2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[507] 2004年09月07日(火)
「手術」

つい3時間ほど前、我輩は手術を終え、看護婦さんの押す車椅子に乗せられ病院の廊下を通った。
車椅子に乗るのは初めてだったが、術後の麻酔切れのため痛みが湧き上がり、車椅子を楽しむどころではなかった。
病室に入ると、ベッドに横になり、看護婦さんが血圧と脈を計った。特に異状は見られなかったようだが、傷口の痛みはどんどん酷くなってきた・・・。


雑文447でも少し触れた差し歯が取れた件、その後歯医者に行くと「歯根が割れている」と言われた。硬い物を噛んだらグラついたのは、もともと歯根が割れており、差し歯の保持が十分でなかったのである。
思い当たることと言えば、以前、豚児の頭突きをまともに食らったことくらいだ。
やられた。

結局、歯根を抜いてインプラントを入れることにした。チタン製のネジを打ち込み、その土台に人工歯を植える。
今日は、その手術日であった。

インプラントは町の歯医者では不可能であるため、大学病院でおこなった。
手術前に写真を撮るとのことで、医師が持ってきたのはNikon D70だった。それにはメディカルニッコール(最終タイプ)が装着され、モデリングランプを点けて我輩に接近してきた。

「それ、メディカルニッコールですか。」
恐らく今まで、何人かの患者にそう言われたに違いない。だから我輩はそういうことは言わなかった。
しかし我輩の目は、メディカルニッコールを見続けていた。

カメラを構えた医師は身体を前後させながらピントを合わせている。確か、メディカルニッコールはピントが固定されていると聞いたことがある。
電源コードはレンズから腰のあたりに着けたバッテリーに延びている。シンクロコードはD70のホットシューに繋がっていた。

撮影が終わると病室へ通され、手術着に着替えた。そこで1時間ほど待機する。病室にはテレビもあったが、観る気も起きずベッドでウツラウツラしていた。

手術の時間が来ると、看護婦さんに連れられて手術室へ入った。
右手には点滴針を刺され、口だけが露出したカバーを掛けられ、麻酔をされて手術が始まった。
土台が薄いために骨の移植が必要ということで、別の部分から骨を削ってきて埋めた。

ゴリゴリ、ガンガン、ガツンガツンと頭蓋骨に響き、手術というよりも工事中という感じだ。
その合間に、どうやら写真も撮っているようだった。
カバーが掛けられているため目が見えないが、シャッター音からして先ほどのD70と同じカメラのようだ。

そういえば、メディカルニッコールはずいぶん前に生産終了となった。これから医療現場ではどんなカメラを導入するのだろう?
確かに他メーカーからも医療カメラは出ているものの、その全てが特注カメラである。メディカルニッコールのように一般売りされていた機材は貴重であったはず。

我輩も、メディカルニッコールを手に入れておけば良かった・・・?