2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
 F3 (F3H)
 FM3A
 FM2
 FM
 FE2
 FE
 FA
 FG
 FM10
 FE10
 F4
 F-401X

Canon
 AE-1P
 AE-1
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MINOLTA
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 XR-8SUPER

カメラ雑文

[774] 2012年10月22日(月)
「再び、北海道車中泊の旅(2日目−9月30日)」


9月30日の早朝3時半頃、フェリー船内で我輩は目を覚ました。
この日、フェリーは4時半に北海道の小樽港へ着く。自分で目が覚めたのか、それとも周囲の乗客の身支度で目が覚めたのかは覚えていないが、とにかく船内アナウンス前には目が覚めた。
かなりの早朝だが、前夜の就寝は22時頃であったし、そもそも日中も寝てばかりだったので寝不足になろうはずも無い。

フェリーが着岸してからしばらくして案内があり、車両甲板に降りて自分のクルマに乗り込む。
やはり自分のクルマに乗ると安心する。何しろ完全個室であるし、必要な物資が積み込まれている。そして何より、これから自分の意思でどこへでも行ける。それが、自分のクルマなのだ。

エンジンを掛けると、カーナビゲーションの画面が起き上がった。画面はまだ新潟港のまま。案内員の指示に従ってフェリーからタラップで下船すると、カーナビゲーションがGPS電波をキャッチしたのか「北海道に入ります」とアナウンスした。

<北海道上陸>
北海道上陸
[車載ビデオ] 2012/09/30 04:49

早朝のこの時間では、どこか行くにも当てが無い。とりあえず船を降りた後、路肩に停まってカーナビゲーション画面で検討した。
確か、この近くにクルマが停められそうな埠頭があるはず。地図上でそれらしい所を見付け、その場所に向かった。

そこにはクルマが沢山並んで停まっており、何人も岸壁で釣りをしていた。我輩はそのクルマの列の後方にクルマを停めた。見れば、前方にはさっきまで乗っていたフェリー「らいらっく」が停泊していた。
三脚とリモートコードをクルマに積んでいるのを思い出し、せっかくだからと夜景を撮ってみた。

<小樽埠頭からの眺め>
小樽埠頭からの眺め
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO200] 2012/09/30 05:15

クルマを降りて気付いたのだが、北海道と言っても特に気温が低いということは無い。昨日は千葉で今日は北海道。しかし気温の変化をまるで感じない。半袖でも良いくらいだ。これで早朝の気温なのだから拍子抜けもいいところ。

さて、この日は丸一日、小樽市内で過ごすことにしている。宿泊は近くの道の駅「スペース・アップルよいち」を予定しており、移動を考えなくても良いので夜までジックリ過ごせる。
貧乏旅行ということもあり、少なくともここ小樽では、駐車に1銭もかけないことをポリシーとする。

小樽で期待するのは、「小樽市総合博物館」にて鉄道関連展示の撮影、観光用ボンネットバスの追いかけ、そして、夜景で有名な小樽運河の定番写真を撮影することである。

最初は博物館に行こうと考えているが、開館時間が9時半なのでまだ4時間ほど時間がある。仕方無いので後部座席のベッドに入り、少々仮眠してみた。長時間停めても良い場所なのか様子を見ながらの仮眠で、寝たのか寝てないのか分からないような睡眠であった。しかしいつの間にか時間は経ち、8時頃に朝食を買うため近くのコンビニエンスストアまでクルマで行き、サンドイッチを購入。

コンビニエンスストアの駐車場で食事した後、再び埠頭に戻ってくると、なぜかパトカーが埠頭の両端に1台ずつ、計2台停まっているのが見えた。

<なぜにパトカー?>
なぜにパトカー?>
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/09/30 08:35

我輩は様子を見ながらゆっくりとクルマを先ほどの場所に停め、警官のいる場所に近付いてみた。警官は2人おり、岸壁から海面を覗き込んだり無線で連絡を取ったりしている。まさか死体でも浮いたか?

