2000/04/05
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表紙

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カメラ雑文

[769] 2012年09月13日(木)
「GX1とGF5が同価格帯というならば」


我輩の通勤カバンには、デジタルカメラが常備されている。通勤時や職場の中、そして日常で撮影するためのメモカメラである。先の東日本大震災でも、カバンにカメラを常備していたのが大いに役立った。

当初、メモ撮影ということから画質はあまり問題にしていなかったのだが、しかしながらどうしてもノイズが受け入れられない撮影対象があることに気付いた。
その撮影対象とは、「料理」。

料理の写真は、ノイズ感があると非常に不味そうに見える。ジューシーさが失われ、パサパサした料理のように見えるのだ。
だからこそ、料理を撮る時には高画質なカメラを是非とも使いたい。

<パサパサした料理に見える写真>
(※画像クリックで縦1500ドットの拡大画像が別ウィンドウで開く)
パサパサした料理に見える写真
パサパサした料理に見える写真
[LUMIX DMC-GF1/17mm/ISO800] 2010/07/23 19:10

ちなみに上の写真は極端な例で、「LUMIX DMC-GF1」を導入したばかりで実力が分からないまま無茶してISO800で撮ってしまった。もしISO400以下で撮ったならば、もう少しマシな仕上がりになったであろう(ブレていたかも知れぬが)。

ところで、メモ撮影と言いながらも、なぜ我輩はそれほどまで料理写真の画質にこだわるのか。

料理というのは、食べてしまえばそれで消滅してしまう。当たり前と言えば当たり前だが、我輩などは料理人の気が知れない。「作ったそばから消滅するようなものをよく作る気になるな」といつも思うのだ。
我輩が独身時代に自炊していた時、「盛り付けようが何しようがどうせ腹に入れるものだ」と、炊飯ジャーから直接喰ったり、ナベのままラーメンをすすったりした。自分で食べるものに盛り付けなど完全無意味。自炊であるのにそんな手間をかけるならば、端から口に放り込めば済む。極端な話、どうせ咀嚼(そしゃく)してドロドロになる料理ならば、最初からチューブに入った宇宙食みたいなもので最短時間で栄養摂取出来れば手間が無い。これは半分は冗談だが、半分は本気でそう思っている。

そう思うからこそ、レストランで料理を出された時、その料理にかけられた手間と食べられてしまう儚(はかな)さを想い、それが我輩の心を揺り動かす。
「せっかく作られ盛り付けられた立派な料理なのに、これから食べてしまうぞ、すまんなぁ。」と手を合わせる(傍目には単に"いただきます"をしているようにしか見えまいが)。
我輩としては、せめてこれらの料理を食べる前に、高画質な写真として残しておきたい。

特に最近、ファミリーレストラン「ジョナサン」のデザート「ソフト白玉あんみつ」にハマっており、決して1人で食い物屋には入らぬ我輩でも、衝動に駆られて会社帰りに1人で「ジョナサン」に入ってしまうこともある。我輩にとってそれほどの存在であるから、毎回写真を撮り、腹に収めた料理を手厚く供養するのだ。

同じデザートならば1枚撮れば後は同じだろうと思うだろうが、店舗によって微妙に器が異なっていたり、同じ店舗で同じ盆(小さな傷で分かる)が出てくることを期待して撮影するのが面白い。何よりも、今までどれくらい食べたのかというのをビジュアルとして眺めるのが満足感を高める。

やはり撮影時に気を付けるべきは、白玉の滑らからな舌触りを描写することである。その部分のノイズが粗いと、滑らかな舌触りを視覚的に再現することは出来ない。

<ソフト白玉あんみつ>
ソフト白玉あんみつ

しかしそうは言っても、料理を食べる場所に大げさなカメラを持ち出すのは場違いに思う。
以前、会社帰りにクルマ繋がりの知人に高級レストランに呼ばれた際、デジタル一眼レフ「PENTAX K-x」を取り出して料理を撮影したのだが、小柄と言えどもやはり一眼レフの格好。今から考えると少々大げさで場違いであった。一応、撮影前に支配人に一声掛けたのだが、もしいきなり一眼レフを取り出して撮影し始めれば、警戒されて「その写真を何に使うんだ?」と思われても仕方あるまい。

<普通、高級レストランで一眼レフを使うか?>
普通、高級レストランで一眼レフを使うか?
[PENTAX K-x/35mm/ISO400] 2011/09/30 20:06

今では画質とカメラボディサイズとの折り合いをつけ、マイクロフォーサーズカメラの「LUMIX DMC-GF3」をカバンに常備し、レストランに入るとそのカメラで撮影している。この種のカメラであれば、単にミーハーな一般人が撮っているようにしか見えまい。

