2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
 F3 (F3H)
 FM3A
 FM2
 FM
 FE2
 FE
 FA
 FG
 FM10
 FE10
 F4
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Canon
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CONTAX
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RICOH
 XR-7M II
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カメラ雑文

※「2ちゃんねる」という掲示板群から「キャノン=手抜きカメラという現実 」などという見出しにて本ページへ直接リンクしているケースが多くあるという情報を得た。ここは、個人の経験の範囲内で述べる個人の感想文のため、何かの主張を正当化させるためのソース(source=情報源)とするには不適当である。ソースを求めて来訪した人間にはお帰り頂くことを願う。
[377] 2002年10月01日(火)
「キノン」

キヤノンAシリーズのシャッター鳴き現象はかなり有名である。
「シャッター鳴き」などと呼ばれているから、我輩などは「シャッターの軸が油切れしたのだろうか?」と思っていたものだ。
しかし、実際に分解してみると、シャッターではなくミラーの駆動系の問題だと知った。ミラー上下に伴うバタつきを抑えるためのダンパーとして使われている減速器(ガバナー)が原因だった。この歯車の軸が油切れとなった時、高速回転するその歯車の軸が擦れてキュンキュン音を立てる。

ところで、今月の「写真工業10月号」はニコンFM3Aを特集していた。
その中で、FM3Aのミラー駆動系についての解説と図解があり、それによるとFM3Aはミラーショックを軽減するためのダンパーとして、フライホイールを使ったガバナーを採用しているとのこと。これは、キヤノンAシリーズと同様な方式である。

昔のFEやFMではエアダンパーを使っていたそうだが、スペース節約のためにFM2以降からガバナーに切り替えていたという。
FM2も1984年発売と、かなり昔のカメラである。発売年から数えて18年もの歳月が経っている。それにしても、今までFM2系でシャッター鳴きが起こったという話は聞いたことが無い。
同じような構造でありながら、キヤノンAシリーズではかなりの確率でシャッター鳴きが発生し、ニコンFM2では発生しないというのはどういうことか。
それは、企業の体質による。

キヤノンは元々新しい技術に意欲的であり、常に時代の最先端を行く企業である。
それと同時に、商売が非常に上手く要領が良い。
特に強化プラスチック(ABS)を大幅に採用し、一体成形によるコスト削減を推し進めた。その結果、安価な交換レンズでは金属によるヘリコイドではなくプラスチックのカムに変えられグラグラして頼りなく(ピント精度はAFで何となくカバーしている程度)、ちょっと打ち所が悪いとすぐに破損し重修理となる。製品自体が安いため、結局は価格以上の修理費を払って直す者などいない。これは、消費者の使い捨て意識を植え付ける一因にもなっている。全くけしからん。
耐久性など全く考えず、生産効率だけしか考えていないのだ。しかも、その手抜きが当初は分かりにくい。

そう言えば、キヤノンEOS600/700シリーズのシャッター油漏れもかなり有名。
これは、シャッターユニットに取り付けられたショック吸収用のゴムが劣化し、油状になってシャッター羽根に付着するというもの。放っておくとシャッタースピードが大幅に狂う。
かなりの確率で発症する症状であるため、これは欠陥と言って良いほどの問題であるのだが、発売から15年くらい経っているためかキヤノン側では時効が成立したとの認識で、修理には堂々と金を取っている(多少控えめな値段設定ではあるが)。

このような手抜きを得意とする企業であるため、長期間の使用を前提としたカメラ作りなど期待するべくも無い。
しかし、ユーザーが古いカメラを永く使うということは、新しい製品を買ってくれないということを意味する。キヤノンは企業という立場から、ユーザーが一定期間ごとに買い換えをしてくれるよう、積極的には耐久性の問題に取り組まなかったのだろう。
それはつまり、未必の故意の結果(敢えて耐久テストを行わなかった)とも言えなくも無い。

そうは言っても、利益ばかりを追求するのは真の企業とは言えない。企業というのは、社会に貢献してこそ企業である。そこは勘違いしてはならない。
人や社会にどのように役に立つ存在となるか、それこそが、その企業が存在するための意味である。

複雑な現代社会に於いて一つの役割を分担させてもらうこと、それが仕事と言える。そして、同じ仕事に取り組む集合体が企業である。
企業が自らの役割を考えれば、自ずと何をすべきかに行き当たることになろう。それが結果として利益を生むことに繋がる。もしそうでなければ、企業は金を搾取するだけの寄生虫である。金さえ儲かれば社会に貢献しなくとも良いというのでは、悪徳商法やヤクザと何ら変わらない。

キヤノンは今、自分を見失い、何をすべきかということを忘れている。
ユーザーを啓蒙し育てることすら忘れ、消費者の無知につけ込み、イメージだけで製品を安く売り捨てる。そこには、使い捨て時代の反省など全く無い。故障し修理に出そうとすれば、「新しいカメラを買ったほうが良いですよ」と言われるほど。確かに、店頭には安い新製品がズラリと並んでいる。たいていの者は、故障したボロカメラに金をかけるよりも、新型ボロカメラの購入を選ぶだろう。
こんな世の中、何か間違っている。「これが資本主義だ、これが世の中の流れだ」などと開き直るにしても程があろう。
キヤノンは社会に対する企業理念など微塵も無いのか?


適当にカメラを作って電子的につじつまを合わせるという企業キヤノンであるから、我輩は今後間違えて「キノン」と書いてしまっても、面倒だから気にしないことにしよう。
そんなところに精度を求めても仕方無い。イヤなら読む時に「キヤノン」と修正すれば良いだけの話。
ノンよ、そういうのはお得意なんだろう?

(2002.10.02追記)
そう言えば思い出したが、AL-1の電池室蓋も破損し易く、その不具合の個体をよく見かける。我輩の場合はハンダコテでプラスチックを補修出来たのだが、一般人ならばそれも出来まい。
たった1つの部品の強度が足らないばかりに立派な一眼レフカメラが用無しとなるとは本当に消費者泣かせと言うほか無い。
それにしても、電池接点用バネの強い力に対して小さなプラスチック部品で留めているというのも無謀な設計だな・・・。




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