2000/04/05
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カメラ雑文

[649] 2009年02月09日(月)
「画像ファイル管理」

最近、職場のサーバでハードディスククラッシュが起きた。
一応、ミラーリングしているのだが、年末の出来事だったためかサーバ管理者が年明けに問題を持ち越してしまい、気が付くと連鎖的にハードディスクが複数クラッシュしてしまった。
メーカーの技術者には「1基ずつハードディスク交換してRAID再構築しますが、負担がかかってデータが全滅する恐れもあります」という脅しを受けたらしい。最悪の場合、2日前のバックアップ状態に戻ってしまう。
しかし幸運なことにハードディスク交換とRAID再構築は無事に済み、データも最新の状態が保たれた。

今回のような事件は、個人レベルではたまに経験する(参考:雑文469「それでもデジタルカメラ」)。
その度に貴重なデータを失い、そしてまめなバックアップの必然性を痛感することになる。

以前は「DVD-RAM」や「DVD-R」をバックアップ用としていた。
「DVD-RAM」では、その都度ファイルを自由に追加出来るものの日々の煩雑なバックアップには速度が遅過ぎ、かと言って「DVD-R」では、一気書きが基本のため容量調整(4GBで一区切りにまとめること)と画像レタッチ(書込み後はレタッチ出来ないので書込む前にレタッチが必要)が面倒である。

ふと見ると、日々データが増えているデジタルカメラの画像がしばらくの間バックアップされぬままであった。
もしこの状態のままハードディスクがクラッシュすると、これまでの画像が一瞬で消滅してしまう。ハードディスクが健康な今のうちに何とかせねば。

まず考えたのはDVD-Rへの退避であるが、最近の1,000万画素の大きなデータと、大容量メモリカードに依存したカット数の増大により、例えば帰省写真などのひとまとまりのイベントが1枚のディスクに収まらず2枚に分割されてしまうことが判明。これでは整理しづらく利用も面倒になる。

そこで思い切って、ブルーレイディスクを導入することにした。
まだまだ高価な印象のあるブルーレイであるが、増える一方の画像データを保管するには、もはやブルーレイ無しでは考えられまい。
インターネットでドライブとディスクをそれぞれ最安値の店を探して別々に買おうかとも思ったが、送料や納期のことを考えるとあまりメリットも無く、結局は近所の電器量販店でドライブを1万7千円、50GBの書換可能ディスク(BD-RE)5枚組みを5千円弱で購入した。

<購入したブルーレイディスクドライブ>
購入したブルーレイディスクドライブ

早速バックアップを始めようと思うが、この機会に、過去にCD-RやDVD-Rにバックアップしたものも統合して改めてバックアップしようかと思う。
というのも、過去10数年に渡るデジタルカメラのデータのファイル管理は統一されておらず、しかも数十枚のディスクに分散してしまっているからだ。もしこれがほんの数枚に統合されれば利用もし易くなるし、資料画像を活用することによって我輩の知恵も向上するかも知れぬ。同じ情報であっても、整理されぬ情報は死んだ情報でしかない。

さて、上記の管理法を過去のバックアップディスクについても反映させるため、あらためて画像データを1ヶ所に集めて整理しなおすことにする。
我輩のバックアップとしての最古の光メディアはもはや10年を越えているためか、読み込み音が微妙に怪しかったりするが(ピックアップのヘッドが行ったり来たりしているようなサーボ音が続いたりする)、何とか数時間かけてハードディスクに全データをコピーすることに成功。

50GBものデータ量を単位として整理しているのであるから、作業としてはそれなりに大変ではある。だがこの作業を通して、我輩がこれまで行ったデジタルカメラ画像の整理についての歴史を改めて思い出すことになった。
そのことついて、下記にまとめてみることにした。


**************


我輩最古のデジタル画像は1995年頃のようだ。ビデオカメラの画像からパソコンへキャプチャしたものである。
その後、スチル専用としてのデジタルカメラの導入により、1998年頃から画像が増えている。

ただそれでも今と比べれば格段に数が少なく、少ないフォルダには「帰省」や「自宅雪風景」などと名前が付けられ、イベント(出来事)ごとに括られていることが多い。
たいていの場合は同じ日に撮った画像が多いが、同じようなイベントが日を分けて発生したり、同日に複数のイベントが起きたりする場合もある。例えば、2001年初頭は千葉県にしては珍しく雪が降る日が散発的にあったようで、同じフォルダに複数の日付の画像ファイルが入っていた。
ファイル名には、カメラが付ける「無意味な文字+連番」が入っているが、イベントごとに分けると連番が欠けたりすることから、あらためて「イベント名+連番」として附番し直した。

