2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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 FE10
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カメラ雑文

[756] 2012年05月14日(月)
「2012年ゴールデンウィーク一人旅(事前計画)」


●今年のゴールデンウィークの行き先

今年のゴールデンウィークは5月1日及び2日が平日のためカレンダー上の連休は2つに分断されているが、我輩の勤務先ではその日が休暇奨励日になっているので実質的に4月28日(金)〜5月6日(日)を通しての9連休となっている。
ここ数年、豚児が学校に行くようになってからは休みが合わないのでゴールデンウィークは一人旅をしているのだが、さて今年はどうするか。

少し前のテレビ番組「ダーツの旅」にて、島根県の美保関(みほのせき)が出ていた。
島根県は我輩が大学時代4年間を過ごした土地なのだが、テレビ画面に見たことのある風景が現れて驚いた。この番組を見るその時まで、全く思い出しもしなかった場所だった。

そこは、大学時代にサークル仲間(裏千家茶道部)数人でクルマに乗って遊びに行ったことのある神社なのだが、当時は神社などあまり興味が無かったし、自分が運転したわけではなかったので、神社の名前など意識していなかった。
番組によれば、その神社は「美保神社」と言うらしい。

今まで思い出しもしなかったとは言うものの、当時の記憶が薄れているわけではない。単に、思い出すきっかけが無かったに過ぎない。だから、思い出そうとすればその場の風景が浮かび上がってくる。むしろ、思い出が封印されていたせいでその内容が改変されず、浮かび上がる風景は鮮明であった。
この場所に戻り、記憶をさらに辿ってみたくなった。

そこで今回、大学時代を過ごした島根県松江市周辺を巡ることを考えた。美保神社と同様に封印された他の思い出も掘り起こし、写真に撮って持ち帰ろうという計画。
5年前にも島根県を訪れてはいるのだが(参考:雑文600)、この時は九州実家に行ったついでに立ち寄ったため、島根県では2泊して実質1.5日分(中1日+α)の行動しか出来なかった。
今回は島根だけをターゲットとし、4泊で中3日間をみっちり費やそうと思う。


●撮影の目的

5年前に訪れた時にも感じたが、かつて見慣れた風景の幾つかは失われ、新しい風景に置き換わっていた。入学当初は田んぼ道だった「学園通り」も、大型店舗が建ち並ぶまでになった。
このまま行くと、完全に見知らぬ街へ変貌してしまうことだろう。
今さら撮影しても遅いのは分かっているが、今撮らねば完全に過去との接点を失うことになる。

5年前の撮影ではフィルム撮影がメインだったため、デジタルカメラのほうは単に露出計代わりの役割しか無かった。コンパクトタイプのデジタルカメラ「RICOH GR-D」で適当に撮影し、本当に参考程度にしかならない画質のメモ画像ばかり。
ただそれでも500枚近く撮っているだけに、フィルム撮影に比べて日常風景が網羅されていた。これが高画質画像であったらならばと悔やまれる。

だから今回は、デジタルカメラ撮影であっても高画質・高画素を実現させたい。
その画質を以って、帰宅してからもジックリと隅から隅まで見渡し、その場で気付かないような発見も期待する。デジタルカメラの等倍鑑賞はもちろん、場合によっては拡大鑑賞もしたいところ。

もちろん、フィルムでビシッと描写した写真には問答無用の力があり、それが我輩個人だけでなく後世にも貴重な資料となるであろう。
だが数百数千枚単位で撮影すると整理・保管または閲覧で手に負えなくなるし、当然ながらフィルム代や現像代も増大する。そのため、フィルムのほうはどうしても写真作品として成立するポイントを選んでの撮影となる。

もっとも、写真作品として成立するポイントは5年前の撮影で撮り尽くしているわけで、今さら同じポイントを新しい時代で撮り重ねる意味も無い。だから、今回は高画質なデジタルカメラをメインとし、日常的な風景をしらみつぶしに撮影していくことを考えた。

画質を期待するのであれば、「Nikon D700」と「超広角ズーム14-24mm」を使うべきだが、フルサイズカメラでは撮影時に目立ち過ぎる。観光スポットならばまだしも生活エリアでのフルサイズカメラ投入は避けたい。それに、いくらデジタルカメラをメインとするにしても名所ではフィルムカメラも併用したいので軽量なほうが良い。
こんな時にこそ、先日導入したマイクロフォーサーズカメラ「OLYMPUS OM-D E-M5」が役に立つ。このカメラは今のところ、我輩所有のデジタルカメラの中で最も画素数が多い。交換レンズも「7-14mm」を使えば、それこそフルサイズ並の超広角撮影が可能となる。


