2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[777] 2012年10月30日(火)
「再び、北海道車中泊の旅(5日目−10月3日)」


朝6時頃、車中泊した道の駅「YOU・遊・もり」で目が覚めた。
遮光カーテンを開けると、ガラスが水滴だらけだった。なんと、雨が降っているではないか。どういうことだこれは?

外に出てみると雨は霧雨状態で、空を覆っている雨雲は徐々に薄くなって晴れ間も見えてきた。クルマを見れば、腹の下の路面は濡れていない。
恐らくは、単なるにわか雨であろう。心配することでもない。

<道の駅「YOU・遊・もり」でのにわか雨>
道の駅「YOU・遊・もり」でのにわか雨
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/10/03 06:29

さて、この日の予定は、洞爺湖・有珠山周辺で丸1日活動することとなっている。
洞爺湖・有珠山は、前回2009年にも訪れており、今回の旅では洞爺湖・有珠山は行程に入れないはずだった。ところが状況が変わった。

前回は、丘の上にある展望台から金比羅火口群の2つの火口湖を観察した。
この2つの火口は2000年の有珠噴火活動で形成されたもので、今では「有珠」の文字を1つずつ取って「有くん火口」「珠ちゃん火口」と名付けられているという。安易な名称で腹が立つが、そう呼ぶしか無い。
前回訪れた当時は、火口の縁まで行ってみたいと思ったが、雰囲気的に立ち入り禁止のように見えたので敢えて深入りはしなかった。

<前回(2009年)訪れた時に丘から見下ろした有くん火口>
前回(2009年)訪れた時に丘から見下ろした有くん火口
[Canon EOS 5D Mark2/24-105mm/ISO100] 2009/04/27 15:36

ところが今回、北海道行きを検討するにあたり、念のために洞爺湖周辺の地質情報をWebで見ていたところ、金比羅火口を間近に見ることの出来る地質散策コース「フットパス」が整備されていることを知った。
前回2009年に訪れた直後に洞爺湖周辺が「世界ジオパーク」に認定され、それをきっかけにしてコース整備されたらしい。

フットパスは「(1)金比羅山コース」、「(2)西山山麓コース」、「(3)四十三山コース」、「(4)壮瞥公園と果樹園コース」、「(5)昭和新山・有珠山山頂コース」、「(6)中島1周探検コース」、「(7)財田・田園と湖畔を巡るコース」の7つのコースがあり、それぞれに地図が用意されている。これはなかなか面白いではないか。一度訪れた地ではあるものの、もう一度足を運ぶ価値はある。

<フットパスのガイドマップ>
(※画像クリックで横1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
フットパスのガイドマップ

何はともあれ、洞爺湖はまだ距離が離れているので早めに移動を開始したい。
我輩は大急ぎで朝食を食べ、着替えて運転席に移り、クルマを発車させた。時刻は7時少し前。

基本的に信号ストップの無い道であるが、2箇所ほど道路工事による片側相互通行があった他は実に退屈なドライブだった。
洞爺湖に到着したのは9時前。急に馴染みの風景が現れたので、退屈さが吹き飛んだ。
以前と変わらぬ風景が大変懐かしい。

まずは、「金比羅火口災害遺構散策路」の駐車場にクルマを停めた。すると、雨がまた降り出した。
散策路を辿って火口の縁まで行ってみたいのだが、この空模様では撮影するにも発色があまりパッとしないだろう。特に銀塩フィルム撮影では後修正が利かず、撮影時での条件が仕上がりの全てを左右する。

様子見のためクルマの中で待機していると、目の前を傘をささず濡れながら歩く観光客らしき姿があった。どうやら雨は降ったり止んだりしているようで、「止んだ」と思って油断するとこのようになるようだ。

我輩はクルマの窓を少し開け、しばらく水滴の滴る様子を眺めていた。窓にはバイザーを設置してあるので、雨が降り込むことは無い。
我輩は、以前乗っていたクルマもそうだったが、クルマを買った時はすぐさまバイザーを付けた。「バイザーを付けるとカッコ悪くなる」という者も中にはいるが、これほど実用的なパーツも無かろう。妙なスポイラーを付けるくらいならばバイザーのほうが余程価値がある。

