2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[503] 2004年08月15日(日)
「夏の帰省日記(1)」

●夏の帰省

雑文500「今年の帰省計画」にも書いたとおり、今年の夏は豚児に曾祖父母と会わせるために九州へ帰省する予定である。
重要なのは、その様子を写真に収めること。そうすれば豚児の記憶が薄れたとしても、写真の説得力は曾祖父母との距離を縮めてくれよう。

豚児が成長した時にどのように考えるかまでは関知しないが、後になって当時の記録が必要になったとしても最初から無ければ話にならぬ。
親としては出来る限りのことを行う。


●切符の取得

東京から小倉へ向かう寝台列車は、「はやぶさ/さくら(連結)」あるいは「富士」。いわゆるブルートレインである。
それぞれに個室がA個室「シングルデラックス」が14室とB個室「ソロ」が18室ある。シングルデラックスは室内に洗面所があり、天井も高い。ソロは上下に部屋が分かれており、部屋半分の天井が低くなっている。
料金としては、当然ながらシングルデラックスのほうが高く、寝台料金として13,350円となっている。それに対してソロは6,300円と開放型のB寝台と同じ料金でお徳である。それ故にソロは人気が高い。

ソロの切符取得は最初から諦め、シングルデラックスを狙うことにした。料金が高い分、予約が埋まるのはソロより遅いだろう。それに、少しでも広いほうが長旅での疲れが違ってくるだろうと考えた。
1日のうち、この2列車しか寝台列車は無い。ということは、個室は28室しか無い。このうち2室を得ようとするのだから、ソロでなくともやはり競争率は高い。

JRの指定切符が買えるのは1ヶ月前の午前10時からとなっている。当然ながら、行きと帰りはそれぞれ1ヶ月前に買うことになる。
まず、行きの切符を買う日がやってきた。

朝10時と言えば、我輩は職場にいるため駅に出向くことが出来ない。そこでやむなくヘナチョコ妻に託し、その日は出社した。
職場でふとしたことで寝台列車の切符の話をしたところ、課長が「そういえば、ウチの最寄り駅でも10時前にはみどりの窓口で行列が出来てたなあ。整理券配っとったんと違うかなあ。」とポツリと言った。
なにいーっ、朝10時はそんな状態になっているのか!?

関東圏に限っても、みどりの窓口のある駅は無数にある。それぞれの駅で一番乗りを果たしたとしても、それでもみどりの窓口の数だけは競争相手が居ることになる。競争相手のうち寝台列車を狙う者はどれくらい居るか分からないが、寝台個室でなければ朝から並ぶ必要も無く、また寝台個室はWeb予約が不可能であるから、窓口で並ぶ者が狙うのは寝台個室である確率が高い。
見ると時計は10時15分。万事休す。
「クソッ、読みが甘かったか・・・。」

我輩は急いで家に電話をかけた。
「切符は!?」
「取れたよ。」
「取れた?1室だけじゃなくて2室取れたのか?」
「取れた。」
我輩はホッと胸をなで下ろした。
「ヘナチョコのくせによく取れたなあ。」

勤務時間中なので電話はそこそこにして、詳しいことはメールを入れてもらった。
それによると、豚児と一緒に駅まで歩いて行く関係上、少し早めに家を出たらしい。そして10時少し前に駅に着いた。窓口で前日に我輩が記入しておいた申込用紙(第三希望まで記入可)を出すと、2番目の順番だと言われたという。10時になるとその順番で予約を入れるらしい。ところが受け付けた駅員が寝台個室であることを見て、「2室取るのは難しいかも知れないから、こちらを先に予約いれましょう。」と配慮してくれたそうだ。
その結果、「はやぶさ/さくら」の個室2つが取れたのだ。あいにく隣同士の部屋ではなかったが、取れただけでも幸運と言わざるを得ない。