これまで我輩は、マイクロフォーサーズカメラは感度さえ上げなければフルサイズデジタルカメラと同等な低ノイズ画像が得られることを、実際の撮影を通じて見出した。
ところがレストランのような飲食店では、照明がやや暗めであることが普通。そのため低感度では手ブレが頻発し、やむなく感度を上げて撮影することも少なくない。いくら「感度を上げさえしなければ」と言っても、実際に感度を上げざるを得ないのであればその能力は引き出せない。

実際、「GF3」では厳しいシーンも少なくない。
感度を上げる前に、カメラを構えたヒジをテーブルに乗せ、ブレが出ぬよう慎重にシャッターを切るのだが、なかなかブレが抑えられず、5〜6枚撮り直すこともある。
それでもどうしてもダメな時があり、その時はもう感度を上げるしか無い。まさかレストラン内でストロボを使うわけにもいかぬ。

聞くところによれば、「GF3」のイメージセンサーは「GF1」のものと同一だという。ボディサイズと背面液晶のタッチパネルの操作が変わっただけで、画質としては変わらないということになる。
現状の「GF3」のままでも根性を入れて撮影すれば何とかなるとは思うが、出来ればもう少し高感度特性があれば助かる・・・。

現在、コンパクトなマイクロフォーサーズカメラの中で高感度特性が高いと言われるものに「GX1」と「GF5」がある。
「GX1」はシリーズ名は異なるものの実質的に「GF1」の後継機とされ、もう一方の「GF5」は「GF3」の後継機とされている。

<価格.com>
価格.com
調べてみると、今はどちらも大体同じような価格帯にあるようだ。
「GX1」は2011年11月25日の発売当初は6万円台だったが、今では新品3万円、中古で2.5万円。「価格.com」の価格推移グラフを見ると、今年5月からは値が動いていない。これが底値らしい。
「GF5」は2012年4月26日の発売当初は5万円台だったが、今では新品2.5万円、中古2万円となっている。たった4ヶ月で半値まで下がるとは。

現在使っている「GF3」は悪いカメラではない。パンケーキレンズを装着すれば、ズボンのポケットに入れられるほどコンパクトでどこにでも持って行ける。
しかし低ノイズ写真を撮る時のことを考えると、やはり「GX1」か「GF5」のどちらかを導入したほうが良いだろうと思い始めた。どうせ買うならば、早いほうが写真を多く残せる。
では、どちらを選ぶか。

ボディの寸法については、「GF5」に比べて「GX1」のほうが一回り大きい。だがそれでも小型の部類に入るので、携行に不自由はあるまい。
それに、画素数が1,600万画素と少々増えているので、「OLYMPUS OM-D E-M5」と足並みが揃うという意味でも導入メリットはある。

肝心の高感度特性についても、「GX1」のほうが「GF5」よりも高いとのこと。
もちろん、「GF5」のほうも新しいイメージセンサーを搭載し「GF3」に比べると高感度特性が高いらしいのだが、「GX1」ほどではないらしい。それに、「GF5」の画素数は据え置きの1,200万画素。置き換える動機としては少々弱い。

そういうわけで今回、「GX1」を買うことに決めた。
手持ち金が無いので、クレジットカード決済しか方法が無い。金策は、我輩お得意の「手に入れた後でジックリ考えよう作戦」で行く。
そして少しでも安く手に入れるために中古とする。「マップカメラ」でボディのみ2.5万円。ウェブサイト上で必要情報を入力し、あとは注文ボタンを押すだけ。
そこでふと思った。
「予備バッテリーも必要だな・・・。」

乾電池式であればいざ知らず、専用バッテリー式のデジタルカメラは予備のバッテリーは不可欠。そうでなければ、唯一のバッテリーを充電している間、カメラは使えない。
ただ、予備バッテリーを追加購入するとなれば5千円は余計にかかる。クレジットカードであれば現金が無くとも買えなくもないが、後の金策が大変になる。
我輩は注文ボタンを何度も押そうとしたのだが、迷いが出てなかなか押せなくなった。
埒(らち)が明かないので、風呂でも入って気分を変えることにした。

風呂から上がった後、ふと我輩の「OLYMPUS OM-D E-M5」が目に入った。
「GX1」のような中途半端な大きさのカメラを通勤カバンに常備するのであれば、いっそのこと現時点でのマイクロフォーサーズ最高画質とされる「OM-D E-M5」をカバンに常備すれば良いではないか。大きさも「GX1」と比較してそれほど変わるものでもあるまい。わざわざ「GX1」を手に入れる意味などあるのか?

