2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[480] 2004年04月05日(月)
「ビデオカメラ」

雑文328「予定調和」では、8ミリビデオカメラとDVD製作環境の整備について書いた。
しかしながら8ミリビデオカメラは図体が大きく、高速移動したり騒動を巻き起こす豚児(とんじ)を素早く捉えるには難しい。常に手の届く場所に置いておける小型軽量のビデオカメラが無くてはならぬ。


SONY CCD-TRV86(Hi8)

そういうわけで、小型のデジタルビデオカメラ(DV)を家計から購入することになった。最近はビデオカメラは安くなったため、5万円前後の予算(予備バッテリー別)で考えよう。

ビデオカメラの機種選定にあたり、まず重要視したのはサイズの問題である。これこそが買い換えの動機であるから、もし大柄なビデオカメラを購入してしまえば買い換えの目的そのものを失うことになる。
現状で一番小さいビデオカメラは、ソニー「DCR-HC30」と「DCR-HC40」であった。
予算内に収めねばならず、しかも豚児撮影限定と割り切り、普及タイプの「DCR-HC30」を購入することにした。
これにより、現在所有する8ミリビデオカメラはカメラの役目を終え、ビデオデッキとしての役割に専念することになる。


SONY DCR-HC30

さて数日後、注文したデジタルビデオカメラが届き、実際に動作させてみた。本当に手軽に撮影出来る。
それまで使っていた8ミリビデオカメラと見比べると、その大きさの違いは歴然としている。今度のビデオカメラは、大きめのポケットに入るほど。これならば、ヘナチョコ妻が豚児を外に連れ出す時にもビデオ撮影が可能だろう。
自分の居ない場面で撮影されたビデオほど興味深いものはないからな。
ちなみに、この機種はボディ色が数種類の中から選べるのであるが、安売店の在庫の関係上、シルバーしか選べなかった。

早速撮影した映像をテレビに映して観てみた。
さすがにデジタルビデオはキレイだ・・・となるはずだったが、その映像は思ったほど良くない。室内など蛍光灯で照明された場所ではノイズがかなり入っている。もしかしたら、今まで使っていた8ミリビデオカメラと大差無いのではないか・・・。
確かに、ビデオカメラがデジタルかアナログかということは映像記録方式の違いであり、映像を結ぶCCDや光学系などについては何ら変わるところは無い。いくらデジタルビデオであろうとも、光学系が悪ければその悪い画像をデジタルの高画質で記録するだけである。

結局今回は、筐体が小さくなりハンドリングが向上したことの意味が大きい。それは当初の目的そのものであり、画質向上を狙ったものでは無いため不満は全く無い。むしろ手ブレ防止機能が付いたことにより、安定した映像を確保出来るのが良い。
そういった撮影し易さのため、今後はビデオ素材が増えることになろう。


次の日、会社帰りに立ち寄った本屋でビデオ関連の雑誌が目に付いた。
そこには幾つかの雑誌があったが、我輩はビデオの基本的撮影法などが掲載されていたムックを購入した。どうせならば工夫して少しでも見易い映像にしようと考えた。

それまでの我輩はスチルカメラ専門であったから、ムックに書かれていた撮影や編集の基本が非常に新鮮に感じた。
試しにそれらの基本を念頭に置きながら豚児を撮影し編集してみると、それまでとは見違えるような結果となった。
「ビデオもなかなか面白い。」

我輩は、それまでビデオ撮影などバカにしていたのだが、例えば蔵王への行程や蔵王のお釜へのアプローチなどをビデオに撮影して念入りに編集すれば良い記念になろう。いや、資料的価値も高いかも知れぬ。
我輩としては、イメージするのは「NHK特集・地球大紀行」であった。

ソノ気になった我輩は、まずBGMに使うためのフリー音楽素材集を購入することにした。個人で楽しむ分には普通の音楽CDを使っても良いのかも知れないが、やはり後ろめたい気持ちになるであろうからフリー素材を使おう。

そして、編集のためのアプリケーションソフトも用意した。
今まではMPEG2で動画を取り込みそのMPEGファイルを切り貼りしていた。しかしMPEGは編集には向いておらず、かなり苦労させられる。これがAVI形式ならばデジタルビデオのデータそのものであるため、変換に伴うトラブルも無く、編集もフレーム単位に無理無く行える。
我輩は、ムックに紹介されていた「Ulead Video Studio」をネットオークションで3千円にて購入。
IEEE端子を介してビデオを取り込み、文字や音楽をここで加える。編集後、再びデジタルビデオカメラへデータを書き戻し、それをDVDレコーダーでDVD-Video化する予定。

低予算ながらも、それなりに強力なAVI編集環境が整った。
だがそうなると、気になるのがデジタルビデオカメラの性能である。豚児専用と割り切った購入のため、画質についてはこだわりが無さ過ぎた。
ならばこの際、画質を重視したカメラも購入するか。

もし最初に、全ての機能において平均点の万能ビデオカメラを購入していたならば、そのような気持ちは起きなかったろう。ところが"豚児専用"というハッキリした役割区分をしたことにより、それ以外の用途として画質を重視する場合の機材が別に必要となってしまったのだ。
こうなれば、次は小型軽量など全く考えずに高画質のみを追求すべきであろう。今さら万能カメラを選ぼうとも、先に購入したカメラとの棲み分けが難しくなるだけ。

