2000/04/05
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カメラ雑文

[547] 2005年08月07日(日)
「蔵王のお釜(6)」

(※今回雑文を書くにあたり、今後計画するうえで参考になるようにとただ事実起こったことのみを書き、余計な感想等は省くことにした。)

蔵王のお釜へ行くことは、ここ数年の恒例となりつつある。なぜ何度も行くのかというと、1回行っただけでは回り尽くせないと感ずるからだ。
蔵王のお釜へは路線バスが運行されており、宮城側と山形側の両方からアプローチ出来る。ところがこのバスは運行本数が少なく、しかも最終便の時間が早いため乗り遅れる心配もある。そのため、バスで来るのであればこの時刻表に行動時間を制限されることになる。

そこで今回、車を使って蔵王のお釜に行くことを計画した。

車の場合、高速道路を使っておよそ5時間(休憩時間含む)ほどかかる。列車とバスを使っても接続の関係もあるため同じくらいかかる。料金は、高速料金は深夜割引(0〜4時)を使えば半額近くにもなるため、ガソリン代を入れても列車の時よりも安くなる計算。
また、荷物の制限も無いため、とりあえず思い付くものは全て積み込んだ。アイスバッグなどは非常に重宝する。
それから帰りに遠刈田温泉(とおがったおんせん)で汗を流すつもりである。着替えや石鹸、バスタオルなども用意した。

ただ、天気の具合をずっと見ていたのだが、梅雨の影響もありなかなか晴れる様子が無く、計画を立ててから一月ほどは動けなかった。
我輩は元々、次の日を休息日に充てられる土曜日を目標に準備をしていた。8月6日は土曜日で晴れの予報。ちょうど良い。
ただ、土曜日ということは、前日の金曜日は早く寝ておかねば夜中出発は無理。目標は土曜日午前1時に出発である。

しかしながら金曜日は色々とあり、寝るのが夜10時過ぎとなってしまった。しかも「早く寝なければ」と焦るほど寝付けない。
結局、寝た気がしないまま起床し、車に乗り込んだ。眠気は全くないものの、これからの疲労を考えると睡眠不足は少し心配だった。
まず最寄りのコンビニエンスストアに寄り、朝食のおにぎりを購入。昼食は明るくなってから途中の店で買った方が種類も多く賞味期限的にも良かろう。

高速道路は順調だった。以前、夜の首都高速道路を走った時は分岐の多さに気が抜けなかったが、道なりに走れる今回は気持ちもリラックス出来た。
途中、ちょうど中間地点にある那須高原サービスエリアで休憩をとった。空はうっすらと明るくなってきたような気がするが、まだ夜の雰囲気。仮眠しようかと思ったがエンジンを切った車の中は暑い。かと言って長時間のアイドリングも出来ぬ・・・。
とりあえず目的地に行って休もう。山の上ならば涼しかろう。

途中の遠刈田温泉に着いた頃にはもう陽は高く昇っていた。
山の上へ目指すには、クネクネと曲がったエコーラインと呼ばれる道を登ることになる。いつもの時間ならばここを多くの車が行列しているのだが、さすがに早朝5〜6時くらいではほとんど車がおらず走り易い。
7時前くらいに刈田駐車場(かったちゅうしゃじょう)に到着。頂上の駐車場へは有料道路を通らねばならぬため、少し下にある刈田駐車場で車を止め、そこから頂上へ登る。リフトもあるが、金がかかるし、そもそも早朝では動いていない。
この駐車場で少し休もうかと思ったが、意外にも暑く休めない。

車を降りてみると、フロント部分に汚れが幾つかあった。恐らく、飛んできた虫が当たったのだろう。そう言えば、トンボやアブなどがたくさん舞っており、そのうち幾つかがフロントガラスに当たる音がした。