<バイザーに雨の滴>
バイザーに雨の滴
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO400] 2012/10/03 09:03

ポツポツ雨の音がする車内で、我輩はしばらく考えた。
ヘナチョコ妻にEメールを出して室蘭市周辺の天気を調べてもらったところ、今日は雨だが明日は晴れるようだ。
当初の予定では、明日は石狩油田跡や三笠市の鉄道博物館や自然博物館へ行くつもりであった。しかし今回はそれをやめて、もう1日、この洞爺湖に滞在しようかと思い始めた。

石狩油田跡は、以前も行った場所である。場所も把握しクルマで近くまで行けることも分かったので、もう少し調査に時間をかけてみたいと思っていたのである。しかし調査地点としてはたった1つのポイント。その周辺には関連する見所も無く、優先順位としては低い。

三笠市の博物館も、初日に小樽市博物館に行ったことでもあるし、他に優先するものが発生すれば無理に行く必要も無いと感じた。

そういうわけで、今回は洞爺湖・有珠山周辺での活動に2日費やすことを決めた。これならば、余計な移動時間も省くことが出来る。
夜もゆっくり出来るので、現地住民としての生活も疑似体験したい。

30分後、雨が止んだ。
しかしこれは一時的なものであろう。油断すれば先ほどの観光客のように雨に濡れることになる。
我輩は撥水性のあるコンパクトジャケット(フード付)を羽織り、火口まで行ってみることにした。今はまだ撮影日和ではないが、明日のために下見をしておこう。

<雨が止んだのでクルマを降りて歩く>
雨が止んだのでクルマを降りて歩く
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/10/03 09:26

散策路にさしかかると、確かに、以前は無かった火口散策路の小道入り口があった。

<火口散策路の小道入り口> (※黄色矢印方向)
火口散策路の小道入り口
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/10/03 09:31

そちらに進むと、所々にフットパスの案内表示があり、また誘導のロープも設置されており迷うことは無かった。もっとも、我輩はポータブルナビを携えているので、迷うことなど有り得ないが。

<火口散策路>
火口散策路
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/10/03 09:37

雨に濡れた足場の悪い坂をしばらく上ると、不意に舗装道路に出た。山の中の、その場にそぐわない道路である。見れば、道路の一端は寸断されており、火山活動で破壊された遺構の1つであることが分かった。傍には積雪での滑り止め用砂箱があり、この道路が生きていた頃を偲ばせるリアリティを肌で感じた。

<かつて生きていた道路>
かつて生きていた道路
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/10/03 09:44

道路を歩いて100メートルくらい行くと、右手にフットパスの看板があり火口に繋がる横道へ促していた。いよいよ、火口を拝むことが出来る。

少々坂道になっており、雨のせいで滑り易い。「それにしても滑り易いな」と改めて自分の靴の裏を見てみると、力のかかる部分がスリ減って真っ平らになっていた。元々溝が浅いと思っていたがさすがにこれだけ真っ平らでは滑るのも無理は無い。
しかし途中から坂が急になっているため丸太の階段となっており、登るのは楽になった。

雨がポツポツと降り出したので、コンパクトジャケットのフードを被る。
しばらく登ると、まず「珠ちゃん火口」のポイントに来た。しかし雑草(葦?)が生い茂っており見通せないどころが近付くことも出来ないではないか。ここは火口壁が無い平坦な部分から入れるはずなだが、その平坦さが仇となり草が繁茂したようだ。

仕方無いので、もう少し坂を登って上の方から見てみると、先ほどよりも見通しが良くなった。ただやはり、手前の雑草が邪魔をする。前回北海道に訪れた時はゴールデンウィークの頃だったため、草といっても立ち枯れでしか無く、火口湖らしい姿を見せていたのだが。

<雑草の茂った珠ちゃん火口を上から望む>
雑草の茂った珠ちゃん火口を上から望む
[LUMIX DMC-GF5/14-140mm/ISO200] 2012/10/03 09:55
<前回(2009年)訪れた時に丘から見下ろした珠ちゃん火口>
前回(2009年)訪れた時に丘から見下ろした珠ちゃん火口
[Canon EOS 5D Mark2/24-105mm/ISO100] 2009/04/27 15:36