さてそうなると、画質を考えれば3CCDは必須である・・・とムックには書かれていた。
スチル写真としてのデジカメには3CCD仕様のものはあまり聞かないため、本当に3CCDの必要性があるのか疑問だったが、インターネット上で情報を収集していると、やはり3CCDは色が良いとのこと。単板CCDでは表現が苦手な色も、3CCDならば無理無く発色するそうだ。
ならば、蔵王のお釜の微妙な色をした湖面を写すためには、やはり3CCDであるべきだろう。
3CCDをターゲットにすると選択肢は限られてくるが、価格的にもかなりのもの。10万円を下ることは無い。中古やネットオークションで手に入れるしか無い。

まず気になったのがSONY製「DCR-VX2000」。
これは現行VX2100の前の機種だが、それなりに性能は良さそう。しかしサイズが大きく、蔵王に登る時に使うザックには入らない。いくら小型軽量を考えないとは言っても、これは大き過ぎる。

次に考えたのはPanasonic製「NV-MX2500」。
これは安く小型であるものの、どうもピンと来ない。インターネット上での情報を見ても、あまり飛び抜けて高画質というわけでも無いようだ。要するに、役割区分をするだけの特長が無い。

ところで、ムックに載っていたカメラの中で、デザイン的に気になるものがあった。
それはCanon製「DM-XV1」であった。白を基調としたボディに赤のアクセントが映える。SONY DCR-XV-2000と同じように上部にハンドルが付いたタイプであるが、大きさはそれほどでもない。ザックにも余裕で入る寸法であった。

さて、気になるXV1の性能であるが、インターネット上での評判は思ったほど良くない。「解像感が劣る」だの、「バッテリーの保ちが悪い」だの、「低照度では画面にノイズが入る」だのと書かれていた。
しかし、幾つかのサイトや掲示板には、「色の再現性が素晴らしい」とか、「蛍石のレンズ性能はさすがカメラメーカーだ」とか、「白飛び黒潰れが少ない」という誉め言葉も見られた。

我輩としては、上部ハンドル付きのカメラは使い易そうに思える。
米軍制式アサルトライフルM16には、XV1と同様なハンドルが付いており扱い易い。その印象がそのままハンドル付きカメラの印象に繋がるように感じた。

ところでCanonの現行モデルはXV2であるが、こちらは実売価格最安値が22万円とかなり高い。しかも前機のデザイン的特徴が消えてオーソドックスなものとなってしまった。さらにインターネット上での情報によれば、「XV1の色再現性のほうが好みだった」との記述が幾つかあり、あまり現行機種には関心が向かなかった。

結局、ネットオークションで10万円でXV1を手に入れた。
精密な可動部の多いビデオカメラを中古で購入するのはかなりの冒険であるが、それを承知で購入。ちょうどその頃、イラスト描きのアルバイトが入り、金銭的に余裕が出来たのは幸運と言える。

届いた現物はそれなりに汚れていたが、透明保護シールが各所に貼られていたため、シールを剥がして糊を丹念に落とすとそれなりに美しくなった。
早速室内で豚児を撮影してみたが、今まででならばくすんだ色になっていた肌色が、このカメラではクッキリ鮮やかに見える。正直、驚いた。
しかも、低照度の撮影ではノイズが入ると言われていたのだが、今までとはクラスが違うためか我輩の目には充分に美しく見える。解像感も甘いとは思えない。軟調さがそう思わせる場合もあるのだろうか。


Canon DM-XV1(ワイドコンバーター装着)

ただし、蔵王などの広い風景を画角に収めるにはレンズが望遠寄りと感ずる。もう少し広角が欲しい。
そのためレンズ先端に装着するワイドコンバーターを購入した。画質重視のため、周辺部までクリアな映像を結ぶものでなければならぬ。
色々と調べた結果、レイノックス製ワイド・コンバージョンレンズ「HD-7000PRO 0.7X」を選んだ。価格は17,000円。

また、バッテリーの保ちが悪いそうであるから、予備のバッテリーを購入する。
とりあえず、最も大容量のバッテリーを3つ用意しておけば、蔵王での6時間くらいは何とかなろう(6時間のうち、実質撮影時間を4時間とした場合)。
純正品を調べると、安い店でも1つあたり18,000円と高い。3つも揃えれば54,000円にもなる。
そこで、非純正バッテリー販売のうち、比較的信頼出来そうな「ROWA BATTERY BANK」というところから互換バッテリーを購入することにした。これならば、1つあたり8,500円と格安。バッテリーセルもPanasonic製とのことで、幾分不安感は消える。インターネット上でもそれほど悪い情報は見られない。

まあ、バックアップ的な用途として、SONY機もポケットに忍ばせることになろう。
例えば列車やバスでの移動の記録などには、大げさなカメラを使うのは気が引ける。そういう時には小型のSONY機を用い、なかなか撮れない蔵王の現場では3CCDのCanon機を使うのだ。

前回は魚眼カメラや対角線魚眼レンズ、そして35mmカメラを持って行ったが、これをビデオ機材に置き換えるだけであり無理な荷物量ではない。メインカメラをBRONICAとして使う基本方針は前回と同じ。


今はまだ、雪に閉ざされた蔵王のお釜。7月〜9月には、是非ともビデオにて作品化したい。
まだ4月になったばかりであるが、機材が既に揃い、今からとても待ち遠しい。