ところで、途中のコンビニエンスストアで昼食を買うのを忘れていた。今更下山するのも大変で時間とガソリンも浪費してしまう。仕方無い、出発する時に買ったおにぎりを、遅い朝食と早い昼食として食べることにする。
携帯電話を見ると、「圏外」となっている。以前、リフト乗り場の人に携帯電話でタクシーを呼んでもらったことがあったのだが・・・? 電話会社による違いか・・・?
とりあえず靴下と靴をトレッキング用に履き替え、ザックの用意をした。

頂上へ登るにはそれなりに山道を行くわけだが、身体がなまっていたのか汗が滲んで息が切れた。寝不足に加えて暑いことが影響していた。この道は所々に階段状の石が並べられていたりしているが、基本的に雨水が流れる路であることが分かる。
登り切ると、おなじみの風景が広がっていた。早速、お釜へ向かって降りることにした。

この日は陽が強く、少し歩くと汗が滲む。持ってきた500ミリリットルのペットボトルも車中で飲み始めたため、お釜のふもとに降りた頃には1本空いてしまった。
水分が切れると行動出来なくなるため、残りのペットボトルが頼りである。しかしながら、途中で水が補給出来る。そこまで1本で保てば良い。

お釜の縁へ登ってみると鳥の鳴き声が聞こえ、見上げると鳥の群が舞っていた。岸壁に巣があるかのような雰囲気。鳥の種類は分からなかったが、飛び方がツバメのように見えた。
また、アブがブンブンとしつこくつきまとってくる。以前来た時は動く物といえばトンボくらいで、音はほとんどしなかったのだが・・・。

お釜の縁をしばらく歩くと、岸壁に大きな窪みがあるのに気付いた。落盤したのだろう。双眼鏡で見ていると、後ろから初老の登山者が近付いてきた。
「こんにちは。」
「ども、こんにちは。」
どうやらロバの耳岩のほうへ行くとのこと。あそこは落石の危険があるため立ち入り禁止なのでは?
「まあ、ああいう看板を立てて責任を問われないようにしているんでしょう。事故が起これば自己保証ということですかね。」
そういうことなのか・・・。

初老の登山者は先に行き、我輩は30分ほど遅れてお釜の水に達した。
前回来た時よりも水位がかなり下がっており、水中にあったと思われる岩石が露出していたので興味深く見た。
湖水を手ですくって口に含んでみたが、特に強い味はしない。ちょっと鉄の味がして生臭い。酸っぱさが全く無いので、酸性度はかなり低いと思われる。ただし雪解け水が流入するデルタ付近の水なので少し事情は異なるだろうとは思う。

ちょうどその時、軽い地鳴りのような音が聞こえてきた。振動は感じないが、「ゴー」という音が聞こえる。
我輩は湖の対岸にある壁で落石でも起こったのかと思い、双眼鏡を取り出して壁面を見てみた。しかし探しているうちに音が鳴り止み、結局何だったのかは分からなかった。
昭和初期にお釜に研究所を建設し寝泊まりしていた安斎徹の著書によると、夜中に大音響が響いて壁が崩落したことがあったというから、落石があっても不思議ではない。

記念写真でも撮ろうと思ったが、三脚を車のトランクに置いたままであることに気付いた。まあ、前回も撮ったのだから今回は良かろう。そう言えば、軍手も忘れている。

相変わらず日差しは強く、汗が流れて喉が渇く。残りのペットボトルの麦茶もここで無くなった。
もうそろそろ食事の時間としたいのだが、水分が無いと喉を通らないだろう。早く水を確保せねばならぬ。我輩は撮影を済ませて先を急いだ。
お釜には数本の小さな川が流れ込んでいるが、そのうち五色川と呼ばれる川を遡(さかのぼ)った。この川の水は安斎徹が飲み水としていた。我輩もこの川から水を補給しようと思う。

川の大きさは非常に小さく、一またぎで渡れるほど。川の中に足を突っ込んでも水が靴に浸入しないほど浅い。
前回、この川の水を飲んだ時は、特に腹の調子がおかしくなることは無かった。ただし飲む量が少ないせいもあるかも知れぬ。
今回は2本のペットボトル、つまり1リットルを補給して飲むのである。少しでもキレイな上流に向かうことにした。この川の下流、つまりお釜に近いところでは、川の岩は赤く染まっておりとても飲む気にならない。上流に行くと、少し水苔が岩に付着している。どんどん上流に遡ると、山が壁になって立ちふさがった。とりあえずこの場所で水を汲んでみた。

