2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[362] 2002年07月20日(土)
「長期休暇撮影3(万博公園撮影日記)」

2日間に渡る別府での撮影を終え、疲れた気持ちで小倉駅に帰った。
(我輩注:小倉には母親が一人暮らしをしており、生まれ育った実家とはまた別の場所にある)
だが、このまままっすぐ帰るわけには行かぬ。次の日の万博記念公園での撮影に備え、フィルムを調達せねばならない。

そこで、帰り道に一番近い小倉駅前の「カメラのドイ」に寄った。昔、よくここで35mmリバーサルフィルムの調達をしたものだ。
だがその場所には、DPE専門と化した小さな店舗があるだけだった。フィルムがあるかどうかなど訊ねるまでもないほどの店舗であった。
一瞬、脱力したが、気を取り直して心当たりの店を2〜3当たってみた。しかし、なぜかどこもDPE店状態。完全に手詰まりとなった。
「どうすりゃいいんだ?小倉市民は35mmネガしか使わんのか?信じられん・・・。」
このような状況に陥るとは夢にも思っていなかったので、次の手がすぐに思い浮かばない。どちらの方向に歩けば良いかも考えつかず、街角で立ち止まり、しばらく考えていた。

小倉は北九州市の中心都市であるから、どこかにブローニーフィルムはあるかも知れない。案外、駅前繁華街とは離れた場所に大きなカメラ店があるという可能性も否定出来ぬが、たまに帰省するだけの者にそのような店など知ろうはずも無い。

ともかく、次の日は朝早く出発する予定であるから、今手に入らなければ小倉でのフィルム調達は不可能。小倉でフィルムが手に入らないとなれば、大阪で調達せねばなるまい。だが、我輩は大阪の地理には疎く、いたずらに時間を浪費すれば撮影時間が無くなる。どこに行けば手に入るのかということを事前に知っておかねばならぬ。

そこで、ふと、インターネットを使って情報を得ることを思い付いた。
家に戻り、早速インターネット上の掲示板で情報を募った。その結果、大阪梅田にヨドバシカメラがあることが判明。大阪の地理を知る者ならば訊くまでもない情報であろうが、大阪が白地図状態の我輩には実に有り難い情報であった。
そこで今回、万博記念公園に行く途中でヨドバシカメラ梅田店に寄り、フィルム調達して撮影することにした。航空機に例えるならば、さしずめ「空中給油」といったところか。給油地点を探し、上手く給油出来れば良いが。

しかしその心配は不要だった。梅田のヨドバシカメラは巨大で、馴染みの上野店など比べものにならぬほどであった。見失いようが無い。この巨大さでブローニーフィルムが無ければ詐欺であろう。
実際に入ってみると、店舗は広く品揃えもかなり豊富だった。カタログでしか見られないスタジオ用ストロボなども現物がいくつか展示してあり、しばらく店内を探検してみたかったが、撮影時間が無くなるのでそうもしていられない。
フィルムコーナーでブローニーフィルムを見付け、早速購入した。10本入りカートン1本だが、写すものも限定されるので10本(段階露出3枚で40カット分)もあれば十分と思う。

千里中央駅まで行きモノレールに乗り換え、万博記念公園駅に向かう。モノレールは見晴らしが良いので、遠くから太陽の塔が見えてきて気分が高まるのを感ずる。
駅に着き改札を抜けると、あのエキスポタワーが目の前に立っていた。感動した。
タワーそのものに感動したのではない。1970年大阪万博の時代を、今そこに見たという現実感。それが衝撃的だった。
70年代フリークの我輩としては、間もなく解体されることになるエキスポタワーをその目で見たという幸運を喜ばねばなるまい。この万博の遺物は、あと数ヶ月で消えることになる。

エキスポタワーはタワーであるから当然ながら縦に長い。従って、近付けば近付くほど、遠近感のために上がすぼまって写る。それを防ぐために距離をおいて撮影しようとしたが、どうも空気が汚れているらしく眺めがクリアではない。露出を確認するために撮影するデジタルカメラの映像を見ても、全体的に画像のメリハリが無い。

多少悔いの残る撮影であったが、しかし次は無い。
泣いても笑っても、これがエキスポタワーを撮る最後のチャンスであった。そのチャンスを通過した後、我輩に為すべき事はもはや何も無い。