だがそこで最初の問題点に行き当たった。「OM-D E-M5」をカバン常用とするにしても、このカメラは小さいながらも一眼レフの形状をしている。レストランで使うようなカメラとは思えぬ。
そういう視点で改めて考えると、「GX1」も微妙なところ。

何事も、中途半端は目的を失う。
レストランでミーハーな一般人を装うならば、やはり「GF5」のコンパクトさとミーハーデザインは不可欠であろう。無骨なホットシューが無いのも、今見ると思い切りが良い。
そして「GF5」ならば、「GF3」のバッテリーと同じものを使うので、わざわざ予備バッテリーを用意する必要も無く、ボディを買うだけで済む。いやむしろ、バッテリーが3つに増えて好都合。

唯一の問題は、高感度特性がどれほどのものかというところだが、それは「GF5」のウリでもあるので期待しても良かろう。

そういうわけで結局、「GF5」を購入することを決めた。
新品では2.5万円だが、ネットオークションでは新品でも中古価格並の2万円の出物があった。しかしオークションは個人相手となりクレジットカードが使えないので断念し、やはり「マップカメラ」の中古2万円のものを買おうと思う。ボディ色を見ると、最安値はブラックボディ。「まあ、それでもいいか」と思ったが、手持ちの標準ズームレンズがシルバー色なのでパンダになってしまうのでブラックボディに手を出すのはやめた。
どうせならば、我輩の好きな色のダークレッドを選ぼう。そちらの値段は2.3万円なのだが、好みの色でボディを選ぶのも良いと考えた。
ただ、新品最安値は2.6万円なので悩みどころだが、3千円の差は今の我輩には大きい。やはり中古のほうを選ぼう。

「GF5」が手元に届いたのは、注文した翌日だった。ボディに小さな傷が1つある以外は程度は良い。

<LUMIX DMC-GF5>
LUMIX DMC-GF5

「GF3」と比較してみたが、外見はほとんど変わらない。それだけにかえってボディ色による印象の違いを強く感ずる。

グリップはゴム系のものとなったが、「GF3」のようなソリッド的なグリップでも指掛かりは良かっただけになぜこのように変えたのだろうかと思う。カメラには昔からゴム系素材が使われることが多いが、経年劣化しなかったものはほとんど無かった。粘土のようにグズグズになったり、白く粉を吹いたり、固くなってヒビ割れたり、縮んだりと碌なものが無い。

<GF3(上)との比較>
GF3(上)との比較

ところで、白レンズばかり装着しても面白くないので試しに7-14mmレンズを装着してみた。やはりこの色のボディには黒レンズとの組合せが良く似合う。赤系には黒が好適。

<黒レンズで印象が締まる>
黒レンズで印象が締まる

早速、このカメラを使って「ジョナサン」の「ソフト白玉あんみつ」を撮影した。
低感度撮影だったので当然だがノイズはほとんど目立たず、白玉は滑らかな舌触りを感じさせる姿に写ってくれた。
ここには掲載していないが、ISO400でもそこそこ低ノイズで良い具合であった。ただし厳密なテスト撮影ではないため、「GF5」の評価はまだ決められない。

<ソフト白玉あんみつ>
(※画像クリックで縦1500ドットの拡大画像が別ウィンドウで開く)
ソフト白玉あんみつ
ソフト白玉あんみつ
[LUMIX DMC-GF5/14-42mm/ISO200] 2012/08/25 19:09

それから動画撮影機能については、「GF3」の時でもAVCHDのフルハイビジョンが撮影出来たのだが音声はモノラルだった。「GF5」ではステレオマイクが搭載されている。ただし右と左のマイク位置がかなり接近しているので、ステレオ感はどんなものかと思う。とは言うものの、我輩は音についてはあまり詳しくなく、もしかしたらこれでもステレオ感は十分なのかも知れない。いずれ確かめてみようと思う。

1.5時間程度のドライブにて車載カメラとして使ってみたところ、バッテリーは途中で切れること無く頑張ってくれた。連続長時間録画の場合、ファイルは分割されるようだ。

ただ、撮影後にカメラを触ってみると、ボディ全体がかなり熱くなっていたのは心配。ボディ表面だけでなくカメラの芯まで熱せられていることが、手に持った瞬間に分かった。ちょっとくらいでは全然冷えないのだ。正確な温度ではないが、手で触ってみた感じでは45〜50度くらいはあったのではないかと思う。

<HDビデオ撮影中>
HDビデオ撮影中

さて、次回は早速、「GF5」で厳密にテスト撮影してその画質を見極め、今回の選択が正しいものだったのかを自分の納得行く形で確かめたい。