●移動手段の検討と最終決定

5年前の撮影ではレンタカーで回ったので小回りが利かなかったが、可能であれば市内を自転車で回り、細かい路地まで撮影したい。大学当時の主な移動手段は自転車だったので、むしろそのほうが同じ目線でちょうど良い。

しかし折畳み自転車を使うならば、クルマに載せて持って行くことになる。
去年の盆休みには関東から大阪まで550kmをクルマで走ったが、それはまさに苦行だった。フェリーを使わずクルマだけで移動するのは大阪までが限界であろう。
それをさらに越えて島根県までの約800kmを走るなど考えられぬ。

そこで、利用出来そうなフェリー便が無いかと調べてみたのだが、関東発のフェリー便はほとんど無い。もし大阪までのフェリー便があれば、あとは大阪から島根県までの250kmを走れば良いのだが。
唯一、関東から四国徳島までのフェリー便があったが、運賃が片道3万円と、費用的に少々ツライ。

やはり今回も、新幹線+特急が無難か。そうなると、現地ではレンタカーやレンタサイクルが必要になる。
その場合、レンタカーには布団が無いので車中泊は出来ず、従って宿泊費用も発生する。
これらの費用を計算すると、旅費3.7万円+レンタカー3万円+ガソリン0.5万円+宿泊2万円=9.2万円となり、これに食費を入れると10万円という数字が出てしまった。この費用を捻出するのは並大抵ではない。我輩の一人旅では、家計から支出させる名目が無い。家族3人で行くとしても、豚児の小学校はカレンダー通りの休みなので9連休が取れず連れて行けないし、そもそも家族3人分では旅費がさらに増える。
やはり今回は一人旅とし、費用は自分で何とかするしか無いのだ。

まだ今なら新幹線のぞみの指定席は空きがあり、コンパクトカーならばレンタカーの空きもある(本当は安価な軽自動車にしたいが人気が高く既に満車)。しかしここ最近は「OLYMPUS OM-D E-M5」やレンズなどを購入してきたので、手持ち金は全く無い。
先日、勤務先から永年勤続の金一封2万8千円をもらったばかりなのだが、その金額では旅費10万円には全く届かない。

そんな時、Web広告を載せて欲しいという誘いが来た。
これは我輩の別サイトで広告を載せている業者からの誘いだったのだが、偶然にも本サイトにも誘いが来たのだ。半年契約で3万円の入金予定。永年勤続金一封と合わせると5万8千円か。
10万円には足りないが、この差額ならば家計からの借金で何とかならないものか。

だが色々と手間取っているうちに新幹線の指定席空きが無くなり、レンタカーも完全満車となってしまった。新幹線は自由席で何とかなるにしても、レンタカーが無いのは痛い。
時間が経てば経つほど選択肢が無くなる。

範囲を広げて検索すると、岡山駅前ならばレンタカーの空きがあるようだった。仕方無い、岡山でレンタカーを借り、そこから島根までクルマで移動するか。ただそうなると高速料金とガソリン代がかかるし、移動時間も増える。
レンタカーなので最初と最後は時間に合わせなければならず、特に帰りは時間に余裕を持たせて早めに切り上げねばならぬ。そうなると実質的な行動時間はさらに減る。

ゴールデンウィークまであと1週間。参ったな・・・。

この1週間は業務が特に忙しく、結論を先送りにしていたのだが、とりあえず通勤電車内の時間を利用してポータブルナビに1つ1つポイントを登録していった。こういう点ではポータブルナビは大変重宝する。

<ポータブルナビSONY NV-U37>
ポータブルナビSONY NV-U37

さてゴールデンウィーク3日前になると、さすがに結論を出さざるを得ない。
費用から言えば、全行程を自分のクルマで走るのが最も安価になる。
高速料金はETC夜間割引を使うと片道9千円ほど、ガソリン代は3万円弱(※)か。自分のクルマだと車中泊が可能なので宿泊費用は不要となり、5万円工面出来れば何とかなる計算。
(※想定走行距離2,000km、平均燃費11km/L、ガソリン単価160円として計算)