気を取り直して次の火口「有くん火口」を目指す。
ここは、有珠火山系の中では一番火口湖らしい火口湖である。それは「蔵王のお釜」のミニチュア判と言えるもので、我輩としてもメインの調査対象という位置付けで期待が高まる。

ここは先程の「珠ちゃん火口」とは異なり、火口縁に到達するまでの道に雑草などは無かった。ただその分雨のせいで道がぬかるんでいる。泥道を見ると、ごく最近誰かが通ったようで新しい足跡があった。

<有くん火口への道は整備されていた>
有くん火口への道は整備されていた
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/10/03 09:44

泥道を越えると小石の点在する火口壁の坂で歩き易くなっている。そして火口壁のピークを越えると、そこに水をたたえた「有ちゃん火口」の姿があった。

しばしこの光景を眺めた後、早速、デジタルカメラで撮影してみたのだが、マイクロフォーサーズ7mm(換算14mm)の超広角レンズでも両端が画角に入り切れない。手前の火口壁の縁に立っているので、全体を撮るには近過ぎるのである。

もちろん、ここでは近付いて詳細な地形を観察・撮影することが目的であり、全体を撮影したいのであれば金比羅火口展望台から撮れば済むこと。
しかし、写真で切り取ることによって左右両側の火口壁が見えなくなると、火口が小さくそして平坦に見えてしまい、目の前の実風景とは印象がまるで違ってしまう。

<有くん火口を7mm超広角レンズで撮影>
(※画像クリックで横1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
有くん火口を7mm超広角レンズで撮影
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/10/03 10:07

そこで、パノラマ合成を前提としてカメラをパンニングしながら複数枚に分けて撮影した。
少々こぢんまりとした画像になるが、火口の"お釜っぽさ"は実際の風景に近いと思う。

<14枚に分けて撮影した画像を横に合成>
(※画像クリックで横1500ドットの画像が別ウィンドウで開く)
14枚に分けて撮影した画像を横に合成
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/10/03 10:07

繰り返しになるが、この火口は「蔵王のお釜」と大変良く似ている。
大きさは見たところ、「蔵王のお釜」の3分の1程度。形が似ているだけに目視測定を誤ってしまいそうだが、草木の大きさを手掛かりに判断した。

「蔵王のお釜」はハイキング程度の装備で降りる者が少ないため自然そのままで道が整備されていないが、ここはハイカーが前提のため誘導ロープや丸太階段などが整備されている。しかしながら、整備されているということは、立入禁止区域が多いということを意味する。何かあっても自己責任というわけにはいかないからだ。
この火口では、火口壁ピーク手前にロープが張られ、来訪者は限られた1点でしか火口に居ることが出来ない。火口の"お鉢巡り"をしてみたいところだが、それは許されていない。

ただしこの火口では、仮に登山家であったとしても、この反対側の火口壁に行くのは危険があるかも知れない。と言うのも、この火口は規模が小さいせいか火山噴出物が単純に降り積もっただけの軟弱な印象を受ける。つまり、ポロポロした土に見える。「蔵王のお釜」のように、積もった層が熱の影響を受けてカチカチに固化し岩になったものとは違うだろう。恐らく風化にも弱く、「蔵王のお釜」よりも遙かに早い時期に埋まってしまうだろうと我輩は予測する。

それにしても、雨が相変わらず降っている。
我輩がここにいる間、外国人のオバちゃん2人が我輩の背後から登ってきて横に並んだりもしたが、雨のせいか数分でまた降りてしまった。
我輩も、今回はとりあえずの下見ということもあり、引き返すことにした。

<雨が降り続く>
雨が降り続く
[LUMIX DMC-GF5/14-140mm/ISO200] 2012/10/03 10:17

駐車場に戻るには、単純に来た道を戻れば良いのだが、せっかくなので「金比羅災害遺構」のルートを通ることにした。
ここは3年前にも訪れたことがあるが、夏草のせいか今回は少し近付き難い印象。ただ、建物そのものはあまり風化は見られないように感ずる。広島の「原爆ドーム」のように、廃墟をそのまま永く維持するのは大変であろうと思うが、管理者には可能な限りこの姿を残して欲しいと願う。

