2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[742] 2012年02月13日(月)
「カメラ写真映像ショー2012(CP+)」


「カメラ写真映像ショー2012(CP+)」が、2012年2月9日(木)から開催された。

主催が同一なのかは知らないが、我輩が中学生の頃にも似たようなものが開催されていたことを思い出す。もっとも、我輩自身はそういうショーには関心が無く、もっぱら級友の「クラッシャージョウ」や「強がりものK」が行ってきた後に出展カタログを我輩に分けてくれるのだ(開催地は福岡?)。

なぜ我輩がそういうショーに関心が無いかと言うと、いくら新製品であろうと少し待てば普通のカメラ屋で現物を見ることが出来るからである。わざわざ人混みの中を行くこともあるまい。

ところが今回、前回雑文に書いたように「Nikon D800」についての購入に向けて動いたわけだが、早く現物を見たいということもあり「カメラ写真映像ショー2012(CP+)」へ行くことにした。
さすがに土日は混雑も激しいであろうから、平日に行こうと思う。

当初、開催初日の2月9日に行こうかと思っていたのだが、間も無く「D800」の購入を断念したことにより、行く目的を失ってしまった。それこそ、発売されてからヨドバシカメラにでも行けば事足る。

ところが急に、気になる製品が浮上した。
マイクロフォーサーズの新機種「OLYMPUS OM-D」である。

「OM-D」については、正式発表前から外観写真が各所より少しずつ紹介されていた。そのおかげで「OM-D」がかつての銀塩カメラ「OLYMPUS OM-4」のデザインを踏襲するカメラであることが分かった。

<Photo Rumorsのサイト>
Photo Rumorsのサイト

昔のシンプルなデザインは良い。最近の「どうだ、格好いいだろう」というようなコネクリ回したデザインではなく、「機能を積み上げて行ったらこのようなデザインになりました」という生真面目さがある。
「OM-D」の場合はどうか。

「OM-D」はマイクロフォーサーズであるから、当然ながら光学的なファインダーは存在しない。要するに、ペンタプリズムが無い。
しかし「OM-D」の頭にはペンタプリズムの形が乗っかっているではないか。これはまさに、必然を形にしたのではなく、「どうだ、格好いいだろう」というデザインそのものなのだ。
これがもし、光学ファインダーを備えた一眼レフであったならば、我輩も全面的にこのデザインに賛同したであろう。だがこれは、ペンタプリズムの形を真似たハリボテなのである。

しかしまあ、我輩としては「OLYMPUS OM-4 Ti」のユーザーであるから、個人的愛着という観点からは「OM-D」のデザインには興味がある。

<我輩所有のOM-4 Ti>
我輩所有のOM-4 Ti

元々、我輩はマイクロフォーサーズカメラは「Panasonic LUMIX DMC-GF3」を使っているが、これは背面液晶を見ながらライブビュー撮影するしかなく、望遠レンズではブレ易い。だから、顔に密着させて撮るスタイルのファインダー(電子ビューファインダー:EVF)を持つマイクロフォーサーズカメラがあれば便利であろうと思っていたところであった。

そして他にも、「OM-D」に対する期待があった。

情報によれば、「OM-D」は新型のイメージセンサーのため高感度特性が向上しているという。常用感度が少しでも上がれば撮影範囲が広がるので有り難い。

それから、「OM-D」はかつてのOMシステムとには及ばないもののそれなりのシステム化が図られているように思えたことも「OM-D」が気になる理由の1つである。
正式発表前のメーカー小出し情報の中で目を引いたのは、「43 Rumors」のサイトのものだった。

<43 Rumorsのサイト>
43 Rumorsのサイト

よく見ると交換レンズが多いだけで、あらゆる撮影に対応するというようなシステム性はそれほどでも無いことに気付くのだが、何となくかつてのOMシステムが得意としていた接写関連のアクセサリーが今後増えていきそうな雰囲気も漂っている気がする。

そして「Nikon D800」が正式発表された直後、「OM-D」も正式発表された。

そういうわけで少々前振りが長くなってしまったが、今回は「OM-D」の現物を見ることを主目的として「カメラ写真映像ショー2012(CP+)」に出向くことにした。


2月10日(金)の午後、我輩は勤務先から会場へ向かった。映像機器に関する情報収集の名目である。
勤務地が川崎にあるので、会場となる横浜桜木町へのアクセスは比較的容易であった。

