オーバーホールに出したブロニカが戻って2ヶ月余り経つ。廃線ロープウェイ撮影やテーブルトップスタジオ撮影などでフィルムを30本程通してみたが、今のところ目立った不具合は無い。
(参照:
雑文412、
雑文418、
雑文419)
それどころか、不具合のあったことすら忘れていた。普通に動いてくれることがどれほど重要かということを思い知った。
狙った瞬間にシャッターが切れないというのは、本当にカメラマン泣かせである。しかし、そういう当たり前のことが出来ない苛立ちは、それを経験した者でしか実感出来ないだろう。
ところが最近電池が消耗したようで、バッテリーチェックランプが点灯しなくなった。まだシャッターは動作するのだが、そろそろ電池の入れ替えが必要か。それにしても2ヶ月前に新品の電池に入れ替えたのだが、もう電池切れなのか?
これだから電池食いの電気カメラは困る。
シャッターの電子化の一つの理由は、シャッタースピードの精度を向上させることでもある。しかし、アナログ回路ではコンデンサーの劣化が始まるとシャッタースピードは簡単に狂う。クォーツを使いデジタル制御しないと電子化の意味は薄い。
ブロニカの場合、SQとSQ-Aはアナログ回路であることが判明している。SQ-Aiは不明だが、もしクォーツ化されているなら大きく宣伝しているだろうから、やはりアナログに違いない。
そうなると、結果的に言うとブロニカが電子化したメリットはほとんど無いと言える。AE化を実現するためということではあるが、このカメラでAEが必要なのかと疑問に思う。どうせAEが必要ならばAF化も検討して欲しいところだが、ブロニカによれば、このカメラのユーザーにはAFが不要なため、AFカメラの発売予定は無いと言う。AEは必要でAFは不要?何だ、その不思議な理論は?
恐らく、電子化の黎明期に設計されたSQシリーズは、その後の開発資金低下によりそれ以上発展すること無く「生きた化石状態」で続いてきたのだろう。アナログ回路のままであるのもそれが原因か。AF化など夢の話。
そのような状況を、あたかもポリシーがあるかのように言わざるを得ないブロニカ。同情を禁じ得ない。
結局は自分も同情される側にいるわけだが、金にさえ困らなければ、ブロニカも我輩も救われよう。
我輩は、金さえあればメカニカルシャッターのハッセルブラッドに乗り換える。現状では、ボディのみであれば手に入れられるだろうが、レンズはどれも高価でなかなか・・・。