2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[761] 2012年06月18日(月)
「2012年ゴールデンウィーク一人旅(5日目−5月2日)」


5月2日水曜日、島根の旅最終日は雨だった。
起床してカーテン越しに外を見ると、まさに本降り状態。そう言えば、昨夜寝ている時から雨滴がクルマの屋根を叩く音がしていた。

この日の夜は千葉に向けて出発するつもりで、それまでの間は予備時間として撮り逃したものを撮影しようと漠然と考えていた。
しかしこの本降りの雨では、もう気持ちは吹っ切れた。余計なことは考えず、今日はノンビリやろう。帰路に就くにしても、ETC夜間割引を狙うのだからどのみち早く出発する意味はあまり無い。

<朝から本降りの雨>
朝から本降りの雨
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/02 5:57

それにしても妙なもので、雨が降るとクルマに守られているという実感が非常に強くなり、車中泊の醍醐味を感ずる。雨の中、この小さな空間ごと移動し、家まで帰れるのだ。

ただ気になっているのは、松江駅での撮影。このまま撮り逃すと後悔するだろう。何とか、最後に松江駅構内を撮影したい。
クルマを停める場所を探そうとカーナビゲーション画面を見ていると、駅近くにコンビニエンスストアがあるようなので、そこに停めて駅まで歩いて行くことにした。

コンビニエンスストアにクルマを停めて傘を差して外に出るが、思った以上に雨が激しく、乗り降りではどうしても雨に濡れてしまう。

<松江駅>
松江駅
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/02 7:16

駅構内は、特に昔と変わった様子は見られなかった。
ただ、観光に力を入れている様子で、観光スポットの手作り地図の掲示やキャラクター「しまねっこ」の看板などが大きく置いてあった。

<島根県のキャラクター「しまねっこ」>
島根県のキャラクター「しまねっこ」
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/02 7:14

土産売り場のほうも、昔と変わらない。少々時間が早かったせいもあり、まだ開店準備中か。
その横にある待合所も同様に変わらず、昔と同じように山陰中央テレビ提供のテレビもある。さすがにブラウン管から液晶になってはいた。

<松江駅待合所>
松江駅待合所
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/02 7:19

何の変哲も無い待合所であるが、大学時代の帰省時にはここで特急列車が来るまで時間を潰したものだ。
利用した特急列車は、山陰本線の「いそかぜ」と太平洋側へ繋がる伯備線(はくびせん)の「やくも」。「いそかぜ」のほうは、その名の通り山陰の海岸線を走る単線ディーゼル特急で、九州まで5〜6時間くらいの長旅であった。それだけに印象が深く、今では廃止された「いそかぜ」ではあるが、時間を遡ってもう一度乗車したいとさえ思う。

さて、あまりコンビニエンスストアに長時間クルマを停めておくのも申し訳無いので、撮影は10分ほどで切り上げてクルマに戻った。
相変わらず雨が強い。これが昨日ならばどうしようも無いところだった。
この雨では、クルマから降りての撮影はもはや考えられない。ならば、もう島根を後にして、少しでも家に近付いておいたほうが良さそうに思う。もちろん、ETC夜間割引のためには午前0時をまたいで高速道路上にいなければならず、早い時間に家に着かないよう途中のサービスエリアで仮眠などして時間調整したい。むしろそうやって休み休み進めば、疲労は最小限となろう。

我輩はクルマを出発させ、高速道路入り口を目指した。
雨の激しさは、ワイパーを最速にしてもまだ足りぬほど。フロントガラスにバチバチと激しく当たる音がする。

<激しい雨 (これでもワイパーは最速)>
激しい雨
[車載ビデオカメラ]

途中、ガソリンスタンドに寄ってガソリンを満タン給油した。安いところを探して最後に選択肢が無くなり値段も見ないで入ったスタンドだったが、ハイオク単価156円と、周辺よりも3〜4円ほど安かったのはラッキーだった。

<高速道路に乗る直前のガソリン給油>
高速道路に乗る直前のガソリン給油
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-42mm/ISO200] 2012/05/02 8:30

