2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[760] 2012年06月17日(日)
「2012年ゴールデンウィーク一人旅(4日目−5月1日)」


5月1日火曜日、この日の空はカラリときれいに晴れた。自転車巡りにはちょうど良い。
そう言えば改めて考えてみると、この旅の計画時点で雨天のことは想定していなかった。ごく当たり前のように「自転車で市街を巡る」という計画を立てたものの、雨が降ったらそんなことは出来ないではないか。事実、昨日など小雨が降っている。
まあ、今回たまたま自転車巡りの日に晴れたのだから深くは考えまい。

さて、朝食を食べた後、松江市街方面へクルマを走らせる。
この日駐車しようと考えているのは、「嫁が島」に隣接する観光用駐車スペース「とるぱ」であるが、中央分離帯のある反対車線のほうにあるので、いったん通り過ぎてからでなければ入れない。
どうせ行き過ぎるのならば、そのまま大学方面へ行き、早朝のキャンパス内で撮影しようか。1日目夕方の撮影で失敗しているので、人気の無い早朝での撮影で失敗を取り戻したい。

大学横の「みしまや」駐車場には7時頃到着。
そのまま徒歩で大学正面に向かい、正門から撮影しながらメインストリートを歩いた。当然、超広角レンズの前玉に汚れが付いていないかを何度も確認する。

やがて、学生会館前まで来た。
ここには2つの和室があり、我輩が所属していた裏千家茶道部が使っていた。
それに加え、我輩が大学祭実行委員会で広報部員だった時にも、ここが拠点であり溜まり場だった。

<学生会館>
学生会館
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/01 7:13

とりあえずはメインストリートでの撮影をしたわけだが、それ以上入り込んでの撮影は出来なかった。
というのも、早朝だけに人影が少なく、たまにすれ違う大学職員らしき者に怪しまれたのではないかと心配になったからだ。気にする必要も無いかも知れないが、やはりもう少し学生が歩いている時間帯のほうが紛れて行動し易いと思う。

そういうわけで、メインストリートの撮影が終わるとそのまま裏門から出て、大学外の道を歩いてクルマに戻った。
ではそろそろ嫁が島に隣接する駐車スペースに向かい、松江市街自転車巡り(南側編)を行おう。

ところが嫁が島の駐車スペースがの直前まで来て思わぬものを目にした。
なんと、駐車スペース入り口は鎖で閉鎖されており入れないではないか。幹線道路のため停止も出来ずそのまま通過し、次の横道で左折し駐車スペース裏手に回り込んでみた。
改めて見ると、その駐車スペースは10時にならないと開放されないという掲示があった。まだ8時前なので、2時間待つことになってしまう。

<鎖で閉鎖された駐車スペース>
鎖で閉鎖された駐車スペース
[LUMIX DMC-GF3/14-42mm/ISO200] 2012/05/01 7:48

そこで、松江市街南側にある施設の中で、駐車場がありそうなところを考えてみた。
カーナビゲーションから近隣の大きな施設を検索してみたりしたのだが、なかなか良さそうなところが見付からない。結局思い付いたのは、運動公園の駐車場だった。確か、大きな駐車場があったはずだが・・・。

そこがダメだった場合に備えてもう1つくらい候補を考えておきたかったのだが見付けられず、とりあえず運動公園へ向かうことにした。
しかし行ってみると運動公園そのものが何かの工事中となっており、入れるのか入れないのか分からず、そのまま通り過ぎてしまった。

こうなったら有料駐車場を探すしか無いが、走行中に探すのは無理なので、しばらく走って結局また嫁が島のほうへ戻ってきた。今度は反対車線側である。
すると、反対車線側にも小さな駐車スペースがあるのが見えた。そこは出入り自由の状態であるようだったので急遽クルマを停めてみた。

<反対車線側の駐車スペース>
反対車線側の駐車スペース
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO200] 2012/05/01 8:36

そこは先ほどの閉鎖されている駐車スペースよりもかなり狭かったが、思ったよりも落ち着いた感じで、しばらく停めておいても問題無かろうと思った。

クルマから降りて、まずは嫁が島を撮影。
改めて眺めると面白い島だな。この島をジックリ見たのは今回が初めてかも知れない。

<嫁が島>
嫁が島
[LUMIX DMC-GF3/14-42mm/ISO200] 2012/05/01 8:47

早速、折り畳み自転車を降ろして展開する。
簡単そうに見えるが、狭い車内から引っ張り出すため、踏ん張りが利かずに思った以上の力が要るので苦労する。

<折り畳み自転車の登場 (※帰還時に撮影)>
折り畳み自転車の登場
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO200] 2012/05/01 10:43

