2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
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5.カメラ雑文
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カメラ雑文

[599] 2007年04月18日(水)
「デジタルカメラを進化させろ」

雑文516「携帯電話のカメラを進化させろ」では、携帯電話の内蔵カメラが単なるカメラでしかないことを揶揄した。現段階でも、QRコード(2次元コード)を読み取る程度。単なるスキャナ代わりとは情けない。

そんな中で、意外にも自動車用バックカメラの分野で進化があった。
三洋電機の「車載用リアビューカメラシステム(http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0703news-j/0326-1.html)」である。

広角レンズの円形歪みを補正するばかりか、「見おろしモード」によって、上から見たかのように画像処理するという。
説明ページの写真を見ると、横から見た自転車が上から見たように角度が変わっており、見えない部分まで見えていることに驚くが、"写真はイメージです"と但し書きしてあることから、そこまで大それた画像処理をするのではなかろう。何しろリアルタイムの動画であるから、高度なデジタル処理(角度的に見えない部分を映像補完するなど)では映像出力が追いつくまい。恐らく、単純な変形処理を通しているだけだろう。

しかしそれにしても、デジタル画像の特性を上手く活かして人間に解り易い出力をするというのは、非常に素晴らしい発想。これこそ、映像情報をデジタルで取り扱うことの意味があると言えよう。
「そんな画像、レタッチで簡単に加工出来る」という意見もあろうが、車のバックカメラに組み合わせたリアルタイム動画という商品構成が活きているのだ。

それに比べて、デジタルと名のつくデジタルスチルカメラ(デジカメ)だが、ただ単に画像をデジタル化しただけで終わっているのが残念。
中には「人間の顔を認識して顔の描写を明るくする」という機能を持ったデジタルカメラも存在するが、現段階ではその程度で精一杯なのか?(いや、そうではなかろう=>反語)

例えば、航空写真で実用化されている技術だが、連続して流し撮りした景色をそのまま細長い1枚の画像することが出来ると面白い。スリットカメラみたいなものだが、デジタルの特性を活かして、動いている物体の変形を補正出来ると尚良い。
今時のパソコンはメモリも512MB以上の搭載も珍しくないため、例えば20,000x480dotなどという超横長画像の取扱いも特に不可能ということはない。

またあるいは、カメラの上下左右あらゆる方向にカメラを振り、写る範囲を広げるような撮影も出来れば面白い。


このようなサイズが撮れるデジタルカメラがあったとする・・・

カメラを振ると撮影画面が広がる

これならばカメラ側の画素数が少なくとも大写真が撮れるし、使い方次第では表現力がかなり広がるだろう。アーティスティックな表現も出来そうに思う。そういう工夫はユーザーに任せればいい。

こういう話になると「ニーズがあるかどうか」という話が出るかも知れないが、新しい分野の企画というのはニーズがあるかどうかという判断は出来ない。あくまで、作り手からの提案として行わねばならぬ。プリクラなどが良い例であろう。あれは「顔写真をシールにして欲しい」などというニーズがあったから作られたものではない。作り手の新しい提案が受け入れられたからヒットしたのである。そしてその新しいツールを使い、ユーザーは新しい文化を作っていく。

そもそも、これらは我輩の思い付きの一例であり、話の主旨としては「こういう機能を作れ」と言っているのではない。ましてや、これらを取り上げて実現性や有用性を議論しようというのではない。
我輩はあくまで、銀塩写真の延長上の発想でしかカメラを作れないメーカーに対して情けなく思っている。そういうことを言いたい。


ところで、ある調査によれば、携帯電話でインターネットを閲覧する層がパソコンを使って閲覧する層を上回ったとか。
この調査が現状を正しく反映しているかは分からないが、一般傾向としてパソコンを持たずに携帯電話しか持たないという人間は意外に多いようだ。そして、今後携帯電話のスペックが向上することにより、その傾向は更に強くなることだろう。
そうなれば、一般人がわざわざ画像を取り扱うためだけにパソコンを買うということも考えにくいため、パソコンの普及率が下がってくる可能性は高い。
(※写真を趣味としている者にはパソコンの無い生活など信じられぬだろうが、写真を趣味としない一般人にはパソコンなどWeb閲覧に使う道具に過ぎない。)

そういう時代に、デジタルカメラがどこまで生き残れるか。
パソコンを持たず、そして、カメラ付き携帯電話がある。そういう環境で、わざわざデジタルカメラを使おうと思う者がどれだけいるだろう。
デジタルカメラがよほど魅力的な機能を備えていなければ、今はまだ良くとも今後行き詰まるのではないかと他人事ながら心配する。