2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[406] 2003年03月11日(火)
「今日の出来事」

「ワタシね、キャノン一筋40年なんですよ。」
オヤジの声が我輩の背後から聞こえた。
場所は、ヨドバシカメラ上野店デジタルカメラ売場。店員と客との会話のようである。
それにしてもキヤノン一筋40年とは凄いな。一体どんな感じの人間だろうか?
我輩でなくとも、そう発言した声の主を一目見てみたいと思うに違いない。

あからさまに人の顔を見るのも何であるから、デジタルカメラを物色するフリをして、何気なく声のする方向を見た。だがその一瞬、我輩の動作が止まってしまった・・・。



3月10日(雑文原稿を書いている時点では本日)、撮影済みフィルムを現像に出すために、我輩は会社帰りにヨドバシカメラ上野店に出向いた。
去年ならば田町勤務だったため帰り道で寄れたものだが、今はわざわざ上野に出向かねばならない。そのため、「せっかくヨドバシカメラに来たのだから、何かカメラを物色してみよう」と思った。

カメラ売場の陳列は少し様子が変わり、新宿本店のような雰囲気になっていた。デジタルカメラの売場は大幅に増え、中央には売れ筋デジタルカメラの島があった。
我輩はデジタルカメラを3台も所有しているので、買おうという気など全く無い。しかしそうは言っても、やはりカメラを見るのは楽しい。

売れ筋デジタルカメラはやはり安価なタイプで、画素数も300万画素が中心であった。デジカメプリント(銀塩カラープリントサービス)で言えば、2Lサイズくらいの性能。サービスサイズが大半のユーザーには十分だと言える。
ただし、デジタルカメラを使っている者でもあまりデジカメプリントを知らないように思えるため、実は300万画素すら必要無いかも知れない。200万画素でさえパソコンのXGA画面をハミ出すのであるから、これ以上画像が大きくなったところで、一般人にはハンドリングが悪くなるだけである。

・・・とまあ、今となっては自分とは関係無いデジタルカメラの売場を見ながら、勝手なことを色々と考えていた。
そんな時だった。例のオヤジの声が聞こえてきたのは。
「ワタシね、キャノン一筋40年なんですよ。」

なんとその声の主は、雑文129で登場した、ブロッケンの課長殿であった。
我輩は、一瞬動作が止まってしまい、課長殿をしばらく見ていた。すると、課長殿はその視線に気付いて「やあ、我輩さんじゃないですか。」と右手を上げた。
課長殿を接客していた店員は我輩と入れ替わりに離れ、自然に我輩と課長殿との立ち話になった。

「やあ、久しぶりですね。」と課長殿。かつては同じ職場にいたのであるが、今は別の場所に異動となり、しばらく顔を合わせていなかった。
「いやー、こんなところで合うなんて。」写真好きの課長殿とカメラ屋で出会うとは、我輩としても妙な嬉しさがあった。

課長殿は山登りが趣味であり、今回、登山装備を邪魔しないコンパクトなデジタルカメラを買いに来たとのことだった。狙っていたキヤノン製デジタルカメラは在庫が無く、店員に相談をしていたという。店員は別のメーカーを薦めたのだが、キヤノン歴40年の課長殿には少し抵抗があったようである。

だが、我輩と一緒に各社デジタルカメラを見て回り、我輩が一般的な知識の範囲で説明すると、キヤノンにこだわる気持ちも無くなったようだ。まあ、デジタルカメラの分野では、キヤノンかそうでないかという違いもあまりハッキリしないからな。

その後、職場や家族の話などをした後、課長殿は我輩が紹介したデジタルカメラのカタログを取り、「じゃ、失礼します。」と笑顔で立ち去った。我輩はその後ろ姿を見送り、自分も家路についた。


他人が聞けば、何ともない話であるが、我輩にとっては心に残る今日の出来事だった。