2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[346] 2002年04月15日(月)
「ズームレンズが欲しい」

我輩がズームレンズに初めて触れたのは、今でもハッキリと覚えているが中学生の頃だった。

当時、通称「クラッシャー・ジョウ」という友人がいたが、ソイツのオヤジさんはカメラに入れ込んでいるようで、ジョウもそのお下がりを使っていた。 ジョウのメインカメラは「PENTAX K2-DMD」。当時の我輩はカメラの種類などあまり知らなかったのであるが、事あるごとにジョウがそのカメラのフルネームを連発するので、妙に脳裏に残っているカメラ名である。

ジョウはその日、自慢のカメラにズームレンズを付けて来た。
当時はまだズームレンズは馴染みの無い珍しいものであり、ジョウもそのことで少しは自慢モードに入っていたように思う。
我輩はそのレンズに触れてみたかったが、自慢する相手の機材に関心を示すのはシャクでもあり、大して興味もないフリを装った。そのため、貴重なズームレンズとの出会いはニアミス程度に終わったが、それだけにかえってズームレンズに関心が高まった。
事実、その後我輩は貯金の末にキヤノンの望遠ズームレンズ「NewFD100-300mmF5.6」(参考:「雑文055」)を購入した。

ところが、仲間内でも70-210mmレンズなどを購入する者が現れたり、メーカー(特にレンズメーカー)がズームレンズを多く発売し始めたことにより、だんだんとズームレンズに対する物珍しさが薄れていった。現在に至っては、もはや単焦点レンズのほうがマニアっぽいとさえ言われる。
少なくとも、35mmカメラに於いてズームレンズは食傷気味でゲップさえ出る状態なのだ。


さてここ最近、我輩は長期休暇の計画を立て、撮影機材の調整(機材選定やテスト撮影)などを始めている。今回は中判66サイズでの撮影である。
ところが、中判カメラのレンズというのはどうにも大きくて仕方が無い。フィルムサイズが面積的に大きくなると、それに必要なカメラ機材は容積的に大きくなる。つまり、平面は長さの2乗に比例して大きくなるが、体積は3乗に比例して大きくなる。
フィルムサイズがちょっと大きい中判カメラでは、1つ1つの機材がどれもこれも3乗に比例しているので、当然ながらレンズ本体は大きく重い。

他はどうか知らないが、ゼンザブロニカSQ用の交換レンズは金属製でガッシリとしている。強度を持たせるために仕方無いことであろうが、その大きさと相まって重さはゆうに35mm一眼レフカメラボディ1台分ほどもある。
(確かに標準80mmレンズならば490gと軽量であるが、同じ標準レンズが何本もあっても意味が無い。)

我輩は、今回の撮影目的として情景描写を考えており、比較的広角なレンズを使うつもりでいる。だが、滅多に行けぬ時間と場所であるために、撮り逃しの無いように万全の準備をしたい気持ちもある。従って、広角レンズと共にもう少し長焦点のレンズも持って行きたい。その選定が悩み所。

そんな時、ゼンザブロニカのホームページを見て、「50-100mm F4-5.6」が5月に発売されることを知った。50mmと言えば、66サイズではそれなりの広角で文句は無い。35mm換算で言うと27.5-55mmに相当する画角だそうだ。
重さは1kgとそれなりに重いが、長焦点レンズ(例えばマクロ110mm F4.0)でもそれくらいするので、そのようなレンズを更に追加するよりも、このズームレンズ1本だけで済むならば有り難い。写真で見る限り、全長もそれほど長くない。

そうは言っても値段は20万円に近く、購入には一大決心が必要となる。そもそも、決心しようが今はそんな金が無い。5月発売とのことだが、我輩にとってみれば来年の5月発売でも同じである。どうせ買うにしても、それくらいの時間がかかる。
それに、開放絞り値が固定ではないというのも使いづらい。このレンズは、TTL露出計を装着することを前提にしている。だから、ファインダー倍率の高いウェストレベルファインダーは使えないのが残念。
更に、最短撮影距離が1.5mだというのは、いささか長過ぎる。せっかくの一眼レフカメラなのに、距離計連動式の「New MAMIYA-6」の最短撮影距離1mにも及ばないとは情けない。

せっかくのズームレンズの登場であったが、調べて行けば行くほど、問題点が次々と出てくる。もちろん、この問題点は我輩の使い方に於いての問題点であり、素直にその仕様の範囲内で使うのであればこれほど便利なレンズも無かろう。
事実、久しぶりのゼンザブロニカSQ用のズームレンズの登場は、我輩にズームレンズと初めてニアミスした時の心の高鳴りを思い出させた。あと少し性能が良ければ、我輩は借金をしてでもこのズームレンズを手に入れるに違いない。

ああ、ズームレンズが欲しい・・・。