2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[773] 2012年10月16日(火)
「再び、北海道車中泊の旅(事前計画〜1日目−9月29日)」


●オフシーズンの長期休暇

我輩は今年度、勤続20年となる。それにより、連続5日間の休暇を与えられることになった。休暇の前後を土日で挟むので実質的には9連休にもなる。
この節目は10年ごとにあり、過去にも「長期休暇撮影1(撮影の趣旨)」でも書いたように長期休暇を得て撮影の旅に出ている。

言うまでもなくこの長期休暇は、ゴールデンウィークや盆休み、そして年末年始の大型連休とは異なり、渋滞や混雑とは無縁の貴重なオフシーズンの連休となる。
その反面、豚児の学校休日とは合わないため、何かするにしても完全に我輩の単独行動とならざるを得ない。

さて、今回はどこに行こうか。
渋滞や混雑とは無縁の貴重な長期休暇であるから、家でゴロゴロするなど絶対に有り得ない。こんな時でなければ行けないようなところへ行くべきだと考えた。
まず、九州方面は毎年帰省するため選択肢から外れる。東北・関東・東海・北陸なども距離的に近いのでいつでも行けるだろう。
そうなると、北海道か四国が残る。

北海道は過去に1度、2009年にも行っているので、今度は四国にしようか。
しかしながら我輩としては、四国に魅力を感ずるものは何も思い浮かばない。四国について不勉強なせいもあるが、少なくとも四国に火山が無いのは致命的。
それに、四国などは九州に近いのであまり有難味が無いようにも思う。要するに、我輩にとって「行こうと思えば行ける」のが四国。ただ、今まで行こうと思ったことが無かっただけ。

一時は「北朝鮮旅行はどうか?」とも思ったが、ツアーでは40万円近く費用がかかる上に、現在は中国経由しか便が無いことが分かって早々に諦めた。中国では激しい反日デモがあったばかりで治安が悪過ぎる。
やはり、北海道か。

確かに1度は訪れた北海道であるが、あまりに広い土地ゆえ、とても名所を回り切ったとは言えない。前回は道南中心だったので、今度は道東など良いのではないか。

それにしても、休暇はいつ頃にしようか。
北海道ならば、雪が降るのは早いだろうと思う。早い年では10月でも初雪があるらしい。
金がかかるのでホテルに宿泊などは無理であるから自ずと車中泊前提となる。車中泊となれば暑い季節も無理で、結局のところ9月の終わり頃になろう。そういうわけで9月24日から休暇を取ろうと思ったが、業務の都合により1週間ずれて10月初旬となった。狙ったわけでもないが、10月8日(月)は祝日のため結果として10連休となってしまった。

北海道に行こうと決めたのは8月終わり頃だった。まだ1ヶ月ちょっとある。旅の計画を立てるには十分であろう。今回は綿密な予定を立て、現地で悩まないようにしたいと思っている。

●スポットの検討
北海道に行こうということは決まったが、具体的なスポットはなかなかまとまらなかった。というのも、オフシーズンのためフェリーの予約はギリギリまで粘っても空きはあるという気の緩みがあったからである。
しかしさすがに2週間前になるとそろそろ日程を決めねばならぬと思い始めた。

旅の目的としては、「火山・温泉の巡検」と「博物館巡り」を考えた。北海道の地図上に目的地となるスポットを打っていき、その分布を知ろうと思う。そうすれば、ルートの検討に役立つ。
とりあえず、地質関連書籍から手掛かりにしてWeb検索をし、そこからピックアップ。そのスポットは次の通り。

「アトサヌプリ(硫黄山)」・「旭岳」・「雌阿寒岳」・「摩周湖(カムイシュ島)」・「神の子池」・「根室車石」・「キンムトー」・「オヤコツ地獄」・「トムラウシ噴泉塔」・「三笠市鉄道記念館」・「青い沼」・「苫小牧市科学センター」・「夕張炭鉱」・「二股温泉石灰華」・「ニセコ大湯沼」・「湯ノ岱温泉野湯」・「樽前山」

これらを地図上でポイントしていくと、道北にはスポットが1つも無いことが分かった。唯一、土星型小型UFO目撃で有名な歌登町が思い当たるが、そのためだけに行くには空白過ぎる地帯なので候補から除外した。

これらのスポットは、道東に限定すると数が少なくなる。行ってみたいスポットは西のほうにも多くあるし、その中でも「二股温泉石灰華」は外せない。
今回のフェリー便は千葉から近い大洗港出港の便を利用しようと思っているのだが、その航路での到着は苫小牧港となる。そこから道東に移動するにはどれくらい時間がかかるのだろう? そしてそこから引き返して二股温泉方面に戻るには?

