2000/04/05
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カメラ雑文

[619] 2008年02月16日(土)
「Nikon COOLPIX P50」

前回の雑文618「Nikon COOLPIX P5100」では、一眼レフタイプのデジタルカメラを所有しているにも関わらず、我輩がコンパクトデジタルカメラを更新したことについて書いた。その理由は何度も書いていることだが、"用途に応じた使い分け"ということになる。

一眼レフカメラというのは、システム拡張性が大きな特長と言える。場面に応じたアクセサリを組むことにより、どんな撮影にも対応出来る。
ところが一眼レフカメラは、その拡張性ゆえに図体が大きく重くなる。いくら小型軽量化されようとも、システム拡張性が足かせとなる。例えば、レンズマウントは径が決まっているため少なくともその半径よりもカメラを小型化することは不可能、という具合に。
やはりポケットに入るような小型軽量カメラとなれば、システム拡張性に束縛されぬコンパクトデジタルカメラしか無い。

ところで、用途に応じた使い分けのニーズは、我輩個人のみならず職場に於いても同じだった。
先日、総務課のほうからコンパクトデジタルカメラの機種選定を依頼された。所内の機材庫に「PENTAX K10D」という立派な一眼レフがあるにも関わらず、である。

求められているのは、小型軽量かつ誰でも簡単に撮れるもの。
ポケットに入れて持ち歩き、必要な時にサッと取り出して撮れる小型軽量性能については、全く我輩の求めることと同じと言える。これに加えて、誰でも撮れる簡単さが必要だが、これはつまり、操作するところが少なく撮影者を惑わせないカメラという選択になろうか。

今回の具体的な撮影対象は「産業廃棄物最終処分場」とのこと。企業として、自社の排出した廃棄物が適正に処分されているかを確認する際の撮影に使うという。
もちろんこれだけのために購入するわけではなく、今後誰でも使える小型軽量カメラがあると便利だということもあり、今回の購入の話が持ち上がった。

我輩はあまりコンパクトデジタルカメラのことについて詳しくないが、個人的に「Nikon COOLPIX P5100」を購入したばかりであるから、今ならその時に得た商品知識を利用して機種選定に役立つと思われる。

とりあえずは、これと思った機種について1つずつインターネットで検索して調べてみた。
主に、「価格ドットコム」での口コミは役に立つ。良くも悪くも話題になっているカメラかどうかが口コミの数から判るのだ。口コミ数が多ければ、そのカメラに何かしら引き寄せるものがあるという証拠。

そして選んだ機種が、「Nikon COOLPIX P50」であった。
我輩個人所有のP5100に近い存在であるからアンフェアな選定のようにも見えるが、選定理由を考えると偶然この結果が出たとしか言いようが無い。

選定理由を述べるに、「広角側が広い」・「単3電池仕様」・「携帯しやすいコンパクトなボディ」ということになる。特に、広角と単3電池の組合せ条件で選ぶと、該当するのはP50だけのようである。


Nikon COOLPIX P50

広角側の広さは、どんな場面であっても利用価値は高いだろう。このような判断は、望遠ばかりに目が行く一般人ではなかなか難しいだろうと考え、我輩が独自に選定条件として加えた。

また、単3電池の条件については、日常のありがちな風景を想像して決めた。
以前、職場にあった200万画素のデジタルカメラを使う時に、バッテリーが放電状態ということがよくあった。たまにしか使わないと、バッテリーの管理は疎かになるものだ。そうなると、使いたい時には使えない。ますます、使う機会が減る。
しかし単3電池仕様ならば、緊急時にはコンビニエンスストアなどでアルカリ電池を調達すれば用が足る。
もちろん、平時はSANYOの「エネループ」などの二次電池を使っても良い。


COOLPIX P5100(左)・COOLPIX P50(右)

購入したP50を手に取って見たのだが、外観はP5100と良く似ている。寸法も同じくらいか。これで単3電池仕様なのだから感心する。
もっとも、使う電池の本数は2本であり、4本ならばここまで小さく出来なかったろう。

35mm判換算で28mmの広角から始まるというのが良い。試しに、通勤中に東京駅を撮り比べてみたが、やはり広角側が広いというのはフレーミングに余裕があって使い易い。広過ぎる場合はちょっとズームして調節すれば済む。P5100にもこれくらいの広角は欲しかった。

COOLPIX P5100のワイド端
(35mm判換算で35mm)
COOLPIX P50のワイド端
(35mm判換算で28mm)

しかもこのP50は、フルオートだけでなくマニュアル露出やAv/Tv優先モードまで使える。
ただし今回の社内ニーズは"写真知識が無くとも使える簡単カメラ"であるから、あまり撮影モードが選べてもシロウトを惑わせる恐れもある。その点については、「緑色のカメラマークに合わせておくべし」と教えておくことで対処するしかない。

ところで、似ているP5100とP50ではあるが、詳細を比較するとやはりP5100のほうに金がかかっていると思わせる。電子ダイヤル(コマンドダイヤル)の有無など、操作性に大きく影響している。
また、液晶パネルの違いについてはハッキリ分かる。電源が入っていない状態でもパネルの色の違いに気付いた。

電源が入っていない状態

COOLPIX P5100(左)・COOLPIX P50(右)

電源を入れた状態では、正面から見た時はそれほど気にならないが、見る角度が少しでもズレるとP50では液晶画面が見づらくなってしまう。

液晶画面点灯状態(上から見下ろした角度)

COOLPIX P5100(左)・COOLPIX P50(右)

また、画像も粗く見えたため、同じ倍率になるよう液晶パネルを接写してみた。すると、液晶の画素密度も違うことが確認出来た。

液晶パネルの拡大

COOLPIX P5100

COOLPIX P50

現時点では、P5100の実売価格は約3万円、そしてP50の実売価格は約2万円となっている。安い価格ゆえ、両機種の差1万円は大きく見える。価格もまた、選択の要素となろう。P50は、我輩個人が求めるにはスペックが足りぬが、その価格に比して2倍以上の価値がある。

P50は、基本的にはフルオートで撮るカメラだと思う。液晶画面の見づらさや電子ダイヤルではない操作性では、なかなかマニュアル設定をしようという気にはなるまい。 しかし、いざという時にマニュアル設定が可能であるというのは心強いだろう。