2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[384] 2002年11月23日(土)
「日付」

写真に日付を入れることの出来るカメラは、現在の我輩所有カメラでは「CanonEOS630QD」しか無い。
だが、そのカメラでさえも今までに日付機能を使ったことが無い。やはり、写真に余計なものが写り込むのは良い気がしない。

その昔、日付写し込みのための機材は特注品扱いだった。大きな電卓のような外部入力機器を、カメラの裏ブタにケーブルで接続して使っていたそうである。学術用途のためか、写し込まれるのは日付ではなく任意の数字であったとのこと(もちろん任意の数字であるから、日付の数字を入れようと思えば出来るだろうが)。
しかし一般家庭においても、写真に日付が写し込まれることによりアルバムの整理がしやすくなるため、日付写し込みの需要そのものはあった。これはあくまでも、価格と大きさに問題があるために特注品扱いされたのである。

しばらくして、カメラの裏ブタを交換することにより、一体型として日付写し込み機能が可能になるカメラが増えてきた。中には、レンズ側から日付を写し込むコンパクトカメラも現れた。しかし、日付をその都度セットしなければならないという手間がネックだった。間違えてセットしようものなら、後々混乱を招くことになる。

だがそれもすぐに改良され、デジタル時計(PENTAX LXのようにアナログ時計を写し込むものもあるが)を裏ブタに組み込むことにより日付セットの手間を無くした。撮影時の日付や時間がそのままフィルムに写し込まれる。
更に、機器そのものが小型化・低価格化が進み、現在ではごく当たり前の機能として定着している。時には、日付が入らないカメラが珍しがられたりもするほど。
我輩は、不要な機能は徹底的に切り落としたいタイプの人間であるので、「MINOLTA α-7700i」を購入した時は、わざわざクォーツデート機能の無いノーマル版のものを捜し歩いてやっと手に入れた。

一方、プロ用カメラとして名高い「Nikon F3」では、画面内に日付が写り込むのはあまり好まれないためかコマ間写し込み機能を持ったアクセサリ「データバックMF-18」が現れた。この機能は、よほどコマ間隔が安定していなければ組み込めない。高速巻上げを行うモータードライブによってコマ間隔が少しでも狂うことになれば、画面内に被ることもあり得る。ニコンのことであるから、それなりの自信があってこその機能だったろう。
このような写し込み機能は、業務用としてはもちろんのこと、我輩のように余計な写し込みによって作画を邪魔されたくない者にとっては非常に有用である。ただそうは言っても、モータードライブ併用でなければならないのも不便な話。日付情報の必要な家族写真などにモータードライブを持ち出すことも難しい。
何より、「データバックMF-18」の出っ張りは、モータードライブを着脱する用途に使うF3では邪魔となり、事実上、モータードライブ付けっ放しのF3でしか使えぬ。
(取扱説明書によると、カメラにフィルムが装填されている状態でモータードライブの着脱を行うとカブリが生じる危険性があるとのこと。我輩はそれを承知で、パトローネの軸から光が漏れないよう注意して行うことがある。作業中にカメラを逆さまにすると、パトローネ軸が僅かに底から離れ隙間から光漏れを起こすので要注意。)


さて、我輩のメインカメラは35mm判は「Nikon F3」、中判は「BRONICA SQ-Ai」となっている。
F3については、前述のようにモータードライブを常用した使い方をしていないため、モータードライブ専用の「データバックMF-18」は使えない。またSQ-Aiには、日付写し込み機能を持つアクセサリは初めから用意されていない。

こうなると、フィルム現像後にどのカットがいつ撮られたのかということが分からなくなることがある。特に、自宅での撮影は外出等のイベントとは異なり日常的で記憶が曖昧になる。
芸術性を優先させた写真であれば、特に日付などどうでも良いのであるが、家族写真などは日付情報が無いと見る目に物足りない。そのような写真には日付をぜひ記入しておきたい。
そこで、フィルム現像後、記憶を頼りに色々と推測することになる。
以下、推測した写真の例をいくつか挙げてみた。


●写真1
自室で撮影した1枚の写真。
日付がどうしても思い出せない。
9x高倍率ルーペで隅から隅まで探ってみる。すると、「スターウォーズ・エピソード2」のパンフレットが写っているのを見付けた。これにより、少なくともスターウォーズを観た日よりも後であることが判った。
この絞り込みにより、より狭い範囲の記憶に集中することが可能となり、結果的に写っている服装から日付を特定するに至った。

●写真2
居間で写した1枚の写真。
これも日付が不明であった。
見たところ日中での撮影。時計も午後1時頃になっており、少なくとも平日に撮られたものではないと思われた。
しかし、土日に撮影したという前提で考えると、幾つか矛盾する箇所があり納得出来ない。
更に画面をルーペで探ってみると、紙切れが1つ写り込んでいるのが目に付いた。よくよく見ると、それは我輩がオークションで落札した品物が届いた時の伝票のように見える。写真上ではハッキリとは写ってないので確信は無い。
だがカレンダーで確認すると、その品物が届いた翌日に我輩は休暇を取っていたことが判明。
結果、この日と断定した。

●写真3
これも居間で写した写真。
時計が写っていないので時刻は不明だが、陽の入り方からして日中の写真であり、これも休日に撮られたものだと判断した。
だが、フィルムのコマ並びを見ると、どうしても該当する土日が無い。しかも平日に休暇を取ったという事実も無い。
その写真に写り込んでいたヘナチョコ妻の服装もいつものパターンであったため、特定材料とはならない。
手掛かりを得るためにルーペで見渡す。畳の上に置かれた小物の配置からして、どうやら非常に最近の写真であるらしい。そうなると、コマの並びで考えると、なぜか現像に出した日が残される。おかしい。
しかし、更に良くルーペで見ると、陽の入り方が少し浅いように見えた。気のせいかも知れないがそう見えた。それが我輩の記憶を呼び覚ますきっかけとなった。
そうだ、これは現像を出す日に、残り1枚のコマを使い切ってしまおうと出勤前に慌てて撮ったカットだった。やはり、この日だった。

●写真4
これまた、居間で写した写真。
夜の撮影らしいので、休日か平日かの見当が付けられない。コマの並びも参考にならない。
丹念にルーペで舐めて行くと、ボックステッシュの5箱パックが置いてあるのを見付けた。ウーム、普通ならばこのようなものは押入れに入れてあるはず。もしかしたら、これは買ってから間もないものではないか?
ヘナチョコを呼んで見てもらうと、やはりこれは買い物直後の写真だと言う。ヘナチョコがコレクションしている買い物のレシートを探してもらい、日付を特定することが出来た。


・・・このような文章で書いてみると、割とあっけないように思えるかも知れないが、何が日付の手掛かりとなるのかが分からないうちは結構手間取る。その場では判らず、後日ふとしたことで思い当たるようなこともある。
だが、最近はそのような「謎解き」が面白く感じることも事実。ヘナチョコと一緒になってああだこうだと日付の手掛かりを探る。
そして、苦労して判明した日付であればあるほど、達成感もまた大きく感ずる。

妙な話だな。