて覗いてみると、材木の組み上がりが緻密になっているのが見えた。詳しいことは知らないが、山梨県の猿橋のように独特な技術が使われているのであろうか。

<錦帯橋>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
錦帯橋
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO200] 2013/12/28 11:49

河原からの撮影を終え、再び橋の渡り口へ上がった。
ただ渡るだけで300円ならば、渡らずに外から撮影すればそれなりに良い画となろう・・・などとちょっと思ったが、せっかくここまで来たのだからということを考えると、まあ300円も仕方無いか。

念のために往復料金かを尋ねて渡り口にて300円を払い、橋上を歩き始めた。
さすがに橋の上は風があって、寒いことこの上無い。アーチ状の木製の橋ということで、独特な足音を感じながらアップダウンを楽しむ。しかしながら小学生の時の記憶は甦らなかった。もしかしたらあの時、橋は渡っていないのかも知れない。

<錦帯橋>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
錦帯橋
[OLYMPUS E-P5/7-14mm/ISO200] 2013/12/28 11:54

写真を撮りながら橋を渡り切ると、その先には土産店を兼ねた軽食屋があった。時間的に昼食時だったので何か食べようかと思ったが、季節柄なのか閑散としており、あまり入りたくなるような雰囲気でもない。それに、そもそも一人で飯屋に入る習慣も無いので、この場所での食事は見送ることにした。

山の上に見える岩国城を見ながら、武家屋敷などを撮影したりして適当にブラブラした。
特に武家屋敷ではナンテンやミカンの木が見事で、青空を背景に色が映える。自然にあるものとは違い、いかにも庭に生えている草木というのは独特な趣があり、我輩はそういうところに惹かれる。自己分析するに、故郷の姿をそこに見るからだろうか。
ちなみにここで言う「故郷」とは、場所だけでなく昔の時代のことも同時に指す。

<ナンテンと民家>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
ナンテンと民家
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO200] 2013/12/28 12:15

さて、撮影も一通り終わったので広島側へ戻ることにした。昼食時ということもあり、どこかで腹ごしらえしたい。

橋を戻り、バス停で岩国駅行きのバスを待つ。しかしタイミングが悪かったようで20分ほど待つことになってしまった。ここもかなり寒く、なるべく陽に当たる場所で立っていたが、ジッとしているのもまた寒く、狭い範囲をただウロウロとしていた。もう少し暖かい季節だったならばバスの待ち時間に他を散策などしたであろうが、こうも寒いとそんな気にもならない。とにかく、「早くバスよ来てくれ」としか考えられない。

その後、ようやく来たバスに乗り、ホッと一息ついた。
バスの中で気持ちが落ち着いたのか、ふとカメラバッグのポケットに目が行った。そこに見たのは、年賀状の束。
「ああ、このままでは年賀状を小倉まで持って行きかねん。」
カバンから年賀状の束を引き抜き、手にしっかり持った。駅ならポストがあるはず。岩国駅に着いたら必ず投函する決意を固めた。そのおかげで、岩国駅前でバスから降りてすぐにポストに直行、年賀状を投函することに成功した。
たかが年賀状と言えども、荷物が軽くなるのは良い。また心理的にも、やらねばならぬことを済ませてスッキリした。

<年賀状を岩国駅のポストに投函>
年賀状を岩国駅のポストに投函
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO200] 2013/12/28 12:57

13時となってさすがに腹も減ってきたが、岩国は観光地と言うには閑散としており、食べるところが見当たらない。食べるところを探すならば宮島口のほうまで出てからのほうが良かろうと判断した。

来た時と反対方面の列車に乗り、宮島口駅で降りた。
目の前のフェリーに飛び乗りたい気持ちをグッと抑え、ポータブルナビでファミリーレストランを検索。どうやら近くにガストがあるらしい。ところが、歩いて行くと画面よりも遠く感ずる。クルマならばあっという間の距離なのだが・・・。