今回判明したことは、申込用紙の受付自体は朝6時からだという。そしてその受付順に予約を入れていくとのこと。もっとも、他の駅では行列と整理券が必要なのかも知れないが。

数日後、今度は帰りの切符を買う日がやってきた。
この日は日曜日だったため、我輩が8時頃に駅へ行って申込用紙を出した。前回は10時少し前に出して2番目だったのであるから、8時であれば1番乗りになれるだろう。
ところが窓口へ行くと「2番です」と言われてしまった。

「個室2つは厳しいですねー、取れるかなぁー。」
係員は渋い顔をした。
ヘナチョコの時は1番にしてもらったのだからと少し期待したのだが、しかし受付を1番目にするという配慮は無かった。まさか我輩から1番にしてくれと言い出すわけにもいかぬ。

今回は申込書を継ぎ足して第四希望まで書いた。最悪でもシングルデラックス+ソロという組み合わせであっても切符は取りたい。
10時まで時間があるため、我輩はそのまま家に戻った。

10時前、ヘナチョコが買い物に行くというので、切符をもらってくるよう頼んだ。
朝が早かったため、我輩は豚児と共に朝寝をした。
しばらくして目を覚ますと、切符があった。ダメかと思っていたが、第一希望の「富士」の切符であった。もしかしたら、窓口の係員が気を利かせてそれとなく1番にしてくれたのかも知れない。そうでなければ2室取れまい。
我輩は、駅の方向を向いて感謝した。



●1日目(8月7日)−寝台列車−

この日の出発は18時だったため、夕方家を出た。
カメラは当初の予定通り「New MAMIYA-6」なのだが、先日の蔵王にて(参考:雑文501「蔵王のお釜(5)」ファインダー部を割ってしまったため、代カメラとしてのもう1台のほうを持ってきた。こちらは5月に同じくファインダー部を割ってしまい修理したばかりだった。
修理直後のカメラであるから、調子は良かろう。

我々は東京駅に着いて駅弁をゆっくり選び列車に乗り込んだ。ちょうど小雨が降り始めていた。
個室は事前に調べていたとおりの部屋で、AC100Vのコンセント(ヒゲ剃り用としての容量の小さな電源らしい)もある快適な空間だった。

しばらくすると、長旅の世話をしてくれる車掌殿が検札に廻って来た。映画「リーサルウェポン」に出てくる不動産屋のオヤジに似ており親しみが持てた。

とりあえず、滅多に乗れぬこの個室の様子を写真に収めようと考えた。
露出計代わりのデジタルカメラで撮影すると、天井が白色なためにバウンス撮影で十分いけることが判った。
「これは良い写真になるな。」
我輩はストロボをNew MAMIYA-6に接続し、シャッターを切った。

ところがストロボが発光しない。
恐らく接点の接触が不良なのであろう。よくあること。
シュー部分をキッチリとセットし直し、再び撮影する。
・・・今度も不発。

ならばと、今度はシンクロコードで接続してみた。
・・・やはり不発

その後、レンズの電気接点を磨いたり沈胴メカを何度かカチャカチャとやったりしてみたが、1度たりともストロボが発光することは無かった。

もちろん、ストロボ側も疑ってみたのだが、ストロボ自体はデジタルカメラで正常に使えているのだから不具合は無いと見る。

我輩は、事態の深刻さをだんだんと感じてきた。

我輩にとって、人物撮影ではストロボは不可欠。
そのストロボが使えないというのであれば、撮影は不可能であることを意味する。
これでは、九州へ帰る第一目的が果たせないではないか・・・。

何ということだ。今この瞬間、走行中の寝台列車居るのだ。代わりのカメラを取りに帰ることは出来ない。
現地(小倉)で代わりのカメラを調達しようにも、雑文362「長期休暇撮影3(万博公園撮影日記)」でも書いたように、小倉では大きなカメラ店は全く存在しない。
小倉は北九州を代表する商業都市であるというのに・・・。

