2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[693] 2010年05月18日(火)
「北陸ドライブ(5月1日−3日目)」


引き続き、撮影に関する記述には黄色で着色した。


●海岸地形へ出発

この日も5時半頃に目が覚めた。
眩しい朝日が差し込んでいたが、外に出ると雨上がりの様子。とりあえず天気予報では、雨はこれ以降は無さそうとの情報。

<雨上がりの朝>
雨上がりの朝
[PENTAX 645N/45-85mm(65mm)] 2010/05/01 06:06

この日は、東尋坊を始めとした柱状節理の地形、そしてそれらが波によって浸食されている状態を観察する予定である。
それらの自然地形には、開館時間などは無い。せっかく現地に近く、そして朝早く起きたのだから、早くから行ってみようと思った。
この場所からは、全国的な知名度の「東尋坊」、そしてその近隣の「雄島」、「越前松島」がターゲットとなる。

まずは「東尋坊」・・・、といきたいところだが、さすがに観光地だけあって駐車場が有料のため、出たり入ったりすると無駄金を浪費してしまう。まずは無料駐車場のある「雄島」へ行き、朝陽の当たり具合などを見ながら撮影に適した時間帯などを探っていこう。
前の日に買った昼食用イナリ寿司を食べ、6時半頃出発した。


●雄島

雄島へは、出発して15分後に到着した。さすがに朝早いため、駐車場にはほとんどクルマが停まっていない。
見ると、駐車場から雄島へは赤い橋が架けられており、そこを歩いて渡ることになる。橋の入口には車止めがあってクルマは進入出来ない。島の上部は木々に覆われていたが、側面には柱状節理がよく見えている。

5月と言えども、やはり朝は寒い。防寒着を羽織ったが、冷たい風のせいでだんだんと首元が冷たくなってきたので、襟をしっかりと詰めた。

<雄島>
雄島
[PENTAX 645N/45-85mm(45mm)] 2010/05/01 06:55

ちょうど橋から見ると、順光状態で写真写りも良さそうだった。だがそうなると、島の裏手にある地形は逆光となるのではないか。我輩が最大の撮影ポイントと位置付けている柱状節理の断面が見える風景も島の裏手にあるため、少々不安になってきた。

島内には島を一周する小道があるのでそこを右回りに歩いて行く。
道は、前日の雨のせいか所々水溜りがあったり泥状になっていたりしている。飛び石があるのでそこを歩けば良いが、間隔が少々遠い部分もあるので跳ぶのが大変。途中、神社のようなものがあり、そこを過ぎると島の反対側へ出た。

柱状節理断面がよく見えるポイントから見てみると、そもそも逆光以前の問題で、陽が当たっておらず暗い。時間が早過ぎたか。
この状況ではフィルムで撮影する価値が無いと考え、とりあえずはデジタルカメラでのみ撮るにとどめた。

<影に隠れた柱状節理断面>
影に隠れた柱状節理断面
[Nikon D200/18-70mm] 2010/05/01 07:07

それにしても、見れば見るほど柱状節理の断面が非常に分かり易いサンプルだと思った。ここが上手く撮れれば、この日の目的の半分くらいが達成されたと思っても良い。
恐らくもう少し時間が経てば、ここにも陽が差すに違いない。
我輩は、そのポイントを後回しにして島内の別の場所を散策・撮影して時間を潰すことにした。

実はそこからちょっと歩くと、「瓜割の水」と呼ばれる真水が湧き出る場所があるらしい。
案内板に従って歩いて行くと、それは確かに存在した。しかし驚くことに、海岸線がすぐ近くにあり、しかも海水面とそれほど変わらない高さにその水が湧き出ているのである。
「単に海水が染み込んで湧き出てるんじゃないのか・・・?」
その水を手ですくって味わってみたが、全く塩辛くない。真水そのもの。

<瓜割の水>
瓜割の水
[PENTAX 645N/45-85mm(45mm)] 2010/05/01 08:45

案内板の説明によれば、島に降った雨が、岩石の節理に沿って流下し、その流れの一つが瓜割の水として出てきたと考えられる・・・とのこと。
ここも多少影が深いので、もう少し時間が必要か。
また時間を潰すために、小道に戻って先を進んでみたり、また瓜割の水に戻ってみたりした。そしてしばらく岩場に腰を下ろして時間が経つのを待った。それにしても寒い。