しばらく歩くと大通りに出た。先のほうにガストの看板が見えたのだが、まだ距離が残っていることが分かってウンザリした。もちろん歩いて行ける距離だが、また歩いて戻ることを考えると、この寒さの中では往生する。
ふと見ると、すぐ脇にうどん屋があった。

<うどん屋を見付けた>
うどん屋を見付けた
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO200] 2013/12/28 13:58

パッと見た目、狭そうに見えたので1人客は座る場所が無いのではないかと思った。そもそも我輩はこういう店に1人で入ることはあまりしない。
しかしとりあえず、覗くだけ覗いてみようと戸を開けてみた。見れば、少々不思議な配置。何だか分からないが、セルフサービス的な方式らしい。
まあいい、ここまで入ったのだから、この店で食べることにする。

<店内を覗いてみた>
店内を覗いてみた
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO200] 2013/12/28 13:42

メニューは適当に目に入った「とろ玉うどん」とした。どうせ足りないのだから大盛りとする。
出されたうどんをトレーに受け取り、そのまま横にスライドしていくのだが、途中にトッピングコーナーがあって、ついでだからと、かしわの天ぷらを載せた。これで合計600円なのだから、まあ安い。

<とろ玉うどん(大)にかしわを載せて食べる>
とろ玉うどん(大)にかしわを載せて食べる
[OLYMPUS E-P5/7-14mm/ISO200] 2013/12/28 13:46

店内は全体的にカウンター席ばかりなようで、適当な席に座って食べた。かしわがまた美味い。
うどんで、しかも1人なので、食事も10分程度で終わった。

店を出て、改めて宮島口のフェリー乗り場へ行った。往復乗車券があったのでそれを購入。特段、割引になっているわけでも無い。帰りの切符を買う手間が省けるだけのこと。見たところ、フェリーはJR運営のようだった。

<宮島へのフェリー>
宮島へのフェリー
[OLYMPUS E-P5/7-14mm/ISO200] 2013/12/28 14:07

フェリーではデッキに出て景色を楽しむことも出来るが、さすがに寒さが厳しく、外に出ようという発想は最初から無かった。とにかく席に座り、到着するのを待つのみ。

到着後、明るいうちに写真が撮れるよう厳島神社へ急いだ。まずは、大鳥居を色々とアングルを変えながら撮影。

<大鳥居>
大鳥居
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO200] 2013/12/28 14:47

その後、厳島神社の入り口で300円を払って入場。
この場所も、やはり錦帯橋と同様に小学生の修学旅行で訪れ、確か大鳥居をバックにクラスごとの集合写真も撮った記憶がある。しかしその後に2度訪問したので、小学生当時に感じた宮島での最初の印象も風化し、新たに得た印象によって宮島の姿が上書きされつつあるように思う。
小学生の記憶にある宮島は、もはや我輩にとっては別の世界の宮島。そこへはもう、どうやっても行くことは出来ない。

<厳島神社>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
厳島神社
[OLYMPUS E-P5/7-14mm/ISO200] 2013/12/28 14:54

厳島神社を抜けた後、少々裏手を散策し、前回と同じようなルートになってしまうが五重の塔に行ってみることにした。
本当は宮島にある水族館に行ってみたかったが、そこはどうやら工事のため閉館中らしい。

五重の塔は丘の上にあり、そこを目指して石段を登った。
宮島で五重の塔というのが我輩のイメージに合わないが、それは小学時代に五重の塔を見なかったためか。しかしだんだん見慣れていくうち、ますます違う印象が増えていくことになろう。

五重の塔を足元から超広角レンズで何枚か撮影したが、広い画角で力ずくに構成したのが少々後ろめたい。
ただ、後の話になるが自宅で画像を等倍鑑賞していると、たまたま写り込んだ航空機を見付けた。数カットの連続撮影で、その航空機の位置が変わっているのが確認出来て面白い。ゴチャゴチャと写り込むのが写真の醍醐味の1つであることを改めて感じた(参考:雑文081「写真の情報量」)。

