[634] 2008年10月09日(木)
「見えない独占市場」
単刀直入に言う。
Nikonよ、次に出すデジタル一眼レフカメラには、ぜひ「マルチスポット測光機能」を搭載しろ。
かつては、フルサイズが欲しければ「Canon EOS-5D」しか選択肢が無かった。
そういうわけで、Nikon党でありながらも嫌々このカメラを買わざるを得なかった者もいただろうと想像する。
ところがここにきて、Nikon(D3及びD700)やSONY(α900)でもフルサイズカメラが手に入るようになってきた。
これにより、フルサイズという土俵では不戦勝を続けていたCanonは、せっかくの独占市場を失うことになってしまった。
もちろん、「フルサイズはどうでも良い」と言うユーザーは多い。そういう者からすると、別段、独占市場とは見えないだろう。
しかし「フルサイズでなければダメだ」と言うユーザーにとっては、それは紛れも無い独占市場である。
特定の者にしか見えない独占市場を、我輩は「見えない独占市場」と呼ぶことにする。
同じような独占状態は、実は測光方式にも見られる。
それが、「マルチスポット測光機能」である。
現在、マルチスポット測光機能を搭載しているデジタル一眼レフカメラは、一般向けとは言い難いほど超高価なプロ機「Canon EOS-1D系」しか存在しない。同じプロ機であっても「Nikon D3」にもその機能は無い。
銀塩時代にはカードシステムでマルチスポット測光機能を追加出来たMINOLTA/SONYでも、現在はカードシステムは廃止されてしまったため使えない。もちろん、組込み機能としても無い。
マルチスポット測光機能を必要としない人間にとっては、「えっ、そんな独占があったのか?」という程度の認識だろう。
しかし、マルチスポット測光を必要としている我輩にとって見れば、これはまさしく「見えない独占市場」なのだ。他の選択肢が全く無い。
そのせいで、先日は危うくネットオークションで15万円の「EOS-1Ds」を落札するところだった(金が無いことに気付き我に返った)。
我輩は、Canonのカメラを買っても交換レンズがあまり無いため、そういったものを揃える費用も負担となる。
それに何と言っても、EOS-1D系は大き過ぎる。マルチスポット測光機能のためだけにこの大きさを受け入れるのは難しい(何しろ中判一眼レフとその交換レンズも併用するのだから)。
しかしそういった障壁が無ければ、確実にCanonに流れたことは確かである。同じように、マルチスポット測光機能を必要とする他の人間も、カメラ1台での運用ならば大きさも気にならないであろうから迷わずEOS-1D系を選ぶに違いない。
実際のところ、マルチスポット測光機能を必要としている人間が何人いるのかは知らない。
また、今ここで、改めてマルチスポット測光機能についての有用性を語ったり押し付けることはしない。
ここで重要なのは、現時点でCanonが少なくとも1つの「見えない独占市場」を持っているということである。こういう状態を放置していても良いのか?
ここで、Nikonがマルチスポット測光可能なカメラを出せば、1つの「見えない独占市場」を潰すことが出来る。
ライバルであるならば、やる価値は大いにあると思うが・・・?
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