試しに、苫小牧から雌阿寒岳までのルートをGoogleマップを使って経路探索したところ、高速道路を使っても5時間近く、一般道ならば7時間半もかかることが分かった。「なぜこんなにかかるんだ?」と慌てて千葉県の同縮尺の地図を近くに置いてみたところ、「なるほどそれだけかかるはずだ」と納得した。千葉県に比べて北海道が大き過ぎるのだ。

それにしても、現地に着いてからもそんなに移動せねばならぬのはツライ。フェリーだけでも時間を浪費するのに、さらにまたクルマ移動で時間を浪費するとは。
この際、道東は諦めるか。
前回の北海道行きと多少行動範囲が重なったとしても、スポットが違えばそれで良いではないか。
我輩は、重要なスポットを中心に、それぞれの点を線で結ぶ作業をし、一番ムダの無いルートを検討していった。そして、想定した宿営地域にある道の駅と銭湯を調べ、銭湯は営業時間と料金を確認した。

大洗港発のフェリーは18:30発で翌日13:30着の便で考えていたのだが、よく見ると、深夜便として1:30発で当日19:45着の便があるのに気付いた。これならば金曜日の夜に仕事を終えて数時間後に出発出来る。あわただしくはあるが、土曜日の昼過ぎには北海道へ上陸出来るという意味では、時間にムダが無くて良い。

というわけで、9月30日(日)から7日間ほど日程を割り振り、ルートの移動時間などを地図に書き込んで無理・無駄の無いようスケジュールを組み立てた。そして、ようやく形になったのが9月25日(火)だった。スケジュールが確定したので、そろそろフェリーの予約を入れねばならぬ。

●台風の影響

フェリーの予約を入れる前に、ヘナチョコ妻に計画の概要を伝えた。すると、「台風が2つ近付いてるらしいよ」と言うではないか。
「た、台風・・・?」
これぞまさに青天の霹靂。
我輩はテレビをあまり観ない(正確に言うと観る時間が無い)ので気付かなかったが、台風17号と台風18号が南洋に発生しているらしい。気象庁のWebサイトを見ると、台風17号は台湾辺りをさまよっており心配無さそうだったが、台風18号は関東辺りを上陸する進路を取るようだ。しかもよりによって、フェリーに乗るつもりの9月29日未明でちょうど大洗港が危ない時間帯になるという。

<気象庁による台風18号の予想進路情報>
気象庁による台風18号の予想進路情報

9月26日(水)、フェリー会社(商船三井)のWebサイトをチェックしていると、26日(水)の便から遅延が発生し、ほどなくして27日(木)と28日(金)の便は欠航が決まった。これはもう、29日(土)の便も欠航になるのは時間の問題。

こうなったらもう、日本海側のフェリー航路を選ぶしかない。
台風18号は太平洋側を通るので、日本海ならば大丈夫だろう。そちらのフェリー会社(新日本海フェリー)のWebサイトにはフェリー運行状況の記述は無かったが、恐らく問題無かろうと予約を入れた。新潟港からの出港は10時半。29日(土)はクルマで走って9時くらいまでには新潟港に着かねばならないが、やむを得ない。

大洗発のほうは、翌日になって29日(土)の便の欠航が確定した。やはり太平洋側はダメだったか。
ちなみに帰りの便については、新潟から千葉までクルマで戻るのは疲れそうなので、当初の予定通り大洗着の便で予約を入れた。つまり、行きと帰りではフェリー航路が異なることになる。

それにしても、行きが日本海航路になると到着港が小樽になってしまう。そうなれば綿密に決めたルートが狂ってくる。せっかく苫小牧から出発しグルリと回って苫小牧へ戻ってくるようにしてあったのに、今度は小樽から出発して苫小牧で終わるようにせねばならぬ。途切れたルート上にあるスポットは諦めるべきか。
しかし何度も何度も練り直してようやく合理的なルートを設定することが出来、ホッと一息ついた。

