2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
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5.カメラ雑文
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カメラ雑文

[308] 2001年10月08日(月)
「ホメ殺し」

最近のデジタルカメラの性能向上は素晴らしいものがある。
そのスタート地点はレベルが低くビデオカメラとの共用CCDである35万画素程度であったが、現在では一般消費者向けクラスで600万画素にまで届いている。
我輩が以前雑文にて指摘したデジタルカメラの問題点も、今ではいくつか緩和されてきているのは認めざるを得まい。

確かに、趣味の世界でも使われてきたリバーサルフィルムの画質は圧倒的である。しかし、それはどう考えても我々小市民には不相応な画質である。その画像の緻密さ(dpi)や色深度(色数)は、デジタルではどうやっても乗り越えられぬ問題ではあるが、実質的には不要であると言わざるを得まい。そういった曖昧な高画質をバッサリと断ち切り、もっと現実的な部分で実力を伸ばしてきたのは評価に値する。結局、行き着くところは「画素数」だということだ。画素数さえ多ければ、皆、手放しで高画質を認めてくれよう。

パソコンディスプレイなどの低解像表示装置(100〜150dpi)や印刷物のような反射媒体で表現される写真は、デジタルカメラのクオリティの範囲に充分含まれる。パソコンディスプレイは200万画素程度の解像度、印刷物にはフルカラー1600万色の色数があれば良い。
それに比べ、リバーサルフィルムは4000dpiを軽く上回り、色数も億の単位を越える(どちらもデジタルデータ換算)。そのようなもので撮っても、所詮はパソコンや印刷で鑑賞するのであるから、ムダな性能と言う他無い。

また、一眼レフ形式のデジタルカメラが数機種しかないというのも、「消費者が選択に迷わぬように」という有り難い配慮である。我々は何も考えること無く、目の前のカメラを手に取るだけで良い。
しかも、最低でも30万円を越えるその価格は、他のこまごました付属品を安く感じさせ、まとめ買いをしやすくしてくれる。実に有り難い。

メーカーが今までコンパクトタイプのデジタルカメラしか普及させてこなかったのは、一眼レフ型デジタルカメラを購入する者に購入金額に見合った優越感を提供するためである。
その点、銀塩カメラでは一眼レフカメラの価格は5万円〜20万円と幅が広く、しかもそれらの写りがそれほど変わらない。せっかく高い金を出して購入した高級カメラであるのに、結局は腕の差だと言われてしまう理不尽さ。

そんな不平等が起きないよう、メーカーは一眼レフ型デジタルカメラだけは一般に普及させないために高価格を維持してくれているのだ。
最近出たキヤノンの一眼レフ型デジタルカメラ、価格が75万円というではないか。これでまた、一眼レフ型デジタルカメラを所有するステイタスが味わえることになる。

高いカメラを買えば買うほど良い写真が撮れる。デジタルカメラはそんな理想の世を現実化してくれる救世主様なのだ。
「腕の差だ」などとフザけたことをぬかす奴らの時代は、21世紀の時代で終焉を迎える。全てはデジタルカメラのおかげ。感謝しても、し過ぎることは無い。


(2005.02.07追記)
この雑文の意味が分からぬ場合、まずは「誉め殺し」について国語辞典で調べることをお勧めする。