2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[512] 2004年11月08日(月)
「コスプレ撮影会2」

前回、T嬢のコスプレ撮影会に参加したという話を書いたが(参考:雑文509)、その時はスタジオ撮影のみであった。そのため比較的光量が足りず、クリップオンストロボの直光を主光とせざるを得なかった。
定常光とのバランスを考えてスローシンクロを行ったものの、そのためにブレが多発したのは残念である。また、暗ければピントを外す確率も高くなる。

他サイトのT嬢写真では野外での撮影が見られ、自然光による立体感のある写真に目を奪われる。
もし機会があれば、我輩も野外で写真を撮りたいと思う。その時には、ストロボを補助光として使い、ストロボを使ったと悟られないような仕上がりにしたい。

そんな時、T嬢の野外コスプレ撮影会の情報が入った。
今回の申込み時間は6日前の23時。我輩は例によって自分の名前をあらかじめクリップボードにコピーしておき、いつでも申込み欄にペースト出来るようにして構えていた。
前回よりも申込み締切りまでの時間は長くなっておりそれほど気合いを入れて申込みするほどでもなかったが、それは結果論であり、急ぐに越したことは無い。

今回は1〜4部まであり、1部・2部は野外、3部はスタジオ、4部はT嬢を囲んでのお茶会となっている。
我輩はアニメ・ゲーム系についてほとんど知らないため、お茶会での話題には付いて行けまい。金を節約する意味もあり、4部だけは不参加とした。

事前計画として、野外ではISO100のまま撮影し、陰をストロボの弱光で起こす。ストロボは自動調光させずマニュアル発光とする。もし自動調光させるとなれば、距離によって被写体の大きさ(反射面積)が変わるため、背景が暗い場合には露出オーバーとなってしまう。
一方、スタジオでは光が足りないためにプラス1段の増感を前提とする。調節する余裕があれば、若干ストロボ光を弱めにしたい。ただし、ブレは多発するだろう。

前回の撮影では、1台のクリップオンストロボ(サンパックB3000S)をメインカメラの「BRONICA SQ-Ai」と露出計用途のデジタルカメラ「Nikon COOLPIX5400」で共用していたため、付け替えの手間やタイムラグが大きかった。
そこで今回、同じ型のストロボをもう1台用意することにした。これならばそれぞれのカメラに装着したままで済む。元々、1台目のストロボがかなりガタが来ているため替えのストロボを購入しようかと思っていたところでもあり丁度良い。
この製品には「新型オキシライド電池は使えません」と書かれていたため、マツモトキヨシのアルカリ電池を使った。Web情報によると、こういった低価格電池でも性能には問題無いとのこと。古いストロボのほうには前回のままオキシライド電池が入っているが、まあ良かろう。

ブロニカSQ-Aiは今回もモータードライブ装着とする。しかし、電池室を見ると、小さな針状結晶がビッシリと生えていた。これは以前、雑文251でも書いたのだが、アルカリ電池の液漏れによるものである。
もちろん結晶を見付ける度に拭いてはいるのだが、時間が経つとまた生えて成長する。これはつまり、見えない裏側に液漏れが及んでおり、そこから結晶が成長するのであろう。

我輩は、モータードライブの電池室を少し分解して清掃することにした。撮影会まで間がないため、メーカーには出さない。
ネジを取り、外れるところは外れたのだが、巻上げ部のカプラーが難儀した。割ピンがなかなか外れず、力任せにやって部品を飛ばしてしまった。部屋中探したが、結局その小さな部品は見付からなかった。
撮影会は目前。まずいな・・・。

部品が無ければ割ピンがあっても留めるものが無く、ハメ込まれている小さなボールベアリングもこぼれ落ちる。
仕方無い、ボールベアリングは全て落とし、清掃後にその状態で組み上げた。
表面上、動作は問題無い様子。
まあ、何とかなろう。

撮影会開催は11月3日(祝)。
天気予報では、晴ときどき曇。まあ、悪くない。
当日、撮影場所の代々木公園に着くと、そこは予想外に木々が鬱蒼(うっそう)としており、光量的に少し不安に思った。

集まった人数は10人。公園事務所の旗を持った主催者のもとに集まる。
撮影会第1部のT嬢は、西洋人形のようなロリータファッションで現れた。
撮影会が始まると、我輩はまず、デジタルカメラで試し撮りをした。
設定が決まると、その値をメインカメラのほうにセットし、ストロボのパイロットランプを見た。なぜか点いていない。数分前にスイッチを入れたはずだが、なぜかいつまで経っても点かない。チャージ音は正常なのだが・・・。

我輩はマツモトキヨシのアルカリ電池を抜き、モータードライブ用の予備として持っていたオキシライド電池を代わりに入れた。すると直ちにパイロットランプが点灯。何度テスト発光させてもすぐに点灯するため、メーカー禁止事項ではあるものの、これを使うことにした。

撮影は場所を変えながらであったが、その都度測光し直すのは非常に効率が悪かった。開(ひら)けた場所ならばそれほど測光値は変わるまいが、木々の茂り具合によってかなり光量も変わる。これが自然光のみならば問題無いのだが、ストロボとの光量比も考慮せねばならぬため、デジタルカメラでのモニタリングは欠かせない。
そのせいで、他カメラマンよりも一歩も二歩も出遅れる。
またそれだけでなく、天気も雲がかかったり陽が射したり、レフも白面を使ったり銀面を使ったりと一定せずに苦労させられた。
結局、最初の測光値をベースに、状況が変わる度にカンで微調整した。確証が無いだけに「この値で本当に合っているのか・・・?」と自信が持てない。

