2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[764] 2012年07月18日(水)
「記憶が呼び出されるきっかけ」


我輩が新入社員の時、全国の営業所の新人を集めた合宿研修を受けた。
同じ部屋に3〜4人泊まったのだが、そのうち1人がコマ撮り可能なビデオカメラを持ってきており、それを使ってコマ撮りアニメを作って遊んだ。1コマずつ歩いている様子を撮り、それを再生すると、まるでロボットが歩いているかのような面白いシーンとなった。

それから10年ほど経ったある日、当時同じ部屋だったHに「あの時は面白かったなぁ。ロボットみたいな歩きが爆笑モノ。」と笑いながら言ったところ、Hはふてくされて「もうそんな話やめようぜ。いい加減忘れろよ。」と言い出した。
我輩は訳が解らずキョトンとしていたが、問い詰めてみると、どうやらHは我輩の話とは別のエピソードのことだと思い込んでいたようだ。
別のエピソードとは、研修では場面ごとに小発表をやるのだが、Hは発表で壇上へ出る際に、緊張のあまりロボットのようなギクシャクした歩き方になっていた。そのエピソードを我輩が10年経って蒸し返したと勘違いしたらしい。

正直なところ、Hのロボット歩きのエピソードについてはHから言われて初めて思い出した。完全に忘れたわけではなかったのだが、Hの言葉が無ければ思い出すきっかけなど無く、そのまま永遠に忘れたままであったろう。
皮肉なことにHは、忘れて欲しい我輩の記憶をわざわざ自らの言動で呼び覚まし、その記憶を強固なものにしてしまったわけだ。
これはまさに、自爆と言うに等しい。


さて話が変わるが、我輩は雑文649「画像ファイル管理」でも書いたように、時系列で画像を管理している。そのため、画像が貯まってくるとサムネイル表示にすると絵日記のようになってくる。
日付ごとのフォルダを開けば、その日撮った画像が表示される。
以前は文章で豚児日記なるものを書き、子供に関する印象に残った出来事を書いていたものだが、日々の雑事に追われ、日記を書かなくなってしまった。しかし今は、画像を見ればいつどこに行ったのかが映像として分かる。時間もファイル名を見れば秒単位で判明する。

今はポケットに入る高画質デジタルカメラ(LUMIX DMC-GF3)があるので、日常的にメモ撮影していることもあり、毎日ではないにせよ、1日〜2日おきくらいで確実にフォルダがある。
その時まで完全に忘れていて、ヘタすればそのまま永遠に忘れてしまいそうなことを、画像をきっかけに初めて思い出すものも多い。写そうと思って写したものは当然のこと、写真の隅にたまたま写っていて思い出したようなものもある。
そういうことを鑑みると、日頃から忘れ去っている思い出が数限りなくあったのであろう。記憶から消えていなくとも、思い出すきっかけが無ければ記憶は浮上しない。

画像というものは、そのきっかけを作ってくれる。研修時のHのロボット歩きも、画像があればHの自爆を待つこと無く思い出すことが出来たであろう。
そういう意味で、我輩の画像データ保管フォルダは我輩の記憶そのものと言える。

<時系列で並ぶ画像フォルダとその画像>
時系列で並ぶ画像フォルダとその画像