2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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 FM3A
 FM2
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 FE2
 FE
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 FE10
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カメラ雑文

[437] 2003年07月26日(土)
「一つずつ」

現在、我輩の業務内容は多岐に渡る。
まず営業として客先への訪問・対応はもちろん、業者への手配や問い合わせは頻繁に行う。
また、製作業務としてホームページメンテナンスやパンフレット版下作成も行う。
更に、新しい分野開拓として外販営業の者に同行し技術営業としてプレゼンテーションを行う。
社に戻れば電話番をしなければならないため伝言書きや他営業の呼び出しなどに忙殺される。

滅多に無いが最悪のパターンとしては次のようなケースがある。
客からの問い合わせについて業者に確認を取ろうとするが不在であるため携帯電話に何度も連絡する。その合間に締め切り間近のパンフレットの版下データを作成する。しかし運悪く外線電話がひっきりなしに掛かり、電話取り次ぎや伝言の書取り、担当者の携帯電話への連絡などにより製作作業は中断する。そうこうしているうちにいつの間にか時間が過ぎ、プレゼンテーションに行かねばならないと気付く。慌てて電話番を隣の席の者にお願いし会社を出て品川駅までの道のりを小走りする。
もちろん外出先から業者に連絡をとり続け、得られた回答を客先へ流す。その電話で新たな作業が発生すると、再び業者に連絡して調整する。

忙しい時は、時間をやりくりして一つでも作業をこなすしか無い。
大至急の用件であろうとも客先担当者や業者との連絡がつかない場合はそれ以上進まなくなるのはどうしようも無い。何度も電話を掛け直しつつ、その件は後回しにして今出来ることをとりあえずやる。

そうやって必死に目の前の作業をこなしバタバタやっていると、ふと、嵐が晴れたように静かな時に包まれることがある。
どこから手を着けて良いのか分からなくなるほどの仕事がとりあえず自分の回りから消え、なぜか電話もほとんど鳴らない。本当に安心する瞬間である。
一つずつ確実にやっていけば、いつかは全体が治まるのである。


ところで現在、我輩の室内撮影の割合は少なくない。
室内撮影というのは屋外と比べて光量が少なくそれなりに面倒である。室内撮影は必然的に人物撮影ということでもあり、人物が見た目そのままに写ることが最も好まれる。

小学生の頃は、ピッカリコニカを使い真正面からストロボを焚いて撮影していた。当然ながら人物は平面的になり影もキツくなる。

中学生になると一眼レフを使い始め、ASA400(現在のISO400)の高感度フィルムと標準レンズF1.8の明るさによりストロボを使わずに撮影出来るようになった。室内灯の照明のため、影は柔らかく自然となったが、蛍光灯特有の色のために緑がかった写真になってしまう。当時はネガカラーフィルムを使っていたが、プリント時の補正はあてにならず不自然な色合いは避けられない。

その後、FLフィルターを購入し、蛍光灯の色を補正するようになった。
しかしフィルターを使うと光量が減ってしまう。また、ASA400のフィルムは粒子も粗く質感が損なわれる。

仕方無く再びストロボ撮影に戻ったが、今度はスローシンクロを併用することによって人物の背景となる室内が暗く落ち込むのを防いだ。だがやはり、ストロボの直接光が人物を平面的にしてしまう。

そこで、ストロボの発光部を上に向け、白い天井でバウンスさせることにした。これならば室内全体を照らす室内灯の効果が出る。この頃はリバーサルフィルムを使い始めた時期でもあり、色の面ではストロボが理想的であった。
ただし、クリップオンストロボの光量では足りない場合もある。ヘタをすると露出不足で失敗写真となってしまう。

ならばと、大型ストロボを部屋に設置し、天井に向けた状態で固定した。撮影したい時にスイッチを入れればすぐに撮影可能。大光量のため露光不足はまず無い。
しかし厳密に見ると、色が微妙に赤っぽい。どうやら、天井の白壁には肉眼では判別出来ないくらいの赤味が入っているらしい。もしくは常用フィルムの特性のためか。
微妙な色の偏りであり、しかも室内撮影は全て同じ色に染まっていたため、意識の外で違和感を抱いていたものの今まで気にしなかった。

最近になりその色が気になってきた。パソコンに画像を取り込むことが多くなれば、同じ表示環境で他の写真と並べる機会も増えるためである。
当初、光源の色の偏りを測るためにカラーメーターが必要だと思っていた。インターネットオークションでは、ミノルタ製カラーメーターの旧機種が3万円前後で手に入るようだ。しかしカタログを読むと旧機種は使い易くはない様子。デジタル表示ながらもフィルター換算表によってどのフィルターが必要かを読みとらねばならない。しかもストロボ光を測定するには別売りの受光ヘッドが必要になるとのこと。
現行品では換算表は必要無く、しかも単体でストロボ光に対応する。しかし現行品は15万円もするため手が出ない。

大変な問題かと思われたが、しばらく考えた後、補正フィルターを何枚か買ってテスト撮影をすれば安く上がることに気付いた。どうせ、撮影する場所は不変であるから、一度フィルターを決めてしまえばそれで良い。内蔵露出計を使わないため、撮影レンズに付けずストロボ発光部に付けることにする。
なるべく費用を安くするため、事前に目処を付けて厳選し、フジフィルム製LBB-2とLBB-3の2枚購入した。

テスト撮影では、「フィルター無し」、「LBB-2のみ」、「LBB-3のみ」、「LBB-2とLBB-3併用」で撮影。
結果は、LBB-3のみでOKであった。
これで、自宅に関しては室内撮影はほぼ完璧となった。外光との色のバランスも良く、非常に満足している。


こうやって振り返ってみると、スタート地点ではとても解決出来そうに思えないほどの写真ではあったが、問題を一つ一つ確実に解決させて行けば、いずれ全ての問題が解決され、いつのまにか自分の求める到達点に届く日が来る。
山積する問題について最初から全てを解決しようと鼻息を荒くしていたならば、どこから手を着けて良いか分からず投げ出していたかも知れぬ。

一つずつ、しかも着実にやることが重要。


客人来訪
天井バウンス・スローシンクロ撮影