しかし念のために、列車の電話から九州の実家へ電話をかけ、「インターネットで検索して大きなカメラ店を探しておいてくれ」と母親に頼んでおいた。

中古で同タイプのカメラボディがあれば一番良い。それならレンズは買わずに済む(不調の原因がレンズ側という可能性もあるが)。
しかしそれがダメならば新品でも良い。新品ならば現行品である「MAMIYA-7」あたりにしよう。これは67判ではあるが、トリミングによって66判とすることが出来る。66判に比べて撮影枚数が減るのは仕方無い。
いずれにせよ、用が済めば売却するつもりなので機種にはこだわらない。
ヘナチョコには「緊急事態だから頼む」とキャッシュカードを受け取った。

そんなことを考えていると、寝台列車は突然、何の関係も無い新居町(あらいまち)駅で停車した。
そしてそのまま10分ほどして車内アナウンスが流れた。
「現在、名古屋にて集中豪雨のため、運転を見合わせています。発車までしばらくお待ちください。」

結局、列車は2時間ほど待ってようやく発車した。
それでも我輩は、「寝台列車というのは、元々時間調節のために途中で速度を落としている」と考えており、遅れの心配はしていなかった。というのも、時刻表を見ると広島ー岩国間を4時間半もかけて走るため、いざとなればこの区間は一気に走り抜けることも出来よう。

夜も遅いため、室内灯を消して眠りについた。


●2日目(8月8日)−カメラ購入−

ところが翌朝起きてみると、まだ広島にさえ着いていなかった。
広島は本来、夜中の1時頃に通過する予定。それが、朝7時になってもまだ広島には到着していない。
車内アナウンスでは「3〜4時間遅れとなる見込み」と言っている。

我々は、車掌殿の勧めに従って広島駅にて新幹線への振替えで小倉へ向かった。
カメラ調達のための時間が必要であるというのに、この上列車遅延による時間浪費が加われば予定が大幅に狂ってしまう。

さすがに新幹線は速く、小倉到着は当初の予定より1時間半遅れで済んだ。

小倉駅では我輩の母親が出迎えに来ており、事前に調べてもらっていたカメラ店「岡林カメラ」へ行った。
しかしそこは商店街にある小さなカメラ店で、中判カメラはMAMIYA645の中古がかろうじて置いてある程度だった。
無駄だとは分かっていたが一応訊いてみた。
「MAMIYA-7はありますか?」
「・・・置いてないです。」

予想はしていたが、やはり小倉では無理か。
我輩は、ヘナチョコと豚児を母親のマンションに残し、単身博多へ行くことを決心した。博多ならば多少大きい店はあろう。
そう言えば、予備校時代に博多天神で、店名は忘れたが大きなカメラ店に行ったような記憶がある。
急いで小倉駅へ引き返し、新幹線に乗って時速258kmで博多へ向かった。

約20分後、博多駅に到着し、案内所の女性に訊ねた。
「この近くで大きなカメラ店はありますか?」
「ヨドバシカメラがありますよ。」
我輩は言われたとおりの方向に歩いた。すると、馴染み深いヨドバシカメラの看板が見えた。
「良かった、ヨドバシならMAMIYA-7くらいはあろう。」

雑文362「長期休暇撮影3(万博公園撮影日記)」では梅田のヨドバシカメラにフィルム不足を助けられたことを書いた。
博多のヨドバシカメラ店内は梅田店と似ており頼もしく思えた。

早速、カメラ売り場へ行った。
そこには一人の男性店員がおり、何かの伝票を書いていた。
「この店員に相談に乗ってもらおう。」
とりあえずMAMIYA-7の値段を確認しようとショーケースを覗いてみた。
すると、下のほうにBRONICA SQ-Aiとそのレンズが展示してあるではないか。
「おお、これなら66判でフィルムの無駄が無い。何より使い慣れているカメラだ。後で売れなくとも予備カメラとしても利用価値はある。」

