2000/04/05
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表紙

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2.用語集
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5.カメラ雑文
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7.テーマ別写真
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カメラ雑文

[572] 2006年06月27日(火)
「折りたたみ自転車」

前回の雑文でも触れたが、今回、帰省時に散策用として使うための折りたたみ自転車を買おうと考えた。

普通の買物自転車(ママチャリと呼ばれるもの)ならば店頭で目に入るので1〜2万円くらいからあるというのは知っている。
しかし、折りたたみ自転車などは全く見当がつかない。自転車に関してはシロウトの我輩であるから無理もない。
裏を返せば、自転車に無関心であったことを物語っている。

我輩は、自転車に対しては移動手段というだけの要求である。自転車マニアのようなこだわりは持っていないのであるから、普通に乗れれば安い方が良いと感ずる。
インターネットで検索すると、なんと6千円というものがあった。シマノ製6段変速機付き。
「シマノ」というメーカーは釣り具の分野ではよく聞く。結構有名である。
「よし、この自転車にしよう。」

Web注文画面で住所氏名や支払い方法などを入力し、あとは送信ボタンを押すだけとなったが、ふと、「この自転車は最初に検索ヒットした車種であるから、探せば他にもっと安いものがあるかも知れぬ」という考えが過ぎった。
検索画面から色々と物色したところ、値段的に6千円以下のものは見付からなかったが、8千円クラスで前後輪サスペンションとシマノ製6段変速機付きというものがあった。
最初に決めた自転車よりも2千円アップだが、サスペンション付きということを考えるとむしろ安い。
急遽、購入予定をこの車種に変更し、同じ車種でもっと安く取り扱っている店が無いかと探した。本体が同じ価格であっても送料の有無でかなり変わる。

最初に見付けた自転車を購入すればすぐに手元に自転車が届いていたろうが、このように色々と欲が出てきてなかなか購入まで行き着かない。
いいかげんに見切りをつけて早く手に入れたい。

ただ、ネット上で色々と自転車を見ていると、あることに気付いた。
「10万円を超える折りたたみ自転車を見ると、なぜそんなに高いのか解らん。サスペンションも付いてない地味な自転車なのだが・・・。他に何か理由があるのか?」

そこでふと、カメラを思い出した。

カメラの世界では、高価なカメラであればあるほど基本性能を充実させており、表面だけの派手さは無い。これらは信頼性や操作性が高く、上級者にとっては信頼性や操作性の高いカメラである。
ところが初心者や部外者から見れば、「大きくて重いし、簡単に写せるような便利機能も少ない。日付すら写らないのになぜこれほど高いんだ?」と首を傾げてしまう。

一方、安価なカメラほど初心者が喜びそうな機能を詰め込んでいる。そしてそれぞれの機能が一様にレベルが低い。
ボディはおろか骨組みやギアさえもプラスチック製で、レンズ鏡胴のピント調節機構もヘリコイドではなくカムを使っておりガタガタしている。
そしてちょっと強い衝撃をカメラに与えるとギアやカムが外れ、モーターがウンウン唸るだけで動かなくなる。
故障しても、修理するより新型の安物に買い換えたほうが良いくらいであるし、そもそもそれを前提に作っているようなフシもある・・・。

もしかして我輩は、自転車の世界でシロウト買いをしようとしているのではないか?
高価な自転車がどのような理由で高価なのか。安物を買う前に、まずそれを調べる必要があるのではないのか?

調べてみると、安いものはそれなりの部品しか使われていないようだった。
確かに変速機などは有名メーカーのシマノ製ではあるが、シマノ製は業界でのシェアが大きく、そもそもシマノ製以外の変速機を見付けるのが難しい。当然ながら、シマノ製でも高いものから安いものまであるため、シマノ製が使われているからと言ってその自転車の質が高いとは必ずしも言えないわけである。

さらに、折りたたみ自転車の肝であるヒンジ(蝶番)については、自転車のフレーム強度を左右する重要なパーツであると判明。もちろん、我輩もヒンジは気にはなっていたが、まさか強度が足らぬものが市販されているとは思わなかった。肝心な部品であるが故に、まさに盲点。
また、ヒンジそのものの品質もそうだが、ヒンジとフレームの溶接部分もフレーム強度に影響する。

実際、折りたたみ自転車に乗っている時にフレームが突然折れるという事故もあるようで、中には鎖骨や腕の骨を折ったというケースもあるらしい。

また安全性以外でも色々と問題がある自転車が多いとのこと。
例えばサスペンション付きの自転車であっても、ただ単にバネが付いているだけではフワフワしてペダルを踏む力が吸収されてしまうので意味が無いとか、タイヤのリムの品質が悪くすぐに割れてしまったりとか、探せば探すほど出てきた。

やはり、安いものには安いなりの理由がある。
「ただ単純に乗れれば良いんだ」という要求であったとしても、安全性や耐久性が著しく劣る場合は、そもそも自転車としての要件を満たしていない。

要するに、安物の中には、外見は自転車のように見えるが実は鉄屑でしかないものが存在するということである。
当然ながら、我輩が欲しているのは「鉄屑」ではなく「自転車」である。

結局、我輩が購入したのは、「DAHON製METRO D6(2006年モデル)」というビギナー向けの折りたたみ自転車。
ビギナー向けとは言え、価格は26,000円とそれまで検討していた自転車に比べるとかなり高い。だがそれでも、今は何となく安く感ずるのが不思議。





今回、我輩の貧乏性により危うくシロウト買いをしてしまうところだった。しかしカメラの経験を活かして間一髪助かった。


それからこれは余談だが、タイヤがパンクしないようにと、リペアムゲルという充填材を用いたパンクレス加工を施した。タイヤのチューブの中に、空気の代わりにゲルを入れるわけである。
ただ、加工出来る自転車店が限られているのが難点。

今回入れたのは新しいタイプのリペアムゲルで、従来のリペアムゲルよりも若干柔らかめになっているらしい。実際に乗った感覚では空気のタイヤと何ら変わらない。
だが、釘が刺さっても全く変化が見られないのだから驚く。


これで重いカメラ機材でもパンクの心配も無く積めると思ったが、いくらタイヤがパンクしないからと言っても、リムやスポークなどに負担がかかるのは変わらない。
まあ、無茶しない程度にカメラを積むとしよう。

これで、いつでも九州の実家に帰れる準備が整ったことになる。