2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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 FM
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 FE10
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カメラ雑文

[393] 2003年01月12日(日)
「昔の敵は今日の友(2)」

およそ1ヶ月前、我輩は営業職から制作現場のほうに異動となった。
それに伴い、職場が田町から町屋へと移ったのだが、おかげで上野ヨドバシカメラへ寄ることが難しくなってしまった。今までは通勤定期券で途中下車するだけだったものが、これからはわざわざ切符を買い上野へ出向かねばならぬ。

そうは言っても、部署そのものが町屋から品川に引っ越しをするという話が持ち上がり、上野に寄るための苦労も半年くらい我慢すれば済むということが判明した。通勤時間は20分ほど伸びるが、品川のほうが以前と同じく上野が通勤経路に入るため有り難い。

さて、異動によって困ることがもう一つある。それは携帯電話のこと。
今までは、営業マンということで会社から携帯電話を支給されていた。
営業になった時、業務課の次長殿から「もし私用で使ったら給料から引くぞ」と言われた。我輩は、「給料から引かれるならば、気兼ねすることなく使えるな」と私用にもよく使った。だが、給料から引かれた形跡は1度も無かった。
これは便利だった。

最近は携帯電話の普及によって街角の公衆電話の数がかなり減った。携帯電話を家に置き忘れたことがあったが、その時は連絡を取るのに苦労した。少ない公衆電話では、たとえ見付けても他人が電話中である確率が高い。

そのような状況で制作現場に移ったわけだが、当然ながら携帯電話は返還せねばならない。そうなると非常に不便である。
我輩は元々、携帯電話など必要無いと思っていた。だが、支給された携帯電話とはいえ、今まで使っていた道具が無くなるのは痛い。かと言って少ない小遣いから携帯電話用に金を注ぐわけにも行かぬ・・・。


以上は余談である。
本当はこのようなネタで盛り上げるつもりは無い。近況報告を兼ねた前振りであった。

さて、携帯電話と言えば、最近は「カメラ付き携帯」が爆発的ヒットである。もはや、カメラが付いていないと売れないとさえ言われる。
本当かどうかは未確認だが、旅行先の記念撮影でもカメラ付き携帯で撮影している風景も見られるとか。
携帯電話のサイトにも作例が載っているが、一昔前のデジタルカメラに匹敵する画質になっている。この調子では、デジタルカメラが携帯電話に吸収されるのは、そう遠いことでは無かろう。

「バカな、餅は餅屋だ。単体デジタルカメラの高機能や使い勝手は越えらるものではないぞ。」
このように思う者もいるだろう。我輩もそう思う。例えば、カメラとして持ち易い形状が携帯電話として制限されるならば進歩とは言えまい。
だが、この種の製品のマーケットを左右するのは一般人である。カメラを趣味としているわけではなく、ただ写ればそれで良いと考える一般人。彼らが満足する製品を作れなければ、メーカーは潰れるしかない。

しかもタチが悪いことに、カメラを知らぬ一般人でも画質が良ければそれに越したことは無いと考える。そこで競争となるのが、これまた「CCD画素数」。このスペックがカタログ上で大きければ、競合製品を大きく引き離せる。
あるシンクタンクのアンケート調査によると、カメラ付き携帯電話の利用者の6割弱が、普及型デジタルカメラ程度の画素数が欲しいと考えているらしい。
要望があればそれはいずれ製品化される。カメラ付き携帯電話の未来が垣間見えるようだ。
我々がどう考えようが、デジタルカメラはいずれ携帯電話に吸収されてしまうだろう。

今、腕時計が売れないらしい。
時計など無くとも、携帯電話に時間が表示されるので不便は無いという。いつも持ち歩くならば、一般人は腕時計よりも携帯電話のほうを選ぶ。
同じように、いずれ、デジタルカメラが売れなくなる日が来るのかも知れぬ。

雑文288「昔の敵は今日の友」で書いたが、デジタルカメラと銀塩カメラが敵対関係にあるうちに新しい敵が現れると予想した。それは、今考えると、携帯電話ではなかったろうか。

今までデジタルカメラは、売れ始めたことにあぐらをかき特に何の努力もしてこなかった。確かに技術的な努力は認める。だが、明確なクラス分けやユーザーの意識向上を怠り、結局は趣味人(マニア)に背を向け大量の素人ユーザーを相手にするようになってしまった。
素人ユーザーは数が多く売れれば利益が大きいが、そっぽを向かれればもう終わりだ。趣味人のような贔屓(ひいき)も無く、すぐに裏切る素人ユーザーばかりで地盤が弱い。
そんな時に、新たな敵が現れた。カメラ付き携帯電話である。

流行に左右されやすいユーザーを持ったばかりに、いずれデジタルカメラは窮地に追い込まれよう。断言は出来ぬが、可能性は高い。
ユーザー数は減らしたものの、マニアの濃縮度を高めてきた銀塩カメラと手を組み、「カメラ専用機」としての連合を組まねば、デジタルカメラの存在価値は消えることになる。

昔の敵は今日の友。