<会場のパシフィコ横浜>
会場のパシフィコ横浜
[Nikon D700/Ai24mm/ISO800] 2012/02/10

撮影機材は「Nikon D700」。屋内の低照度を考慮して「AF50mmF1.8」を、そして全体を写すための「MF24mmF2.8」を持参した。単焦点レンズを付け替えるのは面倒ではあるが、製品を写すのが主になるであろうから、会場内に入れば50mm1本での撮影となろう。

カメラのキタムラでもらった招待券の裏面アンケートにチェックを入れて受付に出すと、入館証を渡された。それは「ビジネスパス」であった。きっと業種のチェック欄に記入したせいだ。
うーむ、特に問題は無いとは思うが、いちいち商談的な話に持ち込まれるとしたらイヤだな。

<ビジネスパスになってしまった>
ビジネスパスになってしまった
[Nikon D700/Ai24mm/ISO800] 2012/02/10

何はともあれ、まずはOLYMPUSブースへ行く。
期待通り、そこには「OM-D」が展示されてあった。
ブラックボディのほうは革張りの部分がストライプ柄になっており、どうも野暮ったく見える。中途半端さが、まるでAF黎明期のデザインのように感ずる。

<OLYMPUS OM-D ブラック>
OLYMPUS OM-D ブラック
[Nikon D700/50mm/ISO800] 2012/02/10

どうせレトロモダンを狙うならば、我輩としては「OM-101」のようにして欲しかった。あのデザインは、デザインのためのデザインとしてはなかなか良いほうだと思っている。

一方、シルバーボディのほうを見てみると、こちらの革張りはオーソドックスなシボ革になっており、しかもボディの金属色が「OM-4 Ti」の雰囲気によく似ている。
まあ、悪くない。

<OLYMPUS OM-D シルバー>
OLYMPUS OM-D シルバー
OLYMPUS OM-D シルバー
OLYMPUS OM-D シルバー
[Nikon D700/50mm/ISO800] 2012/02/10

ただし気になる点もある。

まず違和感があるのが軍艦部のダイヤル上面。ここには普通、シャッタースピードの数値が印刷あるいは刻印されているべきところだ。OLYMPUSではシャッタースピードダイヤルはマウント基部が主流だったが、COSINAのOEM機「OM2000」では上面にあったはず。
電子ダイヤルならば表面に出す意味は無く、ボディ埋め込みにすべきだった。そうすれば軍艦部上面には別のボタンや液晶パネルを配置することが出来、機能的となろう。それをしないのは、これがデザインのためのデザインであるからだ。

それから、シャッターボタンにレリーズ穴が無いし、シンクロコネクタも無い。全く上っ面のデザインだな。
少なくともデザインに合った機能性は盛り込んで欲しい。

他にはバッテリーグリップを着けたボディもあった。
こちらはグリップがなかなか使い易そうだが、底面がブ厚い。まるでモータードライブのよう。グリップだけ欲しいというニーズにも応えて欲しいところ。それが縦位置シャッターボタン付きならばなお良いが。

<モードラ付きOM-4 Ti?>
モードラ付きOM-4 Ti?
[Nikon D700/50mm/ISO800] 2012/02/10

それからこのカメラは防塵防滴性能に優れているという。水をかけられても大丈夫らしい。
カメラというものはある程度の防塵防滴性能が必要だとしても、これほどの防塵防滴性能はプロ用のカメラに要求されるものかと思う。OLYMPUSとしては、このカメラをプロにも使って欲しいということだろうか?

<防塵防滴性能に優れているという>
防塵防滴性能に優れているという
[Nikon D700/50mm/ISO800] 2012/02/10

それにしても、この「OM-4」モドキといい、「PEN」といい、レトロデザインが増えたなと改めて思う。
ガラスケースに陳列されている展示を見ると、まるで中古カメラ店のショーケースのように見えるのが面白いと言うか何と言うか・・・。

<まるで中古カメラ店のショーケースのよう>
まるで中古カメラ店のショーケースのよう
[Nikon D700/50mm/ISO800] 2012/02/10

さて、実際に「OM-D」を操作してみたいところだが、見れば40分待ちとのこと。平日でこれならば、恐らく土日は2〜3時間待ちになることだろう。
しかし何もせずただ40分待つのは苦行なので、今回は諦めることにする。撮影画像データを持ち帰ることが出来るならばともかく、ただ触って何が分かるというのか。操作感や使い勝手も大事だが、最も重要なのは画質ではないのか?