まずは湖岸を北側に走り出す。
しばらく行くと美術館があった。ここは確か、以前は小学校があった場所である。その名も「白潟(しらかた)小学校」。

<白潟小学校だった場所に島根県立美術館>
白潟小学校だった場所に島根県立美術館
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/01 08:56

大学当時の我輩は、「宍道湖・嫁が島を望む素敵な場所に立地する小学校、さぞ卒業生の母校に対する愛着は強かろう」と想像していたのだが、学校自体が無くなってしまうということは予想もしなかった。我輩の母校ではないものの、大変残念に思う。
我輩の母校小学校は、単なる田舎の小学校であるが、そんな母校でもやはり母校。無くなってしまうという想像をしただけで大きな寂しさを感ずるほど。それを考えると、白潟小学校を母校とする者たちの寂しさは察するに余りある。

さて、市街は大体の道は知っているはずだが、この地を離れて年月もかなり経っているので、念のためにSONYのポータブルナビゲーションはポケットに入れておいた。
このポータブルナビは「クルマモード」の他に「自転車モード」と「徒歩モード」があり、それぞれに最適な案内をしてくれるのが良い。「徒歩モード」になると階段や裏道も案内してくれる。
ちなみに、我輩はナビ設置のための自転車マウントを持っていないので、走行中は画面を確認出来ない。しかし胸ポケットに入れたナビからは「次の交差点を左に曲がります」と音声が聞こえてくるので大変重宝する。

まずとりあえずは松江駅方面へ向かい、その途中、ガード下にある「ベニヤ模型」に寄った。
ここは我輩が「UZI-SMG(ウージー・サブマシンガン)」や「S&W M66」などのガスガンを購入した店であった。先ほどの白潟小学校の件があったので、今でも昔と全く変わらない様子で安心した。
特にUZIを買った時、自転車の前カゴに入れて不安定な状態で松江城の近くを走って帰った記憶が今でも残っている。

<ベニヤ模型>
ベニヤ模型
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/01 09:05

次は松江駅であるが、ここは島根県の玄関口だけに色々と想いが蘇る場所でもある。
夏休みの帰省時、冷房の強く効いた「ディーゼル特急いそかぜ」に乗り、車窓に現れる宍道湖、そして日本海の夏の風景が今でも心に残る。
また、入学時の「これから松江で暮らしていくんだ」という気持ち、そして卒業時の「いつかここに戻ってくることがあるだろうか」という気持ちもこの場所にある。

ところが松江駅に行ってみると、この周辺には自転車が停められないことが判った。どうやら駅周辺は自転車追放地区らしいのだ。
出来れば駅構内に入って色々と写真を撮っておきたかったのだが、自転車を放置するわけにもいかず、周囲から駅外観を撮影するにとどめた。しかし非常に残念。

<松江駅>
松江駅
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/01 09:12

その後、しばらく駅南側を回って生活地区を撮影。
特別なものは何も無いが、かつて目にしていた風景を写真に撮った。超広角レンズでゴチャゴチャたくさん写っているので、回想は自宅に戻った後にゆっくりやりたい。

そこでの撮影が終わると、次は大橋川付近まで北上し、八軒屋町へ。
ここには確か黄色いポストがあったはずだが・・・と思っていると、今でも同じ場所に黄色いポストがあった。
時代に合わないような物が今でもあるとは意外だったが、過去の想い出の風景と現在が繋がって妙に嬉しい。

<黄色いポスト>
黄色いポスト
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/01 10:07

その後、大橋川を渡って旅館「大橋館」を撮影。
ここの宴会場は大学研究室での4回生壮行会が行われた場所で、ヤスがぐでんぐでんに酔っ払ってしまい、我輩が脇を抱えて歩いた想い出がある。恐らく、ヤスは思い出したくないエピソードであろう。

<大橋館>
大橋館
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/01 10:11

その近くには、和菓子屋「一力堂」。
ここは我輩のアルバイト先の1つで、和三盆糖と水飴を混ぜて巨大乳鉢でこね回し、さらにふるいにかける作業をしていた。

<一力堂>
一力堂
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/01 10:13

その他にも「ベニヤ模型2号店」などを撮影し、とりあえずは事前に考えていたポイントは回ったのでクルマに戻ることにした。ちょうど疲労も感じ始めた頃。
正直言うと、他にも回っておかねばならないところがあるような気もしないでもないが、もしそうならば事前計画が不十分と言うしか無く、現地ですぐに考えつかない。