我輩は店員のほうを向き直ったが、そこには先程の男性店員はおらず女性店員がいた。
女性ということで少し不安だったが、時間がもったいないので声をかけ、SQ-Aiとその広角レンズの在庫を訊ねた。

女性店員は端末で在庫を調べてくれたが、メーカー取り寄せとなるようだった。
「取り寄せますか?」と言われたため、我輩は事情を話して協力を仰ぐことにした。

「旅先でカメラが壊れて、代わりのカメラを調達しに来たんです。もし可能なら展示品は売れませんか?」
「そうなんですか。ということは、店に在庫があるカメラじゃないとダメということですね。あいにく、この展示品はメーカーデモ品なので売れないんです。」
女性店員はSQ-Aiを手に取り逆さまにした。底面には"メーカーデモ"と書かれたシールが貼ってあった。

ならばMAMIYA-7ではどうか。
女性店員はこちらも調べてくれたが、最後の在庫が出てしまっているとのこと。
「うーむ、どれなら在庫があるんだろう・・・。」
「高額商品なのであまり置いてないんですよ。地道に1機種ずつ探してみましょう。」
しかしいくら在庫があってもハッセルブラッドなどは手が出ない。広角レンズだけでも実売40万円はする。ボディやフィルムバックを揃えれば60万円にもなる。

ふと、645判の「FUJI GA645Zi」や「BRONICA ETR-Si」、「BRONICA RF645」、そして「MAMIYA 645」などが目に入った。
「645判ならば種類も多く人気があるため在庫がある可能性も高い。いっそ、645判で行くか・・・?」

しかし、すぐに我に返った。
「馬鹿野郎、今まで豚児を66判で撮ってきた苦労は何だったんだ?豚児撮影用の制式フォーマットとして66判を選んでここまで来たはずだ。それを今さら645判に変更するとは何事か!」

写真整理、プリントは全て66判のサイズで定型化させてある。これに別のサイズが混入すると秩序が乱れ、収拾がつかなくなる。

確かに、ヘナチョコが使う豚児撮影用として645判の「FUJI GA645Wi」があるが、これも66判ではないという理由から、公式に豚児写真として認めるには至らない。66判以外は、あくまで参考写真という位置付けなのだ。
(4x5などフィルムの判型が大きければ良いという意味ではない。仮に4x5で撮ろうとも、制式フォーマットの66にトリミングすることになる。)

どうしても66判カメラが無理ならば、66判よりも大きな67判しか無かろう。そうすればトリミングで66判となる。
"大は小を兼ねる"ということ。

我輩は、あるカメラを指さした。
「これはありますか?」それは、「MAMIYA RB67」だった。
とても手持ちで撮影出来そうにもないが、ボディ価格約9万円と比較的手頃であった。これにフィルムバック約3万円と広角50mmレンズ約11万円を加えて約23万円。

果たして、RB67の在庫はあった。
店頭でカメラを組んでもらい、元箱は後で不調のMAMIYA-6を詰めて自宅へ送り返す。
カメラ売却時にも元箱があると都合が良い。


MAMIYA RB67/C50mm F4.5

それにしても、RB67はデカい。フィルムバックを換えることによって68判も撮影可能であるから当然か。重さはそれほどでははないが、カメラ形状として手持ちでの撮影が少しツライ。手持ちが楽なPENTAX67も考えたのだが、値段が高すぎる。
RB67はピント合わせは天体望遠鏡のようなラックピニオン式で、またそれとは別にフローティング用のヘリコイドリングも調節せねばならない。つまり、ピント調節をした後に距離を読み取り、その距離をフローティングリングにセットする。

デカいカメラを手で支えながら一連の操作を行い、ブラさずシャッターを切る。ストロボを使おうとも、暗いシチュエーションではスローシンクロとなるため、やはりブレる恐れは大きい。
このカメラ、1/15秒で手持ち撮影出来るか・・・?