<なぜに警官?>
(※画像クリックで横1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
なぜに警官?
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/09/30 08:31

しかし特にそれ以上動きは無く、やがて警官たちはパトカーに乗って去って行った。
むー、何かあればネタになると思ったのだが・・・。

その後、ただ待っているのも退屈なので、観光名所である小樽運河のほうへ移動してみることにした。Web情報によればここは路上駐車も多いらしいので、夜景を撮影する際にここにクルマを停めようと思っている。今のうち、本当に停められそうな場所なのかを確かめておきたい。
ちなみに、運河は博物館の方角にあるので好都合。

Webで紹介された場所に行ってみると、確かに交通量がほとんど無く、路上駐車も何台かある。我輩はその路上駐車の間に停めてみた。
クルマを降りてみると、ここは運河と言っても漁船が多く係留されており、観光スポットとしての運河とは若干場所が異なるようだった。しかし遠くはないだろうから、夜景撮影時にはクルマをここに停めておこうと思う。

<運河沿い道路>
運河沿い道路
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO200] 2012/09/30 09:05

しばらくその場所で時間を潰し、9時半になったので博物館へ向かった。朝一だったせいか、博物館駐車場にはほとんどクルマは停まっていなかった。

博物館での撮影では、当然ながら銀塩フィルムでの撮影は行わない。室内での撮影が多く、しかも撮影枚数が膨大となるからだ。よって、デジタルカメラのみとする。

レンズは、室内での引きの無い場面を想定して超広角ズーム7-14mm(換算14-28mm)、そして野外展示用に14-140mm(換算28-280mm)も持って行こう。一瞬、レンズ交換の手間を省くためとしてカメラボディをもう1台、「GF5」あるいは「GF3」を加えようかと思ったが、画質最優先と考えて「OM-D E-M5」の1台のみでレンズを替えながら撮影することとした。なお、この方針は今回の旅で最後まで一貫し、デジタル撮影では可能な限り「OM-D E-M5」を使うよう心掛けた。

博物館窓口に行くと、入館料は400円だが別館との共通券で500円となるとのこと。そのことは事前情報で知ってはいたが、実は別館は2つあり、入場券購入時にどちらの別館かを選ぶ必要があった。
2つの別館とは、「運河館」と「旧日本郵船株式会社小樽支店」とのこと。まあ、「運河館」のつもりで来たので、「運河館」との共通券で購入した。ちなみに、この券を使えば近くにある「手宮洞窟」にも入れるらしい。「洞窟?」とは思ったが、まあ、時間があれば寄ってみても良かろう。

<小樽市総合博物館>
小樽市総合博物館
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/09/30 09:35

ここは、インターネット情報によれば元々は「小樽交通記念館」という施設だったらしく、2007年に「旧小樽市博物館」に統合されたとのこと。そのため館内は、鉄道中心の展示となっている。
最初に目に入るのは、初期の蒸気機関車であった。

<最初に出迎えるのは初期の蒸気機関車>
最初に出迎えるのは初期の蒸気機関車
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/09/30 09:56

ガラガラの駐車場と同様、館内はひっそりとしており誰もいない。しかしさすがに日曜日なので、しばらく撮影していると子供連れ家族が入ってきた。

資料展示コーナーでは、北海道での鉄道の歴史が紹介され、北海道という地域性のある内容がそれなりに興味深い。中でも、やはりジオラマで当時の様子を再現したものが幾つもあり楽しめた。

<ジオラマ>
ジオラマ
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/09/30 09:51

ちなみに、展示物の中には古地図もあり、江戸末期に作られた「大日本海陸全図」の中には、現在韓国と領有権を争っている竹島の記載があり、我輩は複雑な思いでそれを眺めた。

<「大日本海陸全図」(江戸末期1860年代)>
「大日本海陸全図」(江戸末期1860年代)
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/09/30 09:44

野外展示場はかなり広く、実車両は何両もあった。ただし野外展示という条件のため痛みが激しく、塗装の下から錆が浮いているものや、塗装が重ねられて表面がデコボコになっているものがほとんど。
今回撮影したかった車両の一つであるディーゼル列車「キハ82」も現在塗装中のようで、完全な姿を撮影することは出来なかったのは残念だった。
この列車は、我輩が大学生の頃に帰省する際利用した「特急いそかぜ」の原型となる列車である(いそかぜは「キハ181」)。そのため、この列車には大変思い入れがあり、その姿を見るだけで日本海の風景が浮かんでくる。

<ディーゼル列車「キハ82」>
ディーゼル列車「キハ82」
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO400] 2012/09/30 10:16
ディーゼル列車「キハ82」
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO400] 2012/09/30 10:14

それから、ここには北海道らしくラッセル車が新旧合わせて4〜5両もあり、集中的に撮影した。ロータリー式車両も現物は初めて見たが、それは車庫内の展示だったため全体をグルリと見れなかったのが残念。

