以前、屋外ストロボ撮影について書いた(参考
雑文814)。
我輩は半年前にラジオシンクロシステム導入し、それによってワイヤレスストロボ撮影が可能となったわけだが、当初の目的はテーブルトップスタジオ撮影での効率化を図るためであった。
やがてその後、ラジオシンクロシステムが屋外での撮影にも役に立つことに気付いた。これまではシンクロコードの取り回しの面倒さと接触不良による不発の多さにより、屋外でのオフシューストロボ撮影はしていなかったわけだが、ラジオシンクロシステム導入後は、まるで羽が生えたかのように自由な運用が可能となった。
今では、植物撮影を中心に、屋外ではストロボ光が届く範囲におけるほとんどの撮影でストロボを使用している状況。
我輩の場合、屋外でのラジオシンクロ撮影は基本的にテーブルトップスタジオ撮影の手法を踏襲している。そのため、スタート時点からある程度の実用は始まっていた。
だだそうは言っても、屋外には屋外なりの事情により、努力(汗)や工夫(アイデア)、場合によっては妥協(諦め)を強いられることが多い。
テーブルトップスタジオ撮影のノウハウは立派な解説本などが多く出版されているので我輩がここで書くまでもないが、屋外ストロボについてはなかなか解説本が無い状況。あったとしても単純な日中シンクロとしての使い方でしかなく、補助光の域を出ていない。
以前雑文で書いた内容も参考になるかも知れないが、それはあくまでも屋外での積極的ライティングの有用性の紹介であった。だから今回、あらためて屋外ストロボ撮影のノウハウ的なことを書くことにした。これにより、少しでも屋外でのストロボ撮影の普及に繋がればと思っている。
そこでまず最初に、屋外ラジオシンクロ撮影の基本事項をまとめておく。
これらは我輩のライティング思想の実現を前提としたものだが、ある目的を達成するための1つのモデルには違いない。どんなライティング思想の立場であっても、必ずや参考になるであろう。
(※以下、絞り値をAv、シャッタースピードをTvと記述する。ちなみにAvは「Aperture Value」、Tvは「Time Value」の略称。)
●屋外でストロボライティングする狙い
(1)積極的ライティング
その場にある定常光だけに頼った受け身のライティングではなく、スタジオ撮影のようにストロボによる積極的なライティングを組み立てることを第一の目的とする。それにより、撮影者の表現を反映させる。
また、あえて不自然なライティングを狙い、横や下から照らすなどの非日常性を演出する。
(2)正しい発色を得る
ストロボ撮影により対象物の発色を良くする。例えば夕暮れ時であっても主要被写体には色カブリをせぬよう手当てすることは、撮影者たる我輩の確たる意志を示すものである。これは記録撮影の立場からも欠かせない。
●撮影における前提条件
(1)ストロボはマニュアル発光可能なものとする
マニュアル発光とは、固定した出力で発光可能なものである。フル発光を1とした場合、1/2、1/4、1/8・・・などと調節出来るものを言う。調節機能が無くとも、フル発光だけでも可能ならば一応使える。