そういうわけで、少し重いペダルをこいで嫁が島のほうまで戻ってきた。
行く時もそうだったが湖岸にはしじみの貝殻が大量に集まっている地点があり、そこを自転車で通るとハンドルが取られて転びそうになる。
これは一体何なんだ? 自然に集まったものか? それとも、しじみ好きが同じ場所に貝殻を捨て続けているのか?
どちらにせよ、ここはやがて貝塚となり、未来人が発掘するであろう。

<しじみの湖岸>
しじみの湖岸
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/01 10:30

クルマに戻って自転車を畳み、自転車バッグ(輪行バッグ)に入れて後部座席に突っ込んだ。
我輩は運転席に座り、ポケットに入れていたポータブルナビをダッシュボードにセット。次の目的地は、安来市の「足立美術館」とした。

足立美術館は自転車で行くには少々遠い場所で、大学当時は茶道部のメンバーとクルマに相乗りして行った。
我輩は特に美術品に興味があるわけではなかったが、仲間と遊びに行くという理由で行っただけである。しかし「足立美術館」は美術品というよりも日本庭園が素晴らしかった。ここは、日本の美を知るためにもぜひ行っておくべきところだと思う。特に外国人に対して自国文化の話をする機会がある時には、ここを知らねば語れないだろう。

途中、昼食のためにスーパーに寄り、そしてナビゲーション画面に従ってクルマを走らせたが、だんだんと田舎風景になっていくので心配になってきた。
こんなところに有名な美術館があるのか?
大学当時は単なる便乗者だったため、経路などは全く覚えていない。今から思えば、何とも気楽なものだ。

そして辿り着いた場所には広大な駐車場があり、どこに停めようか迷ったほどだった。もちろん、広大なだけに駐車場所が遠くなると歩きも大変である。というわけで、自ずと駐車場所も決まってくる。

<足立美術館駐車場>
足立美術館駐車場
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/01 12:00

足立美術館に入るためチケットを窓口で買おうとした。
「大人1枚。」と千円札1枚出した直後、料金表を見て驚いた。入館料は2千2百円となっている。慌てて金を追加したのだが、こんなに高かったのかとビックリさせられた。大学生でも1千7百円。当時、入館料についての記憶は無いが、もしこんなに高かったら印象に残るはずだがどうしてだろう。

不思議に思いながらも館内に入る。
そこには、記憶のままの庭園があった。遠景の山を巧みに取り入れ、近景の園内と連続性を持たせて奥行きを表現している。これはジオラマの手法に他ならない。良く考えてある。

<足立美術館>
足立美術館
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-42mm/ISO200] 2012/05/01 12:09
足立美術館
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/01 12:22
足立美術館
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/01 12:46

道順の所々に館内の美術品展示があるのだが、当然ながらそこでの撮影は禁止となっている。
ただし、この雑文を書いている時に気付いたのだが、「Google Map」では足立美術館の館内のストリートビューが見られるようになっており、美術品も鑑賞出来る。

<Google Mapの足立美術館ストリートビュー>
Google Mapの足立美術館ストリートビュー
[Google Map]

さて少々疲れたので、休憩室を兼ねた眺望室のようなところでベンチに座りしばらく庭園を眺めていた。
しばらくすると、「シャッターを押してくれませんか?」と初老のカップルが平べったい機械を渡してきた。その平べったい機械は今流行のスマートフォンとやらで、画面をタッチしてシャッターを押してくれと言うのだ。
わざわざ、ベンチに座っている我輩に声を掛ける意味が分からない。周りで立ってみているカップルに声を掛ければ良いだろうに、なぜ一人の我輩に声を掛けるのだろうか。

<足立美術館眺望室>
足立美術館眺望室
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/01 12:24

仕方無いので立ち上がり、渡された平べったい機械を構えた。見ると確かに画面内にボタンがある。ところがそのボタンを押してもなかなか反応しない。くそ、難しいな。
そいつの肩にはCanonらしき一眼レフが掛かっているのが見える。なぜそちらを渡さない?
こんな難しいものをどうやって操作しろと言うのだ・・・あ、シャッターが切れた。