ちなみに、初期の頃はJPEG形式の将来性を信用しておらず、普遍的だと判断したBMP形式に変換して保存していた。何しろ、MS-DOS時代に使っていた「mag」形式や「zim」形式、そしてデジタルブック用に作ったRGBベタ画像が廃れてしまった苦い思い出があるから無理もない。当時はJPEG形式などそれこそ数年で廃れると思っていたからな。
ただしBMP形式では、当然ながらExif情報は保存されない。当時はExif情報など意識していなかったのだ。

<1998年帰省>− 帰省001.bmp
帰省002.bmp
帰省003.bmp
帰省004.bmp
<自宅雪風景>− 雪001.bmp
雪002.bmp

それから数年経つとJPEG形式での保存が多くなるのだが、これはピクセル数及び撮影枚数の増大が影響している。ただしExif情報については、縦位置回転したものについては欠如していた。

その後はデジタルカメラを買い換えるなどして過去の画像と区別を付けるためにカメラごとにデータを括り始めた。以降、現在までデジタルカメラの買い替えはコンスタントに続き、カメラごとの括りはごく最近まで続くことになる。

また、2001年には一眼レフを導入。同時にコンパクトフラッシュ型のHDD「マイクロドライブ」340MBを使い始めたことにより、一眼レフの速写性能と相まって撮影枚数が飛躍的に増えた。そのため整理が追い付かず、カメラごとの括りの中でそれぞれ時系列フォルダにて管理し始めた。時系列フォルダ管理だと、どこにどんな画像があるかを探すのが面倒かと思うが、機械的な単純作業で整理出来るのが良い。
しばらくしてファイル名そのものについても、リネームソフトで「年月日+連番」の書式に変更するようになった。

<EOS_D30>− <20010911>− 20010911_001.jpg
20010911_002.jpg
20010911_003.jpg
20010911_004.jpg
<20010918>−
20010918_001.jpg
20010918_002.jpg
<C2020Z>− <20010911>− 20010911_001.jpg
20010911_002.jpg
20010911_003.jpg
<20010918>−
20010918_001.jpg

しかし画像ファイルを単独利用すると連番の意味が無いことに気付いた。連番は他のファイルと並んでこそ意味を為す。
また、同じ日に別のカメラで撮影した場合、同じ名前のファイルが複数存在することになる。
そこで、「年月日」だけでなく「時分秒」まで加えるとにした。これならば他ファイルと並んでも順列を保てるし、単独利用でも意味を持つことになる。
しかし「20010120133250.jpg」などと長過ぎて見づらいため、アンダーバーを入れて「2001_01_20_13_32_50.jpg」などと区切ることにした。
この管理方法は、つい最近まで行っていたものである。

<EOS_D30>− <20010911>− 2001_09_11_10_12_35.jpg
2001_09_11_10_12_42.jpg
2001_09_11_10_13_21.jpg
2001_09_11_10_14_11.jpg
<20010918>−
2001_09_18_07_21_44.jpg
2001_09_18_07_26_34.jpg
<C2020Z>− <20010911>− 2001_09_11_18_01_25.jpg
2001_09_11_18_02_43.jpg
2001_09_11_18_05_51.jpg
<20010918>−
2001_09_18_22_41_10.jpg

さて、歴代デジタルカメラの数が増えてくると、カメラごとの括りが混乱を招くようになってきた。あるカメラでの画像を探していたが見付からず、別のカメラで探してみるというような手間が多いのである。

その一方で、時系列での保存が意外にも良いインデックスであると最近になってから感ずるようにもなった。
そこで、カメラごとの括りを取り払い、一括して時系列管理にすることにした。そうなると、複数カメラでの画像が同一フォルダ内に混在するため、ファイル名にカメラ名を加えるようにもした。
これが現時点での管理方法となっている。

<2004>− <20040101>− 2004_01_01_15_23_36(EOS_D30).jpg
2004_01_01_15_42_20(EOS_D30).jpg
2004_01_01_18_16_21(C2020Z).jpg
2004_01_01_20_22_54(C2020Z).jpg
<20040102>− 2004_01_02_11_34_21(1)(EOS_D30).jpg
2004_01_02_11_34_21(2)(EOS_D30).jpg