ところで、参加者のうち1人、オヤジ風の者がくわえタバコで撮影しており、少し驚いた。
他の者や主催者を見ると特に気にしている者もいなかったため、我輩も気にせず自分の撮影に集中した。

撮影会第2部、T嬢はパソコンゲームの「同級生2」の鳴沢唯というキャラクターで現れた。
その撮影が始まって間もなく、我輩のデジタルカメラが不調となった。
まず、画像記録にやたら時間がかかるようになり、露出調節に時間がかかるようになった。
そのうち、クリップオンストロボが発光せず、内蔵ストロボが発光していることに気付いた。見ると、デジタルカメラの設定がおかしい。どうやら途中でリセットがかかり、設定がデフォルト(工場出荷状態)となったもよう。

デジタルカメラの設定など購入時に説明書を見ながらセットしたきりで、今さらセットの方法が分からない。これには焦った。
まず、画像記録に時間がかかるのは、大きなサイズで撮影しているためであった。これはすぐに変更出来た。
次に、内蔵ストロボの発光を禁止して外部ストロボを発光させるようにするのだが、これが苦戦してしまい貴重な時間を失った。

何とか2部の撮影を終え、昼食の時間かと思われたが、2部の開始時間の遅れにより終了時間も遅れることとなり、スタジオへの移動時間を考えると昼抜きとなりそうだった。
我輩は、場の流れで他の参加者と共に移動し、スタジオに着いた。すると、スタジオでは準備に時間がかかっているとのことで、15分遅れで始まるとのこと。
我輩はその時間を利用し、コンビニエンスストアでサンドイッチを購入し食べた。

スタジオに入るまでの間、露出計代わりのデジタルカメラをチェックしていると、重大なことに気付いた。
なんと、先ほどデフォルト設定になった際に、感度設定が"オート"となっていたのである。
感度が不定であるならば、露出の指標になるはずがない・・・。

しばらく色々と試し撮りをし、オート感度とISO50(このカメラでは実質的にはISO100)の設定では、見た目上同じ露出量であることが判明したため、とりあえず気を落ち着かせた。
もし次回撮影会に参加することがあるならば、今度はEOS D-30を使うことにする。

そうこうしているうちに3部が始まったため、慌てて準備をして撮影に臨んだ。
今回は明るめにということで、主催者がランプ多くセットしていた。それでも、T嬢が少し場所を変えると陰となり光は不足した。
そればかりか、ランプの熱により室内が暑くなり汗が滲む。

前回のように、室内ではプラス1段の増感でスローシンクロをするのだが、ストロボを相対的に弱めるため1/30秒と遅めのシャッタースピードが多くなった。
BRONICA SQ-Aiに装着したテーブル三脚を胸に当て、ブレを極力無くすように努力した。しかし被写体ブレだけはどうしようも無い。


3部が終わり、皆に別れを告げて帰路についた。我輩以外のほとんどの者はそのまま残り、4部のお茶会に参加するようだ。

帰り道、ドッと疲れが出た。
長時間、ピント合わせに集中していたため目が痛む。「こんな時AFがあれば・・・」と思うのだが、今のところ66サイズで使えるAFカメラは存在しない(ローライの66判AF機は対応AFレンズがほとんどラインナップされていない)。ブロニカも消えてしまい、将来の望みはほとんど無い。

今回の撮影会では、やはり参加者のほとんどはデジタルカメラでの撮影であった。
軽量で、AF撮影可能。撮影結果がすぐに確認出来る。スキャン作業もやらなくて良い。便利なことこの上無い。
それに対し我輩は、苦行とも言える撮影スタイルで便利さとは反対の側にいる・・・。

帰宅後、撮影済みフィルムを数えてみると220フィルムで24本あった。内訳としては、野外14本、スタジオ10本。カット数では、総計576カットである。
そのうちの4本は、帰宅した後にカバンの底から出てきた。3部が始まる前の準備が慌ただしかったためフィルムの整理が徹底されておらず、野外撮影分か、あるいはスタジオ撮影分かが分からない。区別をハッキリせねば、増感が必要かどうかが分からない。その判断を誤れば、フィルム丸ごと失敗となる。

結局のところ、状況から考えて野外での撮影分だという結論に達したが(スタジオでは片付けの時間が十分あったため、撮影済みフィルムが整理されていないとは考えにくい)、確証が無いため4本のうち1本だけを試し現像し、その結果を見たうえで残りの3本を現像に出す。切り現をしないのは、「ほぼ間違い無い」という見込みがあるからで、切り現によってわざわざ数コマを犠牲にすることもないと考えた。
結果的にその予測は当たり、残りの3本は無事に現像された。

ポジの上がりを見ると、全体的に露出はそれほど悪くはなかったが、野外では天気がコロコロ変わったため多少のバラツキが見られた。
それでも、白い服の階調がほとんど失われていないのは大したものだ。測光用に使ったデジタルカメラでは白い服の階調は飛んでしまい、ポジフィルムのような描写は得られなかった。

また、RDP3でのストロボ撮影は最良で、非常に満足。
元々我輩は、「RDP3はストロボ光との相性が良い」という印象を持っていたのだが、今回の撮影でそのことを再認識した。
レンズが優秀で、ピントがカッチリと合い、露出が適正、ブレが無いという条件を満たした時、RDP3の威力が突然にして現れるのである。
そのポジをルーペで見ると、ステレオ写真でもないのに、目の前にT嬢がいるかのような錯覚に陥る。

そう言えば、ボールベアリングの無いモータードライブは何の問題も無く快調に動作してくれた。
中古のモータードライブを購入しようかと思っていたが、動くのであればばこれを使い続けることにする。
何しろ、今回の撮影で金が無い。