2000/04/05
OPEN

表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
 F3 (F3H)
 FM3A
 FM2
 FM
 FE2
 FE
 FA
 FG
 FM10
 FE10
 F4
 F-401X

Canon
 AE-1P
 AE-1
 newF-1

PENTAX
 K1000
 KX
 KM
 LX
 MX
 MZ-5
 MZ-3
 MZ-M

OLYMPUS
 OM-3Ti
 OM-4Ti
 OM-2000

CONTAX
 ST
 RTS III
 Aria
 RX
 S2

MINOLTA
 X-700
 XD

RICOH
 XR-7M II
 XR-8SUPER

カメラ雑文

[793] 2013年04月14日(日)
「D600とD700のノイズ比較」


雑文770」及び「雑文771」では、我輩所有のデジタルカメラについての理想条件と現実条件でのノイズ比較を行った。
デジタルカメラでは、高感度で撮影するよりもRAW現像時に明るさの後処理するほうがノイズが酷くなることを確認した。要するに、撮影時の適正露出が大切であるということである。

しかしながら現実問題として、撮影時に主要被写体を適正露出となるよう調整したとしてもハイライトが白飛びしてしまうことが多い。そういう場合にはやはりアンダー露出として後処理で調整するほうが白飛びも抑えられるし、実際、デジタルカメラの多くは白飛びを恐れてアンダー気味のAE露出となるようである。

今回、「Nikon D700」を手放して新たに「Nikon D600」を導入したわけだが、ノイズ嫌悪症の我輩にとってこの選択が正しかったのかを早急に確かめたく、以下にテスト撮影を行った。


<共通撮影対象>
LUMIX DMC-GF3

まず基本性能を見るために、理想条件としてRAW無調整での画像を比較する。もちろんRAW現像ソフトで現像する限りは無調整とはなり得ないが、パラメータとしては初期設定のままということになる。少なくともノイズの出方に影響がある明るさ・コントラスト調整などは行っていない。

ちなみに、「D600」と「D700」は画素数が大きく異なるため、等倍同士の比較に加え、リサイズして同じ大きさにした場合の比較を行うこととする。
また、「D600」のほうでは被写体のホコリが目立つため、ノイズ比較としては影の部分にて行いたい。

<D600とD700の理想条件での比較>
ISO100での比較
「D700」ではISO100の設定が無く比較が出来ないため、「D600」のみ参考として掲載。
Nikon D600(ISO100) Nikon D700(ISO100の設定無し)


ISO200での比較
ISO200では両者に明確な違いは見られない。「D700」のほうは画素数が少ないため2倍拡大表示で見ると当然ながら細部が解像出来ていない。
Nikon D600(ISO200) Nikon D700(ISO200)


ISO400での比較
ISO400でも両者ともノイズ感はほとんど変化無いように見える。
Nikon D600(ISO400) Nikon D700(ISO400)


ISO800での比較
ISO800では「D600」のほうは若干ノイズが出てきたように思うが、非常用としてみれば使える画像。「D700」同程度への縮小リサイズをするとノイズは消える。「D700」のほうは、まだほとんどノイズは目立たない。しかしながら「D600」は画素数の多さにより解像感は勝(まさ)っている。
Nikon D600(ISO800) Nikon D700(ISO800)


ISO1600での比較
ISO1600になると「D700」にもわずかにノイズが見られるようになった。「D600」ではさすがにザラつき感があり縮小リサイズでもザラつきは消えない。常用としては使えないが、資料撮影としては何とか使えるだろう。
Nikon D600(ISO1600) Nikon D700(ISO1600)


ISO3200での比較
ISO3200では、もはや「D600」での使用は難しい。資料撮影としても、小さな文字がノイズで読めなくなる可能性がある。「D700」でもノイズが目立つが、「D600」ほどうるさくない。ただし画素数を考えると小さな文字は「D600」よりも読みにくいかも知れない。
Nikon D600(ISO3200) Nikon D700(ISO3200)


ISO6400での比較
ISO6400になると、もはやどちらも利用価値は無い。比較そのものがナンセンス。
Nikon D600(ISO6400) Nikon D700(ISO6400)

以上の比較画像を見ると、意外にも「D700」のノイズの少なさが目立った。それぞれの等倍同士の画像を比較すると「D700」のほうがノイズが少ない。さすがに画素数が少ないほうが1ピクセルあたりの受光面積が大きいということだろう。
しかしながら「D600」も2,400万画素にしてはそこそこの低ノイズであった。この点は技術的な改善があってのことであろう。そして画素数の多さで情報量をカバーし、細かい部分の描写を得ている。

さて次は現実条件として、撮影時にわざと-1.5EVのアンダー露出とし、RAW現像時に明るさを+1.5EVに持ち上げたものを掲載する。これが実際の使用を想定した比較となる。

<D600とD700の現実条件での比較>
ISO100での比較
「D700」ではISO100の設定が無く比較が出来ないため、「D600」のみ参考として掲載。
Nikon D600(ISO100) Nikon D700(ISO100の設定無し)


ISO200での比較
ISO200は「D700」では最低感度だが、もう既にノイズが乗っている。一方、「D600」ではノイズはほとんど目立たない。
Nikon D600(ISO200) Nikon D700(ISO200)


ISO400での比較
ISO400になると「D600」でも少々ノイズが乗ってくるが、理想条件の時と同じくらいで驚く。しかし「D700」ではかなりノイズが目立つようになってきた。
Nikon D600(ISO400) Nikon D700(ISO400)


ISO800での比較
ISO800になるとノイズ感は増すが、両者の違いが大きくなってくる。「D600」は非常用として使えるレベルだが、「D700」ではさすがに非常用としても使えない。
Nikon D600(ISO800) Nikon D700(ISO800)


ISO1600での比較
両者ともノイズが目立つが、「D600」では資料用としてならば使えることもあろう。「D700」では問題外。
Nikon D600(ISO1600) Nikon D700(ISO1600)


ISO3200での比較
両者とももはや使えない画質だが、「D600」のノイズの増え方は少ない。
Nikon D600(ISO3200) Nikon D700(ISO3200)


ISO6400での比較
両者とも使えない画像には変わりは無いが、比較として見るとその違いはかなり大きく興味深い。
Nikon D600(ISO6400) Nikon D700(ISO6400)

これらを見ると、理想条件でのノイズ感は「D700」に少し及ばない程度の「D600」であったものの、現実条件では予想外に健闘している。レタッチ耐性としてはかなり高いと言えよう。
マイクロフォーサーズの「OLYMPUS OM-D E-M5」のノイズ感は「D700」と同レベルであることは以前確かめた通りで、それを上回る「D600」の導入は心強く感ずると共に、今回の導入が無駄遣いではなかったとホッとした。

しかしながら問題は交換レンズについてで、レンズ性能が悪ければせっかくのカメラ性能は活かせない。光学性能はもとより、手ブレ防止機能の能力も画質を左右する大きな要因となる。それゆえ、高性能なカメラボディを活かすには手持ちの交換レンズの性能を見極めねば今回のテストだけでは片手落ちとなろう。

次回テストでは、「D600」に我輩所有レンズをそれぞれ装着し、絞り値を変えながら撮り比べたい。また、同条件で撮影したマイクロフォーサーズカメラとの比較も行う予定。