基本的に我輩の整理思想として、「ファイル名に必要な情報を詰め込み、フォルダ階層で整理をする」ということになる。
もちろん、画像データにはExif情報として撮影日時だけでなくもっと詳しい内容が記述されているが、縦横変更などのレタッチで上書きするとExif情報が抜け落ちることもあるため、Exif情報はあてにせずファイル名に最低限の情報を定着させておくほうが安心出来る。

ただしこれとは別に、「登山」や「物撮り」などの分野別写真、そして「博物館展示撮影」や「書籍複写」などの資料写真は時系列にするメリットが無いため、個別整理としている。
特に資料写真は、例えば「化石」−「節足動物」−「ウミサソリ」などと体系化させたほうが探すのが容易になるし、似たような情報が集まり新しい智見(ちけん)を得るきっかけとなる。

これについては無制限に分類分けする必要は無く、特に関心のある分野のみ分ければ良い。先の例で言えば、我輩は「ウミサソリ」に特別な関心を持っているから分類しているだけであって、それ以外の節足動物の化石については「節足動物」のフォルダ直下に置いている。そういう意味では、体系化すると言うより、似たものを集めてグループ化するという発想に近い。

<化石>− <節足動物>− <ウミサソリ>−


2008_01_07_21_55_45(D200).jpg
2008_01_07_21_55_45(D200).jpg
2008_01_07_21_55_45(D200).jpg
2007_11_23_18_16_21(P5100).jpg
2008_07_08_15_42_20(D200).jpg
2004_01_01_20_22_54(P5100).jpg
 
<恐竜>− 2006_10_12_11_34_21(D200).jpg
2008_01_07_21_55_45(D200).jpg
 
<民俗資料>− <印刷の歴史>− 2006_01_07_52_15_45(D200).jpg
2007_12_05_42_42_32(D200).jpg
2008_07_21_25_22_12(D200).jpg
 
<ジオラマ>− 2007_11_23_18_16_21(D200).jpg
2008_07_08_15_42_20(D200).jpg
2009_01_01_20_22_54(D200).jpg
 
<文字の歴史>− 2006_10_12_11_34_21(D200).jpg
2008_01_07_21_55_45(D200).jpg
 

まず大分類として博物館ごとに括ろうかとも思ったが、それぞれに同じ下位分類が出来てしまうのは明らかで、結局はムダが多いのでやめた。
そもそも展示場所などは重要でなく、内容そのものが重要である。もし展示場所が知りたければ、日付を手掛かりにすれば分かること。手間がかかるとは言え、「調べようと思えば調べられる」という程度であればそれでいい。


**************


以上が、我輩におけるデジタルカメラ画像の整理についての歴史だったが、今のパソコン環境で画像をチェックすると、「昔の画像はサイズが小さいな」とあらためて思った。これでは今さら使おうと思ったとしても用途は限られる。
しかし当時はそれほど小さく思わなかったのは、当時使っていたディスプレイの解像度が800x600ドット(SVGA)や1024x768ドット(XGA)だったためである。

現在では「デジカメ画像を等倍"拡大"して見るのは重箱の隅をつつくことだ」とすら言われているが、古来前世紀よりデジタルカメラを使ってきた者にとって等倍表示での鑑賞はごく自然なことであり、ここ数年デジタルカメラを使い始めたような若造には到底理解出来ぬことであろう。

ちなみに、200万画素の「OLYMPUS C700UZ」で撮影した画像も出てきたが、帰省時に大量に撮影したものについてはメモリカードの容量の問題のためかVGA(640x480)で撮影していた。今となっては拡大表示せねば閲覧しづらいほど。露出計用途としての副産物であるから今さら利用価値は無いが、撮影の裏側が見えるようで面白さはある。
さすがに一眼レフタイプを使うようになってから最大解像度での撮影は当たり前となった。メモリカードの容量も年々増大し、今では4GBの大容量を使うほど。

一時期RAW形式の撮影を試したこともあったが、大量に撮影した時などは容量が膨大になり、また個別調整と現像処理に時間が延々とかかることから、早々に見切りをつけてJPEG撮影に戻った。本気の撮影は銀塩リバーサルであるから、デジタルのほうで時間を浪費するなどという人生の無駄遣いをしたくはない。

さて最後に、バックアップしたブルーレイディスクについてだが、1995年から2008年までのデジタルカメラ画像のデータ全体では80GB。ブルーレイディスク2枚に収まった。
ちなみに45GBのデータを焼いた際、2倍速ディスクへの書込みで3時間半かかってしまった。