汲んだ水を、ペットボトルの口から覗いてみた。全く濁りは確認出来ない。冷たい水のせいで、ペットボトルの周りが結露し水滴が着く。飲んでみたが、水の味しかしない。まあ、多分大丈夫だろう。
あらためて1リットル分の水を補給し、安西研究所の近くで水を飲みながらおにぎりを食べた。時間は10時半だった。

その後、お釜の頂上である五色岳に登ろうとしたが、暑さのためか体力の消耗が激しく、登り切った頃にはヘトヘトになってしまった。既に、補給したペットボトルのうち1本は空になっていた。
頂上では写真を撮っている男性がおり、互いに「暑いですねぇ。」と挨拶を交わした。

とりあえず頂上から円周魚眼写真を撮り、すぐに水無川の上流へ行ってそこから下った。水無川はいつ来ても興味深い。いつか、ここに水が流れるのを見に来たいものだ。
しかし体力は限界。
身体が陽に焼けてきた。山の上では紫外線も強いということもあろう。長袖を伸ばそうかと思ったが、暑いのでそれは出来なかった。
時間を見るとまだ12時前だった。
高速道路の夜間割引のこともあり、今回は日中ずっとお釜の散策をするつもりだった。しかし体力が続かないのでは仕方無い。睡眠と食料の不足、そして何より強い日差しは我輩のスタミナを大幅に奪った。

水を飲もうとしてザックの肩ひもを片方だけ外したところ、同じように肩に掛けていたBRONICA SQ-Aiのストラップまで外してしまい、そのまま下に落下させてしまった。SQ-Aiには超広角40mmレンズが装着されており、このレンズを下にしてそのまま岩石に激突したのである。見ると、95mm保護フィルターにはクッキリと傷が付いた他には何も損傷は無い様子。絶滅種である貴重な40mmレンズに傷が付かなかったのは幸いだった。やはり保護フィルターは付けておくべきだと再認識した。

帰りは再び長い崖を登らねばならない。しかし今回は別に時間に追われているわけでもないので、ゆっくりと登れば良い。前回までは最終バスの時間に間に合うよう急いだため、かなりツラかったが、今回は死にそうになること無く登り切った。
その後、駐車場まで道を下り、車に辿り着いた。
疲れ切っていたが、日陰に入ってやっと落ち着いた。靴下と靴を履き替え、温泉を目指して山を下った。

道は予想通り、登り道はかなりの車が走っていたが下り道はほとんどいなかった。そのため、慣れないエンジンブレーキを試した。2速に入れるとエンジンの音が高くなり後ろに引っ張られる感じだ。調子に乗って1速に入れたところ、大きくエンジンがうなりガクンとショックを感じたので2速で山を下りた。

遠刈田温泉の入り口近くにあるガソリンスタンドで給油した。
そして遠刈田温泉センター浴場の駐車場に車を停め、温泉に入った。事前に入浴料250円だという情報を得ていたのだが、実際には300円だった。値上げしたのだろうか。
風呂上がりに新しい下着と新しい靴下でさっぱりした。

それから食料を少し買って車の中で食べた。
時間は午後2時になろうとしていた。もし高速料金深夜割引を狙うとするなら、最低でも夜9時頃までは時間を潰さねばならない。車の中は暑いし、7時間もの時間を潰す場所がどこにも無い・・・。

仕方無い、時間を金で買うつもりで、割引料金は諦めてすぐに帰ることにした。
途中、高速道路で事故渋滞があり3キロほどノロノロ運転があったり、松戸に帰ってきても花火大会の渋滞に巻き込まれてしまい予想外の時間がかかってしまった。帰宅時間は午後7時半。
それでも、無事に帰ってこれたので良しとしよう。