2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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 FE10
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カメラ雑文

[314] 2001年10月31日(水)
「防げぬ消耗」

湾岸戦争以前、イラクは雑多な兵器を節操無く買い集めていた(参考:「雑文077」)。そんな寄せ集めの兵器で効率的な運用が出来るはずも無い。結局は、合理的な考えで兵器を運用している多国籍軍の敵では無かった。
一方、イランのパーレビ国王は、世界最高の性能を持つ兵器を好んで買い集めていた。当然ながら、戦闘機などはアメリカ製のものばかりとなる。しかしイスラム革命が起こると、イスラム色の強さ故にアメリカは警戒を深め、イランはそれらの兵器の部品調達が出来なくなってしまった。その結果、自慢の優秀な兵器は維持もままならず消耗を続けている・・・。


我輩は今まで、色々な製品に悩まされてきた。
我輩の性格として、「気に入ったものを末永く使う」ということを好む。気に入ったものに辿り着くまでに何度も買い換えることはあるのだが、いったん辿り着くとそこから動きたくない。
だが、どんなに気に入ったものでも寿命はある。それは理解している。ところが、全く故障していないものでも乗り換えざるを得ない場合がある。そういうケースは意外に多い。

例えば、我輩が15年前に購入したワープロ。これは独自規格のフロッピーディスクを使う。当然ながら、そのフロッピーディスクの供給が停止すれば、そのワープロは実質上使えなくなった。もちろん、一度も故障したことの無い良い機械だったのだが。

他にも、バッテリーが劣化した8年前のノートパソコンなどもそうだった。今のパソコンでは考えられないような丁寧な作りで気に入っていたのだが、もはや替えのバッテリーは絶対に手に入らぬ。なぜならそのメーカーは、とうの昔にパソコン事業から撤退している。そうでなくとも、8年前のノートパソコンのバッテリーなどあるはずもない。あったとしても、それもまた劣化していることだろう。

事情はデジタルカメラも同じこと。

我輩は現在、デジタルカメラの購入を考えているのだが、末永く使えるものがなかなか見つからない。
今までデジタルカメラは何台も買い換えてきたが、画質がそれぞれ極端に違うため、用途に応じてカメラを使い分ける必要がある。画質やシステム性を優先するとサイズが大きく高価となる。かと言って携帯性や価格を優先させると画質が極端に悪くなる。手持ちには、その両極端なデジタルカメラが2台あるだけだ。中間を埋めるもう1台があってもいい。

そんなことを考えながら、デジタルカメラのカタログを集めて机の上で並べて見ている。
我輩の要求仕様として、単3電池が使えることである。これは、専用バッテリーを使う機種では、そのバッテリーの劣化が製品全体の寿命を決めてしまうという懸念があるからだ。替えの新しいバッテリーは、必要になった時には既に生産終了で手に入らず。そういう悔しさは過去に何度も経験している。
そうは言っても、今どきのデジタルカメラはほとんどが専用バッテリーを使うものばかり。単3電池を使うものを見付けたとしても、カメラ本体が魅力無いものだったりするから悩ましい。

デジタルカメラは、もはや使い捨てを前提として考えるほか無いのか。
バッテリーの問題もそうだが、メモリーの規格もいつまで使えるか分からない。銀塩カメラのように、各社が同じ媒体を使っているというのなら安心感も違うが、デジタルカメラでは「SDカード」、「スマートメディア」、「コンパクトフラッシュ」、「メモリースティック(これは論外か)」などと種類が多い。どれか1つでも生き残るというならまだしも、近い将来、それらが同じ規格としてまとめられて全く新しい媒体が生まれる可能性もなきにしもあらず。そうなると今までのメモリーの供給は全て止まり、それらを使うデジタルカメラはゴミと化す。
自分の持っているデジタルカメラが、そういった消耗品の寿命に首根っこを掴まれていることは間違いない。いくらお気に入りのカメラであっても、部品供給が止まればイラン軍のように装備を維持出来ない。消耗を気にするあまり、恐る恐る使わねばならない。

現時点では、デジタルカメラは完成の域に達していないため、未だ世代交代は激しく、購入後数年すると商品価値が無くなる。そのため、デジタルカメラを末永く使おうとする者はいないと思われるが、それでも購入時点で「1年しか保たない」とハッキリと分かっているとすれば、果たしてそのデジタルカメラを買う気になるか? そんなものに5〜6万円も払うか・・・?

銀塩カメラ「リコーMF-1」なら2万5千円と安く、画質も上等で永く使えるだろう。やはりデジタルカメラでの消耗戦は我輩にはキビしい。
MF-1を常に携帯し、ジジくさくゆっくりと元を取ろうかと思い始めた。


(2001.12.26追記)
アメリカからの部品供給が止まっても依然としてイラン空軍で戦闘機が運用されている事実を考えると、イランは独自の部品生産体制を作り出し、今ではかなりの部分を自給可能となっているという見方がある。しかも、それらの産業基盤を応用して、独自に設計・開発した航空機が運用されているという未確認情報すらある。