2000/04/05
OPEN

表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
 F3 (F3H)
 FM3A
 FM2
 FM
 FE2
 FE
 FA
 FG
 FM10
 FE10
 F4
 F-401X

Canon
 AE-1P
 AE-1
 newF-1

PENTAX
 K1000
 KX
 KM
 LX
 MX
 MZ-5
 MZ-3
 MZ-M

OLYMPUS
 OM-3Ti
 OM-4Ti
 OM-2000

CONTAX
 ST
 RTS III
 Aria
 RX
 S2

MINOLTA
 X-700
 XD

RICOH
 XR-7M II
 XR-8SUPER

カメラ雑文

[540] 2005年07月19日(火)
「幸せの秘訣」

現在、我輩は某団体に出向中である。
我輩がこの職場に来たのは2年前のことだが、異動が頻繁にあるため、今では当時からいた職員は数人しかいない。いずれ近いうち、我輩もここを去ることになる。

先月もある職員W氏が出向元企業へ戻ったのだが、その際、後任にデータを受け渡すためにCD-Rへデータを書き込む作業を行っていた。
しかし様子がおかしい。うまくCD-Rへ書き込まれていないと騒いでいる。
W氏はパソコンに詳しいT氏に相談したが、それでも解決しないようだった。

「CD-Rでそんなに難しい問題があるのか・・・?」
我輩が見てみると、CD-Rの記録面が変だった。明らかに内側のリードイン部分が書き込まれていない。恐らくパケットライティングで書き込まれ、CDを閉じていないのだろう。
案の定、「書き込んだパソコンでは見られるのに他のパソコンでは見られないんだ」と言っている。CDを閉じていないのだから当然のこと。

我輩はパソコンに詳しいT氏にパケットライティングのことを指摘すると、「ナルホド」というふうにポンと手を打った。
T氏はパソコンに詳しいだけに、"フロッピー感覚でCDに保存できる"というキャッチコピーの初心者向け機能には思考が及ばなかったようだ。
(ちなみに我輩は、知識よりも場数を多く踏んでいるので、こういうケースには強い。)
我輩とT氏は、W氏に「CDを閉じるように」と指示してトラブルを治めた。

それにしても、パソコン初心者のために用意した機能が、皮肉にも初心者を翻弄した。いくら初心者向けに操作や概念を簡単にしようとも、CD-Rの仕様は守らねばならず、CDを閉じるということの意味を知らない者がその操作を思い付くことはやはり難しい。
キャッチコピーの"フロッピー感覚"というのは物の例えだろうが、初心者はそのままに受け取るので注意が必要だ。

そういう意味で、CD-Rが一般に広く普及したとは言うものの、それは販売上の話であり、誰もが気軽に扱えるレベルになったという意味ではないと言える。いや、実際に初心者はCD-Rを気軽に使っているとは思うが、それはあくまで何も考えていないから気軽になっているのである。

もしかしたら、W氏と同じようなケースで、「自分のパソコンからは使える(それもいつまで使えるか分からない)が他のパソコンでは使えないCD-R」というのが各家庭で作られているかも知れない。自分のパソコン以外で使ったことが無いのでそれに気付かない、あるいは作成した時しか見ないのでそれに気付かないということはあり得る。作成したCD-Rを、別のパソコンに入れて動作確認をする者はどれだけいるだろうか。

もし、せっかく作ったCD-Rが、実は不完全なCD-Rであるとしたら?
今まで作った数十枚のCD-Rが、全て認識不能のものだとしたら?
徐々に劣化して見られなくなったというならともかく、最初から見られないCD-Rをせっせと作っていることを思うと涙を禁じ得ない。

先日テレビを見ていると、子供の成長写真をデジタルカメラで撮影している家族が登場した。まあ今の時代、デジタルカメラは一般人でも使うようになったので不思議な光景でもない。
解説によると、お母さんは以前パソコンの仕事をしていたそうで、写真データの整理とCDへの格納はお手の物とか。
それは裏を返せば、「パソコンの経験が無ければ写真整理は難しい」と言っているようなもの。

CD-Rへの保存失敗について、気付く者は気付くだろうが、気付かない者は本当に死ぬまで気付かないだろう。
いやむしろ、そういう者が幸せな人生を送っていると言えるのかも知れないな・・・。