8時半頃、瓜割の水にかかる影はまだしばらく解消されそうもないので、この雄島はまた改めて訪れることとし、隣の「越前松島」のほうに行ってみようかと思い、腰を上げた。恐らく、最初に見た柱状節理断面のほうもまだ半分くらいは影の中であろう。

しかし念のために柱状節理断面のほうを覗いてみると、こちらは既に影はかかっておらず陽が当たっていた。ただ残念なことに、逆光気味であるため岩石の色などのディテールは出ていない。
案内板に載っている写真ではきちんと色が出ているので、陽が移動すれば必ず具合の良いライティングになるはず。ただし、この先の予定がどう変わるか分からないので、とりあえず現状でフィルム撮影を行なっておく。もし後でこれより良い状態の撮影が出来れば、この撮影カットは不採用とすれば良かろう。


<逆光気味の柱状節理断面>
逆光気味の柱状節理断面
[PENTAX 645N/45-85mm(65mm)] 2010/05/01 08:45

もっとも、逆光状態で撮影したほうが岩石の凹凸が分かり易いかとは思う。順光・逆光の2パターンで撮っておけば、地質巡検として必要な情報の幅も広がるだろう。芸術写真ではないのだから、単に「美しいかどうか」という価値に影響されないようにしたい。我輩の立場としてはあくまでも、「芸術写真を撮る技術を活用し記録写真を撮る」ということなのだから。

さて、クルマに戻って「越前松島」に移動する。
そこは、事前情報によれば柱状節理があらゆる方向に伸びているのが観察出来るようだ。「東尋坊」や「雄島」よりもスケールは小さいものの、我輩の地学的な興味はこの「越前松島」が一番高い。
先ほど、「この日の目的の半分は雄島の柱状節理の断面」と書いたが、残りの半分は「越前松島」ということになる。


●越前松島

9時半頃に「雄島」を出て、ほんの数分で「越前松島」の近くまで来た。ただ、こちらは駐車場が有料のようなので、隣の水族館の駐車場のほうに停めてみた。
そこから少し歩き、海のほうへ行く道へ折れてさらに進む。すると前方に、変化に富んだ柱状節理の小島が幾つも現れた。


<越前松島>
越前松島
[PENTAX 645N/45-85mm(45mm)] 2010/05/01 10:20
越前松島
[PENTAX 645N/45-85mm(45mm)] 2010/05/01 10:07
越前松島
[Nikon D200/18-70mm] 2010/05/01 10:07

まだ多少影が深いが、それでもまずまずの陽の当たり方。もしかしたら、その時間帯は形状描写と色描写のバランスが一番良いかも知れない(実際にそうなのかは、長い時間見てみないと分からないが)。

崖を覗き込むような先ほどの「雄島」に比べ、撮影ポイントが比較的自由に取れるのは有り難い。反面、視点がキッチリ決まっていないと目移りしてフレーミングが定まらぬ。
ここでは、足場に気を付けさえすれば前後左右に移動出来、しかも今回はズームレンズという武器を手にしている。自分の思い付きの数だけ写真が撮れてしまうのだ。
風光明媚な景色に引っ張られたりして撮影カットが多くなってしまった。

それにしても、我輩が一番気になっていた小島は、事前に写真で見た時とは印象が違っていた。当然と言えば当然だが、立体感が違う。
これは、角柱の多い柱状節理の塊だけに陰影が細かく、却って全体的な立体感を失わせているのではないかと思った。

そこで今回、2枚の写真を位置を変えて撮り、ステレオ写真を得ることにした。
対象が比較的大きいので視差を大きく取ってみたのだが、もしかしたら少々やり過ぎたかも知れない。


<越前松島のステレオ写真(平行法)> ※横長写真なので左右をトリミングした
越前松島のステレオ写真(平行法)
[Nikon D200/18-70mm] 2010/05/01 10:24

この越前松島には、1時間くらいいた。
少し時間をかけて影がどのくらい変わるのかというのを見たかったこともあるが、風景そのものが面白く、ベンチに座って眺めているのもまた楽しかったのだ。
ちなみに、この1時間の間で来た観光客は5〜6組程度で、誰もいなくなる時間のほうが多かった。

さて、次はいよいよ「東尋坊」へ行ってみようと思う。
有名な観光地なだけにそれなりの期待感もあるが、実際はどうだろうか。駐車場に戻ってクルマを出した。


●東尋坊

「東尋坊」到着は10時40分頃。
ここは、先ほどの「雄島」や「越前松島」とは雰囲気がガラリと変わり、まさに観光地といった状態だった。
東尋坊の歓迎ゲートをくぐると、民間駐車場の誘導員が手招きをしている。そして500円を払い、駐車スペースを見付けて停めた。