高速道路はかなり空いていた。地方の高速道路であるし、雨天という理由もあろうか。
走り易いことは間違い無いが、ずっと延びる道を単調に走るのも案外疲れるもの。

<空いている高速道路>
空いている高速道路
[LUMIX DMC-GF3/14-42mm/ISO200] 2012/05/02 10:08

どうせ急いでも仕方ないので、自動速度維持装置「クルーズコントロール」を使い85km/hくらいの巡航とし、ペダルを踏み続ける足を休ませた。

<クルーズコントロール>
クルーズコントロール
[LUMIX DMC-GF3/14-42mm/ISO200] 2012/05/02 10:05

この速度では、当然ながら他のクルマが追い付いてくる。そして追い越し車線から抜き去るのだが、これほど空いているというのに、追い抜くクルマのほとんどが我輩の直前で走行車線に入り込む。危険を感ずるほどでもないが、不必要に近いのが気になる。
そこで、試しにフォグランプを点けてみたところ、直前入り込みは明らかに少なくなった。恐らく相手からの視認性が向上し距離が適切に把握出来るようになったからであろう。

<フォグランプ点灯>
フォグランプ点灯
[LUMIX DMC-GF3/14-42mm/ISO200] 2012/05/02 11:19
フォグランプ点灯

さて、切りの良いところで仮眠を取りたいのだが、この分では大阪辺りでスタミナが切れそうに思う。しかし都市部は落ち着かなそうに感じたため、もう少し頑張ってみることにした。

そして13時半、四日市市の「御在所サービスエリア」に入った。ここで昼食を食べ、しばらく仮眠を取る。
雨は相変わらず激しくバラバラとクルマの屋根を叩くが、この音が眠りを妨げるということは無い。むしろ、他の音を消し去り心地良い眠りを与えてくれる。気温も低く、後部座席の"寝室"は快適だった。

<御在所サービスエリア>
御在所サービスエリア
[LUMIX DMC-GF3/14-42mm/ISO200] 2012/05/02 13:40

「御在所サービスエリア」を出発したのは、少し暗くなってきた17時半頃。
帰りも新東名高速道路を走るつもりだが、あの道路のサービスエリアは満車が多いようなのでやめておいたほうが良いような気もする。

とりあえずクルマを走らせていたが、ふと見ると、下り車線側はほとんど停止状態で車列が連なっている。ゴールデンウィークの後半から遠出をするクルマであろうか。何にせよ、向こう側でなくて良かった。

<下り方面は長い渋滞の列>
下り方面は長い渋滞の列
[LUMIX DMC-GF3/14-42mm/ISO200] 2012/05/02 18:32

結局のところ、新東名高速道路のほうを選んで走った。雨があまりに激しいため、新しい道路のほうが水捌けも良く走行し易いと判断したからである。また、トンネルも多いのでその点に於いても雨に対して有効だろう。

<雨走行>
雨走行
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/02 18:57

計算通り、トンネルに入れば快適だった。
トラックは定速で走っていることが多いので、少し間を開けてトラックに追従した。

<トンネル内は快適>
トンネル内は快適
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/02 18:55

このまま新東名高速道路を突っ切り、東名高速道路のサービスエリアに入ろうと思ったものの、トイレ休憩と夕食のため、満車覚悟で浜松のサービスエリアに入ることにした。
しかしながら少々待ったとは言え、誘導員の指示によってすんなり駐車することが出来たのは有り難かった。

<浜松サービスエリア(NEOPASA)>
浜松サービスエリア(NEOPASA)
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/02 19:10

食事を終えて時計を見ると、まだ19時台。ETC夜間割引適用の午前0時までにはまだ5時間もある。
しかしここで時間を潰すよりも、もう少し家に近付いておきたいと思い、クルマを発進させた。

最後の時間調整のための最終立ち寄り地点は、とりあえず東名高速道路へ合流した後にしたい。そういうわけで2時間ほど走り、21時45分頃「足柄サービスエリア」に入った。
雨のせいで視界が悪く、2時間の走行でもそれ以上の疲れを感じた。
クルマを停めて、トイレに行くために傘を差しながらドアを開けるものの、激しい雨のためわずかな隙でもかなり濡れてしまう。また、クルマは多く停まっているが人影は少ない。