<ラッセル車>
(※画像クリックで横1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
ラッセル車
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO200] 2012/09/30 10:22

正直言うと、我輩は列車に対する知識はそれほど無い。興味があるもののみ調べるだけである。
そんな目で見ると、たまにハッとするような車両に出会うことがある。それがこの「キハ03」という車両。

<キハ03>
(※画像クリックで横1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
キハ03
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO200] 2012/09/30 10:35

このちょっとレトロでありながら当時としては近代風なデザインが良い。配色もマッチしている。
これは一見、江ノ島電鉄で普通に見られるような電車(例えば「旧500系」)のようにも見えるが、「キハ」という名前からも分かるように気動車である。そして江ノ電車両よりも少々幅広に見える。どちらかと言うと、バスに近い。確かに、後日調べるとこれはレールバスだったようだ。

その他、多くの車両を撮影したが、ここでは紹介しきれないのでこの辺で切り上げることにする。

さて次に、小樽市内を観光用ボンネットバスが走る様子を撮影することになっている。
このバスは事前に予約して市内観光スポットを巡る観光ツアーで、予約者がいなければその日は欠便となるとのこと。料金は大人1人3,300円となっている。とてもそんな大金は払えないので、我輩はそのバスを追いかけて撮影しようと考えた。平日は欠便の恐れがあるため、土日に当たるよう計画していたのだ。
使用するメインのカメラは、当然ながら記録用として銀塩フィルムの「PENTAX 645N」。ここでは、デジタルカメラは銀塩フィルムのコマ間を補間するためサブ的に用いる。

まず、クルマを埠頭に駐車し、徒歩でレトロ街に向かう。
途中、妙なバスに出会った。レトロ風なバスのように見えたが、昔もこんなバスは無かったろう。言うなれば"レトロ電車風バス"か。これはまあ、どうでも良い。

<レトロ電車風バス?>
レトロ電車風バス?
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO200] 2012/09/30 11:33

タイムテーブルによれば、ボンネットバスは昼前に「旧北海道銀行本店」に来るようだ。
ポータブルナビを見ながら歩いたが、「旧北海道銀行本店」というのが見付からない。地図上での名称が違うのか?

そうこうしているうちに時間が経ち、次のスポットへ先回りしたほうが良いのかと考え始めた。行くなら早くしないと逃してしまう。しかしふと顔を上げると、道の向こうのほうにボンネットバスらしき姿が遠くに見えた。
我輩は小走りでそちらに向かった。確かにそれは、ボンネットバスであった。

<ボンネットバス>
(※画像クリックで横1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
ボンネットバス
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO200] 2012/09/30 11:53

我輩が子供の頃はさすがにボンネットバスは無かったが(西鉄エリア)、トラックは普通にボンネット型であった。だからこのボンネットバスの顔には馴染みがある。そういう意味では、我輩はボンネットトラックの代わりとしてボンネットバスを追っているのであろう。そしてその先に繋がるのは、我輩の子供の頃の風景ということになる。

ボンネットバスはちょうどツアー客が観光スポットから戻ってくるのを待っているようで、路上待機していた。我輩はそのスキに前後から撮影。
撮影しているのは我輩だけだったが、たまたま通りかかった一人旅風の女性が我輩の撮影しているのを見てボンネットバスに気付いたらしく、カメラを取り出してボンネットバスの撮影をしていた。

10分くらいすると乗客が戻り、ボンネットバスが発車した。その頃には我輩は一つ先の交差点に先回りしており、近くの「小樽運河ターミナル」に入るまでをデジタルカメラで撮影した。
「小樽運河ターミナル」では、ボンネットバスも後ろを見せて停まっているため撮影は数枚程度で終え、次のスポットであるレトロ街へ先回りした。

レトロ街のほうでは、昔風の制服を着て鼻ヒゲを生やした車掌(?)が待っており、ここにボンネットバスがやってくるというのが分かった。
そして道端で待つこと10分、ようやく先ほどのボンネットバスがレトロ街に入ってきた。

<やってきたボンネットバス>
やってきたボンネットバス
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO200] 2012/09/30 12:13

ボンネットバスは思った通りの場所に停まり、我輩は張り込んでいた場所から撮影を始めた。運転手もバスを降りてしまったので、しばらくここで停車するらしい。だから同じアングルの写真について、銀塩中判カメラとデジタルカメラの両方で撮影した。
さすがに中判カメラのほうはフィルム交換時に時間をとられてもどかしい。