<金比羅災害遺構>
金比羅災害遺構
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/10/03 10:37

ふと見上げると、アパート最上階の部屋のベランダから樹木が枝を伸ばしていた。3年前にも見た光景だが、さすがに3年分の成長が見られる。

<ベランダから枝を伸ばす樹木>
ベランダに根を張った樹木
[LUMIX DMC-GF5/14-140mm/ISO200] 2012/10/03 10:40
<3年前の同じベランダ>
3年前の同じベラン
[Canon EOS 5D Mark2/24-105mm/ISO100] 2009/04/27 13:42

駐車場のクルマに戻ると、雨がザアッと本格的に降り始めた。これで本当に明日は晴れとなるのだろうか? 少々心配になる。

時刻は11時。そのまま近くのコンビニエンスストア「セブンイレブン」に行き、弁当を購入。そのついでに店内をブラついていたところ、あるコーナーに目が留まった。洞爺湖ジオパーク関係の書籍などが置いてある。
我輩はこれらのうち、参考になりそうなものをゴッソリ買った。

<コンビニエンスストアのジオコーナー>  (※後日撮影したもの)
コンビニエンスストアのジオコーナー
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/10/05 07:58

その後洞爺湖駐車場に入り、食事をしながら先ほど購入した書籍を並べてみた。
見たところ、「ジオパークガイド」の5冊シリーズのうち1冊が無かった。あそこのコーナーにあったものは全種類手に取ったはずなので、1冊は品切れだったということだろう。
足りない1冊は金比羅火口に関するもので、我輩としては最も必要とするもの。残りのガイド本で手掛かりを調べてみると、「洞爺湖ビジターセンター」に火山資料などが手に入るということなので、恐らくここで買えるだろう。後で行ってみようと思う。

ちなみに、シリーズのカウントが"01"、"02"・・・と2桁表記であるところは、10以上のガイドを作るぞという意欲が感じられて頼もしい。

<ガイド本の"02"が抜けている>
ガイド本の02が抜けている
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/10/03 12:05

雨は相変わらず降り続き、朝起きた時に感じた「にわか雨だろう」という意識は全く無くなった。まるで梅雨時のようにシトシト降る様が寒々しく(気温としては寒くないが)、寂しさを感ずる。
このような状況のため他に行く場所も考えられず、まだ昼だというのに生活時間に入ったほうが良さそうな気分になってきた。

<雨で動きようがない>
雨で動きようがない
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/10/03 12:07

とりあえず後部座席の寝室に入り、横になって少々仮眠した。早朝からの運転で目が疲れていたので休んでおくのも良かろう。

仮眠は特に目覚ましアラームをセットしていなかったため、目が覚めた時には何時か分からなかった。頭もボーッとハッキリしない。遮光カーテンを開けてみると、雨は止んでいるようだ。
ちょうどその時、目の前の「洞爺湖サミット記念館」からキュートなお姉さんが出てきたのが見えて、パッと目が覚めた。

時計を見ると、14時過ぎ。もしどこかに行くなら本日最後の機会となろう。
コンビニエンスストアで購入したジオ関係の書籍によれば、西山火口散策路近くの旧消防署は、現在「火山資料展示室」となっているらしい。ここはてっきり噴火被災の遺構、つまり廃墟かと思っていた。もしかしたら、前回3年前の訪問時から変わったのかも知れない。まあ、とにかく行ってみよう。

西山火口近くの北口駐車場へはクルマで5分もかからない距離。
「火山資料展示室」の前ひっそりとしており、以前来た時と変わらない。建物前には広いスペースがあるが路線バス転回場として使われているためそこにクルマを停めることは出来ず、そのためひっそりとした雰囲気に輪をかけている。

<火山資料展示室(旧消防署)>
火山資料展示室(旧消防署)
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO200] 2012/10/03 14:34

館内に入ろうとした時、コロンと何かが落ちた。見ると、それは我輩の「OM-D E-M5」の接眼目当てだった。ゴム部分が衣服と擦れたためにカメラから外れてしまったらしい。以前も1度無くしているので用心していたのだが、またもや無くしてしまうところだった。危ない。