<40分待ちの列>
40分待ちの列
[Nikon D700/50mm/ISO800] 2012/02/10

そう言えば、「OM-D」の撮影サンプルがオリンパスのウェブサイトにも載っていない。一体どういうつもりなのか理解に苦しむ。
新しいイメージセンサーにより、カタログの謳い文句である「OLYMPUS機史上最高画質」を実現したと言うのならば、それを早く見てみたいと思うのは当然のこと。それを以て購入するかどうかを決めるのだから、早くサンプルを出して欲しい。
小売店によっては「OM-D」の販売予約の予定数に達したという情報もある。まさかこんな状況でも量産前の調整中なのであろうか?

さて、今度はNikonブースへ行ってみた。
既に「D800」購入の意思は無く、野次馬的な気分である。
ここでも、実機に触れるコーナーでは長い行列が出来ており、45分待ちの状態になっていた。

<45分待ちの列>
45分待ちの列
[Nikon D700/50mm/ISO800] 2012/02/10

「D800」の展示機については、前回の雑文で掲載してあるので省略するが、どういうわけか宇宙カメラ展示があったのでそちらのほうが珍しく思い、何枚か撮影してきたので掲載しておきたい。

<Nikon宇宙カメラ>
Nikon宇宙カメラ
Nikon宇宙カメラ
Nikon宇宙カメラ
[Nikon D700/50mm/ISO800] 2012/02/10

他にも色々なメーカーによる色々な製品展示やデモンストレーションがあったのだが、とりあえず我輩の関心あるカメラ「OLYMPUS OM-D」及び「Nikon D800」については、ガラス越しながらも現物を見ることが出来た。それ以外の製品については、他サイトでも紹介するであろうから本雑文では省略することとする。

ところで会場では、コンパニオンやモデルなどを大勢で囲んで熱心に撮っているのを見かける。しかも本格的な機材で、最初からコンパニオンの撮影目的で来場したとしか思えない。
「こんなところまで来て何を撮っているんだ」と思って横目に通り過ぎたのだが、SONYブースのところで足が止まった。
撮影体験コーナーに、我輩好みのモデルが1人いたのである。

「こ、これはマズイな・・・。とても見過ごせん・・・。」

ところが撮影しようにも、モデルまでの距離があるので手持ちの標準50mmレンズでは少々分が悪い。後でトリミングするにしても、1,200万画素の「D700」では限界が近い。
そうは言っても、好みド真ん中のコンパニオンやモデルに当たることはなかなか無いだけに、ここは撮影するしか無い。

<SONYブースのモデル嬢(大幅なトリミング)>
SONYブースのモデル嬢(大幅なトリミング)
[Nikon D700/50mm/ISO800] 2012/02/10

帰宅後、「D700」で撮影した画像をレタッチ&整理したのだが、やはり改めて見ると「D700」は画質が良いなと思った。スポットライトの当たっている製品を撮ったコントラストの高い写真であっても、少々のレタッチでは破綻しない。
これまで当たり前過ぎて気付かなかったが、画質を意識するようになってこのカメラの良さに改めて気付かされた。

モデル写真についても、ISO800での撮影ながらも自然な色合いが素晴らしい。この画質のまま高画素であったならばどんなに良かったろう。
せめて、2,000万画素くらいにアップした「D700X」などは出ないものか。
いや、「OM-D」の画質によってはそちらに期待したほうが現実的かも知れない。

今後、NikonとOLYMPUSの動向に注視する必要がある。


(2012.02.20追記)
「OM-D」のバッテリーグリップの件、バッテリー無しのグリップだけが欲しいと書いたが、どうやらバッテリーを外してグリップだけの運用も出来るらしいことが判明した。
しかし縦位置シャッターボタンはバッテリー部のほうに付いており、グリップ部のほうには付いてないようだ。
勘ぐれば、「バッテリー部を外してしまうと縦位置でグリップ出来ないから縦位置シャッターボタンがあっても意味が無い」ということなのかも知れないが、かつて「Canon T90」のプロ改造サービスでは縦位置シャッターボタンが追加出来たし、「Nikon F3」にもモードラに縦位置シャッターボタンを追加するアクセサリがあった。どちらも縦位置にはグリップなど無い。
我輩自身も、「Canon EOS630」のグリップ部を改造して縦位置シャッターボタンを増設したこともある(参考:雑文652)。
グリップは1つあっても嵩張るものであるから、それが2つも必要だというのは少々やり過ぎの感がある。


(2012.03.19追記)
SONYブースのモデルの名前は、Google検索してみたところ大塚まゆりさんと判明。