2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[317] 2001年11月07日(水)
「安物買いは正解か」

以前の雑文で、我輩所有の両極端なる2台のデジタルカメラの中点に位置するカメラを選定中だと書いた。しかしながら、デジタルカメラについての不信感も今までになく高まっている。
そこで、中点となるカメラに求めている仕様を冷静に見つめてみることにした。

まず、ハイエンドなデジタルカメラについては、各種アクセサリを駆使したシステム一眼レフカメラの用途をデジタル化したいという気持ちがあった。システムであるがゆえに柔軟な撮影が可能となる。そして、仕上がりの予測が難しいストロボ撮影でも、銀塩カメラと同じ機材を共用しながらその場で確認出来る。

次に、ローエンドなデジタルカメラについては、携帯性と低価格を重視して導入した。いつでもカメラを取り出せ、壊れても苦にならない位置付けとした。その用途はメモ的であり、その意味からも、撮影した画像がすぐに利用可能で、しかもランニングコストが低いということではデジタルカメラ以外に選択肢は無かった。

さて、この2つの用途の中点に位置するカメラとはどんなものだろう。そこに我輩が求めるものとは?
少なくともメモカメラ以上の用途であるため、やはり画質は譲れない。しかし常にカバンで持ち歩くつもりなので、携帯性も外せない。この条件だけでデジタルカメラを選定してみるが、どうもスッキリと決まらない。やはり画質がネックで、そもそもどこからが高画質なのかという線引きがハッキリ決まらぬ。しかも、現在の高画質は未来の低画質なのである。

写真は未来に残る。パソコンのように「その時代の要求を満たす性能であれば良い」というワケにも行かぬ。撮影された時点で画質は決定されるのであるから、出来るだけ高画質なカメラが必要となる。
そんなとき、ふと思った。
「今回、デジタルカメラの即時性は必要なのか・・・?」
答えは否。今回はメモカメラの位置付けではないから、即時性は絶対条件ではない。ならばこの際、銀塩カメラで考えてみるか。

選択肢を銀塩カメラとすると、無理なくスッキリと決まった。以前雑文にも書いた、「RICOH MF-1」である。これならば、自分でコントロール出来る要素も多く、リバーサルフィルムでも状況に応じた微調整が利くという意味での安心感がある。いざという時に、手も足も出ないカメラは怖い。

早速目的のカメラを手に入れた。
とは言っても、「RICOH MF-1」の輸出バージョンの「RICOH 35R」だ。これは中古で手に入れたため、1万5千円だった。同じ機能ならば安いほうが良い。


正面から見ると、右下のロゴが「MF-1」ではなく「35R」というのがすぐに分かる。
他には、距離目盛りがボディ側に付いていることくらいか。国内用だとレンズ側に付いている。
プラスチックの仕上げが安っぽく少し頼りない印象があるが、軽いので良しとしよう。

また、内蔵ストロボ発光部の真上にある、外部ストロボ装着のためのホットシューが目を引く。実際に外部ストロボを装着してみたが、内蔵ストロボも同時に発光してしまう。説明書によると、内蔵ストロボの発光到達範囲内で撮影すると、内蔵ストロボも同時に発光してしまうので適正露出が得られないと書いてある。まあ、そういう場合は指で内蔵ストロボの発光部を覆い隠すしかあるまい。

絞りレバーを操作すると、2枚羽根の絞りが見えた。コンパクトカメラなどによくある菱形絞り。3ステップしか絞りの設定値は無い。しかし、絞り値の選択によって描写をコントロールするというよりも、外部ストロボを使用する際に絞りを固定させるということに大きな意味がある。

試しに、自動段階露出(AEB)でシャッターを切ってみようと思った。ヨドバシカメラ店頭で何度も何度も操作しているため、その扱いには迷いが無い・・・はずだったが。
どうもおかしい。液晶表示部には自動段階露出の指標は無く、代わりに「TV」のマークがある。だが、少し考えて納得した。

「あー、ナルホド。タイムバリュー(つまりシャッター)によって段階露出するという意味か。やはり輸出用だと正確に記述するんだな。」

だが、実際にシャッターを切ってみても、連続3枚など撮れない。押しかたが悪いのかと思ったものの、いくらシャッターボタンを押しっぱなしにしてもシャッターは1枚しか切れない。よく見ると、「TV」のマークが膨らんだ四角形であることに気付いた。これは・・・、まさかテレビ画面を表すマークではないのか。

インターネットでよくよく調べてみると、この輸出用バージョン「35R」は数年前から発売されていたようで、国内バージョン「MF-1」として発売されるにあたって若干仕様変更されたらしい。結局、自動段階露出はこのカメラには搭載されていなかったのだ。
それにしても、自動段階露出を使うために購入したカメラが、その肝心な機能を使えないというのは、笑えぬ笑い話。まさしく、「安物買いのゼニ失い」。

まあ、それでも露出補正の切替がボタン式なので、手動段階露出の操作は難しくない。露出補正のボタンを順次押して行けば、「+1」「0」「-1」のコマが順に撮影出来る。 自動段階露出のほうは0.5EV単位での露光ずらしなのだが、コンパクトカメラの露出計はあまり高等ではないため、散開度の大きいほうが弾幕が有効であろうかと思う(弾幕が広すぎると間を抜けてしまうだろうが)。
ちなみに、「MF-1」では、自動段階露出と露出補正は併用出来ない。

結局は無理矢理自分を納得させたような感じになったが、まあ、使っていくうちに自分なりの使い方を見出すだろう。その時には、このカメラが手元に無いと落ち着かなくなるのかもな。
安物買いが正解であったかどうか、それはそのうち答えが出る。