さて、資料室の中は部屋が1つで、所々に火山噴出物のサンプルなどが置かれているものの、壁に掛けられたパネル展示が主であった。
誰もいないのでひっそり感は外見で見た通りだった。

10分程度で外に出て、さあ戻ろうとした時、ふと「ビジターセンター」のことを思い出した。ついでに寄ってみて「ジオガイド02」があるか見てみようと思う。

「洞爺湖ビジターセンター」は、3年前の北海道訪問時も訪れたことがある。洞爺湖の自然などが紹介されている他、館内に「火山科学館」が併設されているのだが、規模のわりに入館料が600円と高いので、2度目にまた入る必要もあるまい。

<洞爺湖ビジターセンター>
洞爺湖ビジターセンター
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO400] 2012/10/03 14:58

案内カウンターに行ってみると、火山に関する書籍販売もしているようで見本誌が置いてあった。その中には我輩の求めている「ジオガイド」もあり、難無く不足分の「02」を入手した。これでコンプリート達成となる。

<コンプリート達成>
コンプリート達成
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO400] 2012/10/03 15:05

その後洞爺湖駐車場に戻り、まだ明るいうちに洞爺湖温泉街を散策してみることにした。
オフシーズンと雨の相乗効果のせいか、人影はまばらでひっそりと寂しい。定年後にのどかなところに住むのも悪くないという想像もしたことはあるが、こんなに寂しい場所は到底無理。

しばらく歩くと、大きなホテルの前に手湯・足湯のコーナーがあった。
そこに設置してある看板によれば、洞爺湖温泉街の中には何箇所もこういうコーナーが点在しているらしい。試しにちょっと歩くとまた同じような手湯コーナーがあった。

<街の一角に手湯コーナー>
街の一角に手湯コーナー
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/10/03 16:02
(※画像クリックで横1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
街の一角に手湯コーナー
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/10/03 16:06

我輩としては、こういうのは温泉の効能よりも「熱海七湯巡り」のようなスタンプラリー的楽しさを感ずる。これから全制覇を目指して練り歩くか・・・?

<洞爺湖温泉内にある手湯・足湯のガイド>
(※画像クリックで横1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
洞爺湖温泉内にある手湯・足湯のガイド
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/10/03 16:14

ただ今回、雨模様と町の寂しさで気分が盛り上がらないので、歩いている途中で手湯・足湯コーナーを見かければ撮影しようとは思うが、こちらから積極的に攻めて行くのはやめた。

町内を大まかに一回りした後、クルマに戻り、翌日のためにジオガイドなどの書籍で予習をすることにした。そこには地質的な見所が紹介されており、言われなければ見逃してしまうようなポイントも多く大変参考になる。

そうこうしているうちに夕食時になったので、「セイコーマート」という地元型コンビニエンスストアで弁当を調達。旅が長くなると栄養の偏りが心配で、なるべく色々な食材を使った弁当を選ぶようにした。

<夕食>
夕食
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/10/03 17:24

その後、また後部座席の寝室でゴロゴロしながら明日の巡検のために資料を読み進めていた。狭い場所でLEDランタンを灯しながら読書というのは、秘密基地にいるような気分で嫌いではない。

<後部座席寝室でジオガイドブックを見ながら明日の作戦を練る>
後部座席寝室でジオガイドブックを見ながら明日の作戦を練る
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/10/03 18:17

しかしふと、これは車中泊の体制になっているなと感じた。駐車場内にある公衆トイレの隣にクルマを停めたのでまさにそんな感じと言える。それなのに、入浴はまだの状態。どうするか?

「洞爺湖温泉」という町名からしてどこかに日帰り入浴施設はあるとは思うが、ホテルや旅館の日帰り入浴は料金が高いという先入観があり事前には調べていない。そもそも宿泊施設に日帰り入浴するのは場違いな気がして行く気にならない。そういうわけで、事前に調べているのは昭和新山近くの入浴施設のみ。
しかし今から昭和新山まで運転する気にならない。もうこの駐車場で落ち着いてしまった。
今日は入浴は省くか?