ところが今度は、台風17号が問題になってきた。
予報によれば、こちらは日本を縦断し、北海道まで上陸する見込みとなっている。危ないのは10月1日(月)。この日は地質巡検、特に登山予定日に当たらぬようにしなければならない。

<気象庁による台風17号の予想進路情報>
気象庁による台風17号の予想進路情報

出発前日の28日(金)の夜、勤務先から帰宅しても、刻々と変わる台風情報を見ながらそのつど行程を調整し続けた。
行程変更は単純な順序の入れ替えでは済まない。博物館の休館日に当たったり、銭湯の休業日に当たることもあった。銭湯ならば代わりを見付ければ良いが、博物館はそうは行かず、日程を組み直さねばならない。
そして、ようやく最終的な予定が決まったのは家を出発する4時間前であった。つまり、寝る(仮眠)直前である。

<2転3転した計画図>
2転3転した計画図

●出発(9月29日(土))

前回北海道へ行った時の雑文を参考として、出発時間は2時過ぎとした。
1時過ぎに起き、布団や着替えなどの荷物をクルマに積み込む。北海道は寒いかも知れないので、必要無いかも知れないがブルゾンも入れておいた。他にも、登山用具としてトレッキングシューズ、ザック、ステッキ、そしてコンパクトジャケットを入れた。

撮影機材については、銀塩は645判を用い、「PENTAX 645N」と広角レンズ、標準ズームを用意した。
デジタルカメラのほうは、Nikonのフルサイズ一眼レフは使わずマイクロフォーサーズのみとした。中判カメラとの併用のためデジタルカメラを軽量としたという意味もあるが、画質的に妥協せずともダウンサイジングが可能であるとの確信があるからに他ならぬ。ただし露出はシビアでなければならないが。

運転席に座ってドアを閉めると、暗闇の中でシーンとした空気に包まれた。荷物を積み込む運動をしたせいで少々汗が出ていたので、そのまま1分ほど休憩。出発前の、この空気感が良い。
これからこのクルマだけが頼り。移動手段でもあり、宿泊所でもあり、補給基地でもある。この旅に備え、1週間前に洗車してコーティング補修剤を塗った。どのみち北海道では汚れるとは思うが、コートしていれば表面保護になろう。

我輩はおもむろにエンジンに火を入れ、ほとんどクルマの走っていない真夜中の道路に出た。
まずは、近くのセルフ式ガソリンスタンドで満タン給油をする。

今回、クルマにはGPS式のレーダー探知機(7千円)を搭載してみた。先日の伊豆旅行ではネズミ捕りに遭遇しヒヤリとさせられたからだ(参考雑文766)。もちろん、それで違反をしようというわけではなく、自制心を保つためである。また、この機械が万能であるとも考えていない。あくまでもお守りのようなもの。

<GPS式レーダー探知機>
GPS式レーダー探知機

都合の良いことに、この探知機は画面にデジタル表示で速度が表示される。元々こういうデジタル速度計が欲しかったのだが、車速センサー端子が取り出せず断念していた。しかもこの速度はGPSを利用しているので正確な値が出る(クルマ本体の速度計は少々速めの数値が出る)。

東京外環道から関越道に乗り、新潟方面を目指す。距離を進むにつれ、街灯も無くなりクルマの数も減ってくる。そのうち前後のクルマが遠くなってしまった。こういう時はオートクルーズ機能により定速運転とした。

助手席にはビデオカメラを設置し走行の様子を撮影している。今回は1週間の旅ということもあり、動画のビットレートを1段階落として長時間撮影出来るようにした。
ここ最近、運転中はラジオを聴いている。その音声がビデオにも録音されるので、その土地ごとの放送が入ると記録としても良い。

<新潟に向けての走行>
新潟に向けての走行
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/09/29 05:51