<東尋坊の歓迎ゲート> ※この写真は早朝に撮影したもの
東尋坊の歓迎ゲート
[Nikon D200/18-70mm] 2010/05/01 06:32

快晴なので、この時間になるともう暑い。これまでの活動で少々疲れたせいもあり、駐車したクルマの中で少し休むことにした。窓を開けると風通しが良くなり涼しい。脚に直射日光が当たって熱かったので、ハーフ毛布をかけて防いだ。
ただ、まもなく隣のクルマが入れ違いで車高の高いミニバンに替わり、そのせいで風通しが悪くなってしまったのは悔しい。

しばらくすると腹が減ってきた。
観光地で食事をすると高いし、どこかに買いに行くにしても、入る時に駐車料金をまた払わねばならなくなる。
結局、昨日買い物した食料の残りを車内で食べることにした。

1時間半ほど経ち、そろそろ体力も回復してきたように思う。カメラ機材を整え、東尋坊のほうへ行ってみることにした。

クルマを降りて改めて見てみると、ボディがより一層汚くなっていた。昨夜の雨が汚れを流してくれないかと期待していたが、その雨自体が汚かったようだ。
昨日くらいの汚れならばまだガマン出来たが、ここまで汚いとポンコツ感が漂い、そのせいで周囲のクルマに舐められ無理な割り込みなどされることもあろう。それでなくとも、北海道と同様にこの地方でも車間距離が短いと感じていたところである。

<クルマの汚れ>
クルマの汚れ

さて、東尋坊のほうに歩いて行くのだが、土産物屋の店内を通るようになっており、なかなか商売上のしたたかさを感ずる。
ご丁寧にも、「車道を歩くと危ないですよー!店内を通って下さいー!」と駐車場誘導員も案内している。

店内を過ぎると、今度は狭い路地に出た。そこも両側に土産物屋が軒を連ね、人出の多さも加わり、なかなか思うように進めない。
近くには「東尋坊タワー」という展望タワーがあった。そこからの眺めはどんなものだろう?

しばらく進むと、広い下り階段が現れ、その先に「東尋坊」が見えてきた。さすがにスケールは大きい。それに観光客があちこちにおり、一見危なそうな崖のところにもいるのが驚く。少し下のほうに降りて写真を撮ったりしたが、観光客が写り込むことによって縮尺が表現出来るように思う。

<東尋坊>
東尋坊
[PENTAX 645N/80-160mm(160mm)] 2010/05/01 12:27

ふと後ろを振り向くと、先ほど降りてきた階段のちょっと上に東尋坊タワーが見えた。位置関係を考えると、東尋坊タワーから見ても階段の上から見ても大して変わらないように思うのだが、どうだろう。

<東尋坊側から振り返って見る「東尋坊タワー」>
東尋坊側から振り返って見る「東尋坊タワー」
[Nikon D200/18-70mm] 2010/05/01 12:56

「東尋坊」はそのスケールは大きく、風景も壮大には見えたものの、柱状節理自体の変化はあまり面白いとは思えず、結果論にはなるがわざわざ有料駐車場に停めてまで見るものでも無かったと思う。
いや、もしかしたらここでしか見られぬ地質学的な見所もあったのかも知れぬが、予備知識の無い状態では何も見えてこなかった。
ちなみに、遠景に「雄島」の横顔が見えていた。

<東尋坊> ※雄島が向こうに見える
東尋坊
[PENTAX 645N/45-85mm(45mm)] 2010/05/01 12:40

さて、観光客が多く落ち着かないのでそろそろクルマに戻り、再び「雄島」の柱状節理断面を見に行こう。今度こそは、良い発色で写真が撮れると期待したい。

駐車場に戻る途中、売店のトイレの手洗い場で500mlペットボトル空容器に水を酌んだ。クルマを水拭きするためである。
クルマに戻り、昨夜風呂に入った時に使った白いタオルに水を含ませてボディを拭いていった。さすがに汚いボディのため、ひと拭きしただけでタオルが黒ずむ。しかし一通り拭き上げると、ポンコツに見えていたクルマが見違えるようにキレイになった。汗を流した甲斐があったというものだ。
ただ、タオルのほうは何度か濡らして絞ったものの、白い色がネズミ色になってしまった。その色を16進数で表わすと「#e5e5e5」くらいか。今夜風呂に入る時にこのタオルが使えるだろうか・・・?