確かに、この日は暑くはなかったし行動も大変ではなかったので汗をかいておらず、入浴を省いても良さそうに思った。ただそうは言っても、頭は毎日洗ってサッパリしたい。頭だけならば公衆トイレの洗面所で洗えるのではないかと思ったが、さすがに水で洗うのは冷たかろう。公衆トイレでは、さすがに湯は出まい・・・。

その時、我輩はハッと思い当たった。
「この町には手湯・足湯があるじゃないか。」
手湯・足湯のコーナーから湯を拝借し、それを使って公衆トイレで頭を洗えば良かろう。
問題は、どうやって湯を持ってくるか。
ふと見れば、足元にちょうど飲み終わってゴミになった2リットルのお茶ペットボトルが転がっていた。これを使おう。

我輩は空のペットボトルを手に、夜の洞爺湖温泉街を歩いた。霧雨が降っているが傘を差すほどでもなく、気温もそれほど低くない。
人目を避けるために裏道を選んで歩いたのだが、裏道には昼間は目に付かなかった居酒屋の灯火が意外に多くあり、それが昼間の寂しさとは対照的に思えた。そして、カメラを持ってこなかったことを後悔した。

さて、手湯・足湯のほうは、湯を無事に確保することが出来、湯たんぽ状態のホカホカのペットボトルを抱えて持ち帰った。明るい所で見ると、湯は薄く茶褐色に色付いており、まさに温泉という感じがする。

<温泉2リットル分>
温泉2リットル分
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/10/03 20:36

では、トイレで頭を洗おう。
しかし洗っている最中に誰かがトイレに入ってきたら嫌だなと思った。タクシーの運転手が時々ここのトイレを利用しているようなので、ハチ合わせは気まずい。
トイレに行くタイミングを図っていると、突然、「ドーン!」と大音響が響いた。「なんだ?」と思ってそのまま様子を見ていると、また「ドーン!」と音がする。どうやら湖のほうで花火が打ち上がっているらしい。
偶然にも、今日は花火大会の日か。

<突然の花火>
突然の花火
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/10/03 20:51

我輩は、この隙を狙ってトイレに行った。花火大会ならば、その方向に人が集まっているだろう。今ならトイレは手薄となるはず。
洗面所で素早く石鹸で頭を洗い、暖かい湯をかけてすすいだ。暖かくて気持ち良い。ペットボトルの口が狭いのですすぎは少々時間がかかったが、何とか完了。髪を拭いてホッと一息ついた。

それにしても、花火はまだ打ち上がっている様子。せっかくなので、ちょっと歩いて行ってみることにした。
洞爺湖の方向に歩いている時も花火が見えていたが、歩いていると建物に隠れて見えなくなることもある。どうやら思ったよりも花火の高度は低いらしい。

洞爺湖に行ってみると、それは船上花火だということが分かった。
湖岸には多くの者が集まって眺めていたが、花火大会ということを考えるとそれほど多いほうではない。ちょっと寂しい花火大会。

我輩はデジタルカメラ「OM-D E-M5」を持ってきており花火の撮影をしようと思ったが、特に三脚は用意しておらず、やむなく手持ちで花火を撮影することにした。露光時間1秒のスローシャッターとなったものの、我輩の超人的ホールドと「O-MD E-M5」の5軸ブレ補正のためブレの心配は無い。

<洞爺湖の船上花火(横トリミング)>
(※画像クリックで横1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
洞爺湖の船上花火
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/10/03 21:03

花火は、打ち始めに行かなかったため、我輩が洞爺湖に着いてからは僅か5分で終わってしまった。5分とは短いようだが、花火の5分は意外に長く感ずる。

就寝時、雨は止んでいた。車内から夜空を見上げてみたが、雲がどれくらい広がっているのかはよく見えなかった。

<洞爺湖駐車場での車中泊>
洞爺湖駐車場での車中泊
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/10/03 22:22

この日は雨に祟られたおかげで気持ち的にもどんよりとした消化不良の一日であった。しかしながら、最後の花火が期せずして良い締めとなったように思う。
明日は是非とも青空が広がって欲しい。そうでなければ、今後の予定が本当に狂ってしまう。

<この日の行動地図>
この日の行動地図
この日の行動地図