[312] 2001年10月21日(日)
「オモチャ2」
また、オモチャを買ってしまった。
先日の雑文に登場した「ロータス・エスプリ」だが、あれから別バージョンのエスプリを見付け、早速購入・撮影した。
・・・今回のカメラ雑文、それだけの内容。別に、取り立てて雑文に書くような話でも無い。ただ、同じように見えるエスプリの写真でも、こだわる人間にとっては重要である。
昔、「宇宙戦艦ヤマト」が流行った頃、プラモデルメーカーから類似商品が幾つも出され、本家の品切れに気を紛らす子供たちに買われていったものだ。
中でも、普通の戦艦プラモデルを発売していたメーカーは、パッケージの絵をアニメ調の宇宙を舞台にしたものに変え、中身はそのままで再販したりした。名前は「戦艦大和」ではなく、「戦艦ヤマト」。明らかに意識していた。
プラモデルに限らず、世に出る製品のほとんどが鋳型となる金型(かながた)を使って生産されている。金型は大量生産の要(かなめ)であり、製品を大量に作れば作るほど、1つ当たりの単価が安くなる。
プラモデルの金型の場合、小さな細かい部品が多く、1組で数百万円もするものは当たり前。それ故、金型費用を分散させるには多くの製品を売らねば元が取れない。
「戦艦ヤマト」の場合、海に浮かぶ船として作られた「戦艦大和」をそのまま流用して宇宙船として再販した。これならば新たな金型は必要無い。
子供相手であるから、まさしく「子供騙し」でお茶を濁すわけだ。
さて、前回紹介したエスプリはえんじ色であったが、今回はイエローの鮮やかなボディ。よく見ると、各パーツが前回のものと微妙に異なっている。単に色違いバージョンであったならば購入は見送ったに違いない。
手にとって比べてみると、ボディはもちろんのこと、隠れたエンジン部分や裏側の足周り、ファンクーラーなどの形状もそれぞれに違う。これは子供用じゃないな。
「大人のオモチャ」などとバカなことを言うわけではないが、これはまさしく「大人のホビー」だと感じさせる。ほんの小さな違いならば、共通部品で済ませようとするのが合理的な作り方である。だがこのオモチャは、何から何まで違いを再現しているのが感動的。細かく見ない者にはどうでも良いことであるが、じっくりと見ていくと新たな発見があるという深さがマニア向けと言えよう。
いやー、いい仕事してるな。
こういうものを前にすると、こちらも「良い写真を撮ろう」という気になる。
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