2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[620] 2008年02月17日(日)
「畑泥棒」

農作物は、数ヶ月の期間や肥料・農薬・農業機械などのコストと手間などを費やして作られている。
ところがここ数年、それら農作物の盗難が急増しているという。しかも、形の良いものだけを選んだりサイズを揃えて盗んだりするケースや、梨5000個など大量に盗むケースが起きており、呆れるほどに悪質・巧妙化している。

詳しいことについてはウェブ上で検索すれば多くの事例が出てくるのだが、それら一つ一つを読んでいると、我輩は盗人に対する怒りがこみ上げてくる。農家の方々が精魂込めて作った結果を、その結果だけ持ち去るのであるから、まさに外道(げどう)と呼ぶにふさわしい。そして、被害に遭われた方々のやり場のない憤りを想像すると心が痛む。

中には、「少しくらい盗られたくらいで騒ぎ過ぎだ」と思っている者もいるかも知れぬ。そういう者にとって、我輩の感想は「偽善」としか映らないだろう。
しかし今回に限っては、この感情は我輩お得意の「偽善」では決してない(雑文401「動物野郎」)。
なぜなら、これまで我輩も似たような経験をしているからに他ならない。

我輩は、当サイトの他に幾つかのウェブサイトを運営している。そして、それらのサイトで使っている写真やイラストを盗用された。
盗用が発覚するのは、いつも偶然であった。我輩自身、ネットサーフィンは煩雑にやっているため、似たような興味範囲での遭遇率が高いと言えるのかも知れぬ。

ただ、雑文612「株式会社 ジー コーポレーション」で書いたような2件の盗用事件については、どちらの犯行も自動車関係のサイトということで、それこそ偶然に発見したのである。逆に言えば、発覚せず表面化しない盗用は幾つもあるということも考えられる。

いずれにせよ、ひとが苦労して創り上げた物を、その結果だけを持ち去るのであるから、農作物の盗難と似て悪質である。
もちろん、「デジタルデータを盗んだとしても、それはコピーであるから元データは残っており実害は無かろう」という意見もあるに違いない。しかし実害があろうが無かろうが、人間の感情として、自分が時間と手間と費用をかけて創った結果を、その結果だけを利用され、さも自分で創ったかのように装っているのが大変カンに障る。せめて引用先を明記し内容を改変せずにおれば、状況によっては憤りは起きないかも知れないものを。

ただ今のところ、写真分野での盗用者はいない。
それはつまり、写真趣味そのものが素材を創り出す趣味のため、産みの苦労を知っている者同士、相手の気持ちが解るのだと解釈している。
自分の撮った写真を盗用されればどんな気持ちになるか、写真系サイトの一つであるこの場で、我輩が改めて説明するまでも無い。

写真趣味のような素材創作系分野以外の人間が雑文612「株式会社 ジー コーポレーション」を読んだとしたら、「盗用が嫌ならインターネットで公開しなけりゃいいじゃないか」と思う程度かも知れぬ。立場を異にする相手の気持ちが解らなければ、当然そうなろう。

ひょっとして、そういう者たちは自分で撮った写真を盗用されてもあまり気にしないのだろうか?
考えてみれば、写真趣味分野以外の人間が写真を撮るためにこだわりがあろうはずが無い。ただ単純にカメラのシャッターボタンを押すだけであろう。写真などボタンを押すだけで簡単に得られるのだと思っているのであれば、自分の撮った写真を盗用されても気にするはずも無いし、相手の痛みも解るまい。

ならば、このように考えてみてはどうか。
自慢の愛車を写真に撮って公開し、その写真を盗用されたと。
せっかく手間や費用をかけてチューンナップ&ドレスアップした愛車であるが、それを他人が「俺の車だぜ、凄いだろう!」と、その写真を無断使用し別の所で自慢していたらどう思うか。

想像力があまり無くとも、さすがに相手の気持ちが解るのではないか?