<たまたま写り込んだ航空機>
たまたま写り込んだ航空機
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO200] 2013/12/28 15:35

登った石段とは逆の方に別の石段があってそこから下れるようだ。試しにそこから下りてみたところ、土産物街道の裏手に出た。ここはあまり観光客が来ない路地のようでひっそりとしているが、逆に言えば落ち着いて風情がある。
ここでも何枚か撮影した。

その後、表の土産物街道を通ったが、これはこれで賑やかで良い。こういう通りがあると観光地という実感が湧いて楽しい。

この辺りの土産物店では、店頭にて「もみじ饅頭」の製造機があちこちにガラス越しで見られる。以前来た時も撮影したが、今回も高画素カメラで撮影し直した。せっかくだから、「もみじ饅頭」を土産に買うか。
一瞬、広島土産で「もみじ饅頭」も飽きられているかなとは思ったが、分かり易さ満点であるし、駅のキオスクで買うのではなく本場で買うのだから格が違うだろうと考え購入した。

<店頭のもみじ饅頭製造機>
店頭のもみじ饅頭製造機
[OLYMPUS E-P5/7-14mm/ISO200] 2013/12/28 15:44

帰りはとにかく寒さから逃げることしか頭に無い。
フェリー乗り場に向かっていると、対岸で怪しい雲が山を越えて吹き下ろしているのが見えた。離れていてもその動きがよく見えるので風が強いのだろう。見るからに冷たそうで身震いしてしまう。
まさかあの雲の下では雪でも降っているのか? 今朝の天気予報が頭をよぎる。

<対岸の怪しい雲>
対岸の怪しい雲
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO200] 2013/12/28 15:56

帰りのフェリーは切符を持っているのでそのまま乗れば良い。ふと見れば乗り場は2つあり、JRとは別のフェリーも平行して行き来しているようだ。どうせならば帰りはもう一つのほうに乗れば良かった。しかしJRフェリーのほうで往復切符を買っているので今さら無理。

フェリーで宮島口へ戻った後は、広島駅まで出てそこから新幹線で小倉に帰る予定。
広島駅へは、今度は路面電車ではなくJR線で広島駅まで行けば早いはず。しかし値段はJRのほうが高いだろう。JRの駅へ行って運賃を見てみると、広島までは400円とのこと。広島電鉄のほうは確か270円だったから、130円高い。少々時間がかかっても広島電鉄の路面電車に乗るか?

時刻は16時半。広島駅で新幹線に乗るのは18時半の予定なので、どんなに時間がかかっても問題は無かろう。ちなみに駅表示には「広島まで64分」と書かれてある。それでもまだ余裕がある。

そういうわけで、再び広島電鉄の駅のほうに引き返して路面電車に乗った。始発なので客が少ない。「これならばノンビリ出来るな」と思った矢先、次の駅で臨時停車して多くの客が乗ってきた。そこは競艇場前で、この日はレース開催日とのこと。我輩はシートに座っているわけだが、それでも混み合うと多少なりとも疲れてくる。

しばらく走行していると、後ろのほうから別の電車が姿を現した。その電車はこちらの電車が停車場で停まっている時には後方で待機するなど、常に付かず離れずの状態で追走してくる。このような状態は電車というよりもバスみたいなものか。そして間もなく広島駅というところまで来ると、もうほとんど直後に迫るような状態となった。もちろん、広島駅へ行けば分岐があるので電車が混み合うことは無い。

<後続が追いかけてくる>
後続が追いかけてくる
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO200] 2013/12/28 17:46

結局、広島駅までは1時間20分もかかってしまった。JR線だと30分程度のようだから3倍かかったということになる。時間に余裕があったから良かったものの、もしギリギリの選択だったならばどうなったろう。