とにかく、クルマがきれいになってサッパリとした気分になれて嬉しい。逆に考えると、今までよくあんな汚い状態で走っていたものだ。

<水拭き前>
水拭き前
<水拭き後>
水拭き後

●二度目の雄島

「東尋坊」を出てほんの数分後、再び雄島の駐車場に到着。
時間は13時半だったが、この時間になるとさすがにクルマが多く、ちょうど1台空いていたスペースにかろうじて停めることが出来た。
暑いことに加え疲労も少し溜まってきたので、窓を開けたまましばらく休憩した。早朝の寒さがウソのようだ。

20分ほど経って、ようやくカメラを手にして橋を渡り始めた。時間が無いわけではないが、ターゲットが決まっているので、早く済ませて楽になりたい。
島内の小道は水溜りも少なくなったが、やはり泥溜まりはあるので飛び石を跳んで行くしかない。急いでいると、ホップ・ステップ・ジャンプという感じに連続で跳ばざるを得ず、とても疲れる。

まず、柱状節理の断面が見える地点へ行ったところ、理想的な光の当たり具合であった。再訪した甲斐があった・・・。

我輩は「PENTAX 645N」を取り出し、絶対に失敗しないよう3枚ずつのAEB(自動段階露光)で数パターン撮影した。
"数パターン"とは言っても、撮影位置がほぼ限定されているので、縦横の切替えや少々ズームアップするくらいしかバラエティは無く、撮影そのものはすぐに終わってしまった。
しかし何か物足りず、無意識に同じパターンを再度撮ろうとしてハッと我に返った。確かに待ちに待った光景ではあるが、同じ写真を何枚も撮ってどうするんだ。


<キレイに発色した柱状節理の断面>
キレイに発色した柱状節理の断面
[PENTAX 645N/45-85mm(65mm)] 2010/05/01 14:18

そして次は、「瓜割の水」である。
ところがこちらは、朝の影は抜けたものの、今度は反対方向からの影が被っていた。ここは特定時間に狙いを定めるか、あるいは曇りの時に撮ったほうが良さそうに思う。ただこちらは、そこだけの画を撮影するよりも、地形全体の中での位置関係が判るように撮影したほうが有意義だったかも知れぬ。


まあとにかく、この日の目的が全て達成されたことになったので、すぐに駐車場に戻ろう。帰りは、足取りが軽い。
駐車場は相変わらず一杯だった。
クルマに乗り、休憩を兼ねて思案した。
「これからどこに行こう。」

明日は、能登半島の北側海岸線を攻めたいと思っている。
今いるのは東尋坊近辺であるから、想定していた活動範囲の最西端となる。明日移動するとなれば到着時間が遅くなろう。ならば、本日のうちに移動しておきたい。

事前に調べておいた道の駅と銭湯情報によれば、能登半島北部に一番近いのは能登島のものだった。ならば今からそちらに向かうことにしようか。
カーナビゲーションによれば、到着は19時頃になるとのこと。今はまだ15時くらいなのに、そんなに時間がかかるのか? 能登半島のスケール感がまだ馴染めず、予想外の到着時刻に少々戸惑う。

途中、比較的安いセルフ式ガソリンスタンドが目に入ったので給油。
給油量は、29.44L。

18時45分頃、能登島に入る直前にコンビニエンスストアで食料を調達。
実は、付近のスーパーマーケットをカーナビゲーションで検索して行ってみたところ、ただの住宅街に誘導され、仕方無くコンビニエンスストアにしたのだ。
そして食事をとった後、19時半頃に能登島の銭湯「ひょっこり温泉島の湯」を目指してクルマを出した。

もう辺りはすっかり暗くなっており、途中、観光名所となっている「能登島大橋」を通行したように思ったが、暗黒中で展望が全く利かず残念だった。


●銭湯「ひょっこり温泉島の湯」

島内は、本当に暗い。クルマもほとんど走っていない。
銭湯の近辺まで来たが、右横に見える銭湯の駐車場入り口が暗くてハッキリ見えない。というのも、クルマのヘッドライトは前方を向いているため、横を照らすことが出来ないからだ。
我輩は後方を気にしながら道を徐行し、何となく入れそうに見えるところから右折で入った。少々離れていたので、もしかしたら銭湯ではなくその隣の敷地かも知れない・・・。
だが結果的にそこで正解だった。入ってみれば駐車場は道に沿って長くなっていることが分かった。