また我輩は目が悪いため、視度補正レンズ-3ディオプターを頼んだ。しかし、-2ディオプターのものしか在庫が無いと言う。無いのであれば-2で我慢するしかない。視度は撮影時に調整する(参考:雑文353「メガネ代わり」)。

我輩は協力してくれた女性店員に礼を言い、カメラを手にして時速258kmで小倉へ戻った。

この日は小倉の駅ビルにある「ステーションホテル小倉」へチェックインした。
ここでとりあえず室内撮影をしてみた。
ストロボをカメラ側のシューに固定。ストロボのシンクロコードをレンズ鏡胴のシンクロコネクタに接続。コードが短いためピンと張ってしまうが仕方無い。

まず、ウェストレベルファインダーが戸惑った。左右が逆であるため、豚児を追い切れない。
しかし、2年前まではBRONICA SQ-Aiでウェストレベルファインダーを常用していたため、しばらく使っていると感覚が戻ってきた。
ただし、視度が合わないのは面倒である。ルーペを指で少し押し込んで調整すれば良いのだが、ホールドした右手親指が届かない。BRONICA SQ-Aiの時には届いたのだが・・・。


BRONICA SQ-Aiの場合

これではとても手持ち撮影が不可能であるため、ルーペは糸で引っ張った状態にしておくことにした。
これで、いちいち指で押し込まなくとも視度が合うようになった。糸であるから邪魔にならず、通常通りファインダーが折り畳めるのが良い。


糸で引っ張った

それにしても初めて使うカメラだけに、説明書を良く読んで使い方を勉強せねば、現像してみたら全く写っていなかったでは済まされない。

ところで、カメラをいじっていてふと気付いたことがある。
まず、持参したフィルムが120と220であること。今回購入したMAMIYA RB67では220フィルムは使えない。120のほうのみを使うことになる。そうなるとフィルム本数が足りない。ただでさえ66判から67判へと替えたために撮影枚数が少なくなっているというのに・・・。
「しまった、博多のヨドバシカメラで120フィルムを調達しておくべきだった。」

またさらに、このカメラにはセルフタイマーが付いていないことに気付いた。セルフタイマーが無ければ、自分を含めた記念写真が撮れない。
当初はセルフタイマー内蔵のNew MAMIYA-6を予定していたため、単体セルフタイマーは持参していない。
「しまった、博多のヨドバシカメラで単体セルフタイマーを調達しておくべきだった。」
岡林カメラや他のカメラ店を色々と探したが、結局、単体セルフタイマーは北九州には存在しなかった。

夕方、食事をするために小倉駅前の伊勢丹(以前は「そごう」だった)のレストラン街へ行った。
我輩は撮影練習をするためカメラも持って行った。
このカメラの形態はBRONICA SQ-Aiと同じながらも、やはり大柄で手持ち撮影はやりにくい。66判のつもりで撮影するのだが、どうしてもファインダーに映っている全ての範囲で見てしまう。もちろん67判で撮るにしても、このカメラはレボルビング機構を搭載しているために上下あるいは左右に写らない範囲が存在するので注意が必要。

それにしても、シャッターを切った後シャッターチャージをするためのレバーを操作し、さらに続けてフィルム巻き上げレバーを操作しなければならないのは面倒。
またピントのほうでも、ピントグラスで調節した後にフローティング用ヘリコイドを回して距離を合わせねばならない。
まるで2台のカメラを操作しているかのようである。三脚に固定してあるカメラならばまだしも、巨大なカメラを手で保持しながら一連の操作を行うのは大変である。

我輩は食事中の風景を何枚か撮った。しかし、それが実際に写っているかどうかが不安に思う。
何しろ、現像して確認する頃は、この旅が終わっているのである・・・。

<食事中>
MAMIYA RB67PRO-SD/50mm


(次回へ続く)