結局、何だか分からないうちに我輩の役目が終わった。妙な機械を使わせやがって。人に頼むならもっと簡単なカメラを寄越せ。
最後は割り切れない気分が残った。

美術館を出た後、土産物店で豚児向けに「しまねっこ」のキャラクター系グッズを買い、クルマに戻る。
島根に来て4日目。かなり疲れも溜まってきたようで、シートに座るとしばらく脱力する。確かに、たとえ地元の千葉周辺であっても、連日出歩いていれば疲れも溜まろう。
それにしても、自分のクルマに戻るとホッとする。なにせ、その気になればいつでもどこへでも行けるという自由を感ずるからな。

出発は14時前。来た道をそのまま戻る。
途中、車載ビデオの録画が停止。どうやら内蔵ハードディスクの容量が一杯になったらしい。意外に早いので調子が狂う。後で、島根入りする前の走行ビデオは削除しようかと思う。

ところで、このまま行くと「松江書店」のある場所を通る。往路では反対車線だったので、復路で寄ってみることにしたい。

「松江書店」とは、エロ本専門の書店で、ヤスとよく立ち寄ったものだった。
本は全てビニールにくるまれているので中身は確認出来ず、最初は表紙に騙されたものだ。しかし慣れてくると本の小口からカラーページの割合や構成を見て大体の内容が分かるようになる。また、表紙のパターンからも嗅ぎ取れるものがある。
「松江書店」は、そういった技術を養った場所でもあったのだ。

現地に行ってみると、「松江書店」の跡地はラーメン店になっており、昔の面影はほとんど無く残念に思う。
最近は普通の書店さえも廃業しているところが多いようなので、こうなるのは仕方無いのかも知れない。

<松江書店跡地>
松江書店跡地
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm(トリミング)/ISO200] 2012/05/01 14:05

しばらく周辺を撮影していたところ、デジタルカメラの残り撮影可能枚数が一桁になって慌てた。
実は、これが最後のメモリカード。
最初にデジタルカメラのビデオ撮影機能で丸々1枚使い切ってしまったのが痛かった。しかしさすがに消去することは出来ない。
メモリカードは現地調達するしかあるまい。

大型電器店を探しながら幹線道路を走っていると、ちょうど大型電器店が目に入ったので寄ろうと思ったが、入り口に迷ってそのまま通過してしまった。そこで次の左折路に入って回り込んで入り直そうと思ったのだが、思ったより入り組んだ道でなかなか抜け出せず、ようやく幹線道路に出てきたものの、そこは電器店を少し通過した出口だった。
時間ばかり浪費するのでこの店は縁が無かったと諦め、そのまま松江市街まで戻ることにした。

結局、大学時代にいつも利用していた「カメラのキタムラ」学園通り店に入り、そこで8GBのSDメモリカードを調達した。値段は880円とまあまあ安い。
買い物ついでに店内を見て回ったところ、商品の内容に違いはあるものの、大学時代のレイアウトはほとんど変わっていなかった。特に中古カメラのショーケースは当時とそのままで、まるで大学生の頃に戻ったような気がした。

<カメラのキタムラ学園通り店>
カメラのキタムラ学園通り店
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/01 14:57

当時我輩は、「MINOLTA α-7700i」の2台態勢から「Canon EOS630」へ切り替えるため、「α-7700i」をこの店で下取りに出したことがある。もちろん2台分の売却益でも「EOS630」1台しか買えなかった。
それから、我輩が生涯に購入したコダクロームのうち実に90パーセントはこの店で買っている。

さて、その後大学まで戻り、改めて学内の撮影を実施することにした。
中には大学生が普通に歩いており、我輩もそれに紛れて学内の細かい路地にまで入って撮影してみた。
見ると、それぞれの教室の窓が開いておりそこから講義を受けている大学生たちの姿が見える。
食堂も懐かしい姿のままで今でも存在していた。ああ、食堂のおばちゃんが作る少し焦げのあるミートスパゲッティが食べたい。

ところで朝も撮った学生会館であるが、その裏口を改めて撮影した。
ここには想い出がある。

<学生会館裏口>
学生会館裏口
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/01 15:16

当時、動物好きのアッコ(仮名)という後輩の女の子がいた。
外見はまるで小柄な男の子という感じであったが、人なつこい性格で、よく我輩を含む仲間たちと絡んでいた。

ある雨の日の夕方、学生会館の裏口に少し弱っているように見える野良猫が1匹いた。
我輩とアッコは学生会館を出てそれぞれ家に帰るところだったが、雨に濡れたその猫が気になって、会館内売店で総菜を買ってその猫に食べさせた。猫は喜んで食べ始めたのだが、なぜかタマネギだけ残したので「ん?好き嫌いせず食べろ?」とタマネギを口元に持っていったが嫌がってどうしても食べなかった。後で知ったがタマネギは猫にとって有害とのこと。食べてくれなくて良かった。
2人で猫を見ていると、アッコはその猫のことを「ドラえもんみたいな猫だね。」と言った。