<レトロ街に停まったボンネットバス>
(※画像クリックで横1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
レトロ街に停まったボンネットバス
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO200] 2012/09/30 12:14

しばらくすると、通行人たちもボンネットバスを見付けて近付いてきた。そして写真を撮る者も出てきた。
最近はデジタル一眼レフカメラも普及したようで、当たり前のようにデジタル一眼レフを取り出して撮影している。その中に、プロ用のデジタル一眼レフカメラで撮影している者がいたが、そいつがまたボンネットバスに近付いて撮影するなど我輩のカメラのフレーム内に入って邪魔をする。まあ、それはお互い様だからと仕方無く思うが、相手は我輩のことが目に入らないようで自分の気が済むまで近接撮影などするから困る。

気持ちとしては、我輩が追っていた獲物という意識があるので、あまり気分は良くない。そんな我輩もツアー代3,300円を惜しんで勝手に撮影しているのであるから他人のことをとやかく言えぬが、盗人には盗人同士の理論というのがあろう。
そもそも、若造デジタルカメラは年長銀塩カメラに敬意を払うべきだ。年長者を敬う文化は既に廃れたか。

まあ、愚痴はともかく、ボンネットバス撮影はここで打ち止めとし、そろそろ昼食としたい。クルマを駐車している埠頭に戻り、スーパーに行って惣菜を買って食べることにした。
スーパーは先程の「小樽市総合博物館」の隣に「マックスバリュ」がある。24時間営業とのことだが、コンビニエンスストアならばともかく、スーパーで24時間営業というのは珍しい。

見知らぬ土地ではスーパーでの買い物作法が違うので注意が必要。念のためレジ袋が必要かと思ったが、やはり予想通りレジ袋がもらえず、持参したものを使った。
買ったのは天重で約400円。我輩としては奮発したつもり。

<昼食>
昼食
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO200] 2012/09/30 13:29

飲料水が無くなってきたので、2リットルのお茶も調達。安いところではノーブランドで100円以下で売っているものだが、ここではノーブランドが無く137円と少々高かった。
旅は長いので、なるべくコストを抑えたいのだが、この分では少し厳しい。

食後、「小樽市総合博物館」の別館である「運河館」のほうへ行ってみた。この「運河館」にも無料駐車場が用意されているが、「運河館」と無料駐車場の間に民間の有料駐車場があるので注意が必要である。ちなみに無料駐車場のほうは砂利敷きであった。

「運河館」は小規模の博物館だが、別館であることを考えると立派なものと言えよう。小樽の古地図に関しては展示物が豊富である。

<「小樽市総合博物館」の別館「運河館」>
「小樽市総合博物館」の別館「運河館」
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/09/30 14:01

入館者はあまりいなかったが、我輩の後から中国人カップルが入ってきた。我輩はその様子をうかがっていた。というのも、この「運河館」にも竹島の表記のある「大日本海陸全図」があったからである。竹島は日本領土であるが、現在は韓国が不法占拠している状態。一方で中国も、日本領土である尖閣諸島の領有権主張をして"反日デモ"と称して中国国内で日系企業襲撃事件を起こしている最中である。そんな中国人が、竹島表記を見てどう反応するのか興味があった。
すると、女性のほうが小さな声で「タケシマ〜」と笑っていた。

<「運河館」に展示してある「大日本海陸全図」>
「運河館」に展示してある「大日本海陸全図」
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/09/30 14:10

さて、館内では昔の建物を再現した一角があり、タイムスリップしたかのような感覚になった。
こういう展示はたまに見掛けるが、多少の不自然さがあろうともこういうのは嬉しい。少なくともガラスケースに陳列された小物を眺めるよりは断然見応えがある。

これは何としても撮影したいものだが、引きが無いのでここでは7mm(換算14mm)超広角レンズが本領を発揮する。
照明が暗いため、ISO200では1/2秒のスローシャッターとなった。しかし、「OM-D E-M5」の5軸手ブレ補正機能と超広角レンズ、そして我輩の人間離れした完璧なホールディングにより、手持ち撮影でも全く手ブレの無い画像が得られた。

<再現建築>
(※画像クリックで横1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
再現建築
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/09/30 14:25

