2000/04/05
OPEN

表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
 F3 (F3H)
 FM3A
 FM2
 FM
 FE2
 FE
 FA
 FG
 FM10
 FE10
 F4
 F-401X

Canon
 AE-1P
 AE-1
 newF-1

PENTAX
 K1000
 KX
 KM
 LX
 MX
 MZ-5
 MZ-3
 MZ-M

OLYMPUS
 OM-3Ti
 OM-4Ti
 OM-2000

CONTAX
 ST
 RTS III
 Aria
 RX
 S2

MINOLTA
 X-700
 XD

RICOH
 XR-7M II
 XR-8SUPER

カメラ雑文

[535] 2005年06月03日(金)
「車の記憶」

我輩が子供の頃、母親が車を買った。まだ母親が二十代の頃だった。
車は中古だったが40万円もした。あまりの高額な値段に、今でもその金額を忘れることは無い。

濃い緑色の車で、それが来た時は母親と2人で近所を走り、途中でガソリンが少ないことに気付いて慌てて戻ったことが昨日のように想い出される。
家に近い道まで戻った時、我輩は車を降りて車と一緒に走り、自分の走る速さをスピードメーターで測ってもらった。時速は15kmだと言われた。

正月に親戚のオイちゃんから1万円もお年玉を貰い、その金でラジコンを買いに行こうと車に乗ったが反対され、母親が出てくるまで車に立てこもったこともあった。
悪いことをして叱られた時、少し間を置いて簑島あたりの海まで車で連れて行ってくれたこともあった。

だが車は維持費がとても高く、1年後に車は手放してしまった。
当時の我輩は車が無くなった理由を知らず、漠然と「しばらくすると車は戻ってくる」と思っていたが、ついに車は戻らなかった。
結局その車は、我が家の最初で最後の車となった。

たった1年という短い間だったが、車に関わる記憶は非常に具体的に、かつ鮮明に残っている。もちろん車という存在自体、我が家にとって特別な存在だったからかも知れないが、出来れば同じ車種の座席にもう一度座り、他の記憶も辿ってみたいと思う。

せめて、その車の写真が残っていないものか。実家にあったような気がするが・・・。
改めて実家に問い合わせたところ、写真は1枚しか撮っていないようだったが確かに残っていた。


車種は、ニッサン・サニー。
車のスタイルを見ると、いかにも昔の車という感じがするのだが、不思議と記憶の中の情景は現代とは隔絶しておらず、昨日、一昨日、一昨々日・・・と辿って行けばすぐに到達しそうに思える。

そう考えると、写真というのは、それが撮られた時期が自分が物心付く前か後かによって、その時代感覚が異なるのだろうと思える。 それは当然と言えば当然なのだが、明らかに旧い型の車の写真を目にして、このニッサン・サニーだけは"ちょっと前"としか感じないことが興味深い。

我輩も先日、中古車を購入したが、これもそれほど長くは居ないだろう。
その分、何かイベントがある度に写真に入れるようにし、記憶と写真とのリンクを強くしていきたいと思う。

この新しく来た車が、今後どのように自分の中で記憶を形作っていくのかが興味深い。