<足柄サービスエリア>
足柄サービスエリア
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-42mm/ISO200] 2012/05/02 21:55

高速道路は午前0時過ぎに出れば良く、残りの距離を考えるとあまり長居する必要も無いのだが、神経が疲れたので再度仮眠を取った。

今回の旅では、目覚まし時計で目覚めたことは無かった。時間セットしてもその前に起きてしまう。
しかしここで初めて目覚ましアラームで目が覚めた。
適当にセットした0時過ぎ。もう、いつ高速道路を出ても大丈夫。

再びトイレに行き、0時45分頃出発。
雨は更に激しさを増し、車線のラインは完全に見えず、水煙を上げて前を走るトラックの200メートルほど後ろをひたすら追った。強風は無いが、雨に関してはほとんど台風並みではないか。この雨の中をわざわざ出て行ったことを後悔したが、ちょっとの休憩でやり過ごせるような雨とも思えず、やはりこのまま走り通したほうが良いだろう。
それにしても、このような中をスピードを出して追い抜いていくクルマがあるのが理解出来ない。

2時過ぎ、ようやく高速道路を出て一般道を走り、2時半くらいに自宅近くまで来た。あともう少し。
しかし最後にやらねばならぬ仕事がある。それは、ガソリン給油。
最後のタイミングで給油すれば、節目節目の給油が完結し、燃料消費量が正確に判るだけでなく、旅の費用としても切り分けがハッキリ出来る。

自宅到着は3時少し前。当然ながら家族は就寝中。
出発時と同じように、音を立てないよう近所に気を遣いながら車内の荷物を自宅に運び入れた。荷物など翌朝でも良いとも思えるが、布団が無ければ寝られないので仕方無い。

とりあえず土産物は目に付くところに置いておき、そしてレシート類をまとめて撮影し、今回の旅を終えた。


「旅のまとめ」

●各種集計

<走行集計>
  走行距離 消費燃料 燃費 所要時間(正味走行時間)
往路 784km 54.41L 14.4km/L 約15時間30分(約12時間)
現地行動 516km 47.74L 10.8km/L  
復路 776km 53.15L 14.6km/L 約18時間15分(約10時間)
(全行程合計) 2,076km 155.30L 13.4km/L  

<費用集計>
  金額 備考
ガソリン代 24,498円 ハイオク給油
高速料金 16,700円 ETC夜間割引適用(片道8,350円)
食費 6,710円  
入場料 2,200円 足立美術館
銭湯 1,200円 @300円x4回
その他 8,080円 土産、メモリカード、書籍等
(合計) 59,388円  

<撮影集計>
デジタルカメラ 撮影枚数 データ容量(RAW)
OLYMPUS OM-D E-M5 1,631枚 22.5GB
LUMIX DMC-GF3 227枚 3.1GB
(合計) 1,858枚 25.6GB
銀塩カメラ 撮影枚数 採用枚数
PENTAX 645N **枚(後日記載) **枚(後日記載)

●判明点
当初恐れていた長距離運転であったが、大阪を越えた長距離走行であっても、夜中走行で渋滞を回避すれば運転の疲労は恐れるほどでも無いということが分かった。
また、真夏の暑い時期ではなかったということも大きく影響しているだろう。

●反省点
<天気>
旅の計画時、天気の変化については何も想定していなかったが、たまたま今回は幸運に恵まれた。
自転車巡り予定日では晴天で、サービスエリアでの休憩時には雨で気温が上がらなかった。まさにこれ以上の天気配分はあるまい。
しかしこれはあくまでも幸運に助けられただけであり、正しい旅の計画では無かった。もし自転車巡り時に雨が降ったら、あるいはサービスエリアでの仮眠時に晴天で車内温度が上昇したらどうなったであろうか。
今後、車中泊の計画を立てる際には、天気の変化についての想定を忘れないことが重要。

<レンズの汚れ>
超広角レンズの前玉汚れは、ほんのちょっとでも画質に大きく影響するということを思い知った。もちろん以前から知っていたはずだが、前玉の汚れがあそこまでハッキリと写り込むというのは意外だった。