この後、小樽の自然や人間の歴史についての展示が続き、博物館を後にした。
駐車場に戻ろうかと思ったが、せっかくなので少々歩いて小樽駅まで行ってみた。途中、廃線跡なども横切り、ちょっとした散策であった。

ところで、最初に博物館入館券を買った時に聞いた「手宮洞窟」に行ってみようか。事前知識が無いのでどういうものか分からないのだが、市内は狭く、どこに行くにしても数分の圏内なので行くだけ行ってみたい。

<手宮洞窟>
手宮洞窟
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/09/30 15:36

クルマを停めたのは、先ほどと同じ「小樽市総合博物館」の駐車場。見ると、駐車場近くに洞窟建物が見えている。道を渡り、受付で券を見せて中に入ると、真っ暗な中に展示用パネルのスイッチがあり、それを押すと展示内容が浮かび上がった。見渡すと、我輩の他には誰もいない。

説明によれば、ここは古代人が壁に彫り込んだ壁画だという。ツノのように見える画風に特徴があり学術的にも貴重らしい。この建物は、壁画が風化するのを防ぐため壁画を囲むように建築されたようだ。

<手宮洞窟内の壁画>
手宮洞窟の壁画
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/09/30 15:33

しばらくすると、家族連れが入ってきて賑やかになったので、我輩は入れ違いに洞窟館を出た。
クルマに戻り、これからどうするかを考えた。小樽市にもロープウェイがあって小山に登ることが出来るようだが、特に何かが見えるようでも無さそうであるし、時間的にも中途半端。いっそ、運河のほうに行って夜になるのを待ち、夜景を撮るか。

そう言えば、運河の定番スポットの場所を確認していなかった。
我輩はクルマを運河のほうに移動させ、朝と同じように路上駐車をし、運河沿いを歩いてみた。博物館方向にレトロ風の倉庫があったのが見えたので、徒歩で行ってみることにした。運河には、船外機を付けた小さな観光舟が偶然我輩と併走しており、その案内が聞こえてくる。

5分ほど歩くとレトロ風の倉庫に行き当たったが、周囲の様子が定番写真とは全く違う。運河はそこで行き止まりだったので、元来た道を戻るしか無い。
再び5分ほど歩いて自分のクルマの横を通り過ぎ、その先に行ってみた。すると、同じく5分ほどの距離に、まさに定番写真としてよく見掛ける風景を見付けた。

<小樽運河の定番アングル>
小樽運河の定番アングル
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO200] 2012/09/30 16:28

我輩はとりあえず撮影位置と画角を確認した後、路上駐車のクルマに戻り、陽が落ちるまで時間を潰すことにした。撮影は、ガス灯(ガス灯の形をした電灯だとは思うが)が点灯する時が目安であろうか。
そう思ったが、辺りが暗くなりつつあるもガス灯はなかなか点灯せず、ようやく点灯したのは17時20分頃。

ふと、急に辺りが赤くなったので空を見てみると、夕焼けが異様な赤さだったので驚いた。これは、北海道に近付いている台風の影響なのか? 予報によれば、台風は翌日北海道に上陸する見込みとなっている。
その不気味な夕焼けは、ものの数分で濃紺色に変わり、次第に夜の空となった。

<不気味な夕焼け>
不気味な夕焼け
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO200] 2012/09/30 17:29

ではいよいよ夜景撮影となる。
定番写真なので、銀塩フィルムでキッチリと収めたい。そしてプレビュー的にデジタルカメラでも撮影する。我輩は三脚と2台のカメラ、そしてカメラそれぞれのレリーズ、つまり銀塩カメラのほうはケーブルレリーズ、デジタルカメラのほうはリモートスイッチを用意した。そして三脚を肩に担ぎ、定番スポットの場所まで歩いて行き撮影を開始。

まず、デジタルカメラである「OM-D E-M5」でスローシャッターでの撮影を行い、その露光結果を見て中判撮影時の露光の参考とした。
フィルムでの撮影は、写真を撮っているという実感があるが、デジタルカメラに慣れたせいでフィルム交換が面倒に思えるのが情けない。

<小樽運河の定番写真>
(※画像クリックで横1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
小樽運河の定番写真
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-42mm/ISO200] 2012/09/30 17:50