エンジンを切って時計を見ると、19時40分。
暗いので、薄汚れたタオルが目立たないが、さすがに室内では目立つだろう。洗い場で身体を洗いながらタオルも洗うか。

銭湯の入り口を入ろうとしたところ、注意書きの掲示が目に入った。
「当店では石鹸・シャンプーは備えておりません」
我輩はそれを見て急いでクルマに戻り、石鹸を持ってきた。我輩としてはそのほうが好都合。石鹸ならばタオルを洗い易いし、我輩自身も20年くらいは石鹸で頭を洗っているからだ。シャンプーだと洗った気がしない。特に、リンスインシャンプーなどはサッパリ感が全く無い。

<銭湯「ひょっこり温泉島の湯」>
銭湯「ひょっこり温泉島の湯」
[Nikon D200/18-70mm] 2010/05/01 20:39

この銭湯では、靴を下駄箱ロッカーに入れるのだが、その鍵はフロントに預けずそのまま持ち込むシステムになっている。券売機で買った入場券(450円)を渡すのみ。
そして脱衣場にはロッカーがあり、そこに下駄箱の鍵を入れておき、脱衣場ロッカーの鍵を身に付けることになる。

タオルが黒っぽいので少々恥ずかしく、丸めて手に握るようにして洗い場に直行。すぐに桶の中の湯に浸し、石鹸を擦り付けてゴシゴシと洗った。透明な湯が、見る見るうちに黒くなる。
何度か繰り返していると、タオルの色がかなり薄くなったように思う。その色を16進数で表わすと「#f4f4f4」くらいか。これならば、浴室の暗い照明の下では気付かれまい。

無事に入浴を終え、タオルもキレイになり、クルマに戻って一息ついた。
後は、道の駅「のとじま」へ行って寝るだけ。

銭湯を出たのは20時40分。
途中、執拗に後ろにくっついてくる軽自動車に遭遇したが、途中道が分かれて我輩1台になった。道が本当に暗いので、ヘッドライトをハイビームにしなければとても先が見えない。


●道の駅「のとじま」

10分後、道の駅「のとじま」へ到着。
駐車場内に入り、様子を見ながら隅のほうにクルマを停めた。車中泊とみられるミニバンやキャンピングカーなどが見えるが、これまで見てきた道の駅ほど数は多くない。まあ、さすがに辺鄙な場所だけに穴場かと思う。
しかしそれにしても暗い。道の駅の自動販売機の光だけが頼りだが、横から光が入るだけでクルマの中を照らさず車内が全く見えない。仕方無いのでLEDランタンを使った。
しばらくすると、後方に1台のクルマが入ってきて、そのままアイドリングを続けている。エンジン音は静かだが、「ヴ〜ン」と一定間隔で唸りを上げる電動ファンがうるさい。

さて、歯を磨こうと思うのだが、トイレはどこだ・・・?
とりあえずクルマを降りて建物に近付く。しかし、中央の建物にはトイレは無い。
ちょっと先まで歩いてみると、トイレらしき小さな別棟があったので入ってみた。だがそこは、まるで小さな公園のトイレのよう。洗い場は小さな洗面台が1つあるのみ。水が出るのかも怪しいような雰囲気である。
我輩は後ずさりしながら外に出て、改めて辺りを見渡した。暗くて何も見えない。だが、近くにクルマが停まっているので、あまりウロウロするのも怪しい。

仕方が無いので、散歩がてらそのまま進んで小さな道を横切ってみた。
すると、そこに第二駐車場とも思えるような場所があり、そこには多くのクルマが所狭しと停まっていたのである。キャンピングカーも多数おり、発電機が威勢良く回っている音が響いていた。
「車中泊の穴場どころか、まさにメッカじゃないか。さっきのアイドリング車のほうがまだマシだな・・・。」
こちらには立派なトイレもあり、我輩はここで歯を磨いて自分のクルマに戻った。

寝る前、カーテンをめくると空が見えた。
そこには、驚くほど多くの星が見えた。自動販売機の光が横から差し込むが、それでもハッキリ見える。星を眺めながら、実家の田舎を思い出した・・・。

<この日の軌跡>
この日の軌跡

ちなみに、この日撮った海岸地形のデジタル写真撮影枚数は、後日数えたところ約200枚であった。
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イラスト提供:シェト・プロダクション