走行しているうちに夜も明け、朝食用にサンドイッチを用意してもらっていたので、6時頃に食べた。

それにしても、この新潟への走行は当初の予定に無かっただけに少々かったるい。唯一、「旅のスタート」という意識だけが我輩の心を支えているに過ぎない。

高速道路を降りたのは8時過ぎ。一般道をしばらく走っていると、建物の間に港が見えてきた。前回北海道行きでも通った道なので、ゴールまであともう少しというのが分かる。

不意に、ガソリンスタンドの横を通り過ぎたのが横目に見えた。セルフ式でハイオクのリッター単価は平均的な範囲の155円。今のうちに給油しておくか? メーターを見ると、クルマのガソリン残量は2/3程度。これくらいならば、わざわざ引き返して給油せずとも北海道で給油すれば良かろうが・・・。

しかし北海道現地でのガソリン単価が分からない。少なくとも安いということはあるまい。
面倒ではあったが、我輩は裏道に入って引き返した。そして裏側から先ほどのガソリンスタンドに入って満タン給油。これで一安心。

<新潟港にてガソリン給油>
新潟港にてガソリン給油
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/09/29 08:48

そして改めて「新日本海フェリー」の乗り場に行き、待機場に駐車した。以前も利用したことがあるのでスムーズだった。
時計を見ると8時52分。到着まで6時間半かかったことになる。
乗船待機中の他のクルマを見ると、「つくば」ナンバーや「川崎」ナンバーが見えたことから、我輩と同じように大洗発のフェリーからこちらに流れてきたのであろうか。

フェリー案内所にてチケットを発券してもらおうと思い、車検証と決済用のクレジットカードを持って行ったが、意外なことに両方とも不要だという。クレジットカードは事前にWebサイトから入力していたので不要と言われても不思議では無いが、車検証提示も不要というのはどういう理屈か分からず驚いた。

その後、これから乗船する船「らいらっく」の写真などを撮ったりした。
ちなみにこの船の仕様を大まかに記述すると、全長約200メートル、総トン数約1万8千トン、巡航速力約23ノットとなっている。

<新日本海フェリーの「らいらっく」>
新日本海フェリーの「らいらっく」
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO200] 2012/09/29 09:10

乗船時、霧雨が降り始めた。遠く太平洋側を行く台風18号の影響なのか、晴れたり曇ったり、雨が降ったり止んだりと天気が安定しない。

<乗船>
乗船
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/09/29 10:19

船室は「ツーリストB」と呼ばれる上下2段の寝台。1つの船室には24個のベッドがあり、4つのベッド単位でボックス状に区画され、6つのボックスが3x2で配置されている。
我輩のいるボックスには、向かいの上下、及び上には誰もおらず我輩一人だった。オフシーズンとは言うものの土曜日であるし、しかも太平洋航路のほうは欠航のためそれなりに埋まっているかと思ったが、思っていたほどでもない様子。ただ、隣のボックスには2名いるようだった。
船室は前回利用時と同じく少々ゴム臭を感じたが、それほど強くは無く、じきに慣れた。

寝台の様子を撮影したが、コンパクトなマイクロフォーサーズカメラであるが7-14mm(換算14-28mm)での撮影はかなり広く写せるので重宝する。

<寝台船室「ツーリストB」>
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寝台船室「ツーリストB」
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/09/29 10:27

出港した後、特に揺れは感じなかった。甲板に出てみたが、海面は穏やかであった。日本海がこのような穏やかな状態なのに、太平洋側は荒れているというのだから信じられない。

<穏やかな日本海を航行>
穏やかな日本海を航行
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/09/29 10:43

甲板で写真を撮影していたところ、それを見ていたジイさんが話しかけてきた。
「いやー、私の友達もね、写真を撮ってて、○○の賞を取ったんですよ。それが大変な賞でね・・・云々」
我輩は最初は「へー、賞をねえ。」などと反応を返していたが、すぐにそっぽを向いて写真撮影を続行した。ジイさんはすぐに話を止めてくれた。
話の内容が双方向ではなく一方的な「自分語り」であるならば、他人の我輩が聞く義務など無い。若い女性ならばいざ知らず、相手がジイさんではな。