北海道から自宅に戻ってから気付いたのだが、フィルム撮影のほうでもデジタルカメラの感覚で特に意識せず撮ってしまった。使用したフィルム(FUJI RDP3)はデイライト用だったので、モロに電球色でのライトアップでは色がかなり偏るはず。これは迂闊だった。現時点で未現像なのだが結果は想像つく・・・。

撮影は20分ほどで終わり、クルマに戻った。
これでようやく、この日1日の任務が終了した。これから生活時間に入る。

まず夕食の調達だが、昼食と同様「マックスバリュ」に行くことにした。ただ、食後に行こうと思っている銭湯が現在地の近く(クルマで1〜2分ほど)にあるので、場所確認のためそこを経由していくことにした。
銭湯の名前は「玉の湯」。店の前の道路に面したスペースが駐車場で7〜8台停められるようになっており、その時点で4台停まっていた。

「マックスバリュ」では、なるべく栄養の偏らないような弁当を選んだ。魚定食系のもので、値段は約400円でそこから80円引き。忘れないよう、翌日の朝食としてサンドイッチも買った。それは約200円でそこから30円引き。

<夕食>
夕食
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/09/30 19:10

ふと見ると、駐車場の隅にキャンピングカーが停まっているのが見えた。まさか、24時間営業のスーパーだからここで泊まるというのか・・・?
さすがに我輩だったら落ち着かん。

食後、銭湯に行くために荷物をまとめた。着替えの下着を見たところ、どうも1日分足りないようだ。困ったな、さすがに風呂上がりは新しい下着でサッパリしたい。どこかで1回分洗濯しなければならぬ。

「マックスバリュ」駐車場を出て銭湯「玉の湯」へ行った。
何度も繰り返しになるが、我輩は石鹸シャンプー派なので、石鹸と下着さえあれば事足る。だから、シャンプー&リンスセットを持ち込むオヤジを見ると笑いたくなる。

<銭湯「玉の湯」>
銭湯「玉の湯」
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO800] 2012/09/30 20:13

「玉の湯」では、番台形式で、オバちゃんが男湯と女湯の境目に座っていた。こういったいかにも銭湯という形式は案外少なく、我輩の場合ではここで2例目くらいだと思う。
我輩はオバちゃんに420円を払い、慣れたふうに脱衣所に入った。
そして手早く服を脱ぎ、石鹸を持って浴室に入ろうとしたが、何かが足りない。手ぬぐいが無いのだ。クルマに忘れてきてしまった。

ちょっと調子に乗り過ぎたか。「石鹸と下着さえあれば」という言葉を「石鹸と下着と手ぬぐいさえあれば」へ訂正しなければならぬ。いや、そうすると今度は風呂代を忘れそうだな・・・まあそれはともかく、せっかく慣れたふうを装ったのに、今さらすごすごと取りに戻れるわけが無い。かと言って、手ぬぐい無しでというのも困る・・・。

そこで、今着ていた下着のシャツを手ぬぐい代わりに使うことにした。
ロッカーの中に手を入れ、先ほど脱いだシャツを見えないように四角く畳み、いかにも手ぬぐいですよというような顔で浴室に入った。

洗い場では、シャツに石鹸を塗り込んで身体を洗った。そして最後に、シャツの泡を洗い流すと、シャツもサッパリキレイになった。思い掛けず、シャツの1回分の洗濯も完了してしまった。災い転じて福となす。

ちなみに、風呂から上がる時には、いつも手ぬぐいで念入りに身体を拭くので、脱衣所で改めて拭く必要も無い。だから、バスタオルも持っていない。今回はシャツを使ったが。

銭湯から出た後は、クルマで道の駅「スペース・アップルよいち」に行って寝るだけ。
小樽から30分くらい走らねばならないが、他に車中泊出来そうなところが無いので仕方無い。

道の駅到着は20時40分頃。
そこでは他にも多くのクルマが停まっており、明らかに車中泊しているクルマやキャンピングカーも少なくなかった。明日は月曜日であるのにこの数とは。
寝ようと思ったが、足が少々暑いので、足だけ布団から出して寝ることにした。風呂上がりのせいか。

夜中、小用で目が覚めた。雨が降っている音がしたのでカーテンを開けて見てみると、窓ガラスに水滴が付いていた。いよいよ、台風が近付いてきたらしい。

<雨が降り出す>
雨が降り出す
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/10/01 02:09

起きたついでに温度計を見ると、23度。確かに全く寒くない。これも、台風のせいだろうか。

<この日の行動地図>
この日の行動地図
この日の行動地図