それにしても、なぜ「広島まで64分」という表現なのか不思議に思う。
もちろん、路面電車であるがゆえ交通状況によって左右されて時間通りには着かないということは分かっているが、「64分」という表記が中途半端なので、およその数字とは思いにくい。もし我輩が書くならば「約70分」などと10分区切りで丸めておくが。
まさか、どんなに遅れていても、最後の最後で怒涛の加速をして何が何でも64分に間に合わせる? あるいは、交通の流れが良い時には終点手前にて停車し、64分になるまで頑として動かない?
だが仮にそうだったとしても、目標値を中途半端にする意味は無いし、実際問題、それを大きく超えてしまったわけだが。

さて、列車の時間までまだ30分もあったが、周辺を散歩するにも寒いし疲れもある。土産も宮島で買ったので今さら選ぶ必要も無い。
仕方無いので、もう新幹線の改札に入ろうと思う。

改札に向かう直前に、ふとコインロッカーに入れた生活用具荷物のことを思い出した。危なかった。
駅ビル地下のロッカーコーナーへ行き、荷物を取り出し、改めて改札へ向かった。新幹線での途中下車は今回初めてだったが、前の日に使った乗車券で問題無く改札を通過した。

新幹線ホームへ上がったものの、やはり30分前はちょっと早かった。しかしもうすぐ小倉に帰ることを考えると、他の場所で時間を潰すなどという気にもならない。寒いがこのままホームにいるほうが落ち着く。
30分後、プルルル・・・という列車の入線を知らせるアラームが鳴り、我輩の乗る列車が到着した。
ようやく、寒かった広島の旅も終わり、小倉へ出発。・・・いや、小倉は日本海側。広島よりも寒いだろう。

<新幹線で小倉へ>
新幹線で小倉へ
[OLYMPUS E-P5/7-14mm/ISO400] 2013/12/28 18:35

途中、新岩国駅を通った。昼頃にその近辺にいたことを考えると、広島まで戻らず新岩国駅で新幹線に乗ったほうがムダが無いようにも思えるが、途中下車は再度同じ駅から乗らねばならないので仕方無い。

小倉駅までの所要時間は約1時間と我輩の通勤時間よりも短く、あっという間のように感じた。小学生の頃よりも新幹線の速度が上がっているとは言え、ここまで近かったかと驚くほど。これもまた、小学生の思い出の中の新幹線は、こことは違う世界のものということになろう。

母親には我輩の乗る列車を前もって伝えていたので、改札口で出迎えてくれた。今回は孫を連れていないので申し訳ない。
ちょうど夕食時なので、鳥町食道(堂?)街にて「耕治」のラーメンを食べることになった。
ここは少々値段が高いが、我輩が小学生の頃には、母親と小倉で映画などを観るような特別な日に入ったものだ。ここのラーメンは特別に美味く、持ち帰りセットも用意されており、井筒屋の食品売り場にも置いてある。最近はそちらを食べていたので、「耕治」の店舗で食べるのは小学生以来。

<鳥町食道(堂?)街>
鳥町食道(堂?)街
[OLYMPUS E-P5/7-14mm/ISO200] 2013/12/28 19:32

店の佇まいなどは当時から全く変わらないようだが、今入るとかなり狭く感ずる。そして、ラーメンが美味いので小学生当時でもスープ一滴残らず飲み干し、腹がパンパンに膨れたものだったが、今食べると特別多いわけでもなかった。
やはりここでも、当時とは微妙に世界が違うようだ。

<耕治のラーメン>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
耕治のラーメン
[OLYMPUS E-P5/7-14mm/ISO400] 2013/12/28 19:38

食後、井筒屋前のバス乗り場でバスに乗り、母親の住むアパートまで帰った。
ちなみにバスは西鉄で、このバスに乗ると「帰ってきたなあ」という気分になる。ただし最近の西鉄バスのカラーリングは昔と違っているので、外から見るとちょっと抵抗がある。

<西鉄バス車内>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
西鉄バス車内
[OLYMPUS E-P5/7-14mm/ISO400] 2013/12/28 20:01

最後に、この日の広島行動は少々ややこしいので、今後の参考までに広島周辺の路線イメージを下図の通りまとめてみた。

<広島周辺の路線イメージ>
広島周辺の路線イメージ