2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
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5.カメラ雑文
6.写真置き場
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カメラ雑文

[263] 2001年05月06日(日)
「気になるカメラ2」

以前、「フジ・クラッセ」について書いた。そして、「気になるカメラだ」と書いた。しかし、定価\77,000という値段のため、なかなかお近付きにはなれなかった。

そうこうしているうち、さらに気になるカメラが登場した。
「リコー・MF−1」。
このカメラ、情報通ならばかなり前にその存在に気付いていたはずである。実際、我輩もちょっと前から雑誌で見つけて気になってはいた。

ただ、そのカメラのイラストを描く心の余裕が無かったため、今まで雑文に書くのを延ばしていた。しかしやっと、イラストを描く気分になった。
網点の粗い雑誌の不鮮明な写真を基にして描き起こしたにしては、なかなかよく雰囲気は出ていると思うが。

リコー・MF−1

さて、このカメラのスペックで我輩が気になる部分を挙げてみることにする。

  • プログラムAE/絞り優先AE
  • 自動段階露出(AEB)機能
  • 露出補正+-2EV
  • 多重露出
  • 外部ストロボ用ホットシュー装備
  • AF/MF(目測式)切替可
  • ケーブルレリーズソケット装備
  • 単3電池2本使用
  • フィルター径37mm
  • 定価\35,000

プログラムAE/絞り優先AEについては、必ずしも一人の人間が両方を使い分ける必要は無い。どちらか好きな方を選べば良い。
安価なカメラながら選択肢があるということに注目したい。

自動段階露出(AEB)機能については、リバーサルフィルムを使う撮影の場合、適正露出というのを決定付けるのは難しい。明るめの写真が良いと言う者もいれば、暗めのものが渋くて良いという者もいる。さらに写真の内容によってその評価は変わるのであるから、いかに正確な露出計を搭載したカメラであろうとも、すべての人間が満足する露出は得られないということになる。いくらカメラが「これが適正露出です」と言おうとも、人間が違うと思うならばそれは適正露出ではないのだ。
どこをどのように測光しているかが見えないコンパクトカメラでは、弾幕を張るサブマシンガンの如く、その命中率をカバーするために露出をバースト的に散らすほうが確実。そのために自動段階露出というのは有用である。

露出補正については、初っぱなから露出補正を使うことは無いだろうと思う。露出計のクセを掴む前に露出補正をするのは単なるヤマカンでしかない。しかし、長く使い続けるうちに、露出補正を使う機会が出てくる。オート専用機では露出補正が唯一の露出加減法なのだ。
また、自動段階露出と組合せて使うことも、露出補正の重要な使い方のひとつであることを思い出そう。
(2001.11.14追記:自動段階露出と露出補正は併用出来ないことが判明。)

多重露出も出来るらしいが、これはほとんど使う機会は無いかも知れない。我輩に限って言えば、今までに多重露出を使ったことは両手の指で足るほどしか無い。だが、他のコンパクトカメラでは不可能な機能を持つということは大きなことだ。もし、多重露出だけのために一眼レフを持ち出さねばならないシーンがあるとすれば、代わりにこのコンパクトなカメラで済む(実際は多重露出だけ出来ればいいというシーンはあまりないだろうが)。

外部ストロボ用ホットシュー装備は、外見上も強い特徴となっている。これにより不釣り合いなほどの大型ストロボさえも装着出来る。あるいは市販のアダプターをかまして多灯ライティングしてもいい。
実用的な使い方としてまとまるかはともかく、色々と遊べる余地があるのはコンパクトカメラとしては貴重な存在であることに違いない。

AF/MF(目測式)切替可である。MFはAFのタイムラグを嫌う場合に使うと良いかも知れない。MFに切替えると本当にタイムラグが短くなるかは分からないが、迷いを無くすためにMFを使っても良い。何しろコンパクトカメラは撮影時にはピントが確認出来ないのだから、敢えて前向きに目測で使うのは心配事を無くすという意味がある。
昔の安価なコンパクトカメラは目測式が当たり前であったため、目測でも十分に実用に足る。

最近は一眼レフでさえ省略されているケーブルレリーズソケット装備だが、このようなコンパクトカメラに装備されているというのは驚きに値する。何でもかんでも専用品で固める現在のカメラでは、シャッターのレリーズさえも専用リモコン無しには不可能である。そんな中で、汎用のケーブルレリーズが使えるというのは、今までのカメラに対する反発心のようなものを感ずる。これは、「カメラ好きが設計したカメラなんだ」というシルシのようなものか。
(2001.11.03追記:実際に購入してみると、ケーブルレリーズではなく専用のレリーズスイッチのコネクタであった。雑誌写真工業の情報は間違いだ。・・・ガッカリ。)

電源は単3電池2本を使用する。どこでも手に入る単3電池が使えるのが良い。急場しのぎで他の電気製品から電池を持って来ることも出来る。

フィルター径37mmということだが、最近のコンパクトカメラはレンズ収納式でフィルターなどの余計なものは装着出来ないようになっている。しかし、これはフィルターネジが切ってあり、必要ならばフィルターが使える。

定価\35,000というのは我輩にとっては大きなスペックと言える。大事に使うべきカメラならば気安く使えない。高級カセットデッキを大切に使うよりも、実用に徹したラジカセを使い潰す。そういう使い方をするためのカメラを欲している。それにピッタリなのがこのカメラなのだ。
安くて十分な機能を持ったカメラ。壊したらまた新しいのを買えばいい。


レンズは30mmF3.9だということで、色々なニーズの中間をとったという感じがする。24mmの視点を持つ者、28mmの視点を持つ者、そして35mmの視点を持つ者それぞれに示された和解案。それが30mmということか。
もしこの和解案を受け入れないならば、その人間は一眼レフでなければダメということかも知れない。

まあ、ズームレンズが付いていれば、もっとユーザー層が厚くなるのだろうが、そのために高価なカメラになっては意味が無い。
ムービーカメラにズームレンズが付いていないのは致命的だが、スチルカメラにズームレンズは無くても何とかなる。どれがズームレンズで撮影したものかという区別は、出来上がった写真を見ただけでは判らないのだから、当然と言えば当然だ。


しかし危ういところだった。もしフジ・クラッセを急いで買っていれば、今頃は後悔していたところだ。もっと安く、もっと遊べる、もっと実用的なカメラが現れるなどとは、その時は夢にも思わなかった。
危ない、危ない。