2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[297] 2001年08月31日(金)
「挑戦なき者」

最近、我輩は失敗写真が少なくなったように思う。
ポジのスリーブを並べてみれば、保険のつもりでやったプラスマイナス3枚の段階露出でも、だいたい真ん中のコマで露出が合っている。
ここで、「我輩の能力がさらに向上したな」などと話をまとめてしまうのはまだ早い。
能力云々の話ではないということは我輩自身が知っている。これは、「失敗せず写した」というのではなく、「失敗するものは写さなかった」というのが真相である・・・。


我輩は今までに写真の経験を積んできた。それは特別な経験というものではないが、自分の範囲で積み重ねた経験である。少なくとも自分には役に立つ経験と言える。自分のスタイルを続けていれば、それ相応の経験が蓄積されるのは当然のこと。

経験の浅い頃ならば、「とにかくシャッターを押せば写真が撮れる」というような向こう見ずなところがあった。しかし経験を積むと、前もってどんなふうに写るのかという見当が付くようになる。それは作業の効率を上げ、先の予測を立てるのに役立ち、その結果、ムダや失敗を予防することにも繋がる。

だが、趣味の創作活動に於いては、経験はむしろ抗力となり自由な行動を阻害することは少なくない。雑文「一度目の失敗」では、最初の失敗経験が如何に重要かということを書いたのだが、その失敗経験によってかえって失敗から逃げるようになっては意味が無い。

先日の千仏鍾乳洞探検では、我輩はストロボの装着していない「Nikon F3」での撮影を最初から諦め、代わりにストロボ内蔵のデジタルカメラで撮影をした。
「ストロボ無しではどうせ写らん。」

我輩の場合、なまじ失敗を予知して最初からムダな撮影を諦めてしまった。今更ながらに腑抜けた気持ちが情けない。
失敗を承知でシャッターを切る無謀さが今の我輩に欠けているところである。早い話、若さが足りないのだ。


我輩は今まで、手持ちで10秒のスローシャッターを切ったことは無い。しかしあの時、それくらいの無謀さがあっても良かったのではないか?
手ブレだの、相反則不軌だのと考える前に、目の前の映像にただレンズを向ければ良かったのだ。例え失敗率99パーセントであっても、残り1パーセントで面白い映像を手にするとすれば・・・。

挑戦なき者に、それは与えられぬ。