<車載ビデオ>
車載ビデオのハードディスク容量が途中で足りなくなった件については、実は「嫁が島」駐車場で停車中にずっと録画中であったことが判明した。もし現地で気付いていればそこだけ消去出来、別の撮影に使えたはずなのが残念。

●写真新旧比較
過去のネガを探してみたところ、今からちょうど20年前の1992年にヤスと一緒に島根に行った時のモノクロ写真が出てきた。
その中に、今回撮影したものと同じ被写体があったので、新旧で比較してみた。

まず、大学前のカラオケボックス「セピア」の写真。
ほとんど変化が無いように見えるが、よく見れば排気口の色や自動販売機、エアコンの室外機などが変わっていることが分かる。

<1992年12月>
カラオケボックス「セピア」
<2012年>
カラオケボックス「セピア」

続いて大学のメインストリートの写真。1992年のほうには中央にヤスが写っている。
新旧を比較すると、左端の樹木が無くなっていたり、電話ボックスの数が減っていたりする。奥の方の建物も少し変わっているところがあるが、おおむね昔の雰囲気は保っている。

<1992年12月>
大学のメインストリート
<2012年>
大学のメインストリート

大学前の通りは、街路樹が成長していることが分かる。歩道のアスファルトがブロック敷きになっている点や、大学の生け垣がスッキリしている点も異なる。

<1992年12月>
<2012年>
大学前の通り 大学前の通り

大学時代にヤスと行ったことのある安来の博多ラーメン店。
残念なことに、今では普通の民家となっていた。しかし、建物は当時のままほとんど変わっていないことが分かる。

<1992年12月>
安来の博多ラーメン店
<2012年(車載ビデオ)>
安来の博多ラーメン店

「まがたま食堂」については、1992年の写真では助手席からの撮影となるが、ちょうどタイミングが悪く対向車に隠れてしまった。
しかし看板の変化がよく分かる。またタヌキのオブジェもかろうじて確認出来る。
ちなみにこの比較写真ではタヌキの顔が少し違って見えるようにも思えるが、それは角度の違いのせいであることが別の写真から判明している。

<1992年12月>
まがたま食堂
<2012年>
まがたま食堂

次の宍道湖湖畔のまがたまのモニュメントについて、1992年の写真ではワイパーの影が被ってしまっているが、構造物としてはほとんど変化は無いように思える。 ただ、周辺では新たな建築物があったり、ガードレールの錆が増えていたり、手前の樹木が成長しているのがハッキリ分かる。特に樹木の成長は時間の経過が分かり易い。

<1992年12月>
まがたまのモニュメント
<2012年>
まがたまのモニュメント

さて今度は、嫁が島の写真である。
微妙に撮影位置が違うため、島と背景が双方ズレており、島と背景を別々に比較することとした。
島内の松の木は消滅してしまったものもある一方、小さな木が大きく成長しているものもある。原寸写真で見ると色々と判って面白い。
また背景の比較については、ほとんどの建物に変化は無いように見えるが、モノクロ写真のほうは遠景が少々霞んでおり、しかも松の木に隠れているところはよく見えないのが残念。

<1992年12月>
嫁が島
<2012年(嫁が島)>
嫁が島
<2012年(背景)>
嫁が島

最後は「松江書店」である。同じく写真中の人物はヤス。 撮影時点ではラーメン店に変わったかと思われたが、実はその横の空き家のほうだと判明した。建物の造りは大きく変わっているが、向かって右下辺りなどは当時そのままにも見える。

<1992年12月>
松江書店
<2012年>
松江書店

ところで、1992年の写真がなぜモノクロ撮影なのかは不明である。当時の我輩はカラーリバーサルが主体のはずだが、なぜここでわざわざモノクロなのか。

推測するに、1992年当時はまだ大学卒業してそれほど間が無く、特に懐かしさという視点は無かったろう。旅が第一目的で撮影は二の次という意味ならば、露出決定をオートで任せられるモノクロにしたと考えられる。ネガカラーを選択しなかったのは、さすがにカラーならばリバーサルであろうという心理が働いたものと思われる。