このエピソードはアッコにとって印象的なことだったようで、その後我輩が卒業した後になってアッコからハガキが届いて、「卒業式で見付けられなくて捜してたよ。大学のことやドラえもんみたいな猫のこと忘れないでね。」と書いてあった。
我輩はアッコのことを妹のように(弟のように?)感じていたが、アッコも我輩のことを慕ってくれていたようだった。
そんな想い出が、この場所で一瞬のうちに頭の中で再生された。
アッコ、今頃どうしているだろう。さようならも言えなかった。

大学キャンパスでの撮影は15時半ほどで終了。
ここへはもう、しばらく来ることは無かろう。これが見納めとなる。
気持ちに区切りを付け、クルマのほうに向かった。疲労も少々あるので早く戻りたい。むしろ、この疲労があるおかげで気持ちに区切りを付けることが出来たのかも知れない。
「この旅も、もうそろそろ終わるか。」

少々時間が早いので、自分が住んでいた所の周辺を少しクルマで回ってみることにした。
出来ればヤスの下宿先も行ってみたかったが、クルマで行くとゆっくりと探せないので、結局どこから路地に入るのか分からぬまま通り過ぎてしまい、元来た道を引き返していつもの生活時間に入った。

スーパーで総菜を買い、来待(きまち)の温泉に行く。確か、火曜日の今日も営業していると言っていたが本当だろうか。
到着は少々早く17時45分頃。見たところ営業しているようである。
やはりこの時間だと客もピーク前なのか駐車場が妙に空いており、クルマを停めるのに苦労は無かった。

番台では、常連客らしきオバちゃんと番台のオイちゃんが話をしていた
我輩はその横でチケットを買いながらそれとなしに2人の会話を聞いてみると、オバちゃんが「火曜も営業してるというアピールが足りなかったんと違う?」ということを言っている。
「昨日の時点でみんなに"明日もやってますよ"って言っとかないとねぇ。」
番台のオイちゃんはその言葉に少しションボリしているように見えた。

・・・どうりで駐車場が空いていたわけだ。
それにしても、ちょうど我輩が来た時に事情が分かるような会話が聞けたというのは、何だか都合の良過ぎる安っぽいドラマかと思わせる。
浴場に入ると、確かに人は少なく入り易かった。いつもならば洗い場が一席空いてるかどうかという状態だった。

風呂から上がって駐車場に戻ると、やはりクルマは少ない。
この時間なら、いつもは満車状態のはず。それなのにこの状態であるから、やはりこの日は定休日だと思われているのだろう。

<ガラ空きの駐車場>
ガラ空きの駐車場
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2012/05/01 18:19

道の駅に戻り、食事してからこの日撮った写真などを見るなどしてノンビリした。
「そう言えば、松江駅の構内は撮れなかったなぁ。」
写真を見ながらそう思った。
明日は何とか松江駅で撮れないだろうか。

それから、今日に限ったことでは無いが、各種バッテリーの充電は停車後も行われる。
デジタルカメラに加え、携帯電話、場合によっては持ち出し運用したポータブルナビゲーションなど種類も多い。
充電にはそれなりに時間がかかるので、長距離移動でない限り走行中だけでは賄(まかな)いきれず、どうしても停車中にも充電せざるを得ない。

<充電ラッシュ>
充電ラッシュ
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm(トリミング)/ISO200] 2012/05/01 21:15

クルマのバッテリーにそこまで負担があるとは思わないが、このクルマには電圧計が無いので心配になる。こんなところでバッテリーが上がってしまうと本当にどうしようも無い。
もし電圧が下がったりすれば、その時には何かアラートが出るのだろうか。

しかし走行中の充電が効いたようで、停車中の充電は意外に早く終わってくれた。恐らくこれがこの旅での最後の充電となるだろう。
心配の峠を越えたということで、安心して眠りについた。
さあ、明日は島根の旅最終日。

<この日の島根での移動範囲>
この日の島根での移動範囲