もちろんそれに加えて食費もかかるが、旅に出ようが出まいが食費はかかるので、それは家計からの出費として処理可能。
長距離運転が大変だが、もうこれしか選択肢は無い。


●カメラ機材の用意

そういうわけで、大急ぎで荷物をまとめ始めた。
移動手段が決まらなければ(あるいは金策が出来なければ)行くことすら危うかったので、荷物はそれまで用意していなかったのだ。実際、今回クルマで行くことを決断したのはある意味賭けでもある。本来ならば諦めていてもおかしくはない。

用意したカメラは、メインとして前述のように「OLYMPUS OM-D E-M5」を、そしてサブには「LUMIX DMC-GF3」を選んだ。

<「OM-D E-M5」と「DMC-GF3」>
「OM-D E-M5」と「DMC-GF3」

「GF3」については、画質と画素数は「E-M5」には及ばないが、レンズ交換の手間を省きたい時には活躍してもらうことにする。
予備のバッテリーはそれぞれに1つずつあるのだが、「E-M5」のほうは不安になり1つ追加入手し合計3個にしておいた。消費したバッテリーは基本的に車内で充電するので不足は無いとは思うのだが、やはりメインカメラということでバッテリーに余裕が欲しかった。

交換レンズは、とりあえず目に付いたものを全て持って行く。
「14-42mmパワーズーム(換算24-84mm)」、「14-42mm手動ズーム(換算24-84mm)」、「超広角ズーム7-14mm(換算14-28mm)」、「14-140mm(換算28-280mm)」、「17mmパンケーキ(換算34mm)」の5本。

同じ焦点距離の標準ズームが2本ある理由は、それぞれに一長一短があるため。
パワーズームのほうは劇的にコンパクトだが起動時に少々時間がかかる。対して手動ズームのほうはパワーズームほどコンパクトではないが起動が早い。クルマでなければどちらを携行しようか悩むところだが、どれもコンパクトなマイクロフォーサーズレンズであるし、どうせクルマなので荷物は思い付くままに積み込める。

メモリカード(SDカード)については、2つのデジタルカメラが共に動画撮影可能であることを考えると、メモリ容量は出来るだけ大きいほうが良い。
SDカードは我輩の身の回りにも汎用的に使われているので、デジタルカメラだけでなく他の情報機器に入れていたカードからも拝借してかき集めた。
その結果、「16GB」、「8GB」、「4GB」、「4GB」、「4GB」、「4GB」、「2GB」、「2GB」、「1GB」の計9枚45GBを確保出来た。32GBのカードが2枚もあれば面倒も無いだろうが、金もかけられないので仕方無い。

一方、フィルムカメラのほうは「PENTAX 645N」に「広角35mm(換算24mm)」を装着。この広角レンズは、同じくらいの大きさの標準ズームに比べるとかなり軽量なので重宝する。
中判120フィルムは現地で調達不可能であるから、十分過ぎるくらいの量は積んでおく。


●日程

日程は、下表の通り現地行動を完全3日間取れるようにした。
その前後日では現地到着時間と現地出発時間によっては余裕時間が出来る可能性があるとは思うが、それはオマケと考えておく。

4月28日(土) 千葉自宅(0:00発)→大阪(7:00着)SA内仮眠(11:00発)→島根(15:00着)
=車中泊=
4月29日(日) 午前:松江市内巡り(北部)
午後:松江市内巡り(南部)
=車中泊=
4月30日(月) 美保関・境港・野波海岸・加賀漁港・出雲大社・日御碕
=車中泊=
5月1日(火) 午前:松江市内巡り(予備)
午後:大学キャンパス
=車中泊=
5月2日(水) 午前:予備
午後:大学キャンパス(予備)
島根(17:00発)→名古屋(24:00着)
=SA内車中泊=
5月3日(木) 名古屋(5:00発)→千葉自宅(10:00着)


基本的に高速道路走行は夜間とし、ETC夜間割引を狙う。夜間ならば渋滞も少ないだろうと期待する。新東名高速道路が開通したばかりとのことで、試しにそちらを走ってみようかと思う。

さすがに片道800kmの走行は大変なので、名古屋か大阪辺りで一区切り付けたいところ。そこで仮眠を取ってリフレッシュすれば何とか行けるのではないかと思う。最悪ダメそうならば、大阪観光に切り替えて戻れば良い。
最も避けたいのは、現地まで行ったは良いが、疲れてしまって帰るに帰れなくなることである。今回、そこまで心配するほどの距離として認識している。

<松江市までの800kmのルート>
松江市までの800kmのルート