2000/04/05
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カメラ雑文

[526] 2005年02月20日(日)
「プリント写真を得る方法」

先日、親戚向けに豚児写真をネットプリントにて焼き増しした。
豚児は祖父母が4人、曾祖父母が3人おり、我が家を入れると6世帯分必要。それら全てに用意するとかなりの負担であるため、幾つかの世帯にはデジタルデータでの支給とし節約している。だが節約したとしても、半年ごとに150枚前後の写真は必要となる。

もしこれがネガカラーフィルムからの焼き増しならば、非常に大変な手間であったろう。

ネガカラーフィルムからプリントを作る場合、プリント作業するオペレータには元の色が分からないため、変な色・濃度になって仕上がることが多い。満足出来る色・濃度のプリントが得られるのは、偶然による産物である。

もちろん、色見本となるプリントを提示して「このプリントより若干シアン色を抜いてくれ」などという指示も可能ではあるが、我輩のように大量にプリント写真を得ようとする場合には、1枚1枚についてこのような作業が出来るはずも無い。
ネガカラーフィルムというのは、渾身のプリント写真1枚を得る場合か、あるいは色にこだわらず大量にプリント写真を得る場合に役立つのみ。

もし、大量に、しかもイメージ通りの色・濃度のプリント写真を得るとするならば、もはやデジタルの力を借りねばならぬ。

現在、我輩が利用しているプリントサービスは、フジフィルムの「デジカメプリント」である。
(デジカメプリント:元々はデジタルカメラのデータをそのまま出力するというサービスだったが、パソコンで作成した画像を出力する「メディアプリント」と統合された。)

デジタル写真のデータは、色がそのままパソコンのディスプレイ画面で確認出来る。もちろん、画面の色がそのままプリントに反映されるわけではないが、色の偏りは比較的一定している。カラーマッチングなどやらなくとも、偏りの傾向さえ掴めば意外に結果が良い。そして、同じデータを使って焼き増しすれば色は変わらない。ネガカラーフィルムのように、焼き増しするたびに色が変わることは無いのだ。
そういうわけで、プリント写真にはデジタルデータが一番相性が良い。

さて、デジタルデータというのは様々な方法で得られる。
デジタルカメラは直接デジタルデータを吐き出すし、リバーサルフィルムからでもフィルムスキャナによってデジタル化が可能。もちろん、ネガカラーフィルムからスキャンしてデジタル化する方法もある。

しかし、ネガはどうしても元の色が分からないので、色調整に迷いが出るのも事実(参考:雑文185「本当の色が判らない」)。今は良くても、後で見ると疑問に思う事もある。そういう意味で、ネガカラーフィルムはデジタル化には適さない。

また、デジタルカメラの場合は、撮影時のホワイトバランス調整が正しければ、後調整は少なくて済む。もちろん、白飛び・黒潰れしやすいデジタルカメラであるから、それなりに"化粧"が必要となるのは言うまでもない。理想的にはCCDの生データであるRAWデータから手を入れるのが良いが、自由度が高いからとあまりに手を入れ過ぎると不自然になる。見本が無いゆえの落とし穴である。

色に関する原版の存在しないネガカラーフィルムやデジタルカメラでは、いくら調整を尽くしたとしても、それが目標点にまで達しているのかというのは誰にも断言出来ない。ともすれば、行き過ぎてしまう恐れもある(参考:雑文365「想像は現実を通り越す(2)」)。

ところがリバーサルフィルムの場合、フィルム原版が色見本になる。
もちろん、パソコンディスプレイ上では原版と100パーセント同じにはならないが、近付けるための目標としては極めて有効である。それがどんなに変な色だとしても、元々の原版が変な色であれば納得せざるを得ない。結果、迷いは無くなる。

かつて、リバーサルフィルムからプリント写真を得るには「ダイレクトプリント」か「インターネガ」しか方法は無かった。
ダイレクトプリントは極めて階調が硬く、しかも単価が高い。またインターネガは大量に焼き増しする分にはコストの問題は小さいが、色見本があっても基本的に色調整は人任せとなるため満足が得られる確証は無い。

今の時代、フィルムスキャナも安くなった。型落ちや中古品であればもう手が届かないという言い訳も通用しない。
もしプリントが目的ならば、ネガカラーフィルムなど使わず、素直にリバーサルフィルムにしておけ。それをスキャナで電子化し、得られたデータを自分自身の手で色調整し、思い通りの色でネットプリントするのだ。

それが、一番幸せになれるプリント写真を得る方法。


リバーサル+デジタル=最強プリント


(※ネットプリントについて、本文で挙げた以外の利点として、(1)大切な原版を預けなくとも済む、(2)文字入れが非常に簡単、というものがある。)