2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[077] 2000年 7月 6日(木)
「イラク空軍的装備」

いまだ記憶に新しい湾岸戦争。
イラク空軍は世界第6位の空軍力を持つとされ、戦争開始時点では、多国籍軍にとって手強い相手と恐れられていた。しかし、実際には多国籍軍の敵ではなく、イラク軍は完璧に敗れてしまった。
原因はいろいろあるが、空軍力に限定して見れば、それはすぐに理解できる。
イラク空軍は、戦闘機の保有数こそ多いが、構成機種はあまりに雑多で、それは実に16種にも上る。戦略的な意味も考えず、ただ闇雲に戦闘機を集めた結果だ。
それは、維持・整備の面での問題はもちろんだが、特にパイロットの技能に弊害をもたらす。昨日まで操縦していた戦闘機がトマホークによって格納庫ごと破壊され、今日は全く別の戦闘機に搭乗しなければならない・・・。これでは満足に格闘戦(ドッグファイト)などできまい。

いきなり湾岸戦争の話題で失礼したが、カメラの場合、我輩の所有カメラは、まさに「イラク空軍状態」と言える。ニコンF3以外、同じ機種は無い。これで支障は無いのだろうか。

我輩がダイヤル操作にこだわっていることは当サイトを見れば分かるとおりで、ダイヤル式ならばどの機種を使っても同じように操作できる。数字の並びが昇順か降順の違いはあるが、隣り合った数字に違いはない。
しかし、問題は内蔵露出計だ。

我輩は過去、数年間に渡って中判カメラしか使わなかった時期がある。社員旅行でさえ、ゼンザブロニカを持って行った。
その頃は、「カメラ機材などは単なる道具でしかなく、画像のクオリティのみが写真の全てだ」と思っていた。だから、35mmカメラなど我輩にとっては利用価値が感じられず、中判システムを導入する際に全て売却してしまった。

当時、中判にはMFしか無く、露出計を備えている機種もそれほど多くない。従って、単体露出計は必須である。そのため、読みとった露出計の値をカメラに設定するという動作が、我輩の基本スタイルとなった。
露出計とカメラとの間を、我輩という人間が介す。もし設定値に不満があるなら、我輩を通る時点でその設定値に加減を行うことが出来る。「露出補正」などという機能は、カメラ側ではなく人間である我輩の機能なのだ。

そのスタイルは、我輩が35mmカメラに戻ってきた時にも継承された。我輩に必要なカメラとは、「いかに絞り値とシャッター値をスムーズに入力出来るか」ということに尽きる。
現在の我輩のメインはニコンF3である。幸い・・・というか、露出計は使いにくく、マニュアルモードではカメラ側の露出計を積極的に使おうと思わせないところがいい。さすがプロ用カメラだけのことはある(皮肉か)。素直に入射光式露出計で測れば早く、以前の中判カメラ使用と同じ感覚で使っている。

我輩の気持ちとしては、カメラの露出に関する機能の大部分は、単体露出計に移してもらったほうが有り難い。カメラ本体に複雑な電子回路を搭載するよりも、ポケットにしまってある単体露出計に搭載したほうがスマートだとも思う。またそうなれば、古いカメラの露出計が壊れても、特に支障が無くなる。

まあ、内蔵露出計、単体露出計、共に万能ではない。万能であったとしても、それはあくまで標準的な適正露光値であり、自分の適正値ではない。その露出計のクセをつかむことによって、自分の意図した露出値を得るのが、大切なのだ。

冒頭で述べた通り、カメラは機種ごとに露出計の特性が違う。それら全てのカメラのクセを的確に掴み、どれも同じように使おうとするのはなかなか難しい。それならばいっそ、1つの単体露出計で測れば良いではないか。ごく当たり前の理屈だと思うが?

とは言っても、あくまでこれはイラク空軍的装備を生かす方法だ。全て同じ機種で統一している者に比べれば、何ともバカバカしい努力と言える。