撮影後はやることが無いので、寝台に戻り横になってウツラウツラしていた。本でも持ち込めば良かったか。売店に行って何か雑誌でも買おうかと思ったが、特に面白そうなものも無く、チョコレートを買っただけだった。 だが意外に時間が経つのは早く、昼食時になったので食堂へ急いだ。いつものクセで、レストランオープン時間に行かねば席を確保するのが難しくなるという焦りがあったのだ。
しかし、元々空いている船なので、レストランの席もガラ空き。特性ビーフカレーを選んだ後、せっかくなので窓際に座ってみた。

<食堂での昼食>
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食堂での昼食
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/09/29 12:03

昼食後はまたベッドで仮眠。こんなに寝ては夜寝られなくなるのではないかという心配もあったが、金曜日に仕事を終えて十分な睡眠も無いまま高速道路を走り通してきたので、これくらいで寝られなくなることも無かろう。

そうこうしているうち、あっという間に夕方になってしまった。
夕景でも撮ろうかと、カメラを持って甲板に出てみた。この時、「OLYMPUS OM-D E-M5」のバッテリーが消耗したのでスペアに替えた。消耗したバッテリーは充電せねばならぬが、そう言えば船室にはコンセントが見当たらなかった。下船した後にクルマで充電するしか無い。

<夕景>
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夕景
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/09/29 17:10

夕食時のレストランオープンは18時。
あまり腹が減らなかったので、少し時間を置いてから行った。そのためか席は昼間よりもさらに空いていた。

特に魅力的な料理も無かったので、無難なところでハンバーグの皿を取った。これはチーズ入りだと言う。
食べてみると少し冷めており、美味いというほどでも無かった。オープン直後に行ったほうが暖かくて美味かったのだろうと思うと少々残念。ちなみに飯と味噌汁は、所望すれば保温状態のものをついでくれるので問題無い。

<食堂での夕食>
食堂での夕食
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/09/29 18:57

腹を満たした後、風呂に入ることにした。
我輩はここ15年ほど日常的に石鹸シャンプーしているのでマイ石鹸を持ち込む。何しろ、石鹸を置いている浴場は最近では滅多に無く、ほとんどがボディシャンプーとなってしまった。だから、こういう公共浴場では石鹸持ち込みが習慣となっているのである。

浴槽は2つに分かれているが、実際に入ってみても特に温い熱いとかの区別は無い。両方とも同じ湯である。なぜだろうかと考えてふと思い出した。前回の北海道行きで乗船した時は日本海も荒れて大揺れだった。その時、湯も揺れていたのだが、中央の仕切りが流れを止めていた。そうだった、浴槽が2つあるのではなく、揺れ対策として中央を仕切ってあるだけなのだ。

<フェリー内の浴場 (無人となる消灯間際に撮影)>
(※画像クリックで横1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
フェリー内の浴場
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/09/29 21:54

19時過ぎ、売店で買ったチョコレートをほおばりながら北海道の巡検地図をめくっていたところ、船内放送があった。
「まもなくー、進行方向左側で、本船姉妹船"ゆうかり"とすれ違いますので、この機会にご覧下さい。」
そう言えば、前回の北海道行きフェリーでも同じ放送があった。記念にまた見に行くことにした。

甲板に出ると、他の乗客たちも数人出て左側を見ていた。
海は真っ暗で何も見えない。我輩は「OM-D E-M5」に14-140mmレンズを装着し、露出をマニュアルモードにして姉妹船が来るのを待った。マニュアルモードにするのは、むろん露出を固定するため。

しばらくすると、左前方に光の点が見えてきた。あれか?
望遠状態でカメラのファインダーを覗くと、確かに姉妹船の姿らしい。まるで、宇宙空間の中で他の宇宙船が近付くのを待っているかのように感ずる。
他の乗客たちも気付いたようで、「あれがそう?」と言い始めた。

光はゆっくりと近付き、やがて肉眼でも船の形が分かるまでなった。ライトアップされていて美しい。
音も無くすれ違う姉妹船か・・・と思った瞬間、こちらの船が闇夜をつんざく大音響で「ボォー!!」と汽笛を鳴らした。不意に近くで鳴った汽笛にビックリして心臓が止まりそうになったが、それに応えるようにして姉妹船側も汽笛を鳴らした。

<姉妹船とのすれ違い>
姉妹船とのすれ違い
姉妹船とのすれ違い
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO1600] 2012/09/29 19:42

すれ違い後、姉妹船は再び闇の中に小さくなっていった。